【ゼットside】
ラ「いやー。リアスの女王が淹れてくれたお茶は美味しいものだな」
朱「痛み入りますわ」
・・・朱乃さんの言葉に「あらあら」や「うふふ」と言ったいつも使ってるものがない。笑顔も作られたものだ。それほどまでに、この男を嫌悪しているみたいだ。ライザーは部長の隣に座って、その肩を抱いたり、肩や手や髪、太股とお構いなしに部長の体に触る。部長は不機嫌な表情で腕を組んでいる。
リ「いい加減にしてちょうだい!」
ついに部長の我慢の限界が来たみたいだ。部長は立ち上がって怒声が室内に響き渡らせるが、ライザーは変わらずにニヤニヤしているだけ。かなり余裕がありそうだ
リ「以前にも言ったはずよ!私はあなたと結婚なんてしないわ!」
ラ「ああ、以前にも聞いたよ。だけどリアス、君の家はそういうわけにはいかないだろう?君のところの御家事情は意外に切羽詰まっていると思うんだが?」
リ「余計なお世話よ!私が次期当主である以上、私の結婚相手は私が決めるつもりよ!父も兄も一族の者も急ぎすぎるわ!当初の話では、私が人間界の大学を出るまでは自由にさせてくれる約束だった!」
ラ「約束どうり、基本的に自由だよ。大学に行ってもいいし、下僕も好きにしたらいい。・・・だけどリアス、君のお父様もサーゼクス様も御家断絶しないか心配なんだよ。先の戦争で純粋な悪魔の72柱の大半が亡くなった。いくら
リ「家は潰さないし、婿養子は迎え入れるわ」
ラ「おお!じゃあ、さっそく俺と」
リ「でもそれは私が本気で好きになった人とよ。だからもう一度言うわ。ライザー、私は貴方とは絶対に結婚しない!!」
要約すると、部長は大学出るまでは自由に過ごしていい約束をしていたが、親たちは約束を破って縁談を進めてきたと。その理由が部長が亡くなった場合家が断絶するから。結婚以外の自由は約束通りだから問題ないと思ったのだろうか、それでいいのか悪魔たち。ライザーは部長の言葉を聞いて見るからに機嫌が悪くなり、舌打ちもしている
ラ「俺もな、フェニックス家の看板を背負って来てるんだよ。この名前に泥をかけられるわけにもいかないんだ。こんな狭くてボロい人間の建物なんかにも来たくなかったし人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては、耐えがたいんだよ!」
ライザーは背中から炎を出し、その影響で火の粉が部屋の中を舞った。あつっと思ったが熱くはないし部屋の中で燃えてるものもない。・・・見せかけか?
ラ「そもそもここに下等な人間風情がいること自体気に入らない。なぜここにいる?」
リ「彼はオカルト研究部の部員よ」
ラ「ならその部員全員燃やし尽くしてしまえば後残りはないな。君を冥界に連れ帰るぞ」
俺たちに向けて殺気を飛ばしてくるライザー。今度は本気か!?祐斗と俺は剣を出し、朱乃さんも手からバチバチと音がしている。イッセーはアーシアを庇っている
グ「双方、落ち着いてください。これ以上やるのでしたら、私も黙って見ている訳にもいかなくなります。」
グレイフィアさんから放たれる魔力。俺達は体を上から押さえつけられるような感じがした。魔力を放つだけでこの重圧、ライザーとは比べものにならない
ラ「・・・最強の女王と称されるあなたにそんなことを言われたら、さすがに止めざる負えないな」
ライザーもグレイフィアさんには勝てないのか炎と殺気を収めた
グ「こうなることは、旦那さまもサーゼクス様もフェニックス家の方々も重々承知でした。ですので最終手段を取り入れることにしました」
リ「最終手段?」
グ「お嬢様がご自分の意志を通すのでしたら、ライザー様と『レーティングゲーム』で決着をつけるのはいかがでしょうか?」
レーティングゲーム?なんだそれは
グ「本来なら公式のレーティングゲームは成熟した悪魔しかできません。しかし、非公式の純血悪魔同士のゲームならば、半人前の悪魔でも参加できます。この場合の多くは・・・」
リ「身内同士、御家同士のいがみ合い・・・よね」
部長が溜息をついた
グ「お嬢様はゲームも拒否なさるのですか?」
リ「まさか、こんな好機はないわ。・・・ゲームで決着をつけましょう、ライザー。」
部長はやる気のようだ。後はルールしだいだが・・・
グ「わかりました。ご両家の皆さんには私からお伝えします」
ライザーが口を歪めている
ラ「なあリアス。もしかしてここにいるのが君の眷属なのか?」
リ「1人を除いてそうよ。それがどうかしたの?」
ラ「この勝負は買ったも同然だな!何せ俺の眷属とまともに相手できるのは雷の巫女である君の女王しかいないじゃないか。それに公式のゲームも何度かやっている。さらに勝ち星のほうが多い。余裕だな」
ライザーがパチンと指を鳴らすと、魔方陣が現れる。その中から合計十五人の女の子が出てきた
ラ「どうだ!これが俺の可愛い眷属たちだ。君と違い15人のフルメンバーだ」
誰もが美女・美少女、全員が女だ。・・・あれ?これってイッセーの夢じゃないか?
