それでも長くなったな~
【ゼットside】
次の日、朝食の準備をしようと厨房をに入ったら朱乃さんがすでに調理を始めていた
朱「あらあら。一番乗りはゼット君ですか。おはようございます」
ゼ「おはようございます朱乃さん。手伝いますよ」
朱「では鮭の切り身を見てください。そろそろかと思うんですが」
ゼ「わかりました」
俺と朱乃さんが用意していると続々と入ってきた。悪魔は朝が苦手とイッセーから聞いたが朱乃さんや部長は平気そうに見える。イッセーとアーシアは辛そうだが慣れの違いか?
今日のメニューはご飯とみそ汁、焼き鮭、半熟卵にほうれん草と山菜の御浸しだ。祐斗が採ってくれた山菜は結局食べれなかったからな。今日の朝に使わせてもらった。それにしてもイッセーとアーシアは凄い眠そうだがあまり寝れなかったのか?
ぜ「なあイッセー。凄い眠そうだがあまり寝れなかったのか?」
イ「あまり寝てないのは確かだが部長たちに魔王様や天使・堕天使について教えられてたんだ」
ゼ「お前・・・大丈夫か?蒼枒さんのことだからきっと模擬戦やるぞ。そんな体で大丈夫か?」
イ「大丈夫だ、問題ない」
あ、これ、ダメなやつだ
朝食をとった俺たちは屋敷の前に集まっていた。数分後、魔方陣が現れると中から蒼枒さんたちが出てきた。蒼枒さんは変わらないが、白音ちゃんははぐれ悪魔戦と同じ真っ白の羽織と袴。葉月ちゃんは薄い緑の着物を着ていた。
蒼「もう集まっていたか。ならすぐにでも修行は始められるな」
俺たちはその言葉にうなずいた。蒼枒さんたちが来るまでの間に簡単にだが体を動かしていた。
蒼「昨日言った通りアーシア達には白音が、朱乃達には葉月が付く。俺たちはもう行くが葉月、白音頑張れよ」
葉・白「はい、お(義)兄様」
俺と祐斗は蒼枒さんについていった。イッセーたちは大丈夫だろうか
【白音side】
白「葉月たちはあそこでやるんですよね?」
そう言って2本の木が生えている場所を指さした
葉「そうですね。目標があったほうがいいですし」
白「なら私たちは離れたところでやりますか。イッセー先輩とアーシア先輩はついてきてください」
イ「わかった」
ア「はい。わかりました」
歩きながら仙術を使い探知する。するとここからそれほど離れてない森の中にあまり大きくはないですが空間があったのでそこで指導することにします。
白「さて、あまりに期間が短すぎるのであれこれと教えることができません。なので御二人にはカウンターを覚えてもらいます」
イ「カウンターなんて、難しいんじゃないか?」
そうですね。本来ならば初心者に教えるべきことではないでしょう。しかし
白「確かに難しいですがアーシア先輩が相手を倒せるとしたらこれぐらいしかないです。イッセー先輩は籠手のおかげでまだ何とかなりそうですから。それとイッセー先輩はそれと殴り方も覚えてもらいます」
前衛になるんでしたら防御だけでなく攻撃もできなくてはなりません。
白「今日は指導を主に行い最後に模擬戦。明日は昼から模擬戦を行います」
とりあえず型ができれば後は実戦の中で磨いていくのみです
【葉月side】
今、私はリアス部長たちに魔力と雷を木に向けて放出してもらいました。私は魔力は使えませんが見ることはできるので2人の観察したところなぜこんなにも威力が弱いかわかりました
葉「何故威力が低いかわかりました。2人とも魔力の扱いが雑です」
リ「どういうことかしら?」
葉「そうですね。魔力を水に例えるならば器に水を入れて満杯になったときに魔力を放ちます。部長たちはその器に高いところから水を注ぐように魔力を込めるため不純物が多く入っています。ですから魔力を込めてる割に威力が低いんです」
私は木に向かって氷の槍を放ちます。放たれた槍は木を貫通し、地面に半分ほど埋まりました
葉「慣れればこれぐらいは雑作もありません。魔力の込め方を丁寧にやってみましょう。今日は短い時間ですが模擬戦もやりたいと思うので頑張ってください」
