ハイスクールD・D・D(更新停止中)   作:ラグナクス

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タイトル詐欺注意!vsとついておきながら戦いになっていません
・・・だってヴァーリの攻撃方法とか分からないしorz

お気に入りしてくださった方が165人を突破しました。皆様ありがとうございます
・・・でも今回で減るんだろうな(´Д`)



青龍vs白龍皇

【ヴァーリside】

 

俺の名はヴァーリ。神滅具の白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)を持ち、現在・過去・未来において史上最強の白龍皇と呼ばれている。俺は幼いころ父に捨てられ、シェムハザに拾われてからはアザゼルに育てられた。そんなある日、いつもは揚々としているアザゼルが疲れた様子で神の子を見張る者(グリゴリ)に戻ってきた

 

ヴ「どうした?まるで何か搾り取られたみたいに生気がないぞ」

 

ア「ヴァーリか・・・いやちょっとミスっちまってな」

 

アザゼルが言うには突如休みが欲しいとバラキエルが言ってきたので望み通り休みをくれてやった。後々気になって後をついていくと日本の神社に着き、そこで結婚式が行われていたとのことだ。それだけなら気にもしなかったが問題はその後。参加者の中には日本の神も参加していて、ひそんでいたアザゼルを見つけ、無理矢理条約を結ばされた。正直日本神話と神の子を見張る者(グリゴリ)の間に条約が結ばされようが俺は知らないが日本神話の神とは戦ってみたい

 

ア「ああそれと・・・日本にいる青龍の逆鱗には頼むから触れるなよ」

 

ヴ「日本の青龍?それがどうした?」

 

青龍と言えば中国の四神の一つだ。それがなぜ日本にいる?

 

ア「バラキエルが参加した結婚式がまさに青龍の結婚式だったんだよ。バラキエルの奥さんが殺されそうになったのは前に話しただろ?その命を救ったのが日本の青龍だ。俺としてもバラキエルの奥さんを救ってくれた恩があるし、何より今、というよりは次期か、の青龍は日本歴代最強と言われているらしい。まだ成熟していないのにも関わらずだ」

 

日本歴代最強の青龍だと?それは是非とも戦ってみたいものだ。それから俺は日本の青龍のいる場所と本気で戦うための逆鱗に触れる方法を調べた。場所自体はすぐに見当がついた。青山龍神宮。青龍が祀られているという神社だ。おそらくここにいるのだろう。そして逆鱗に触れる方法だが・・・こちらは慎重に調べた。何故ならアザゼルに見つかってしまうと妨害してくる可能性が大きかったからだ。だがようやくその方法を見つけた。青龍の一族は生涯ただ一人を愛し、最愛の人は何が何でも守り大切にするらしい。最初見た時は最強を名乗るのに誰かを愛するなんてことをしていていいのか、と思って捨てていたが、後々考えれば青龍の伴侶を傷つけさえすれば本気で戦えるのではないかと考えた。確証はないがこの方法が手っ取り早いだろう

 

アル『行くのかヴァーリ。日本の青龍のもとに』

 

ヴ「ああ。青龍の力がどれほどのものか見てみたい。そして」

 

この戦いで俺はもっと強くなる。グレートレッドを倒すにはまだ力が足りないが青龍を倒し、また一歩俺は前に進む。俺は神の子を見張る者(グリゴリ)を飛び出し、青山龍神宮に向かった

 

 

1時間後

 

【アザゼルside】

 

ア「おい!ヴァーリはどこに行った!?」

 

機械のメンテナンスをしていたら日本の青龍についてを調べられているのが見つかった。それだけなら特に気にもしなかったが、その検索元がヴァーリの部屋からだった。あいつは戦闘狂だ。日本歴代最強と聞いて興味を持たれたか

 

コ「ヴァーリの奴ならどこかに飛んで行ったぞ」

 

ア「なんだと!?」

 

