今章から絶斗(ゼット)のセリフをゼ「」から絶「」表記にしていきます
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デートする2組の人外
【アザゼルsite】
俺は今、青龍のいる神宮に来ている。コカビエルの暴走を止めた青龍にことの結末を伝えるためだ
ア「ちょっといいか?今青龍に会えるか?」
銀「蒼枒様ですか?少々お待ちください」
境内にいた巫女の1人に声をかけたが・・・やはり巫女はいいな。しかも美女・美少女が多い。全く青龍が羨ましいぜ
蒼「堕天使の総督か。何の用だ?」
ア「おっ珍しいな!すぐに会えるとは思わなかったぜ」
いつの間にか青龍が近くに来ていた
ア「ちょっと伝えたいことがあってな。今大丈夫か?」
蒼「・・・これから黒歌と出かける。部屋に案内するから手短に話せ」
運が良かった。青龍会えない時は本当に会えないからな。部屋へと案内された俺は目の前に座る青竜へ頭を下げた
ア「コカビエルのことだが・・・すまなかった。あいつを止められなかった俺の責任だ」
蒼「別にアザゼルが謝る必要はない。俺は俺の役割を果たしただけだ。まぁコカビエルのおかげで
青龍の隣には鞘に収められている2本の刀がある。あの片方が
ア「興味はあるが・・・手に取「蒼枒ぁ!」」
俺の言葉を遮り勢い良く戸が開かれると黒歌が青龍に抱き着いた
黒「蒼枒!はやく行くにゃ!」
蒼「黒歌。少し待ってくれ」
黒「・・・わかったにゃ」
黒歌は俺を一目見ると青龍の胡坐の中に収まり、身体を預けた
ア「・・・おい、なんでそこに座った?」
蒼・黒「「何か問題か(にゃ)?」」
ア「問題だろ!青龍も何普通に頭撫でてやがる」
蒼「黒歌がかわいいから仕方がない」
ア「かわいいから。じゃねえよ!」
人の前でイチャイチャしやがって!独り身の俺のことも考えろ
黒「ふ~ん。顔も悪くないし総督って立場なら相手は困らなかったと思うんだけどにゃあ」
蒼「どうせ他のことに熱中し過ぎか、遊んでたんだろ?何百年も生きて相手もいないんだ。そんなところだろう」
当たらずも遠からずってところだが、バラキエルの奴から聞いていたのか?確かに
蒼「そんなことはどうでもいい。・・・それで?コカビエルはどうなった?」
ア「ああ。コカビエルはコキュートスに封印した。もう、出てこれないだろうがな」
出来れば封印なんてしたくはなかったが、これから重要なことがある。あいつを軽い処分で済ませることはできなかった
ア「コキュートス、か・・・ハデス様に使用許可は取ってるんだろうな?」
ア「いや、取ってないが・・・」
何か身体が重く感じるな。というか青龍から不穏なオーラが発せられてるんだが
蒼「コキュートスはハデス様が管理されてる場所だろうが!さっさと謝りに行ってこい!」
青龍によって文字通りたたき出された俺はハデスのもとに向かった。あいつ苦手なんだよなぁ
【蒼枒side】
アザゼルをたたき出し、俺と黒歌は隣県の大きな街に来ていた
黒「デート♪デート♪蒼枒とデート♪」
ピョンピョン跳ねながら俺の腕を引っ張る黒歌。黒の和服に大きな牡丹があしらわれているものを着ている。俺も和服なわけだが・・・そもそも家には洋服がない。例外は葉月と白音の制服のみでそれ以外はすべて和服だ
黒「蒼枒、どうかしたにゃ?」
蒼「何でもないよ」
反応がない俺を心配してか立ち止まるもすぐ引っ張られ、複合商業施設の中へと入った
蒼「ああ、もう。本当にかわいいな」
