ハイスクールD・D・D(更新停止中)   作:ラグナクス

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2人も感想を書いてくださってテンションが上がりました!
しかし、そんなテンションでも今回はなかなか難しかったです。戦闘(?)自体は簡単でしたがそこまで行くのが・・・。キャラもあまり動かせませんでしたし


青龍vs赤龍帝

【絶斗side】

 

蒼「これは宣告だ。これより、悪魔は許可なく日本に在することを禁じる!」

 

蒼枒さんから発せられた宣告。それは悪魔が日本に踏み入れることができなくなるものだった。・・・でも奥さんを抱えながら言うことではないでしょう!

 

イ「いきなり何言ってやがる!」

 

サ「待ちなさいイッセー君!・・・理由を聞いてもいいかな?」

 

蒼「理由だと?つい先日言ったばかりだろう。害を与えたら容赦しない、と」

 

サ「害?テロリストの目的は私たちだった。君たちに被害が出たわけではないだろう?」

 

魔王様、それは違う。蒼枒さんの言っていることは時間停止についてだ!

 

蒼「被害が出なかっただと?時間停止の影響がどれ程のものか知らないからそんなことが言えるんだろうな」

 

リ「影響?何があったっていうの?」

 

蒼「時間停止は気流も地脈もすべての流れを止めるものだ。その影響内は何の問題もないだろう。だが影響範囲外ではそうはいかない。片や流れが堰き止められ、片や全く流れのない状態が出来上がりだ!そして時が動き出すと堰き止められていた流れが解放される。それはまるでダムが決壊するがごとく。俺たちはその決壊を防ぐため自らを受け皿にし、流れ元に戻すよう調整しなければならなかった。自らを受け皿にするため世界からの修正力もすべて受けるはめになる。これが害以外の何になるんだ?」

 

強大な力にはリスクが伴う。時を止めるほどの力を使っているのにギャスパーには何の影響もない。それは単にギャスパーの潜在能力が高いからだと思ったがそんなことはなかった。代わりに受けていた方がいたから平気なだけだったのか

 

イ「時間を止めたのは旧魔王とかいうテロリストのせいだろ!なんで俺たちが出ていかなきゃならないんだ!!」

 

蒼「旧魔王だろうが魔王だろうが関係ない。同じ悪魔だろ?そこに違いはない」

 

それは俺もわかる。俺も悪魔になってから日は浅いのもあるが旧魔王派なんてものは知らなかった。だから他勢力・他神話である蒼枒さんたちからしたら旧魔王派も悪魔には変わりないのだろう

 

白「ちょっと待ってください。いきなり追い出すのはよくないのでは?」

 

イ「白音ちゃん・・・」

 

イッセーがうれしそうな声を出す。だけどな・・・

 

白「いきなり消えるの学園の方にも怪しまれてしまいます。卒業と同時に消すのが不自然に思われないのでは?」

 

彼女たちが悪魔の味方なわけないだろう。って何落胆の表情しているんだ!

 

蒼「そうだな・・・確か悪魔は皆2学年以上だったな。ならば今の2学年が卒業するまで、正確には再来年の3月31日の午後11時59分59秒までだな。今俺の目の前にいる悪魔のみ、日本に在することを認めよう。だが次の日である4月1日になった瞬間、お前たちを含め許可のなき悪魔は日本に在することを禁ずる。反するものはすべて殺す」

 

・・・決められたか。当然とは言え苦しいな。俺たちが日本にいられるのもあとわずかか。神様の言うことだ、よほどのことがない限り反故することはないだろう

 

リ「そんなの聞き入れるわけないじゃない!」

 

匙「そうだ!なんで俺たちがお前なんかの言うことを聞かなきゃならないんだ!」

 

なんであんなにプライドが高いんだあの2人は!馬鹿だろ!

