【絶斗side】
リ「さて、行くわよ」
ついに三大勢力の会談の日がやってきた。時刻は深夜、部室にはオカルト研究部のメンバーが揃っているが、当然ながら東雲姉妹はこの場に来ていない。・・・正直言うと俺も今すぐ帰って寝たい
ギ「ぶ、部長!み、皆さぁぁぁん!頑張ってくださぁあああい!!」
部屋の中央、段ボール箱の中から、ギャスパーの声が響いてきた
絶「・・・やっぱり連れていけないんですか?」
リ「今日の会談は大事なものだから、時間停止の
今回の会談に招かれた俺達オカルト研究部だが、目の制御ができないギャスパーは参加ができない。万が一にも指導者クラスを停止させた場合、会談決裂の恐れもあうからだ。だが
絶「何かあったときのために残っておたいんだが・・・」
イ「何かって何だ?」
絶「例えば・・・
リ「流石にそこまで範囲が広がることはないわよ。私としては誰かがいたほうが暴走すると思うのだけど」
絶「う~ん。部長の言うことも一理ありますけど」
対人恐怖症であるギャスパーには誰もいない方がストレスがかからないでいいのか?
イ「ギャスパー、俺の持ってきたゲーム機や漫画でも読んでお菓子でも食べながら待っていてくれ」
ギ「は、はいぃぃ!行ってらっしゃいです~」
俺たちは部室を出た。がイッセー、遊んでる暇があるなら鍛えろよ
リ「失礼します」
グ「どうぞ、お入りください」
部長はコンコンと扉をノックするとグレイフィアさんに勧められ会議室へと通された。そこには特別に用意したであろう豪華絢爛なテーブルを囲むように各陣営、悪魔・天使・堕天使のトップが真剣な表情で座っていた
悪魔側:サーゼクス様、レヴィアタン様、給仕係としてグレイフィアさん
天使側:金色の羽を持つ美男の天使、白い羽根をもった美しい女性の天使、そしてイリナ
堕天使側:総督のアザゼル、ダークカラーの強い銀髪で透き通った蒼い碧眼をした美少年
サ「私の妹と、その眷属だ」
サーゼクスさんが他の陣営のお偉いさんに部長さんと俺たちを紹介し、それぞれの陣営も改めて名乗った。アザゼルの隣にいるのが白龍皇か
サ「そこの席に座りなさい」
サーゼクス様の指示を受け、壁際の椅子へと座る。そこには既に会長を含む生徒会の面々も座っていた
サ「全員がそろったところで、会談の前提条件をひとつ。この場にいる者たちは皆、我々にとっての最重要禁則事項、神の不在を認知している」
この場にいる全員が肯定する様な反応を示した
サ「では、認知している物として話を始めよう」
会談は順調に進んでいる。
ミ「というように我々天使は」
サ「そうだな、その方が良いかもしれない。このままでは確実にどの勢力も滅びの道を・・・」
アザ「ま、俺らには特に拘る理由もないけどな」
サーゼクス様、アザゼル、そして金色の羽天使ミカエル。悪魔、天使、堕天使のトップたちが貴重な話をしている。だが正直言って・・・暇だ!そして寝たい。この世界の事情をあまり知らない俺にとってはさっぱりわからないし、戦争がしたくないならさっさと和平しろと、思う。戦争していた相手とそう簡単にいかないのは分かるけどな
サ「それじゃあリアス、この前のコカビエルの件について説明を」
リ「はい、ルシファー様」
その後、サーゼクス様の勧めに応じて部長がコカビエルの件の説明を始めた。途中、コカビエルの事件に大きく関わった俺とゼノヴィア、木場も補足として説明した
リ「以上が、私、リアス・グレモリーと、その眷属悪魔が関与した事件の報告です」
そして報告が終わった。お疲れ様です、部長。だが問題はここからだろう
ミ「青龍・・・日本にもいたのですか」
サ「私も会ったが、どうやら彼は悪魔を忌嫌っているみたいだ。出来ればこの会談にも参加してほしかったが・・・今は置いておこう。さて、アザゼル。この報告を受けて、堕天使総督の意見を聞きたい」
サーゼクス様の言葉に、アザゼルは不敵な笑みを浮かべ
アザ「先日の事件は『
ていたが何かを思い出したのか微笑が無くなっていた。何があったんだ?