部長たちは先ほどよりも時間をかけて魔力を放ちました。木に当たったところが大きくえぐれてました
リ「やったわ」
葉「その調子です。その感覚でやっていきましょう。」
木はえぐられる前の状態に戻っていました。流石に早いですね
数時間後
【白音side】
イ「ギャアアアアアアア」
ア「イッセーさん!」
白「このように基本的に相手の急所を狙ってください。急所は体の中心に縦に並んでいます。相手が男なら今のように金的を狙うのもアリです」
始めはアーシア先輩にカウンターとはどういうものか体験してもらったところ、鳩尾に入ってしまい数時間気絶してしまいました。そこで、かわりにイッセー先輩をサンドバック代わりに急所の場所を教えていきます。先輩の神器のおかげですぐに怪我が治るのでいい感じですね。今は金的を入れられ悶えてますがすぐに復活するでしょう
白「アーシア先輩のおかげでもう痛みはないでしょう。早く起きてください。イッセー先輩は先ほど教えたこともある程度できなくてはなりませんから」
アーシア先輩が気絶している間に正拳突きの型を教えました。戦いの中でこれができるとは思えませんが基本となる型を覚えておくことは悪くないでしょう。後はどれだけ体に染み込ませることができるかです
【ゼットside】
何かイッセーの悲鳴が聞こえたが・・・やっぱりダメだったか。アーシアがついてるし死ぬことはないだろう
祐「うわっ」
今日も蹴り飛ばされ地面を転がる祐斗と俺。祐斗の剣は昨日よりも頑丈になったみたいで最高15回の打ち合いに耐えられるようになっていた。
ゼ「生きます」
蒼「今はいいが戦場で対峙している以外で声を上げるな!居場所をばらすことになるぞ」
ゼ「はい」
数回切り結ばされた後木刀で飛ばされる。俺は剣こそ折れないが打ち合いの最高回数は5回だ。手数こそ減ったが1本にしたことでぶれることなく振れるようになっていた
修行を始めて5日目。いや4日目の夜か。いつのもの様に精神世界で前任者との修行を行っていた。
ゼ「はあっ!」
前「この短い間でここまで反応できるようになるとはな」
連日の蒼枒さんとの修行で相手の剣筋を見れるようになってきた。だが蒼枒さんも前任者も俺に合わせてくれているから見えるだけだ。本気でやられたら反応すらできないだろう。しかし
ゼ「そこだ!」
前「しまった!」
俺の剣が前任者の剣を弾き飛ばした。はじかれた剣は空中を回転しながら地面に突き刺さる。俺はようやく前任者に1勝できた
前「ようやく1勝か。長かったな」
ゼ「そう・・・だな」
息切れしながら答える。戦っている間は集中してたから気が抜けた瞬間どっと疲れが出てきた
前「これで最低限アミル・ガウルを振る資格は出来たわけだ」
ゼ「はっ!?」
俺の目の前にはアミル・ガウルが浮かんでいた。
前「さぁとれ!」
言われた通りアミル・ガウルを手に取る。今まで使っていた羽の剣に比べると重く、地面に剣先が付いてしまった
前「お前は今アミル・ガウルに認められたがその場所は最低ラインだ。そこから本当に認められるかはこれからのお前次第だ」
前任者はそう言ってアミル・ガウルを向ける。俺もアミル・ガウルを構えた。
前「ここからが本番だ。気合を入れなおせよ!」
8日目の夜
前任者が本気で一撃を放ったために精神世界から放り出された。今まで手加減してくれてたとはいえ人の身で蒼枒さんみたいなことできるのかよ。もう一度精神世界に入る前にトイレに行きたくなった俺は部屋から出た。帰りに開けっ放しだった窓の外から人の話し声が聞こえ、気になった俺はそのほうに静かに歩いていった。途中途中で窓を開けながらどんどん近づくとテラスにイッセーとリアス部長がいた
リ「・・・ライザ―は死なないのよ。攻撃してもすぐ再生する。彼のレーティングゲームの戦績は12戦4敗・・・その4敗の内2敗は懇意にしている家への配慮してのもの。既に公式でタイトルを取る候補として挙げられているわ」