店の商品には目もくれず俺は黒歌だけを見ていた。今は猫耳と尻尾は隠しているが跳ねるたびに艶やかなで綺麗な髪が左右に揺れる。綺麗で美人でかわいくて、スタイルも良くて甘えん坊で。最高の妻だよ、黒歌は」
黒「にゃあん。うれしいにゃ」
おっと口に出てたか。言おうが言うまいが黒歌を愛してることには変わりない。引っ張っていた腕に腕を絡め、俺へと寄り添いながら
黒「私も、かっこよくて、温かくて心地よくて、私のことをこんなに思ってくれている蒼枒が大好きにゃ」
周りの目など関係ない。俺と黒歌は互いに顔を向け会うと目をつむり唇を合わせた
【絶斗side】
絶「ゼノヴィア。忘れ物はないか?」
ゼ「大丈夫だ。心配性だな、君も」
学校の休みも今日で最後だ。だから今日のうちにゼノヴィアに必要なものを買いに行く必要がある。何せ本当に必要最低限しか持ってなかったからな。外出用の服もなかったからネットで急遽頼む必要があった
ゼ「それで、今日はどこに行くんだ?」
絶「少し遠出して大きな街に行こうと思う。店も多いし色々必要なものがあるだろう」
生活消耗品等は買い置きの予備があるが布団はいつまでも客人用のを使わせるわけにもいかないし何より服がない。元々コカビエルのことが片付けば帰る予定だったためこれは問題だ
電車に乗り1時間も掛からずについた街で早速買い物を始めた。服はまだいい、ゼノヴィアはスタイルもいいし綺麗だからな。店のいろんな服を着て見せてくれたがどれも似合っていた
ゼ「絶斗!これはどうだ!」
絶「ああ!似合っているぞ」
ゼ「これは?」
絶「綺麗だ」
ゼ「この服はどうだ?」
絶「・・・」
ゼ「絶斗?」
絶「・・・ごめん見とれていた」
ゼ「そ、そうか・・・ならこれにしよう」
正直他の男に見せたくないと思ったりしていた。服を買い終え、次の店に入ったんだが・・・
絶「ダメだ」
ゼ「何故だ?今のままでは一緒に寝れないじゃないか」
絶「いいか?俺たちは学生なんだぞ。一緒に寝るのはまずい。俺がいつゼノヴィアを襲うかもわからないし・・・」
ゼ
絶「何か言ったか?」
ゼ「いや、何でもない!」
ダブルベットを最初に選んだときは驚いたがベットは1人用のをしぶしぶ選んでもらった。だが憧れるよな。朝起きたらゼノヴィアの寝顔が・・・って何考えてるんだ俺は!!!
ゼ「どうかしたか?」
絶「いや、なんでもない」
手を繋ぎ、隣を歩くゼノヴィアが急に頭を振り出した俺を心配して顔を覗き込む。ゼノヴィアの端正な顔が目の前に写る。何でもないように装うが心臓はバクバクと煩い。ゼノヴィアに音がばれないか心配だ
「おいさっきの見たか?すげえ美人だったな」
「もちろんだ。黒の和服を来た美女だろ」
「くそ~。隣に男がいなきゃ声かけたってのによ」
すれ違いざまに気になることを聞いた。今の時代に和服を着る人なんてそうはいない。それに黒の和服の美女っていうと1人しか思いつかない
絶「まさか・・・」
ゼ「絶斗、どうしたんだ?」
思った通り。店の前には見知った二人の姿があった。青く銀色に輝く髪をうなじと毛先でまとめ、着物に下駄を履き歩く人の姿。隣には髪から下駄まで黒一色の同じ髪型をした女性、蒼枒さんと黒歌さんがいた。距離は結構あったはずだが唐突にこちらを向いた蒼枒さんと視線が合った
絶「・・・はぁ、見つかったか」
ゼ「絶斗。一体どうしたんだ?誰に見つかったんだ?」
絶「知り合いっていうか一応剣の師匠に当たる人っていうか・・・コカビエルを倒した人に見つかった」