ミ「説明としては最低の部類ですがあなた個人が我々と大きな事を起こしたくないという話は知っています。それに関しては本当なのでしょう?」
アザ「ああ、俺は戦争に興味なんてない。そんなことしてる暇があったら
アザゼルの言葉に悪魔と天使のトップの2人は嘆息しながら
サ「・・・君はそういう男だったね」
ミ「そうですね。
アザ「おいおい、俺の信用は三竦みのなかでも最低かよ」
サ「それはそうだ」
ミ「そうですね」
セ「その通りね」
アザ「チクショー!わかってたが改めて言われると腹立つな!」
どうやら堕天使のトップは他の事寧から信用されてないみたいだ。確かに他の2人に比べて、何というかオーラがない
アザ「もう回りくどいのは無しだ、さっさと和平を結んじまおうぜ?」
ミ「ええ、私も悪魔側とグリゴリに和平を持ちかける予定でした。これ以上三竦みの関係を続けていても、今の世界の害となるだけです。天使の長である私が言うのも何ですが、戦争の大本である神と魔王は消滅したのですから」
ミカエルさんの言葉を聞いたアザゼルは噴出して笑った
アザ「はっ!あの堅物のミカエルが言うようになったな!あれほど神、神、神さまだったってのに」
ミ「そうですね。失ったものは大きい。けれど、いないものをいつまでも求めても仕方がありません。人間たちを導くのが、我らの使命。神の子らをこれからも見守り、先導していくのが一番大事なことだと私たちセラフのメンバーの意見も一致しています」
サ「我らも同じだ。魔王がなくとも種を存続するため、悪魔も先に進まねばならない。戦争は我らも望むべきものではない。・・・次の戦争をすれば、悪魔は滅ぶ」
アザ「そう、次に戦争をすれば、三竦みは今度こそ共倒れだ。そして人間界に影響を大きく及ぼし、世界は終る。お前らは戦争をもう起こせない。神がいない世界は間違いだと思うか? 神がいない世界は衰退すると思うか?残念ながらそうじゃなかった。俺もおまえたちもいまこうやって元気に生きている。神がいなくても世界は回るのさ」
どうやら天使も悪魔も和平に賛成のようだ。俺も戦争するのはごめんだな。それよりも・・・別に聖書の神がいなくても世界が終わるわけないと思う。確かに今いる生物の絶滅は世界のバランスを崩すだろうが、極端な話、一宗教の神様が死んでいただけ。他にも神様はいるだろう。身近なところだと蒼枒さんとか
イ「・・・シアはどうして追放したんですか?」
思考に集中しすぎてイッセーがミカエルさんに何か言ったようだ。追放されたというとアーシアとゼノヴィアだが
ミ「・・・神が消滅した後、システムだけが残りました。これは悪魔祓いや十字架などの聖具へもたらす効果加護、奇跡を
なるほど。つまりシステムを守るためアーシアを追放したのか。悪魔も癒せる
絶「ゼノヴィアが異端扱いされたのも」
ミ「はい。主の死を知ってしまったからです」
ミカエルさんは立ち上がりゼノヴィアとアーシアに向き合って、頭を下げた
ミ「あなたたちが悪魔に転生したこと、それはこちらの罪でもあります。本当に、申し訳ありません」
ゼ「いえ、謝らないでくださいミカエル様。私は教会で育てられた身です。多少の後悔もありましたが悪魔に転生する事を選んだのは私自身です」
ア「ミカエル様、私も今、幸せだと感じております。大切な人たちがたくさんできましたから。それに憧れのミカエル様に蒼いしてお話しできたのですから、光栄です!」
アーシアとゼノヴィアの話に、ミカエルさんは安堵の表情を見せ
ミ「あなた達の寛大な心に感謝します」
礼を言った。それから一拍開けて、アザゼルが口を開いた
アザ「さて、そろそろ俺たち以外に、世界に影響を及ぼしそうな二天龍に2人に意見を訊こうか。まずは赤龍帝、お前は世界をどうしたい?」
イ「お、オレ? 正直、世界がどうこう言われてもよくわからないです・・・」
アザ「赤龍帝。ちょっといいか?」
アザゼルがイッセーに何やら耳打ちをしている。折れには声が小さすぎて何を言っているか聞き取れないが、を吹き込まれているイッセーの顔が見る見るかわり
イ「和平がいいです!!」
一体何があった!?
アザ「次はヴァーリか」
ヴ「俺か。俺の望みは強くなりたい!ただそれだけだ。いくら歴代最強の白龍皇と言われていても所詮は井の中の蛙だったと思い知らされたからな。当分の目標は東雲家に勝つことだ」
・・・・・・はあ!!?蒼枒さんたちこの人に勝ってるの!?だって史上最強の白龍皇って言われてるんだろ!?
サ「・・・勝つことって。君は彼らと戦って一度も勝てないのかい!?」
ヴ「ああ。俺が弱体化したせいもあるが全力で戦っても勝てたためしがないな」
アザ「はっきり言うぞ。あいつらには手を出すな。ヴァーリは全力でない青龍に本当に殺されかけている。コカビエルでさえもほとんど相手をされていなかったんだ。おそらく、俺たちが束になってようやく勝てるかどうかってレベルだ」
どんだけ規格外なんだあの人達は!堕天使陣営以外の全員が驚いたその瞬間
時が止まった