【絶斗side】
次の神殿に入ると今度はローブを纏った3名が、俺達。を待っていた
「待っていました、リアス・グレモリー様」
三名のうち真ん中の1人がローブを取り払う
イ「すげぇ美人!」
いつものようにイッセーが反応するが・・・確かに碧眼ブロンドの美人なお姉さんだな。アーシア攫われてんのにこんな時まで自分に素直でなくてもいいのに
祐「あれは、確かディオドラの『
『
ゼ「あの2人は確か・・・『
リ「そのようね。なら「私が出ましょうか」朱乃?」
一歩前に出たのは朱乃さん
朱「ここを抜ければ残るは『
リ「確かに。こちらも祐斗とゼノヴィアが残っているから『
それは何よりで。なら後はイッセーが出るのか?
リ「だから、私も出るわ」
と思っていたら、部長が前に出た。何故そうなる!?
朱「あら部長。私だけで十分ですわ」
リ「何言っているの。いくら雷光を覚えても、無茶は禁物よ?ここは堅実にいって最小限のことで抑えるべきだわ」
魔力に優れた学園二大お姉さまのタッグか。まあ魔力勝負になるわけだしいいかもしれないな
祐「雷光と滅びの力。どちらも強力な性質を持っていてその威力は絶大だ。更にはそれを扱う二人も強くなっているしこの勝負も勝てそうだね」
絶「油断しなければな」
表情はどちらも笑顔だが互いに纏う空気が反発、いがみ合っている。この状況はあまりよろしくない。下手に互いが邪魔して負けるようなことがあれば目も当てられないし・・・何か発破を掛けれればいいが
絶「良いこと思いついた。イッセー」
イ「何だ?これから部長達が戦うって時に」
絶「いいから耳貸せ」
蒼枒さんの話によると部長も朱乃さんもイッセーに依存している可能性が非常に高い
イ「部長!朱乃先輩!」
他人が言っても効果が薄いだろうが
リ・朱「「何かしら?(なんでしょう?)」」
2人に依存先、しかも褒美をもらえるように仕向ければ
イ「どちらか倒した方が多いほう今度の日曜にデートしましょう!」
カッ!バチッ!バチチチチッ!
シュゥゥゥゥゥ
いつも以上に力を発揮してくれる。その証拠に稲妻が辺り一面に散らばり絶大な雷光のオーラに包まれた朱乃さんと、足元の床を削る程あふれ出る赤い魔力で自身を覆う部長がいた。予想通り
リ・朱「「・・・・うふふ。うふふふふふふふふふふふ!イッセー(君)とデートができる!」」
イ「・・・なあゼット。俺的にはすごい嬉けどそれと同時に恐怖も感じてるんだが」
絶「まあなんだ。アーシアさんを助けるためと思って諦めろ。それに役得だろ?」
「あの・・・勝てる気しないので降参したいのですけど」
リ・朱「「ダメよ!」」
「・・・ですよね」
ディオドラの『
朱「いきますよ」
リ「覚悟することね」
開始の合図もなく2人が同時に魔力を放った。雷の魔力は2人の『
「はぁ、はぁ、始まってもないのに、攻撃するなんて」
リ「手加減したつもりはないんだけど」
朱「残念ですがイッセー君とのデートはもらいましたわ!結果は私が2人を倒し、リアスは1人も倒していません。例え満身創痍になっている彼女を倒してとしても結果は1人だけ。勝負ありましたわ」
リ「朱乃ぉ」
恨めしそうな声の部長と余裕な表情の朱乃さん。まだディオドラとの決着ついてないんですが
「これでは、もう戦えない。次に進みなさい」
ディオドラの『
【3人称side】
絶斗たちはディオドラの『
「や、おひさ~」
現れたのはアーシアを殺し、コカビエルに雇われていた白髪の神父
イ「フリード!」
フリード・セルゼンだった
フ「おやおや?俺と会いたくなかった?残念。またまた出会っちゃいました~!」
ゼ「そのふざけた口調は教会にいたころから相変わらずだな」
ゼ「うわぉう!何で教会の犬が悪魔と一緒にいるんですかね~?僕チン不思議!」