 

蒼「別に聞かなくてもいいぞ。だがその時は・・・」

 

リ「ヒッ!!」

 

蒼「今ここで殺すだけだ」

 

やはりというべきか、蒼枒さんの動きは目に見えない。姿がぶれたかと思うと刀の切先を部長に向けていた。そして、目の前に剣を突き付けられ悲鳴を上げる部長。これは部長を人質に取られたか?そんな無駄な事をするとは思えないけど

 

黒「一応人質?がとれたにゃ。さて、黙っている魔王たちはどうするかにゃ?」

 

葉「できれば聞き入れてくれたほうが私たちとしても助かりますけど(後処理という意味で)・・・どうでしょうか?」

 

白「どちらでもいいと思いますよ。どうせ何一つ守らない種族ですし。聞き入れても結局は無断で来ると思います」

 

信用ないな。いや、被害にあっている側からしたら当然なのかもしれないな。何せ東雲姉妹の2人は悪魔にされるために殺されかけてるんだし

 

サ「わかった。その「部長から離れやがれぇぇぇえええ!」」

 

魔王の言葉を遮り、左腕に赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出したイッセーが部長を助けるために飛び出した。殴り掛かるイッセーだったが蒼枒さんはバックステップで躱し距離をとり、イッセーは部長をかばうように間に入った

 

リ「イッセー・・・」

 

イ「部長!大丈夫ですか!?」

 

リ「ええ、私は大丈夫よ」

 

俺とゼノヴィアを除いた眷属が部長を心配し、集まる。部長からしたらイッセーは自分を助けてくれたヒーローに見えるかもな。・・・変態のヒーローか、俺は嫌だな

 

蒼「邪魔だ、変態」

 

イ「うるせえ!三大勢力が和平を結んで、世界が平和になる1歩を踏み出そうとしているところを邪魔しようとしてるのはお前たちだろ!」

 

蒼「三大勢力?どこがだ?」

 

イ「俺達悪魔と堕天使、そして天使に決まっているだろ!」

 

蒼「ハッ!たかが一宗教内で分かれたものが三大勢力だと?笑わせる!」

 

言われてみれば確かにそうだ。世界には多くの神話・宗教が存在しているのにキリスト教に属する悪魔・天使・堕天使それぞれが一大勢力と言われているのはおかしい。だがそれをそれぞれのトップがいるこの場で言うのはなんだかな・・・。イッセーは馬鹿にされたことを怒ってまた殴り掛かってるし

 

絶「イッセーは大丈夫なんですかね?勝てる要素などかけらもないと思うんですけど」

 

ミ「大丈夫でしょう。彼にはである聖剣アスカロンを授けています。いくら青龍といえども龍殺し(ドラゴンスレイヤー)を受ければ一溜りもないでしょう」

 

絶「いつの間に・・・」

 

なんでも会談が行われる直前にミカエルさんがイッセーに授けたらしい

 

朱「ついでにアーシアさんとゼノヴィアさんが祈っても頭が痛くならないようにお願いしてましたわ」

 

ゼ「ああ、だからか。いきなり痛みがなくなったのは」

 

リ「ゼノヴィアはイッセーにお礼を言わないとならないわね」

 

ゼ「特に頼んだわけでもないのだが・・・そもそも痛みも慣れてきていたせいか痛みも我慢できないほどではなかったのだし」

 

絶「それは後でもいいだろ。イッセーにアスカロン?を渡したみたいですが、剣を使えないと思うのですが・・・」

 

サ「それなら大丈夫だよ。アスカロンは赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)に融合しているからね、龍殺しの属性を問題なく使えるはずだよ」

 

嫌それでも無理だろ。そもそもイッセーの攻撃が当たるとも思えないし

 

イ「ふざけんなぁぁぁぁ!!!」

 

『Welsh Dragon over boost!!』

 

サ「!!イッセー君が『禁手化(バランス・ブレイク)』を果たしたようだね。これで青龍もおしまいだろう」

 

イッセーが叫びをあげると赤い鎧に全身が包まれる。確かに『禁手化(バランス・ブレイク)』を果たしたことでイッセーの力が跳ね上がっただろうが、それは楽観しすぎじゃないのか?俺はイッセーが何倍に力を増やしても蒼枒さんに勝てるイメージが浮かばないんだが

 

 

 

(ヴ「赤龍帝も至ったか。)

(黒「だから何だって話だけどにゃあ)

(白「そうですね。戦いも神器頼りですし)

(葉「何より速さが足りません)(あんなのが当たるわけないでしょう」)

 

 

 

【3人称side】

 

イ「オラァ!!!」

戦いは一方的だった。イッセーは幾度となく拳を突き出し、殴り掛かかり攻め続ける。だが10秒ごとに倍加しているとはいえ次第に息が乱れ疲れを見せ始めた。それに対し向かってくる攻撃をすべて避けたにも関わらず、涼しい顔をして立つ蒼枒は汗一つかいていなかった

