・・・でもこれって猫姉妹効果ですよね?
【朱明side】
俺は朱明(フゥメイ)。数年前から白音ちゃんの中国武術の師匠をやっている。蒼枒が太祖山にまだ悪魔だった黒歌ちゃんを連れて来た。麒麟に『悪魔の駒イービル・ピースを抜き取るから少し場所を貸してほしいと』頭を下げていたらしい。らしいというのは姉であり現朱雀から聞いたからで、姉が何やら手伝ったみたいだ。で、その後の経過報告や必要な治療を任されて俺が日本に派遣された。俺としては可愛い弟子ができるわ、この報告が終われば世界を旅できる許可をもらえるわ、いいことづくめだ。
そして今、白音ちゃんの組手を行っている。
朱「まだまだネ。そんなんじゃ当たらないヨ」
白「はい!」
週に一度、組手を行ってる。今はまだ基礎・基本しか教えていないにもかかわらず、手加減しているとはいえ、俺に肉薄するほどだ。
朱「フェイントは当てる気持ちでやらないとフェイントってバレバレネ」
朱「ホラ!気が乱れてきてるヨ。」
白「くっ」
さらに気を纏いながら組み手を行っている。確かに数年という短い中で武術だけでなく気の使い方も教えたが・・・覚えるのは早過ぎるだろ。
朱「・・・いったん休憩ネ!」
白「はぁ・・・はぁ・・・。ありがとうございました」
本来なら気を一定にとどめながらこんな激しく動くにはもっと時間がかかるはずなんだが・・・どんだけ才能があるんだよ。
白「朱明さん。お姉ちゃんと比べ私はどうなんでしょうか・・・」
白音ちゃんが黒歌ちゃんのいるほうを見ながら聞いてきた
黒「にゃ~。蒼枒~」
青龍の姿になって寝ている蒼枒とその上で日向ぼっこしている黒歌ちゃんの姿があった。
朱「問題ないネ。今は黒歌ちゃんのほうが強いけどすぐに白音ちゃんのほうが上になるヨ」
確かに今は黒歌ちゃんのほうが上だ。近接戦闘に関しては。でもそれは悪魔になって戦ってた時の経験があるからそう見えるだけでこれからも修行を続ければすぐに抜くことができるわずかな差だ。黒歌ちゃんにも教えてはいるが白音ちゃんほど伸びしろが見えない。
朱「才能は白音ちゃんほうがあるヨ。今黒歌ちゃんのほうが強いのは戦闘経験の差であって、それはこれから埋められるネ。それに、黒歌ちゃんは完全に術師型ネ。
白「・・・そうですね」
蒼枒も黒歌ちゃんからの好意に気づいてるんだろうけど、まだ若いから抑えてるんだろうなぁ。東雲家は生涯一人の女性しか愛さないし。子供ができるのは最低でも100年後かな?
【蒼枒side】
今日は修行も休みで昼からは龍の姿で昼寝していた。たまに変化しておかないといざというとき困るからな。夢の中で修行してたら朱明に蹴り起こされた。
朱「さっさと起きるネ!」
蒼「ん?なんだよ朱明。邪魔なんかしてないだろ?」
朱「蒼枒にお客さんネ」
神「助けてください」
蒼「ん?あなたはたしか・・・」
神「はい。五大宗家の一つ、姫島家に祭られている神です。」
五大宗家っていえば古くから異形を狩り続けてきた一族だったな。まあ古くって言っても東雲家に比べたら歴史は浅いし、4神の力の一部を借りてるのにもかかわらずまだ一度も会ったことないし。
蒼「それで助けてとは?」
神「それが・・・」
人間体に戻りながら話聞いたら何馬鹿やってるんだって思った。なんでも姫島家の巫女と堕天使との間にできた子供を殺そうとして家に乗り込んでくるみたいだ。子供に罪はないだろ。
蒼「わかった。急ぐぞ」
朱「ちょっと待つネ!私も行くヨ!怪我してたら蒼枒だけじゃ治せないネ!」
神「わかりました。一人なら追加しても問題ないです」
蒼「そういうことだから。黒歌、白音、留守番頼む」
黒「わかったわ。いってらっしゃいにゃ」
白「気をつけてくださいね」
俺と朱明は神様とともに転移陣をくぐった
【朱璃side】
家事を一通り終え一息ついているときでした。突如家の周りに結界が張られ、外から大きな声がかすかに聞こえました。私は娘の朱乃を抱きしめると同時に男たちが戸を蹴破って家に入り、抜き身の刀を私たちに向けました。
刺客「そいつが堕天使との間に生まれた忌まわしき娘か」
朱璃「なんですかいきなり!あなたたちは!?」
刺客「どけ!俺たちの用があるのはその娘だけだ!」
まずい。今、愛しい彼はいない。朱乃を守れるのは私だけ。
刺客「娘を渡せばお前の命だけは助けてやる」
朱璃「娘は渡せません」
刺客「なら娘ともども死ぬがいい!」
男が振りかざした刀が背中を切り裂く。激しい痛みを抑え込み私は男たちに向かって雷を放ち、その隙に朱乃を抱えて奥に逃げた
刺客「ちぃ小癪な真似を!追え!絶対に逃がすな!」