ラ「お、おい、リアス・・・この下僕くん、俺を見て大号泣しているんだが・・・」
うん、まあわかってた。わかってたよイッセー
リ「その子の夢がハーレムなの。ライザーの下僕を見て感動したんだと思うわ」
「きもーい」
「ライザーさまー、この人、気持ち悪ーい」
ライザーの眷属たちから罵倒が飛んできた。当たり前だけどな
ラ「そう言うな、俺のかわいいおまえたち。あいつらに俺とおまえたちが熱々なところを見せつけてやろう」
そう言ってライザーは眷属の1人と熱いキスをしだした。婚約者の前ですべきことではないだろう・・・
ラ「お前じゃ、こんなこと一生できまい。下級悪魔くん」
イ「お前みたいな女ったらしと部長は不釣合いだ!」
イッセーは
ラ「「何言ってるんだ?おまえはその女ったらしの俺に憧れているんだろう?」
イ「うっ、うるせぇ!それと部長のことは別だ!」
ラ「英雄、色を好む。確か、人間界のことわざだよな?いい言葉だ」
イ「何が英雄だ!お前なんか、ただの種まき鳥野郎じゃねえか!火の鳥フェニックス?ハハハ!まさに焼き鳥だぜ!」
・・・同じ穴の狢だろ、おまえら。なんか見てるのも疲れてくる。それにフェイックスに対して焼き鳥と来たか、うまいな。でもここで笑うと目つけられそうだし無表情でいよう。部長とか朱乃さんも笑うの堪えてるけどバレバレだぞ
ラ「焼き鳥!?こ、この下僕悪魔ぁぁぁ!リアス、下僕の教育はどうなってんだ!?」
部長は笑いをこらえるのに必死で聞こえてないぞ
イ「ゲームなんざ必要ねぇさ!俺がこの場で全員倒してやらぁ!」
『Boost!』
イッセーがライザーに飛びかかるが
ラ「ミラ。やれ」
ミ「はい、ライザー様」
棍を持った少女がイッセーに突きを放つ。イッセーは避けることもできずに腹部に突き刺さった。そのまま天井に打ち上げられ、床に落下した。
「ガハッ!」
「イッセーさん!」
イッセーにアーシアが近寄り
ラ「ついでだ、そこの「アーシア先輩はいますか?」
ライザーの言葉を遮って部室のドアが開かれる。入って来たのは白音ちゃんと紙の束を持った葉月ちゃんだった
葉「今日は悪魔が多いですね。何かあったのですか?」
葉月ちゃんがかわいらしく首をかしげる。流石学園のアイドル、イッセーが飛び起きたぞ
グ「フィーリス!?なぜここに・・・いえ、彼女は1000年も前に死んでるはず。ここにいるはずが・・・」
【葉月side】
鐘が授業終了を知らせました。今週の掃除当番は私たちなので道具をかばんにしまって掃除を始めました
先生「お~い。東雲姉妹はいるか?」
葉「はい。何の用でしょうか?」
掃除の途中に先生が来ました
先生「よかった、いたか。確かお前たちはオカルト研究部に入っていたよな」
葉「はい。ほとんど出てはいませんが」
先生「アルジェントにこの課題を渡してくれないか?」
先生から手渡せれたのは古文の問題集でした。中を見ると赤で解説が書かれているものもありました
先生「やはり古文は苦手みたいでな。授業についていけてないみたいなんだ。それを解けば少しは授業についていけるだろう」
葉「わかりました。アーシア先輩にお渡ししますね」
先生「悪いが頼んだ」
先生が教室を去っていきました。私も掃除の続きを行おうとしましたがもう終わってしまったようです。私も掃除用具を片付け、白音と一緒に部室に向かいます
白「断ってもよかったじゃないですか」
葉「そうですねぇ。でもたまには行ってみましょう。アーシア先輩の歓迎会以来行ってませんから」
話しているうちに部室の前につきました。なぜか結界が張られてます
白「・・・この程度なら破るまでもなく入れますね」
葉「そうですね。お義姉さまに比べたらかなり雑ですね」
白音が結界に穴を作り、ドアを開けます。こんな簡単に結界内に入れるなんて、お義姉さまの結界ではありえませんね
白「アーシア先輩はいますか?」
白音の後に続いて部室に入ります。
葉「今日は悪魔が多いですね。何かあったのですか?」
部長たちを含め20人の悪魔が部室内にいました。流石に多過ぎです。イッセー先輩は飛び起きてました。何かあったのでしょうか?