ゼ「何!?」
絶「あまり会いたくなかったんだけどなぁ。悪魔のこと嫌いみたいだから」
だが見つかった以上無視するわけにもいかず、ゼノヴィアを連れて蒼枒さんのところまで行った
蒼「奇遇だな。こんなところで会うなんて」
絶「そうですね。御2人はデートですか?」
蒼「そうだ。黒歌の水着を買いにな」
黒「今年はみんなで海に行くにゃん」
ゼ「へぇ、海か」
絶「ゼノヴィアは海に行ったことはないのか?」
ゼ「遊びではないな。訓練か討伐でしか行ったことがない」
そうか、そうだよな。今まで戦いの中で生きてきたんだ。あまり遊ぶなんてことはしてこれなかったんだろう
絶「なら、夏休みに海に行くか?」
ゼ「本当か!?だが水着が・・・」
黒「私が選んであげるにゃ!」
ゼ「え!ちょっと!!?」
黒歌さんがゼノヴィアの手を取り店の中へと入っていった
蒼「・・・彼女は?コカビエルのときも一緒にいただろう」
絶「彼女はゼノヴィア。幼いころからの知り合いです」
蒼「そうか・・・なら」
蒼枒さんが細く、睨みつける。これは・・・まずい
蒼「なんでお前とあのゼノヴィアという娘から悪魔の気配がする?」
【ゼノヴィアside】
私は黒歌さんに連れてこられ水着売り場に来ていた
黒「う~ん、これじゃないにゃ」
こういうところに来るのは初めてだ。水着と言ってもこれほど種類がある物なのか
黒「これもいまいちにゃ」
ゼ「あの、黒歌・・・さん?」
黒「どうしたにゃ?」
水着を出してはしまうを繰り返す彼女にある質問をぶつけてみた
ゼ「あなたははぐれ悪魔として指名手配されていたはずだ」
黒「それはそうにゃ。蒼枒に出会ってからは悪魔に関わらないように生きてきたもの。それで、私を捕らえるのかにゃ?悪魔さん?」
やはり彼女は私が悪魔だってことに気付いている。しかし・・・
ゼ「助けてもらったのにそんなことしませんよ。それにあなたに勝てるとは思えませんし」
コカビエルに対し分身してから誘導を持った炎や雷等を多数放ち圧倒していた彼女は今の私では相手にもならないだろう。それに恩人を売るなんてことはしたくない。それよりも
ゼ「あなたは悪魔だったころ何をしていたかを聞きたい」
何故そんなにも強いのか。何故主人を殺しはぐれ悪魔になったのか。私は他人を気遣える彼女がどうしても犯罪者には見えなかった
黒「・・・そうねぇ。悪魔だったころはあの悪魔の命もあってひたすらに戦っていたにゃ」
それから彼女から悪魔になった経緯、そして蒼枒さんに出会うまでのことを聞いた
ゼ「そんな!ならあなたは何も悪くないじゃないか!」
黒「そうはいってもね。悪魔からしたら転生悪魔なんてのはその程度なものよ。所詮は他の種族、自分の種族が大事なのはどこも同じにゃ」
ゼ「そんな・・・」
黒「それに、知っての通り
悪魔がそんなひどいとは思わなかった。私はまだいい。私は私自身が望んで悪魔になった。しかし絶斗は違う。あの剣は助けるために手を貸してくれたが、もしかしたら悪魔に等なりたくなかったのかもしれない
黒「貴方はグレモリーの眷属だと思うけど気をつけたほうがいいにゃ。情愛が深い、とか聞いたことがあったけど、それが家族としての親愛なのか、ペットをかわいがるような愛なのかは私にはわからないにゃ」
言われて不安になってくる。果たして私はこれから生きてやっていけるのだろうか・・・
黒「悪魔を辞めたかったらいつでも家にくるにゃ。蒼枒なら何とでもしてくれるにゃ。それよりも・・・」
