【絶斗side】
ゲームの数日前。久しぶりに蒼枒さんが修行の相手をしてくれたのだが・・・
絶「はぁ・・・はぁ・・・」
ゼ「ぐ、かはっ・・・」
まるで相手にならない。蒼枒さんは完全装備(手加減の意味で)をしているのにも関わらずは半径1m以内から動いていない。俺は話す力もないほど消耗し、ゼノヴィアは首を持たれ、地面に叩きつけられていた
蒼「ゼノヴィアは身体の動かし方が。絶斗は空間把握、察知能力が長けてきているな」
全方位から放った槍を軽く避けた貴方が言いますか。格が違うと言えばそうなんだが
蒼「特に空中で一瞬だが足場作っただろ。重宝するからいつでも何回でも使えるようなっておけ」
そうは言っても安定して3回までしか作れないんだが。ゼノヴィアも1枚までだし。・・・そろそろ話せるようになってきたか?
絶「はぁ、ぅ・・・蒼枒さん。1つ、いいですか?」
蒼「何だ?」
絶「蒼枒さんに、尋ねるのもお門違いかもしれませんが、悪魔が急に力をつけるようなことって、何か考えられます?」
蒼「・・・それは一体どういうことだ?」
俺よりも長く生き、そして贔屓目などを使わない蒼枒さんなら何かわかるかもしれない。そう思い俺が知っている
情報をすべて話した
蒼「悪魔が急にか・・・そう言えば悪魔の出入りを禁止した日に戦った悪魔も急に力が強くなっていたな」
あの時襲ってきたのは
蒼「・・・そうだな。これを持って行け」
絶「これは・・・?」
蒼枒さんは自身の腕から伸びてきた木を取ると仰向けに横たわる俺の横に投げ渡した。それは細く、少し長い木でできた箱。これは一体・・・
蒼「それを相手の胴体に突き刺せ。俺が考えているものであるならば、回収できるはずだ」
絶「・・・そのあとは?」
蒼「ここまで持って来い。そして、俺以外に誰にも渡さずな」
何か危ないものなのだろうか?だがあれだけ急に力がつくんだ。危険なものには違わないか
黒「蒼枒~ご飯できたにゃん」
突如、魔法陣が現れ中から黒歌さん飛び出てきた。そしてそのまま蒼枒さんの首に腕を回しながら抱き着いた
蒼「時間か。今日はこれまでだな」
絶・ゼ「ありがとうございました」
身体に負担がかかりすぎないよう。というよりは一般人にばれないために休息の時間が多い。そのかわり修行の時間は短いのだが濃密すぎる。ありがたいことではあるんだけどな
蒼「うまいな」
黒「にゃふふ。うれしいにゃ~」
蒼枒さんは何かを食べたのか口が動いていた。黒歌さんは嬉しそうにパタパタと宙に浮く足を動かしていた
黒「そうにゃ。ゼノヴィア達にも少しあげるにゃ」
黒歌さんは蒼枒さん支えられながら何か手を動かしていた。そして俺たちの前にポツンと落とされたのは何かが入った葉っぱでできた袋だった
黒「今日は唐揚げを作ったにゃ。夕飯に食べるといいにゃん」
ゼ「ありがとうございます!」
ゼノヴィアが嬉しそうに拾っていた。確かに、たまにもらう黒歌さんの料理はどれもおいしいからなぁ。ゼノヴィアも教えてほしいと言っていたし。だけどまあ、そんな余裕は今の俺たちにはないけどな
絶「ところで蒼枒さん。今日まで姿も見えなかったけど、どこに行ってたんですか?」
蒼「依頼を受けていた。まだ本格的ではないが準備やその他諸々、色々やってた」
絶「依頼・・・?」
神様が受ける依頼って一体なんだ?