 

イ「はぁ、はぁ、くそ!なんで当たらねえ」

 

蒼「お前程度の攻撃が当たると思っていたのか?」

 

イ「くっ(だが倍加は行っている。今はだめでも時間が経てば・・・)」

 

蒼「お前は邪魔だから邪魔で大人しくしていろ」

 

蒼枒はそう言って手から蔦を出した。イッセーは避け様とするが、広範囲に広がっていため逃げ切ることができず、俵巻きに抑え込こまれ地面へと転がった

 

イ「ぐっ。・・・くそっ」

 

イッセーは芋虫状になりながらもなんとか立ち上がろうとする。その様子を見ていた蒼枒はもう動けないだろうと背を向けた

 

イ「部長たちのもとには、行かせねえぇ!!!」

 

蒼「(人のことは言えないが何故悪魔をそこまで守ろうとするのか・・・)なあ変態。このことは知っているか?お前の家の改装計画」

 

イ「なんだよ突然!・・・部長がなんか行ってた気がするが」

 

蒼「なんだ聞いていないのか?まあ、それを行おうとしていた悪魔はもちろん殺したんだが・・・その悪魔たちは何をしようとしていたと思う?」

 

イ「何って、家の増築するだけじゃないのか?人も増えたし」

 

蒼「そうだな。確かに増築には変わりなかったさ。お前の家の両隣を巻き込んでな」

 

イ「・・・え?」

 

何を言っているかわからないイッセーに対し、蒼枒は続けて説明した

 

蒼「悪魔が言うにはお前の家をマンションみたいにしたかったらしい。だがそれには敷地が足りなかった。そこでお前の家の両隣を潰して土地を確保し、そこに建てるらしかった。さて、悪魔は計画に巻き込まれた人はどうなると言っていたと思う?」

 

イ「・・・どこかに引っ越しさせる。とか?」

 

蒼「確かに引越といえば引越だな。中にいる人を家ごとまとめて魔法陣でどこかに飛ばすという方法だがな」

 

イ「!?」

 

驚きを見せるイッセーは蒼枒を見ているが、その後姿だけでその表情は見えなかった

 

蒼「その様子から見るに、悪魔がどんなことをしているか知らなかったようだな。だがこれで分かっただろ。俺が悪魔を日本から追い出そうとしている理由が」

 

蒼枒は悪魔たちのところに行こうと歩を進めた

 

イ「ま、待ちやがれ!」

 

蒼「そこで大人しくしていろ。先ほどの宣告を受け入れればそれでよし、受けなければ跡形もなく消す」

 

イ「なら部長は・・・」

 

蒼「純血悪魔は消すと言ったはずだ。転生悪魔は人間に戻す必要があるがな」

 

消す。その言葉がイッセーの頭の中に響いていた

 

イ「(消える・・・跡形もなく・・・あのおっぱいも・・・)ふ、ふざけんなぁぁぁぁ!!!」

 

『Welsh Dragon over boost!!』

 

身体を縛っていた蔦を引きちぎり、立ち上がるイッセー。彼の全身が赤い鎧に包まれ、力が膨れ上がる

 

イ「うおおおおおおおお!」

 

『boostboostboostboostboostboostboostboost!!』

 

それは赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)と呼ばれるもので赤龍帝の力を具現化させた赤い全身鎧。何度も掛け声が掛かると一瞬で限界まで倍加をした。『禁手化(バランス・ブレイク)』したことで一気にパワーが増大し、さらに倍加もしたことでその速さも発せられる圧も先ほどまでとは段違いに強くなっていた

 

イ「くらいやがれぇぇぇ!!!」

 

イッセーが主人公の世界だったのならば、蒼枒は殴られ、その勢いのまま反撃することもできず再起不能になる。そして妹達はイッセーのハーレムに加わり、主人公の踏み台として終わっていただろう。だがそれはこことは別の世界。イッセーの目の前にいるのは日本歴代で最強の青龍。わずか50年で主神級の力を持ち、白龍皇を無傷で破った者。そして何より悪魔を忌み嫌う蒼枒が転生したといえ悪魔であるイッセーに油断するはずもなく・・・

 

