【絶斗side】
放課後。いつも通り白音さんと葉月さんを除いたオカ研全員とアザゼル先生、そして転入してきたイリナが部室に集っていた。2人はもう退部していいと思うのだが
リ「紫藤イリナさん、あなたの来校を歓迎するわ」
イリ「はい!皆さん!初めまして・・・の方もいらっしゃらないですね。会談の時に一度は会ってますし。新手馬手紫藤イリナと申します!教会いえ、天使さまの使者として駒王学園にはせ参じました!」
イリナは天界側の支援メンバーとして派遣されたらしいがもう少しいてもいいと思うんだが。堕天使はトップが来ているし悪魔は実力こそ劣るが数がいる。その悪魔と同程度の力しかないのに1人とは天界は人手不足なのかもしれない。パチパチパチと、部員の皆が拍手をするなかイリナが祈りを捧げて俺とゼノヴィア以外の悪魔が頭痛に襲われていた
アザ「なんでお前たちは平気なんだよ?」
イリ「そういえばゼノヴィアも抱き着いたときに十字架に触れていたのに平気だった・・・」
絶「さぁ?俺にもわかりません」
教えてもらって知ってるけど
アザ「まあいいか。おまえさん、『聖書の神』の死は知っているんだろう?」
イリ「もちろんです、堕天使の総督さま。私は主の消滅をすでに認識しています。会談の時に私もいましたし確認しましたよね?」
アザ「ふっ。それもそうか」
イ「だけどイリナってかなり信仰が厚かったはずだけどショックは受けなかったのか?」
そんなイッセーの言葉を受けたイリナは、一泊開けて両目から大量の涙を流しながら
イリ「ショックに決まっているじゃなぁぁぁぁい!!!心の支え!世界の中心!あらゆるものの父が死んでいたのよぉぉぉぉっ!!?全てを信じて今まで歩いてきた私なものだから、それはそれは大ショックでミカエル様から真実を知らされた時あまりの衝撃で七日七晩寝込んでしまったわぁぁぁっ!ああああああ、主よ!」
ゼ「イリナ!分かったから!あの時はそこまでひどくなかっただろう!!」
イリ「あの時は心の準備ができてたんだもんんんん!鎮静剤も飲んでいたしぃぃぃぃ!」
ア「イリナさん!落ち着いてください!」
テーブルに突っ伏しながら叫ぶイリナをゼノヴィアとアーシアがフォローする。それからしばらくしてイリナが落ちつくと
イリ「・・・すみませんでした。お恥ずかしいところをお見せして」
リ「いえ、気にしないでいいわ」
少し引いている部長。あれだけ人前で泣きわめいていたらそれは引くわな
アザ「ところでだ。3大勢力による会談の時から少し気になっていたんだが・・・イリナ。お前さんから天使の様な気配がする。だがお前は人間だった筈だ」
おお!流石は堕天使のトップ。この中でいち早く気付いたか
アザ「もうすでに人間を天使に転生させるシステムを完成させたのか?」
イリ「そうですね。折角ですからお見せしましょう」
そういうとイリナは立ち上がり祈りのポーズをとる。すると、彼女の体が輝き、背中からバッと白い翼が生え
頭には金色に輝く輪が浮かんでいた
イ「おお!イリナから羽が生えた」
ゼ「イリナが転生天使なのは知っていたが見るのは初めてだな」
イリ「そうだね。っと話の途中でした。ミカエル様からの話では、セラフの方々が研究されていて、一部はできていたそうですが、会談後、悪魔と堕天使が用いていた技術を転用して他の生命を天使に転生させるシステムを完成させたそうです。名を『
となるとセラフが
アザ「ほう。悪魔がチェスなら、天使はトランプか。あいつらも面白い事を考えるな」
イ「それで、イリナは何の札をもらったんだ?」
イリ「私は
イリナは左手の甲にAの文字が浮かび上げながら強く意気込んだ
イリ「それはそれとしてゼノヴィア。先のレーティングゲームでMVPを取ったそうね!」
ゼ「ああ。私はまだまだ未熟だが、あの時は運が良かったからな」
そりゃ夏休みの間会長たちの上位互換の相手と戦っていたからな。余程慢心していない限り負けるはずもない
イリ「その活躍を賞してミカエル様からこの鞘を渡すよう言われているわ。『これからは仲良くですよ』とのお達しだし、それに信心深かったゼノヴィアを不本意な形で追い出さざるを得なかったお詫びだって言っていたわ
ゼ「そうか・・・既に縁が切れた筈の私に其処まで」
そう言って袋を受け取るゼノヴィア。取り出すとかなり大きな鞘だな。デュランダル自体が大剣だから鞘も必然的に大きくなるか
イリ「これで悪魔に有害な聖なるオーラがダダ漏れになることはないわ。今までは亜空間にしまっていたけど、それだといざと言う時に取り出す手間が掛かるものね」
いや、その問題は既にクリアしています
イリ「そこで天使陣営の錬金術師によってエクスカリバーを鞘に変えて被せる事で受け皿とし、制御を可能としたの。これでいつでもデュランダルが使えるわ!」
普段は持ち歩けないのにどうしろと。銃刀法違反で捕まるぞ
イリ「名はそうね・・・エクス・デュランダル!なんてどう?」
絶「安直なネーミングだなおい!」
イリナのネーミングセンスの無さはともかくエクスカリバーを鞘にしたのか。もったいない気もするが
ゼ「だけどいいのか?貴重な聖剣、7本あるとはいえその内の1本をエクスカリバーを鞘にするなんて」
イリ「ううん。この鞘は7本全てを使って作られているよ」
アザ「どういうことだ?たしか1振りは行方不明になっていた筈だろ?」
イリ「私もよくわからないですが、何の前触れもなくミカエル様のもとに奇妙な顔がついた緑の壺が送られてきて、その中に行方不明になっていた最後のエクスカリバー、『
アザ「なんだそりゃ?」
イリ「私もその場にいたわけではないので詳しいことは分かりません」
アザ「そうか。だが注意したほうが良いな。今回はエクスカリバーだったとは言えミカエルの奴に直接物を送れるような奴だ。これが爆弾とかミカエルの奴は死んでいたかも知れないな」
確かに先生の言う通りだ。感知することもできず一方的に送られてくるんだ。回避しようがない
アザ「このことは後で俺からサーゼクスに伝えておく。お前らも気をつけろよ。お前らも狙われないとは限らないんだからな」
リ「ええ、承知しているわ。だけど今は歓迎会の準備を始めましょう。生徒会の仕事が終わり次第ソーナたちも来るから準備をしないとね」
部長の指示に従い皆でイリナのための歓迎会を準備する。何故か歓迎される側のイリナもその手伝いをしていた。やらなくてもいいと思ったがジッとしてられなかったらしい。準備を進めていると部室の片隅で転移用魔方陣が展開され、深い緑の髪をした男の悪魔が現れた
デ「ごきげんよう、ディオドラ・アスタロトです。今日はあるお願いをしにきました」
確か若手の会合の時に笑顔を向けていた悪魔だったような・・・何にせよ馬鹿な奴だな~。悪魔が