イ「そんな・・・まさに無敵ですね」
盗み聞きして悪いと思う。しかしここで少しでもアイツの情報を聞けるのはいいかもしれない。最も悪魔達には知れ渡っているものだと思うが。
リ「ええ、正にその通りよ。フェニックス家はレーティングゲームが始まって一番、悪魔の中で台頭してきた一族・・・」
イ「死なないから、負けない。単純だからこその強さですね」
確かにどれほど致命傷を負っても再生してしまう。しかし奴は2回負けている。それほどの再生力を持つ相手に勝つ相手とは一体・・・
イ「だけど2敗してるんですよね。一体誰に」
リ「それはどちらもソーナの婚約者よ。ライザーは1回負けた後リベンジに失敗しているの。彼は純潔の悪魔でありながらドラゴンの力を身に宿した聞いたわ。ライザー相手に真正面からぶつかって文字通り叩き潰したともね」
イ「ドラゴンの力・・・」
リ「そうよ、だからイッセー。あなたが一番ライザーを倒せる可能性があるの。
確かにイッセーの倍加の能力で力を高めればライザーも倒せるだろう。だがそれには時間がかかる。それまで待ってくれるはずがない。・・・あまりこうしてると前任者を待たせてしまう。明日にでも資料を見せてもらおう。俺はその場を離れ部屋に戻った
9日目
今日は午前で修行を終えて残りは明日のために休みにするみたいだ。短くも厳しい指導を終えた俺たちは最後に模擬戦をすることになった
リ「イッセーは
イ・祐「はい」
どうやらイッセーの相手は祐斗みたいだ
リ「今のイッセーは何回倍加ができるのかしら?」
白「そうですね。平常時で10回。戦闘時で5~8回ってところじゃないですかね」
リ「そう、なら今から2分後に戦闘開始よ」
それから2分経過した。イッセーの籠手からは10回『Boost!』と聞こえたあと、『Explosion!!』と音声が響いた。これでイッセーは一定時間安定した力のまま戦うことができるらしい。その間倍加は出来ないらしいが
祐「いくよ。イッセー君」
イ「こい!祐斗」
蒼枒さんたちが見守るなか祐斗が一直線に向かい突きを放った。イッセーはそれが見えてるらしく円を描くように籠手を振るい祐斗の木刀をはじくとそのまま拳を放った。祐斗はそれをバックステップで勢いを殺し、ダメージを最小限にしたみたいだ
祐「すごいね。まさか反撃されるとは思わなかったよ」
イ「来ることはわかってたからな」
祐「そうかい。なら次はこうだ」
祐斗がイッセーの周りを高速で移動する。イッセーは見失っているのか祐斗の姿を目で追いきれてないみたいだ。祐斗が一気に近づく。イッセーは祐斗に向かって拳を放つが、そこに
イ「痛・・・」
振り下ろされた木刀が頭に当たるが、すぐに反撃する。しかしそこには祐斗はいなかった
祐「初めてうまくいった」
ゼ「まあ蒼枒さん相手に効くはずがないからな。緩急を使った攻撃は」
祐斗はイッセーの周りを動き回っていた速度よりも遅くイッセーに近づいた。イッセーからしたらそれまで目に見えなかった速度のまま祐斗が攻撃を仕掛けたと思ったのだろう。だからイッセーの拳が空を切った
リ「イッセー!次は魔力の一撃を撃ってみなさい」
イッセーは掌に魔力の塊を作り出す。大きさは米粒みたいだけど。
イ「ドラゴンショット!!!」
イッセーは殴り付けるように米粒のような魔力の塊を祐斗に放った。すると、魔力の塊はその大きさを米粒から巨大なものへと変えて飛んでいく。祐斗はドラゴンショットをどうにか避けると、魔力の塊はそのまま後ろの山へと飛んでいった。
『Reset』
リ「お疲れさま、二人とも。さて、感想を聞こうかしら。ゼット、どうだった?」
ゼ「部長、それよりもあれ」
俺が指をさす先には長い体に青い鱗を持った龍。青龍がいた
リ「そんな・・・イッセーのあれほどの一撃をかき消したというの!?」
部長の言う通りイッセーの放った一撃は山を吹き飛ばすほどの威力を持っていただろう。みんなが驚くのも無理はない。・・・山を吹き飛ばす?