答えたのはコカビエルだった。奴は最近トレーニングを始めたがそんなこと、今はどうでもいい!今はヴァーリのことだ。あいつは青龍が悪魔嫌いになっているのを知らない。もしヴァーリが悪魔の血を引いていることがばれたら間違いなく殺される。

 

ア「くそっ!」

 

あの時疲れていたせいもあって話しちまったが龍とか最強とか聞いてあいつが興味を示さないはずがない。俺はヴァーリを追いかけて青山龍神宮に飛んだ

 

 

 

【ヴァーリside】

 

神の子を見張る者(グリゴリ)を飛び出して青山龍神宮に着いたが

 

ヴ「山一つが神社なのか・・・鳥居もでかいな」

 

ア『ああ。それに結界も張られている。この規模からして山を覆っているだろう』

 

これほどの規模の結界を張ることができるのか。今から戦うのが楽しみだ。俺は鳥居をくぐり神社の中に入り階段を昇っていく。結界の中に入ったからだろうか、何か押さえられているような感覚がある。階段を上り終えるとまた鳥居があり目の前には巨大な本殿が広がった。他の参拝客もいるようだが俺と一緒に来たものは皆、小屋の前で何か書いているようだ。

 

ヴ「何をしているんだ?」

 

「こちらは参拝の仕方や神域内での注意や禁止事項をお配りしています。はじめての方でしたらこちらにご記入をお願いします」

 

そう言って巫女が渡してきたものは名前が書く部分がある注意・禁止事項が書かれた紙と折りたたまれている紙。禁止事項には調べにもあった通り伴侶に触れるべからずとある。それに神域内での騒ぎも禁じられているか・・・とりあえず言われた通り名前を書いて敷地内に足を踏み入れた。さて、誰に話しかければ青龍に会えるか・・・見回して見ると白い猫又の巫女の隣に長い青い髪を1つにまとめた巫女を見つけた。確か歴代の青龍の髪は青色と調べが出ている。彼女は血縁者である可能性が高い。俺はさっそく話しかけた

 

ヴ「すまない。青龍に会いたいんだが今どこにいるかわかるか?」

 

葉「あなたはいったい・・・何の用で?」

 

ヴ「俺はヴァーリ。白龍皇だ。アザゼルから聞いて来てみたんだが・・・」

 

白「青龍であるお義父様なら、先ほどお義母様と買い物(デート)に出かけました」

 

いないか。なら日を改めてくるとするか。・・いや待て、確か条約を結んだのはついこの間のはずだ。結婚してから子供ができるまでいくらなんでも速過ぎるだろう

 

白「少し聞きたい。今の青龍は日本歴代最強と言われていると聞いたんだが」

 

葉「それは私のお兄様です。まだ神格がないので正確には次期青龍という立場ですが」

 

白「お義兄様なら家にいます。お会いしたいようですが会えるかどうかはわかりませんが」

 

 

 

 

【蒼枒side】

家の前にある広場。それで今、俺は両手に竹刀を構えながらと黒歌と対峙していた

 

蒼「黒歌・・・行くぞ」

 

黒「いつでもいいにゃ」

 

自然体のまま、特に構えることも、動く気配もない。

 

蒼「(・・・かわいいな~)」

 

二本の尻尾をゆらゆらと揺らし耳をぴくぴく動かす仕草に気が緩みそうになる。だが、黒歌の修行に付き合っているのだ、手加減はすれど油断はしない。地面を蹴り、正面から逆笠斬りに振う。切り裂かれた黒歌は不気味な笑顔を浮かべながら俺に絡みつこうとする

 

蒼「分かってはいるがやっかいだ」

 

バックステップで避けるが黒歌が爆発。それと同時に周囲から200を超える様々な形状・属性の術が俺に向かって放たれた。

 

蒼「チィ」

 

気を感知すると上に25人の黒歌が俺に向けて術を放っていた。術はまるで壁のように迫ってくる。俺はその場に鉄下駄を脱ぎ捨て、障壁を足場に空へと移動した。術を切り払い、避け、25体のうち1体を斬るも再び爆発を起こす