大袈裟に悩むようなふりをするフリード。それを無視するように絶斗は口を開いた
絶「フリード。ディオドラの『
絶斗の問いに嫌な笑みを浮かべるフリード
フ「ああ、あれね~。あれは確か~」
フリードは口をモゴモゴさせると、ペッと何かを吐き出した
イ「いっ!?」
ギ「キャアアアアア」
フ「俺様が食ったよ」
それは人の指だった。イッセーとギャスパーが悲鳴を上げ、リアスや朱乃は悲鳴こそ上げなかったが顔をひきつらせた。そんな中、二人だけは何の反応もなかった
フ「あれれ?おかしいぞ~?何で何も搬送してくれないんですかねぇ?」
イ「そうだぞ。なんで2人は平気なんだよ!?喰われてるんだぞ!」
絶・ゼ「「いや、人が喰われてるとこなんて何度も見ているし(からな)」」
2人が平気な理由。それは修行を受けていた蒼枒の配下の妖怪達は当然ながら人を喰うものもいたためである。修行中におやつ代わりに人の腕や脚を喰らい、ある時は自身の身体が喰われてこともあった。破損した身体は蒼枒再生していたが、そんなこともあり2人にはもう見慣れたものであった
フ「なんかイマイチ盛り上がんないからぁ・・・こんなのはどうだ?ヒャハハハハハハハハハハッハハハハハッ!」
ゴキッ!ボコッ!!ぐにゃりっ!!と異様な音を立てながらフリードの体の各所が不気味に盛り上がる。神父服は破れ、その四肢は何倍にも膨れ上がっていた
フ「行き場無くした俺を拾ったのが『
フリードの背の片方コウモリの翼、もう片方は巨大な腕。そのほかにもいろんなものが全身に混ざり合っている。元の面影など一切残さない異形な存在となった
フ「ヒャハハハハハハハッ!ところで知ってたかい?」
狂ったような笑い声から突然、冷静になったフリードが話し出した
ゼ「何をだ?」
フ「ディオドラ・アスタロトの趣味さ。これを聞いたとき、素敵過ぎて胸がドキドキしたんだぜ!」
デレデレデレデレとフリードはドラムのような音を声で再現する
フ「ジャンジャジャーン!!今明かされる衝撃の真実ゥゥゥゥゥ!!ディオドラの女の趣味はー、大した好みでさー、教会に通じた女が好みなんだって!シスターとかそういうのっ!し・か・も、狙う相手は熱心な信者や教会の本部になじみが深い女ばかり!俺さまの言ってることわかるー?さっきイッセー君たちがぶっ倒してきた眷属悪魔の女たちは元信者ばかりなんだよ!少し親から言われで男が入れられてたんだけどね。でもぉ、自分の屋敷でかこっている女どもは全部ぜーんぶ、元は有名なシスターや各地の聖女さま方なんだぜ!ヒャハハハハハハハハハ!マジで良い趣味してるよなぁぁっっ!悪魔の坊ちゃんが教会の女を誘惑して手籠めにしてんだからよ!!熱心な聖女さまを言葉巧みに堕とすのが超絶うまいことなんのって!まさに悪魔のささやきだ!天界もまさか悪魔にそそのかされてるんなんて思わない無能っぷり!マジで腹がネジキレそうだったぜ!ヒャハハハハハハハハハハハハハハ!」
イ「ちょっと待て。じゃあ、アーシアは・・・」
フ「さて、ここで一つ昔話をしよう。ある日ある日。とある悪魔のお坊っちゃんはチョー好みの美少女聖女様を見つけました。聖女様は教会にとても大切にされていて、悪魔のお坊っちゃんは手を出すことができず見ていることしか出来ませんでした。ですがお坊っちゃんはどうしてもその聖女様が欲しくなりました。そこでおぼっちゃんはある作戦を考えました。『ケガした自分を治療するところを他の聖職者に見つかれば、聖女様は教会から追放されるかも』。作戦は大成功。聖女様は信じていた教会から追放されました」
イッセーの拳からは強く握あまり血が滲み出ていた。他の者も怒りに身を震わせ、今にもフリードにとびかかろうとしていた