白「葉月・・・」
葉「わかってます。準備は出来てます」
葉月ちゃんは薙刀を構え、白音ちゃんは手足に目に見えるほどのオーラを纏わせている。その姿が消えた瞬間。イッセーの方から爆風を受けた。その先には青龍刀を振り下ろす蒼枒さんと青龍刀を薙刀で受け止めている葉月ちゃんと懐に潜りこんで腕を抑えている白音ちゃんがいた。2人の足元にはクレーター大きなクレーターができていた
【白音side】
イ「ドラゴンショット!!!」
イッセー先輩が放っち祐斗先輩が避けた瞬間、お義兄さまは鉄下駄と重力符を外し、イッセー先輩が放った魔力の塊目がけて駆け出してました。お義兄さまはドラゴンショットを追い抜き青龍の姿になると一瞬で締め上げて霧散させてしまいました。
白「葉月・・・」
葉「わかってます。準備は出来てます」
お義兄さまの眼を見たときイッセー先輩は殺されると思いました。私は手と足に気・妖力・仙術を集め、葉月は結界を多重にかけてイッセー先輩の足元に転移陣を敷きました。
白「・・・」
葉「・・・」
私たちが構え、いつ動くと警戒しているとお義兄さまの姿が消えました。私たちはイッセー先輩の前に立つと青龍刀を振り下ろしてくるお義兄さまの姿がありました。私が懐に入り腕を抑えると、葉月は薙刀を振い、青龍刀を受け止めてます。
白・葉「くっ・・・」
流石お義兄さま、結界を破って威力を殺しているはずなのに抑えるのがやっとです。
蒼「葉月!白音!そこをどけぇ!!!」
こちらは食いしばって抑えるので精いっぱいなのに・・・早く早くと願っていると葉月の転移陣が私たちの足元に展開され、私たちは転移陣の中に落ちていきました
【黒歌side】
黒「今日で最後かにゃ~」
私は今1人で修行をしている。この9日間は修行したり蒼枒に頼まれて重力符を作ったけどあれの妖力版を作ってみたりしてたにゃ。結果として妖術による分身できる数が4体増え158体に増えたり、試作品の重力符(妖力版)ができたりしたけど
黒「やっぱり寂しいにゃ」
一枚の結界を挟んでできるだけの分身を両側に展開する。分身から火・水・風・土・雷など様々な属性の攻撃が放たれる。どれも威力・測度が違い、形もただの塊や剣や槍の形をしていたり、結界に当たる角度も様々だ。
黒「攻撃は良くなったけど防御が・・・」
自分で放っているから結界のどこに当たるなんてこともわかってしまう。こんなんじゃだめにゃ。蒼枒ならこんな一枚の結界なんて軽く破壊してしまう。・・・分身と結界を消すと転移陣が空中に現れそこから3人が落ちてきた
黒「蒼枒!白音!葉月!」
白・葉「お姉ちゃん(お義姉さま)!」
白音は勢いよく蒼枒を私に投げてきたにゃ。
白「お姉ちゃん!お義兄さまを捕まえて!」
蒼枒は体制を整えるとちょうど私と向き合う状態で止まった。蒼枒はキレているみたいで龍の眼になっていた。私は白音に言われたとおり蒼枒の頭を抱きしめた
葉「先輩たちには私たちから言っておきます」
白「お義兄さまはそのままお姉ちゃんといちゃついてください」
そう言って白音と葉月は転移陣をくぐっていったにゃ。
蒼「黒歌、離せ。あのクソ悪魔を殺さないと」
黒「ダメにゃ。白音からも言われてるし。・・・何より寂しかったのにゃ」
そう言うと暴れていた蒼枒がおとなしくなる。どんなに不機嫌でも私たちを一切傷つけることはしない。蒼枒の顔を上げると眼が目に戻っていた
蒼「黒歌・・・ごめん」
黒「ううん。別にいいにゃ」
私からキスをすると蒼枒はすぐに抱きしめてくれた。ああ、やっと2人でいられるにゃ。愛しい愛しい私の旦那様・・・大好き