 

蒼「また分身か!?」

 

先ほどよりも爆発までの時間が短かった。おそらく俺の姿が見えているのだろう。でなければ近づいた瞬間に爆発なんてことはできない。

 

蒼「・・・やっぱりこれじゃあ間に合わないか」

 

逃げ回る俺に迫る術は数こそ減っているものの誘導がついているらしく避けてもまた戻ってくる。俺の四方からは隙間のない本当の炎の壁を作り出し、上からは6つの隕石を降らせ、下では竜巻が発生してた。枷を一つ外した状態では無理があると思い符を剥がす。ああ、本当に黒歌の才能が羨ましい。黒の猫又は最も強いと言われているが、俺が長年かけて鍛えてきた速さが立った数年で追いつかれるなんて

 

蒼「いつの間にここまで成長したんだ」

 

はっきり言って異常だ。俺もたった50年足らずで剣術が神と同等だ、と言われているが、黒歌は数年しか経っていない。何が黒歌をそこまで動かすんだ・・・

 

 

 

【黒歌side】

 

黒「ああ、かっこいいにゃ~」

 

分身を切り裂く姿。雪崩のように迫る術を長い髪をたなびかせながら避けていく姿。そのすべてがかっこいいにゃ。できるならばすぐにでも抱き着いて彼の胸元にスリスリし、甘えたい。だけど今は修行に付き合ってもらっている。本気で、全力でいかなくてはならない。蒼枒に向かって四方から炎の壁を進ませる。下には横倒れ状態の竜巻。上からは隕石を降らせ逃げ道をふさぐ。だけどこれでは足りない。もし過重符を剥がされたらもう目には映らない速度で動き回るためだ

 

黒「にゃ!?」

 

予想では壁の一つを破壊して出てくると思ったにゃ。そのほうが効率的だし私もそうする。そのために分身を配置したのにも関わらず壁も隕石も粉々に粉砕するなんて・・・。しかも符を剥がしているらしく気配を負うが全く目に移らない

 

黒「くっ」

 

どんどん分身が減らされる。分身は破壊されると爆発や拘束用の罠を仕掛けてはいるが発動する前に移動されているため当たることはない。すぐに追加の分身を出すが本体である私に元に来るのも時間の問題だろう。ならば

 

黒「これでどうにゃ!」

 

敷地に張っている結界ぎりぎりまで展開した球状の炎の膜。その膜がどんどんと縮まり、蒼枒の動ける範囲を制限していく。

 

黒「これで!」

 

気はまだ球体の中にある。瞬間移動で球の外に脱出した私は炎ごと蒼枒を結界に閉じ込めようと取り囲む。だが結界が張る瞬間に蒼枒が炎を突き破って出てきた。だが結界の展開が間に合い、片足だけ閉じ込める音に成功。動けなくなったところに出せるだけの術を向け、放つ。今日はもらったと思った瞬間

 

バァァァァアアアアアアアアアアンンン

 

黒「にゃ!?」

蒼「!?」

 

巨大な音が響き渡り攻撃を中断。音のした方向を見ると葉月がドラをたたいていた

 

葉「お兄様、お義姉様。修行の途中で申し訳ありません。白竜皇が会いたいとお兄様を訪ねてきました」

 

蒼「白龍皇?なんのようだ?」

 

葉「わかりません。ただアザゼルから聞いたと申してました」

 

白龍皇・・・神滅具である白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の持ち主。堕天使のところにいたのかにゃ

 

蒼「堕天使の総督からか・・・わかった、会ってみよう。悪いけど黒歌。修行は中断だ」

 

邪魔されたにゃ。まあでも白龍皇がどんな人物か気になるしついていくにゃ

 

 

 

【ヴァーリside】

 

猫又の巫女に部屋に通されてから10分ほどたった。出されたお茶を飲みながら待っていたが、あの猫又もなかなかの強さを感じる。それ以外にもここには強者がちらほらといる様だ。これの様子だと青龍には期待できそうだな。