グ「フィーリス!?なぜここに・・・いえ、彼女は1000年も前に死んでるはず。ここにいるはずが・・・」
メイド服を着た銀髪の悪魔が私を見てそう呟いてるのが聞こえました。なぜかお母様の名前を言ってます。それにお顔もお母様に似てます
葉「なぜ母のn「ほう。今来た2人、妖怪と悪魔か?なかなかの力を持っているな」
私の言葉を遮ったのは金髪で赤いスーツを着崩した悪魔でした。お義姉様も基本着崩してますが色気が段違いですね。お義姉様が羨ましいです
ラ「どうだ?眷属にはできないが俺の愛人にならないか」
白・葉「お断りします」
白音も同時に同じことを言いました。悪魔のそばにいていいことありませんし、愛人とか論外です。
ラ「貴様らぁ、俺を誰と・・・」
白「貴方が誰かなんてどうでもいいです」
葉「そうですね。アーシア先輩。これ先生からです」
ア「あ、ありがとうございます」
さて、これで先生からの頼み事も終わりました
葉「私たちはこれで失礼しますね」
私たちが部室を出ようとした時でした
ラ「この俺が下手に出ればいい気になりやがって。ミラ、カーラマイン、行け」
棍を持った少女と剣を持った女性が私たちに向かってきました。白音はすでに構えており、私も水を放とうとしましたが私たちの間にメイド服を着た方が入りました。
グ「そこまでです。それ以上の戦闘はレーティング・ゲームで決着をつけてください。」
ラ「っく、引けミラ、カーラマイン」
2人が引いたので私たちも構えを解きました。それにしてもこのメイドさんなかなかに早かったですね。
ラ「リアス!この2人も部員なのか?」
リ「ええ、そうよ」
ラ「ならそこの人間も含めてレーティングゲームに参加させろ。これは非公式だから悪魔以外も参加可能なはずだ。眷属も少なくゲーム初経験のリアスへのいいハンデにもなる」
グ「今回は非公式ということもありますので、助っ人という形で参加させることができる思われます」
ラ「なら準備期間として10日。その後、ゲームを始めよう。この準備期間の間に修行でも連携でも何でもするがいい。それでいいかな」
リ「わかったわ、必ずあなたを消し飛ばしてあげる!」
ラ「楽しみにしているよ、愛しのリアス。次はゲームで会おう!」
金髪の方が魔方陣を展開しその中に次々と悪魔が入り光になって消えていきます。これが眷属ってものなのでしょうか?