 

チン・・・

 

 

刀が鞘に収まる音が響いた。音が聞こえなかったイッセーは自身の利き腕である左で拳を突き出したが、背後から襲い掛かったにもかかわらず蒼枒は首を傾げられるだけで避けた。さらに腕が伸びきったところを蒼枒に掴まれたため、イッセーは慌てて腕を引いたが

 

イ「・・・ぎゃあああああああ!!!」

 

ド『相棒!!!』

 

掴まれているはずが簡単に引き抜くことができた。それもそのはず。イッセーの左腕は上腕から切断されていた。

 

イ「ぐ、う、うう。うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

切断された腕から血を流しながらも残っている右手に力を籠め、背部のブースターを噴射して再び襲い掛かる。動かない蒼枒に対し当たる、とイッセーが思った時だった

 

イ「ガッ!ぐはっ!!?」

 

殴ったと思ったものは蒼枒の残像でそこに本人はいなかった。外した、と一瞬そう思ったイッセーは目の前に1本の鋭く大きな棘が地面から飛び出ているのに気付いた。その棘先はイッセーを貫こうとしているため、イッセーは避けるため身体をひねろうとする。だがそれを拒むかのようにイッセーの背中に強い衝撃が襲った。突然のことで体勢を整えることができず、背骨が折れたのではと思うほどの痛みを感じながら吹き飛ばされたイッセー。当然吹き飛ばされる先には棘が待ち構えており、イッセーは赤い鎧ごと身体を貫かれた

 

「「「イッセー!!」」」

 

ド『相棒!相棒!!』

 

蒼「うるさいな。少し黙っていろ」

 

悪魔たちのみならず、手に持つ腕からもイッセーの心配をする声がした。蒼枒は声の主であるドライグを黙らせながら蒼枒は魔王のところに向かう。すると目の前に赤黒い魔力が迫った

 

蒼「邪魔」

 

それに対し表情を変えることもなく持っていた腕を一瞬放すと、落ちる間に魔力を切り刻ざみ、霧散させ放した腕を再び手に取った

 

リ「よくもイッセーを!」

 

蒼「まあ待て、まだ死んじゃいない。それよりも取引といこうか」

 

リ「取引ですって!?あなた何を「待ちなさいリアス。・・・それで、取引というのは?」」

 

大事な眷属であるイッセーがやられたことで激怒するリアスを遮るように前に立つサーゼクス。冷静にしようと努めているその表情は険しいものだった

 

蒼「先程の宣告を聞き入れろ。代価はあそこにいる変態とこの腕、そしてお前らの命だ」

 

リ「私のイッセーにあんなことしておいてよくそんなこと!」

 

蒼「断るか?俺としては後処理が面倒なだけで今すぐ悪魔共を排除してもいいんだが?」

 

そう言って蒼枒は手をあげる。それを合図に三大勢力の周りには多くの妖怪たちが囲うように現れた

 

ミ「いつの間に!?」

 

セ「気配も感じなかったのにどうして!??」

 

蒼「さてどうする?聞き入れるか。それとも他神話の言うことは関係ないとばかりに突っ張り返すか。どちらにせよ早くしないとあれが死ぬぞ」

 

指さすほうには血を流すイッセーの姿が。地面には血が溜まりあまり時間が残されていないことを示していた

 

サ「・・・・・・・・・わかった。宣告を聞き入れよう」

 

リ「お兄様!」

 

蒼「そうか。ならこれは返してやる」

 

そういってイッセーの腕を放り投げる。リアスはそれを受け止めるとアーシアを連れて急いでイッセーの元に向かった

 

蒼「(一応悪魔の音質もとれたし帰るぞ。黒歌)」

 

黒「(了解にゃ)」

 

黒歌が巨大な転移陣を作り出し、続々と妖怪たちが入っていく。学園を覆っていた結界も解かれ、担当していた妖怪、白音、葉月も神宮へと帰って行った。そして蒼枒と黒歌も陣の前に行くと

 

蒼「ここにいない悪魔どもにもしっかりと言い聞かせておけ。別に死ぬつもりなら来ても構わないがな。行こうか、黒歌」

 

黒「にゃ!」

 

腕を絡ませ寄り添いながら転移陣の中へと入っていく。二人の姿が完全に消えると陣も跡形もなく消えた


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