【3人称side】
オーディンがアザゼルと共に夜の街に遊びに行った日から数日が経ったある日の午後。オーディンはロスヴァイセ、護衛のバラキエルと共に
オ「長い階段は老体にはちとキツイがここの空気は気持ちがいいのぅ」
バ「そうですね。とても澄んでいて堕天使の私は慣れるまで居辛かったですが今では冥界よりも居心地がいいです。っと、迎えが来たようです」
バラキエルの視線の先、そこには長い黒髪を1つに纏めた巫女が頭を下げていた
レ「オーディン様、ロスヴァイセ様、バラキエル様。ようこそおいでくださいました」
オ「黒髪巨乳巫女とはいいのう!「オーディン様!」分かっておるわい。・・・しかし堕天使であるのお主が何故日本の神社にいるのかのう?」
オーディンはスタイルのいいレイナーレの姿に気を上げるもロスヴァイセに言われ渋々静めた。
レ「行くあてのない私達を拾ってくださった恩があります。・・・青龍様がお待ちです。どうぞこちらへ」
バ「ではオーディン様。私はこれで後ほど」
ロ「え!?どこに行くのですか!?」
護衛をしているにもかかわらず護衛対象から離れようとするバラキエルに驚くロスヴァイセ。バラキエルはここで襲われる心配ないと告げた
バ「神域であるここで襲撃があるとは思えませんし、もしあったとしても周りには蒼枒殿の部下が控えてますから安心ですよ。神域を侵されたとなれば蒼枒殿も出てきますし。それよりもオーディン様はご注意なさってください」
オ「・・・何をじゃ?」
バラキエルの言葉にオーディンは髭を梳きながらしぶしぶ納得するも注意を受けることに疑問を抱いた
バ「共に出てくるかはわかりませんが、蒼枒殿の伴侶に手を出しては絶対にしてはなりません」
オ「ふむ、聞いておこう」
バ「頼みます。もし守らなかった場合・・・」
ロ「場合、何ですか?」
バ「下手しなくても死ぬことになるので」
低い声で忠告するバラキエルに一瞬怯む2人。バラキエルはその場を去るとレイナーレが2人を引き連れ移動した
レ「どうぞこちらです」
2人が案内された部屋には足の低い座椅子とテーブルが置かれ、青龍である蒼枒が1人待っていた
蒼「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
オ「ホッホッホ。失礼するの」
部屋へと入り座椅子に座る2人の前にはいれたてのお茶がすでに用意されていた。オーディンがそれを一口飲み、湯呑を置くのを確認すると蒼枒が話を切り出した
蒼「先日は申し訳ありません。私の方も予定がありましたので」
オ「こちらこそ、何もなしに突然訪ねたからの、しかたあるまいて」
蒼「して、本日はどのようなご用件で?」
オ「知っておるじゃろうが会談までの護衛を頼みたい。可能かの?」
蒼「そうですね・・・会談終了
オ「分かっておる」
蒼「ではお気をつけてお帰りください」
日が赤みを帯び始めた頃、オーディンとロスヴァイセは蒼枒に送られ施設を後にしていた。護衛を承諾後、オーディンの予定や護衛を行う時間、支払う金額を相談していたため長い時間が経っていた
ロ「一先ずは安心できます。オーディン様も勝手にフラフラと動かぬようお願いしますよ」
オ「分かっておる分かっておる」
ロ「(と言っても聞かないんでしょうね。はぁ・・・)」
何度言っても聞かないオーディンにロスヴァイセは今回もダメだなと内心思っていた
黒「ようやく終わったみたいにゃ」
バ「そのようですね。黒歌殿、ではまた」
そこに黒歌と別れたバラキエルが合流した。
バ「オーディン様、お疲れ様でした。どうでしたか護衛の方は」
ロ「時間は決まってます受けてくださいました」
バ「そうですか。・・・オーディン様?」
オーディンの視線の先には黒歌が尻尾を左右に揺らしながら山の方へと歩いていく姿があった
オ「スタイルもいいし、何よりエロいのぅ」
バ「オーディン様!ダメです!彼女に手を出しては!!」
バラキエルの制止の中黒歌は転移陣を目の前に出し潜り抜けていく。そして姿が完全に消えるとオーディンは落胆のため息をついた
オ「消えてしまったか。もっと見ておきたかったのに・・・残念じゃのぅ」
バ「だから彼女は危険ですって!彼女が青龍の伴侶なんですから」
ロ「あの綺麗な方がそうなんですか!?」
バ「そうです。そしてヴァーリが手を出して死にかけた原因でもあります」
オ「ほう。白龍皇がのう」
オーディンはどこか楽しそうに髭を撫でながら