ラ「そうだ!俺が勝ったらそこの2人ももらうことにしよう」
魔方陣に入り私と白音を指さしてきました。私たちが了承するわけもないのですが
リ「ごめんなさい2人とも」
葉「いえ、とりあえず状況説明を求めます。そしてこちら方がつぶやいたことについても」
私はメイドさんに顔を向けました。彼女はにこりと笑うだけで何も言いませんでした
葉「なるほど。ライザーという方はフェニックスもといフェネクスの悪魔であり、部長の婚約者。私たちは結婚騒動に巻き込まれ、勝手に私たちもらうと言ったと」
リ「重ね重ねごめんなさい。貴方達を巻き込むつもりはなかったのだけれど」
私たちは今、部室のソファに座って説明を聞いてます。部長さんの隣には朱乃さんが座り、隣にメイドさんが控えています。後ろには眷属の3人が、ゼットさんは近くの椅子をもってきて座ってますね
葉「しょうがないですね。悪魔の言うことをわざわざ聞くことはありませんが、ストーカーなどされても困りますしお兄様たちの負担も変に増やしたくありません。参加するからには勝ちますが、勝てる要素はあるのですか?」
リ「はっきりって大博打だわ。勝負の鍵は
白「あの、
リ「知らないの?・・・そういえばあの時貴方達はいなかったものね。ちょうどいいわ祐斗やアーシアの
リアス先輩からそれぞれが持っている
リ「私と朱乃は
白「以前見ましたが、あれが全力ってわけではないですよね?」
白音ははぐれ悪魔討伐の時に一度、先輩たちの攻撃を見ているんでした
リ「ええ、そうよ」
白「でも、貴方達だけではあの人数に勝てる気がしません。だからと言ってあのフェネクスには朱雀の炎を扱うものとして負けたくはありませんし」
リ「ちょっと待って。猫魈のあなたがなぜ朱雀の炎を使えるの!?」
葉「白音の師匠は現朱雀の弟にあたる方で」
白「修行の時大怪我を負ったのですが、そのとき仙術だけでは助からないため、師匠が自らの血を私に飲ませたようです。記憶はないですけど」
リ「なるほど、理由はわかったわ。なんとなくだけどライザーをフェネクスと呼ぶ理由もね」
葉「それで、受けてもらえるかわかりませんが先輩達を強くしていただくために貴方達の指導役をお兄様にお願いしたいと思います。受けてもらえるかは私たちの頑張り次第ですが」
私がお兄様と言った瞬間に朱乃先輩の目が一瞬大きく開いた。お兄様の許可さえ通れば神社に入れますからね。今回の件でますます入れなくなりそうですが
白「まさか10日何もしないつもりではないですよね?」
リ「当たり前じゃない!別荘がある山で修行を行うつもりよ」
白「貴方達は結婚がかかっているので学校は休むみたいですが私たちは普通に登校しますから合流できるのは放課後からですね、ゼット先輩はどうします?」
ゼ「俺はできれば修行を優先したいかな。学校は出来れば休みたくないがアミル・ガウルがいつまでも使えるないのは良くないし」
リ「ちょっと!貴方達は自分がどうなってもいいの!?」
白「先ほども言いましたが、あの悪魔が勝手に言ったことで私たちには関係ありませんから」
本当に関係ないんですよね。いや、悪魔とはいえ不死鳥ならかなりの生命力を持っているはずです。もし無理矢理私たちを奪おうとするならば、お兄様が喜んで捕獲に動くでしょう。
葉「次は私たちの番です。部長の隣に控えているメイドの方。私の母の名を口にしました。彼女は一体・・・」
グ「ご挨拶がまだでした。初めまして、私はグレモリー家に仕えるグレイフィアと申します。フィーリスとは1000年前に死んだ妹の名です」
白「・・・姓の方、ファミリーネーム?・・・は何といいますか?」
グ「ルキフグスといいます」
白「葉月。確か・・・」
葉「ええ。母の旧姓ですね。ということはグレイフィアさんは私の
リ・朱・祐・イ「「「「・・・えええええええええええええええええええええええええええ」」」」
ゼ「っ」
ア「?」
グ「フィーリスが・・・生きている」
先輩方が驚愕の叫びをあげました。ゼット先輩は耳をふさぎ、アーシア先輩は伯母の意味が分からなかったみたいです。グレイフィアさんは驚きの余り声が出ないようです。
グ「フィーリスは・・・妹は今どこに」
葉「現在お父様とともに日本を巡っていますので家にはしばらくの間いませんね。私たちもあまり会ってませんし」
グ「そうですか・・・」
明らかに落胆してますね
葉「お母様たちが帰ってきたら部長を通してお伝えしますか?お母様もおそらく会いたいと思っているでしょうし」
グ「お願い致します。それでは皆さま、私はこれで失礼いたします」
そう言ってグレイフィアさんが魔法陣の中へと消えていきました。
リ「悪魔とのハーフとは聞いてたけどまさかグレイフィアの妹だったなんて。・・・そういえば葉月ちゃんの私たちの指導役って葉月ちゃんのお兄さんみたいだけど、どういう人なの?彼も悪魔とのハーフだったりするの?」
葉「いいえ、お兄様は私と違い完全な青龍です。歴代最強と言われています。私たちが2人本気で戦っても勝てません」
白「そして、お義母様やお姉ちゃんのこともあって悪魔嫌いな傾向があります。特に部長は純潔なので注意してください」
次回!修行編
主人公の2人がついに作品内で出会います。
最後の主人公?まだまだ本編登場はないですね。外伝編で頑張ってもらいます