【3人称side】
ユーガの発動した《魔法族の里》のある家。《次元の裂け目》から突然現れた少女をベットに寝かせたユーガとゼファードルは少女が目が覚めるのを待ちながらそれぞれ寛いでいた
ゼ「少々狭いが、まあまあ良い家だな」
ユ「ゼファードルにしたらそりゃあ狭いだろうな」
他愛ない話で時間を潰す2人。そうしているとゼファードルが調べに出していたカルティナが2人の下に現れた
カ「主様。ただいま戻りました」
ゼ「ご苦労だったな。それで、どこの悪魔か分かったか?」
椅子に座り報告を待つ2人にカルティナは片膝をつきながら報告をつづけた
カ「はい。彼女の名はアーシア・アルジェント。リアス・グレモリーの『
ゼ「何だと?確かグレモリーは今ゲーム中なはずだが」
今日行われたゲームの勝利者が最後にゼファードルとその眷属たちと戦える予定となっていた。だがディオドラ・アスタロトにしろリアス・グレモリーにしろ、戦いの内容から判断するに自身の敵ではないというのがゼファードルの判断だった。故にどちらが勝とうが興味はなく、ゲームだというのにゼファードルはユーガのところに遊びにきていた
カ「それが、ディオドラ・アスタロトが『
ユ「(あー、アーシアだったのか。気付かなかったな。アーサーがいないから誰も助けることができず、次元を彷徨っていたところ、俺の《次元の裂け目》から出て来たのか。結果的に助けられてよかったが、また失敗か)」
原作知識から今何が起こっているか予想するユーガ。ゼファードルは静かに聞く中カルティナの報告は続けた
ユ「(それにしても、もうディオドラのところまで進んでいたのか。なら今頃はイッセーが覇龍になって暴れている頃かな?)」
カ「そこで主様には至急冥界に戻っていただきたいとのことです」
ゼ「そうか・・・」
ゼファードルは少し残念そうにしながら立ち上がると、ドアに手を掛けた
ゼ「すまないがユーガ。今日はここまでの様だ」
ユ「・・・まあしょうがないか。また来いよ」
ゼファードルがドアを開けるとボール状の何かが勢いよく外から家の中に入ってきた
ゼ「何だいきなり!?」
ユ「はやいな。もう戻ってきたのか」
それはユーガが召喚した《異次元の偵察機》だった。《偵察機》は何かをユーガに渡たすとカードへと戻った
ユ「(・・・失敗かぁ。まあ分かってたことだが)ゼファードル。アーシアも連れていってくれ。どうやら次元を通してここに飛ばされて来ただけのようだからな」
ゼ「・・・つまり並行世界でも何でもないこの世界の冥界から来た、ということか?」
ユ「そうだ。なんてことはないただ遠回りしてきただけ。だから連れて行っても問題ない。それに、ここよりもまだ冥界のほうがいいだろ」
ゼ「確かにな。分かった連れて行こくとしよう。カルティナ」
ゼファードルはカルティナにアーシアを背負わせると今度こそ家を出た
ゼ「ではな」
ユ「ああ、またな」
ゼファードルを見送ったユーガは残りの《偵察機》を回収した後、ヴァルハラへと戻っていった。仕事を手伝ってもらっていた《極神》の方々に礼を言い、使っていたカードを全て戻した結果、アーシアが着ていた鎧などが解除され冥界で再び裸になったのは言うまでもない
イッセーが覇龍に目覚めるころ、アルビオンはその気配をいち早く察知していた
アル「!この気配はドライグのJuggernaut Drive!!?」
アザ「何だと!?あいつ何してやがんだ!」
襲撃者の生き残ったものを捕縛し、一箇所に閉じ込めていたアザゼルとヴァーリの2人は強烈な龍の気配を感じていた
ヴ「ほう、覇龍を使ったか。・・・アザゼル、俺は赤龍帝のところに行く」
アザ「ああ、イッセーの奴を助けてやってくれ」
ヴ「次代を速く望む俺としては助からないほうが嬉しいが。それに覇龍は発動すれば命を落とす可能性が高い。助けれるかどうかは分からないぞ」
アザ「それでもだ。ここで失うわけにはいかないからな」
ヴ「・・・貸1つだ。できる限り助けるが寿命はもうほとんど残らない。覚悟しておくことだな」
そういうとヴァーリは
ヴ「・・・俺も甘くなったな」
アル「そうでもないだろ。結果的にお前には利しかないんだからな」
また、ディオドラのゲームが行われた神殿の近くではオーディンとロスヴァイセが最後の悪魔を殺しているところだった
「ギャァァァ・・・」
オ「これでラストかのぅ。流石に多かったのぅ。疲れたわい」
ロ「お疲れ様でした。オーディン様」
オ「さて、あの者達はどうしてるか見に行くとするか」
ロ「なんでわざわざ危険なところに行こうとするんですか!ットラップ発動!《安全地帯》」
勘のようにモノが働きロスヴァイセはセットしていたカードを発動した。光のオーラがオーディンを包み込み、破壊耐性を持たせる。直後、彼らの近くの神殿が内側から吹き飛び、瓦礫と衝撃が2人を襲った
オ「・・・なんともないのぅ」
ロ「それはそうでしょう。そういう効果ですので」
ロスヴァイセは召喚していた《スターダスト・ドラゴン》が防いでいたため無傷だった
ロ「ありがとうございます《スターダスト・ドラゴン》。ところで一体何が・・・」
《スターダスト・ドラゴン》が唸りをあげている。その視線の先には全身を赤い鎧のようなものに包まれた小さなドラゴンのようなものが咆哮を上げていた
ロ「ッッツ!凄まじいプレッシャー。あれは一体・・・」
オ「あれは覇龍じゃよ。
ロ「覇龍ですか・・・」
赤い小柄のドラゴンは咆哮を終えると、対峙している黒い貴族風の服とマントをつけた男と戦い始めた
オ「巻き込まれてはかなわんからのぅ。少し離れて様子を見るとするか」