フ「最底辺まで堕ちたところを救い上げ、心身共に犯す!それがお坊っちゃんの最高最大のお楽しみでありまぁぁぁす!!今までもそうして教会の女を犯して自分のものにしたのです!それはこれからも変わりません!悪魔のお坊ちゃん、ディオドラ・アスタロトくんは教会信者の女の子を抱くのが大好きな悪魔さんなのでした!ヒャハハハハハハハハハッ!」
イッセーがフリードを激しく睨み付け、一歩前へ出ようとしたとき祐斗がイッセーの肩を掴んだ
祐「イッセー君。気持ちはわかる。だが、キミのその想いをぶつけるのはディオドラまで取っておいたほうがいい」
イ「おまえはこれを黙っていろって言うか!!!」
イッセーはぶちギレて、祐斗の胸ぐらをつかもうとしたが、顔を見て手を止めた。祐斗の瞳には怒りと憎悪に満ち、今にも溢れそうだった
祐「イッセー君が出るまでもない。その怒りはディオドラまで取っておくんだ。だから、彼の相手は「私が出る」」
ゼノヴィアは誰にも言わず、1人で前に出ていた
祐「ゼノヴィアさん!?」
イ「ゼノヴィア!?何で!?」
ゼ「祐斗の足では万が一のこともある。・・・無理をするな」
祐「・・・何のことだい?」
ゼノヴィアは亜空間から鞘に収まったままの《デュランダル》を取り出した
ゼ「あの大軍の時、足にくらっていたんだろう。うまく隠していたようだが私にはバレバレだ」
祐「いつから気付いていたんだい?」
ゼ「神殿に向かって走り出してすぐだ。そういう訳だから休んでいろ」
そういうとゼノヴィアは鞘からぬかずに《デュランダル》を構えた
フ「やあやあやあ!てめぇが出てくるんだねぇ?あのときは俺に無様に負けたけど大丈夫なのかなぁ?」
ゼ「御託はそのくらいにしておけ」
フ「調子くれてんじゃねぇぇぇぞぉぉぉぉっ!このくそあまぁぁぁぁああああ!!あの時よりもだいぶ強くなったんだぜぇぇ?ディオドラの『
憤怒の形相となったフリードは全身から生物的なフォルムの刃を幾重にも生やし、ゼノヴィアに向かってくる
イ「ゼノヴィア!」
イッセーが叫ぶ。だがそんな心配をよそにゼノヴィアはフリードを受け流していた
ゼ「先ほどまで大振りしかしてなかったからな。感覚を戻すのに付き合ってもらうぞ」
フ「ふざけんなぁ!どうしててめぇからは何の怒りも感じないんだよぉぉぉっ!!」
フリードの突進も、腕の切り裂きも、脚の踏みつぶしも全て避け、そして流す。そしてそのたびにゼノヴィアはフリードの体を鞘で撫でていた
フ「なめんのもいい加減にしろよ!ビチクソがぁぁあぁぁああああ!」
ゼ「もう、いいか」
フリードの全力の突進を避けるとゼノヴィアは鞘から《デュランダル》を抜き出した。そしてゼノヴィアの姿がその場から消えフリードの向こう側に現れると、次の瞬間にはモンスターと化したフリードの体が無数に斬り刻まれ四散していた
ゼ「まだまだ、か」
フ「・・・んだよ、それ・・・強すぎんだろ・・・」
イ「いったい何が起きたんだ?」
辺りにフリードの肉塊と血液が散らばる中、フリードの頭部が床に転がり、大きな目をひくつかせ。イッセー達は何が起きたか理解できていないかった
絶「イッセー達は無理か。祐斗は分かったか?」
祐「すれ違い様に高速の斬戟をフリードに繰り出した」
絶「正解」
リ「そんな。私も見るだけなら自信はあったのに・・・」
ゼノヴィアの斬戟を見切れたのは絶斗と祐斗の2人だけだった
フ「ひひひ。ま、おまえらじゃあ、この計画の裏にいる奴らは倒せねぇよ・・・」
ゼ「そうか」
ゼノヴィアは頭部だけで笑っていたフリードを切り刻み、絶命させた
ゼ「お前の地獄行は確定だ。殺してきたものたちの苦しみ、痛みを受けるがいい」
ゼノヴィアは鞘に《デュランダル》を収めると、再び亜空間に入れた
ゼ「行こうか、皆」
イッセー達は頷きあい、ディオドラの待つ最後の神殿へと走り出した。フリードの遺体の横を抜ける際、祐斗はフリードの頭部があったところを目で追っていた