彼女が1つの水着を見せてくる。それは黒と白の生地に緑のラインが入ったスポーツタイプの水着だった
黒「これが似合いそうにゃ。早速着てみるにゃ」
ゼ「ああ、だがあなたのは」
黒「私はもう選んでいるにゃ」
そう言って見せたのは黒のビキニ。ああ、確かに似合いそうだが、私は絶斗の意見も聞きたい
黒「着てみて気に入ったなら買うといいにゃ。彼氏に見せるのは海に行ったときにするにゃ」
ゼ「絶斗は彼氏ではない」
黒「誰も絶斗だなんて言ってないにゃ」
ゼ「っ・・・」
嵌められた
黒「誰も嵌めてないにゃ。顔に出てただけにゃ」
私はそんなにもわかりやすかったのか
黒「あの隣にいた子ねぇ。ならお姉さんからアドバイスにゃ。好きならばはっきり伝えたほうがいいにゃ。知り合ってからの期間なんて関係ない。相手を待っていてもダメ。誰かに取られて後悔してからじゃ遅いにゃ」
そう言う彼女の表情は一瞬暗くなったように見えた
黒「あとで下着も見に行くにゃ。迫るなら下着の選択も大切にゃ」
【絶斗side】
ゼノヴィアが黒歌さんに連れていかれた後、俺と蒼枒さんはベンチで2人を待っていた
絶「あの、蒼枒さん。俺って悪魔なんでしょうか?」
蒼「いきなりなんだ?」
やっぱり悪魔のこと嫌いなのか。目を細めて睨み付けてくるけがかなり怖いぞ
絶「リアス部長に悪魔に転生させてもらって生き返ったんですけど、どうも悪魔らしくないんです。十字架も軽いやけど程度、さらに羽は天使のような翼になってますし・・・」
一瞬翼を出してまたしまう。それだけでも蒼枒さんなら俺の背に2対、計4枚の白の翼が見えただろう
蒼「・・・確かに天使に近い形状をしていたな。・・・少し見てみるか」
絶「え?」
蒼枒さんが俺の胸に手をかざし半透明になるとそのまま俺の胸の中へと入ってきた!?
絶「なっ!?」
蒼「静かにしてろ」
そう言った蒼枒さんは何か集中しているようだった
蒼「・・・・・・なるほどな。お前の中はなかなか面白いことになっているな」
時間にして数秒だろうか。腕を抜いた蒼枒さんは閉じていた瞳を開けながらそう言った
絶「それはどういう?」
蒼「いずれ分かるさ。いずれな」
何を知ったのか聞こうとしたがはぐらかされてしまった
蒼「(・・・罅の入ったの駒にそれを排除しようとする精霊か。お前はこれからどうなるんだろうな?絶斗)」
その後、買い物を終えたゼノヴィアと黒歌さんが戻ってきたらそろそろ帰る時間だったので祖王屋さんたちに挨拶をして別れた。女子の買い物は長いというけどここまで長いとは。初めて経験した
その日の夜。いつもどうり夢の中で前任者に会うとひどく驚いていた
前「今日ここに入ってきたやつは何だ!?《アミル・ガウル》の攻撃をことごとく防ぐ奴初めて見たぞ!」
どうやら昼間のあの時にここに入り込んでいたらしい・・・って!何やってたんですか蒼枒さん!?
おまけ
次の日の放課後、ゼノヴィアを連れてオカルト研究部に向かった
イ「な!?なんでお前がここに!?」
イッセーだけが動揺してるとゼノヴィアが背中から先の白い黒い羽を生やした
イ「あ、悪魔に転生したのか?」
絶「部長。イッセーに伝えてなかったんですか?」
リ「ええ、そうよ。イッセーの反応が見たくてね」
絶「際ですか・・・」
その後、ゼノヴィアがアーシアに謝ったり、俺の家に住んでいることを伝えた。イッセーが羨ましいとか言って態々
イ「がっ!?」
剣の腹で殴り返しておいた。羨ましいと言っているがイッセーだって部長とアーシアと一緒に住んでいるだろうに