絶「誰から、とは聞きません。依頼って誰からのでも受けるんですか?」
蒼「誰でもってわけではない。報酬にもよるが、最終的に受ける受けない決めるのは俺たちだ」
リ「そろそろ時間ね」
部長がそう言い、立ち上がった。ディオドラさんとのゲームの日。深夜の部室に俺達は集まっていた。アーシアさんがシスター服。俺とゼノヴィアはいつも通り私服と戦闘服。他のメンバーは駒王学園夏の制服姿だ。いつも思うが戦闘するのにスカートってどうかって思うんだ。本人たちが良いなら構わないけどさ
リ「それじゃ皆……行くわよ!」
『はい!部長!!』
俺たちは部室の中央に展開された転移用の魔法陣に入る。全員が入り終えると魔方陣が光だし、俺たちをゲームフィールドに転移させた
絶「・・・着いたのか?」
転移した先。そこは広い場所だった。一定間隔で並ぶ大きな石柱。床も石でできており、辺りを見渡すと、後方に巨大な神殿の入り口があった。これはまるで
ゼ「どうやらここはギリシャの神殿をモチーフに作られているようだな」
ゼノヴィアの言う通り。ギリシャに残るパルテノン神殿によく似ていた。ここが俺たちの陣営か。あまり長いのはゴメンだから短期決戦が好ましいが・・・
リ「・・・おかしいわね。ゲームが始まらない・・・どうなっているの?」
部長がそう言う。確かにゲームのアナウンスが流れてこない。何かトラブルでも起こったか?そんな風に首をかしげて思っていたら神殿とは逆方向に何かを感じた
ゼ「絶斗?」
絶「何か来る」
俺は《アミル・ガウル》を出現させ、それにならいゼノヴィアもデュランダルを抜くと俺たちを囲むように複数の魔方陣が出現した
イ「な、なんだぁっ!?」
祐「これは・・アスタロトの紋様じゃない!」
朱「魔法陣の紋様は全てバラバラ。ですがこの共通点は―――」
リ「記憶が確かなら、全て
部長は紅いオーラを纏い、厳しい目線を辺りに配らせ即座に記憶から周りの魔法陣の家と共通点を割り出した。そして魔法陣から現れる大勢の悪魔たち。全員が敵意、殺意を漂わせながら激しく睨んでくる!その数は何百人か、千人ぐらいか、正確な数は判らないが、かなりの数に囲まれている!
「忌々しい偽りの魔王。その血縁者であるグレモリー。ここで散ってもらうわ!」
取り囲む悪魔の一人が部長に挑戦的な物言いに部長達は戦闘態勢に入る。しかし
ア「キャッ!」
アーシアさんの悲鳴。振り返るとそこにアーシアさんの姿がいない!
ア「イッセーさん!?」
イ「アーシア!?!テメェ、アーシアを放しやがれ!!」
空から声が聞こえた!上を見上げてみるとアーシアさんを捕えたディオドラの姿があった
デ「やあ、リアス・グレモリー。アーシア・アルジェントはいただくよ」
イ「このクソ野郎!アーシアを放せ、卑怯だぞ!つーか、どういうこった!ゲームをするんじゃないのかよ!?」
イッセーがそう叫ぶがアスタロトは醜悪な笑みを見せながら
デ「バカじゃないの!?ゲームなんてしないさ。キミたちはここで彼ら
部長が宙に浮かぶディオドラを激しく睨む。俺はその間に・・・
リ「あなた、
デ「彼らと行動したほうが、僕の好きなことを好きなだけできそうだと思ったものだからね。ま、最後のあがきをしていてくれ。僕はその間にアーシアと契る。意味は、君達でもわかるよね?ハハハハハッ。アーシアは僕のものになるんだよ。追ってきたかったら、神殿の奥まで来てごらん。そのときはきっと、素敵なものが見れるはずだからね」
皆が怒りに燃える中、ディオドラが展開された魔法陣に入って行こうとする・・・今だ!
デ「ハハハハぐぁああああああああああ!!?」
ア「キャアアアアアアアアアア!!!?」
絶「今だ!」
これだけ長々としゃべってくれたんだ。不可視の槍を用意する時間は十分すぎるほどあった。数多の槍に翼を貫かれ墜ちていくディオドラとアーシアさん。他のみんなが
「ディオドラ様!!」
待ち構えていたが他の悪魔がディオドラを救ってしまった!余計なことを
デ「ぐううう!よくも僕の翼を・・・一体誰の仕業だ!!」
「ディオドラ様!まずは戻って治療を!」
ア「は、離してください!」
ディオドラの腕の中で暴れるアーシアさん。だが彼女の力ではディオドラの腕を振りほどくことができない
ゼ「ハァァァァァ!」
この中で一番の悪魔特攻・攻撃力を持つゼノヴィアのデュランダルでさえ群がる悪魔たちの群衆に穴をあけるだけ。部長の滅びの魔力も朱乃さんの雷光も効いているはずだが相手は数を武器に俺たちの進行を押しとどめる。戦いは数だとはよく言ったものだな!
デ「チッ!しょうがない。僕をあの魔法陣に」
「了解しました」
ア「嫌ぁぁぁぁぁ。イッセーさん、部長さ」
デュオドラとアーシアさんは悪魔に連れられて魔法陣で転移していった
イ「待てっ!!アーシアァァァ!アーシアァァァァアアアアアッ!」
イッセーが宙に消えたアーシアさんを呼ぶが返事は返ってこない。俺たちはまんまとアーシアさんを連れ去られてしまった