【絶斗side】
テレビ収録は眷属全員で集って収録した。終始ギャスパーが震えていたが、やはり個別での説明はギャスパーに配慮したものだったのだろう。質問も俺たちの口からは必要以上のことは言ってない。相手が勝手に勘違いしてくれたし。後はやることもないため日本に帰るだけだ
デ「ごきげんよう。リアスさんとその眷属方。ご時間はよろしいでしょうか?少々お伝えしたいこともありますので」
と思いきやディオドラさんが俺達の目の前に現れた。その片腕は白音さんに切られたため方から先がなかった
テレビ局?の一角にある施設。喫茶店のようなところに連れてこられた。テーブル席に座るディオドラさんの前には部長とイッセー、アーシアさんが座り、他は近くの開いている席に座っていた
デ「お時間をいただきありがとうございます」
リ「構わないわ。このタイミングで伝えたいことがあるってことはゲームのことでしょう」
デ「ええ。次の貴女の対戦相手。私に決まりました」
リ「そう(サイラオーグ言ってたとおりね)」
デ「ゲームは1週間後の予定です」
1週間後か。この間ゲームをしたばかりなのに・・・。来客の関係もあってゲームの間隔が短いのかもしれないな。まだそれほど強くもなっていないのに
デ「では次は本題に入りましょうか。アーシアのトレード、考えていただけたでしょうか?」
リ「そのことだけど、なぜアーシアなの?確かにアーシアの持つ
デ「・・・そうですね。アーシアさん。この傷を覚えているかい?」
ア「・・・!それは!まさか、貴方があの時の・・・」
ディオドラさんが背中からわき腹に駆けて走る大きな傷跡を見せると、アーシアさんが何かを思い出したような反応見せた
デ「僕は貴方に助けられた悪魔だ。やっと会えた。ようやく僕は君にあの時のお礼が言える」
ディオドラさんがアーシアさんが境界から追放される原因となった悪魔だったのか。だが、お礼を言いに来ただけじゃあトレードなんて言わないよな
デ「アーシア・アルジェント。僕は君が好きだ。君には是非、僕の妻になって貰いたい」
ゼ「・・・これはまた随分と唐突な求婚だな」
絶「そうだな。だがわからないわけではないだろう」
ゼ「ああ。私も絶斗に助けられ、この気持ちに気付いたからな。
絶「・・・・・・」
あの時、ゼノヴィアを庇い代わりに光の槍を受けて死んでしまったことに悔いはない。だからゼノヴィアにそんな暗い表情はしないでほしい。俺はそっとゼノヴィアを抱き寄せた
ゼ「絶斗・・・」
絶「気に病むな。今こうして2人共生きていられるんだ。それでいいだろ」
まだゼノヴィアの中で俺の死は色濃く残っているか。無理もない。時間もそれほど経ってないし、自分の目の前で自分を庇った人が死んだんだからな
ア「・・・これで腕は元通りのはずです」
デ「凄い!諦めなければと思っていた腕が元に・・・アーシア。これで助けられたのは2度目だね」
アーシアさんがディオドラの切断された腕を治療していた。肩からなかったはずのディオドラさん腕が完全に戻り、手を握り締めては広げていた。部長もイッセーも、見ていた全員が驚いていたが
絶「・・・普通だな」
ゼ「何がだ?」
絶「いや、なんでもない」
見ていなかったゼノヴィアと蒼枒さんのところで見慣れた俺には驚くほどのことではなかった
デ「改めてリアスさん。トレードを考えていただけたでしょうか?」
リ「ディオドラ。トレードは断るわ」
デ「・・・それは彼女の
リ「両方よ。私は彼女を妹のように思っているわ!」
ア「部長さんっ!」
アーシアさんは感動のあまり瞳を潤ませている。感動するほどか?
リ「私はアーシアを手放したくないの。もちろん私の大事な眷属悪魔というのもあるわ。けど、それ以上にアーシア・アルジェントという個人と離れたくないの。まだ短い間だけれど一緒に暮らして妹のように想っているあの子を物のような扱いもしたくない。少なくともこんな形で彼女を手に入れようとする貴方にはアーシアは任せられないわ」
はっきりとお断りを入れた部長。笑顔のまま口調には多大な棘が混ざっていることから内心では相当腹を据えかねているのかもしれない
デ「わかりました。今日はこれで帰ります。けれど、僕は諦めません」
ディオドラさんはそれでも笑みを浮かべたままだった。席を立つとアーシアさんの前へ立ち、その場で跪いて手を取ろうとした
デ「アーシア。僕はキミを愛しているよ。だいじょうぶ、運命は僕たちを裏切らない。この世のすべてが僕たちの間を否定しても僕はそれを乗り越えてみせるよ」
そう言って、アーシアの手の甲にキスをしようとする
ア「い、嫌・・・!」
だがそれは、アーシアさんが無理矢理手を引いたことにより叶うことはなかった
イ「お前!アーシアになんてことを」
デ「アーシア・・・では、こうしましょう。次のゲーム、僕は赤龍帝の兵藤一誠を倒そう。そうしたら、アーシアは僕の愛に答えて欲しい」
イ「おまえに負けるわけねぇだろ!」
デ「赤龍帝、兵藤一誠。次のゲームで僕はキミを倒すよ」
またね、と言い残しディオドラさんはカタログをもって帰っていった。残ったのは怒りに燃えるイッセーや部長達だった
イ「あの野郎。アーシアは絶対渡さねぇ!!」
リ「もちろんよイッセー!次のゲーム、負けるわけにはいかないわ!」
祐「僕もだよ。聖剣以外で怒りを抱いたのは久しぶりだ」
朱乃さんもフフフと不気味に笑っている。だが勝てるのか?前回の試合は見てないしディオドラさんとその眷属の実力が定かではない。だがそれよりも・・・
絶「えっと、騒ぐと店にも迷惑ですしそろそろ帰りません?」
ゼ「そうだぞ。その気持ちはゲームの時までしまっておけ」
店員に早く帰れよ、と言いたげな視線を向けられている。俺とゼノヴィアはみんなを何とか静め、日本へと帰った