 

蒼「お待たせした。俺は東雲蒼枒、次期青龍だ。隣にいるのがが」

 

黒「蒼枒の妻の黒歌ですにゃ」

 

戸が開かれて腰に二本の刀を差した和服の男と、黒い着物の猫又が入ってきた。こいつが青龍とその妻か

 

ヴ「俺はヴァーリ。白龍皇だ」

 

挨拶もそこそこに青龍は俺の正面に座り、猫又も青龍の右に座った

 

ヴ「アザゼルから聞いた。なんでも君は歴代最強の青龍と言われていると」

 

蒼「確かにそう言われているが・・・何の用だ?」

 

ヴ「俺も現在・過去・未来において史上最強の白龍皇と言われていてね。単刀直入に言おう。俺と戦って欲しい」

 

蒼「断る。俺には何の得もないだろ。それに神域内では騒ぐなと書いてあったはずだ」

 

やはり受けてはもらえないか。ここに入るときに見た紙にも騒ぎを起こすな、はもちろん戦闘行為も入っているだろう。だがそんな些細なことは関係ない

 

ヴ「ならば無理矢理にでも戦わってもらおうか」

 

俺は猫又に向けて巨大な魔力弾を放った。魔力は猫又どころか青龍をも巻き込み、2人の背後の壁を消滅させた。

 

蒼「黒歌、大丈夫か?」

 

黒「蒼枒こそ。平気?」

 

右手で猫又を抱きしめ、左手からは木製の盾を出している。そして猫又も左手をこちらに向けていた。驚いたことに2人が座っていたソファは無傷のままだ。おそらく結界を張ったのだろうがなかなかの強度だ

 

蒼「お前・・・何をやったかわかっているんだろうな?」

 

青龍の目が龍のようになり、強烈な殺気を叩き付けられる。

 

ヴ「もちろんだ。これで戦う理由ができたはずだろ」

 

蒼「そうだな。望み通り」

 

殺してやる。そう聞こえると俺は空中に投げ出された

 

 

 

【蒼枒side】

 

俺は腕から木を生やし、俺の右腕を掴むと穴の開いた壁から地面に叩きつけ、白龍皇を部屋からたたき出した。ドタドタと廊下を走る音が聞こえ、騒動を聞きつけた楓たちが部屋に飛び込んできた

 

楓「何があったのですか!?」

 

蒼「ああ、ちょうどいい。ここの修理を頼む。そして周りに被害が出ないよう黒歌と一緒に結界を張れ」

 

楓「・・・わかりましたが。何があったのですか?」

 

流石楓、状況の把握が速いな

 

黒「白龍皇が蒼枒に喧嘩売ったにゃ」

 

俺は腰に刀が差さっているのを確認すると穴の開いた壁から外に出る

 

蒼「後は頼んだぞ」

 

黒「蒼枒。気をつけてね」

 

楓「お任せください。ご武運を」

 

 

 

【ヴァーリside】

 

青龍によって空に投げ出された俺は白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)を広げ、空中にとどまった

 

ア『大丈夫かヴァーリ」

 

ヴ「このぐらい平気だ。流石は最強と言われるだけのことはあるな。油断していたとはいえ先手を取られるとはな。これなら始めから本気でもよさそうだ」

 

俺は禁手である白龍皇(ディバイン・ディバイディング)の鎧(・スケイルメイル)を発動させ、全身が白い鎧に包まれる

 

ア『・・・来たぞ!」

 

視線を下に向けると建物から出てくる青龍の姿が見えた。先ほどのお返しを放つため、右手に魔力を集める。

 

ヴ「ガァァァァァア」

 

ア『ヴァーリ!?』

 

魔力を放とうとした瞬間右腕から激痛が走った。何かが腕の中を這いずり回っている感覚だ

 