【朱乃side】
私はお母さんに抱えられ家の一番奥に連れてこられた。お母さんは戸を閉めると私にある術をかけた
朱璃「朱乃。逃げなさい。できるだけ遠くに」
朱乃「いや。お母さんも一緒じゃないといや」
朱璃「ダメよ!私が時間を稼ぐからできるだけ遠くに」
刺客「どうやらここにいるようです」
|《刺客「しかし中から結界を張ってるようで開けられません」》
閉まっている戸から刺客たちの声が聴こえた。そのすぐ後に戸を壊そうと大きな音と振動が部屋に響いた。
朱璃「朱乃!」
朱璃「あなたは死んでほしくないの!お願いだから言うこと聞いて!」
私は必至に結界を維持している母から目を離せなかった
刺客「何をしている。ろくに力も残|《っていない女の結界にいつまでかかっている」》
朱璃「逃げなさい朱乃。そして、幸せになりなさい」
私は窓から見える森に向かって逃げた。走って走って、振り向いた時に見たものは刀がお母さんの体を貫いている姿だった。
朱乃「お母さん!!!」
戻りたかったけど戻れなかった。お母さんに言われたことを胸に森の中を駆けていった
【蒼枒side】
転移陣を抜け、母子がいる神社についた俺たちは音のする方に急いで向かった。家に戸は無く、血の跡が続いている。俺たちが血の跡を追った先ではで見たものは、刀を持った男たちが一人の女性を取り囲み、リーダーと思われる男が女性を貫いていた。
蒼「くそっ!一歩遅かったか!!」
俺は大きな木刀を瞬時に作り出し、貫いている男以外を薙ぎ払った。
刺客「お前たちなn」
朱明「黙っとくネ」
俺が薙ぎ払った直後、朱明がリーダー格の男を殴り、気絶させた
朱明「まずいネ!背中も切られてる!このままじゃ出血死するヨ!」
蒼枒「俺が血を止める。朱明は回復に専念しろ!」
朱明「任せるネ!」
俺は斬られている背中や貫かれた部分をでんぷん質の膜で覆い無理矢理血を止めた
蒼「よし。これで血は一応止まった。応急処置にもなってないがな」
朱明「ならこっちを手伝うネ!血を流し過ぎてなかなか進まないネ!」
2人が気と仙術による治療を行っていると黒い羽を持つ一人の男が飛び込んできた
「朱璃ー!朱乃ー!」
俺たちは家に戻ってきた。あの後、飛び込んできた男はバラキエルといい堕天使と言っていた。朱璃さんは神の子を見張る者グリゴリで治療するらしく、連れて行った。
蒼「すみません。娘さんのほうを助けることができませんでした」
神「謝っていただく必要はありません。あなた方はできる限りのことをしてくださいました。間に合わなかったのは私が呼びに行くのが遅かったためです」
しかし娘さんの朱乃さんは見つけ出すことができなかった。堕天使の気配を探ってみたが朱璃さんがかけた隠蔽術によって探知されないようになっていてわからなかった。今はバラキエルさんの部下が探しているらしい。
神「しかし良かったのですか?朱璃を誘うようなことして」
蒼「身内から襲われた以上またあの場所にいるのは危険です。夫のバラキエルさんも四六時中一緒に一緒にいることはできないようですし。それにちょっとやりたいことがありまして」
朱璃さんの応急処置が済んだ後、刺客たちを問い詰めたら姫島家から朱乃さんを殺すように依頼されたと言っていた。バラキエルさんは刺客たちを殺そうとしていたのを助けたおかげか、またはバラキエルさんの殺気のおかげかはわからないがあっさりと吐いてくれた。朱璃さんをうちの神社に誘ったのはいい加減五大宗家が五月蠅くなってきたからだ。内の従者を殺そうとしたり、青龍の力を借りているいるにも関わらず偽物呼ばわりしたりとやりたい放題だ。そこで家の神社に来ないかと朱璃さん宛の伝言をバラキエルさんに頼んだ。実際来てくれるかどうかは朱璃さんとバラキエルさん次第だろう。悪魔ならともかく堕天使なら神社も大丈夫だったみたいだし。朱璃さんを利用するようで悪いがもしこちらの土地にまで入ってくるなら朱璃さんを潰す口実にもなる。
蒼「まぁ来てくれるのであれば分社でも建てますから」
神「そうですか・・・。今回はありがとうございました」
蒼「何かあったらまた頼ってください」
神様は出てきた転移陣をくぐり、消えていった
蒼「今回は助かった、ありがとう。朱明がいなかったら朱璃さんは助けられなかっただろう」
朱明「気にすることないネ。」
俺たちは軽く言葉を交わすと家に入っていった
蒼・朱明「ただいま」
葉・黒・白「おかりなさい」
後半全然思いつかなかった
アドバイスを受けて色々加筆してみたけど・・・ダメだろうな(あの方凄過ぎるってorz)