ア『お前の腕から木が生えているぞ!早くハーフ ディメンションを使え』

 

ヴ「わかっている」

 

『Half Dimension』

 

光翼から声が発せられると腕の這いずり回っていた木の大きさを半分にした

 

ヴ「ぐ、あの時にすでに仕込んでいたとはな」

 

ア『油断するな。奴は本気で殺しに来てるぞ』

 

アルビオンの忠告した瞬間、目の前に青龍刀で逆袈裟斬りしてくる青龍の姿があった。その動きはスローモーションのように遅く自由に動く左腕で迎撃したが

 

ア『なん・・・だと・・・』

 

俺の腕が鎧ごと切り裂かれ、腕からは大量の血が流れ出てきた。

 

ヴ「これ・・・」

 

言葉を発する間もなく正面から何十もの斬撃を浴びせられる。まだ動く右腕で殴りかかろうとするも当たらず、逆に切り裂かれ、鎧の破片が飛び散った

 

ア『ヴァーリ!10秒経ったぞ!!』

 

待っていた!たった10秒の間に鎧はほぼ吹き飛び、身体中を切り裂かれ、後退しながら急所を何とか防いでいたが

 

『Half Dimension』

 

ハーフ ディメンションならば、範囲内にいるすべてを半分にするこの技ならば目の前にいる青龍も逃げることはできないはずだ。そう思ったが

 

ヴ「くっ・・・何だと!?」

 

激しい閃光と轟音と共に目の前にいた青龍の姿が一瞬で消えた。ハーフ ディメンションは当たった感じがない。どこだ!どこにいった!?

 

ア『がぁぁぁぁぁ!!?』

 

ヴ「なっ!?」

 

白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の片翼が斬り裂かれ、大きな傷ができ、青い翼が無くなっていた。無事なもう片方で何とかバランスを取ろうとするが

 

ア『ぐぅぅぅぅぅぅ』

 

ヴ「アルビオン!」

 

残る片方も斬り裂かれで飛ぶことができなくなった。落ちていく先を見ると地面から巨大な植物が口を開けて待ち構えていた。青龍の攻撃を防ぐために後退していたためかなりの高さまで昇っていたが猶予はない。俺は何とか持ち直そうと力を込めると空中に留まることができた

 

蒼「・・・気配もあったし魔力も使っていたが・・・本当に悪魔だったとはな」

 

俺の前には2本の刀を持った青龍が宙に立っていた

 

ヴ「俺は悪魔ではない!」

 

蒼「その8枚の羽を広げながら何を言っている?」

 

ヴ「何だと・・・!!」

 

背中を確認すると、本当に悪魔の8枚の翼が、俺の背中から生えていた

 

蒼「なるほど。約束事すら守れないのは悪魔故、か」

 

ヴ「俺を悪魔というな!!」

 

あいつと同じにするな!あいつのせいで俺は・・・母さんは・・・

 

蒼「所詮、最強と言われていてもそれは悪魔の恩恵があるからなんだろが・・・まぁ俺にはおまえが何であろうと関係ない話だ」

 

青龍の腕が一瞬ぶれると俺の背にある翼がすべて切り裂かれていた。飛ぶ力を失った俺は再び地面に向かって落ちていく。先には植物はその牙から涎を垂らしながら俺を喰らおうとする口を開けていた。

 

ヴ「がっ・・・」

 

蒼「お前は黒歌に手を出した。殺す理由はそれだけで十分だ」

 

背を刀で貫かれ、抜くと同時に蹴り飛ばされた俺はすでに抗うことすらできなくなっていた

 

ア「ヴァーリ!」

 

植物が口を閉じようとする。俺は飛んできたアザゼルに助けられ、気を失った

 

 

 

【アザゼルside】

 

ア「間一髪か」

 

神の子を見張る者(グリゴリ)から全力で飛んできた俺の目に入ったのは蹴り飛ばされたヴァーリが巨大な植物に喰われそうになっているところだった。俺は限界まで速度を上げ、ヴァーリを抱えると、閉まってくる口から脱出した。抱えたヴァーリを見るとひどいありさまだった。背から胸にかけて風穴があき、全身を切り刻まれ、左腕からは血が流れ、右腕には木が生えている。そして神滅具である白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)は大きな傷があり、光翼を失っていた。何とか助けることができたとはいえ早く治療しなければ死んでしまう

 

蒼「その翼、堕天使か?なぜ堕天使が悪魔を助ける?」

 

尋常じゃない殺気に気づき顔を向けると、俺たちを見下ろす青龍が宙に立っていた

 

ア「俺は神の子を見張る者(グリゴリ)の総督をやってるアザゼルってもんだ。会うのは初めてだな。バラキエルの奴が世話になっている」

 

蒼「アザゼル・・・確か天照様が堕天使と条約を結んだとかおっしゃていたな」

 

もう情報が回っているのか。いや、こいつの所属は日本神話だったな。知っていても当然か

 

蒼「その堕天使の総督がなぜ悪魔を助ける?」

 

ア「こいつは俺の息子のようなものだ。頼む、ヴァーリを許してやってくれ」

 

途端に青龍の殺気が大きくなり、その眼に睨まれる。・・・どれぐらい経っただろうか、たった数秒が長く感じた。青龍は手にしていた刀を鞘に戻した

 

蒼「次はないぞ」

 

ア「助かる」

 

俺はヴァーリを抱えて急いで帰った

 

 

【蒼枒side】

 

白龍皇を抱えて飛び去っていくアザゼルを見ながら俺はあることを考えていた

 

蒼「・・・悪魔は約束ごとを守らない・・・か。なら」

 

今回のことから俺は結界を張り替えた。これにより悪魔という悪魔の神域への立ち入れないようになる。もし入りたいのならば

 

蒼「悪魔を辞めるしかないな」

 

母さんのように

 

 

 

【ヴァーリside】

 

ヴ「う・・ここは・・・?」

 

目が覚めるとベットに寝かされていた。起きて周りを見ると、白一色で統一されており、ここが病室だというのがわかった

 

ア「ようヴァーリ。派手にやられたな」

 

ベットの隣にはアザゼルが椅子に座っていた

 

ヴ「アザゼル・・・ここは」

 

ア「神の子を見張る者(グリゴリ)の病室だ。お前は1週間も眠っていたんだぞ」

 

ヴ「そんなにか」

 

何故そんなに眠っていたかと記憶をたどると青龍との戦いを思い出す。何もできず、斬られ続けられ、アザゼルが助けてくれなければ今頃死んでいた。そして青龍が言っていたあることを思い出した

 

蒼『最強と言われていてもそれは悪魔の恩恵があるからなんだろ』

 

その通りだ。俺はいつの間にかあいつと同じこの力を使っていた。アザゼルは俺ことを現在・過去・未来において史上最強の白龍皇と言われたが、それはあいつの、悪魔の膨大な魔力を使えるに過ぎない。そんな膨大な魔力をもってしても青龍には一撃も与えられなかった。史上最強が聞いて呆れる

 

ヴ「・・・なぁアザゼル。頼みがある」

 

 

 

後日

 

ア「本当にいいんだな」

 

ヴ「ああ」

 

身体の傷が癒えたころ、頼んでおいたことをやってもらうためにアザゼルの元に来ていた

 

ア「もう元には戻せないぞ」

 

ヴ「わかっている。だが俺は最強でも何でもなかった!最強と思っていたのは膨大な魔力の!あいつのおかげだった!だが俺の親は母さんだけだ!たとえ俺のことを忘れてしまっても!俺はあの人の!人間の子だ!!」

 

この日、俺は羽と共に魔力を失った

 




ちょっと無理矢理感がありますがなんとか形になりました。
ヴァーリが悪魔の力を失いましたが、ちゃんと強化も考えています。
しかしその登場は・・・いつになるんでしょうか

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