書き殴り短編倉庫   作:餓龍

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今年の仕事納めでようやく時間できた勢いで今書きたいの頭空っぽにして書き殴ってみた。
亡霊のほうも書きますのでしばらくお待ちを!


この素晴らしい世界で神殿建築を!
この素晴らしい世界で神殿建築を!


 

 神様転生。

 

 二次創作ではよくある設定であり。 お手軽に現代日本出身の主人公に、好きなチート能力を持たせて好きな原作世界へ放り込むことができる使い古された設定の一つである。

 そしてたいていの場合、転生に関わった神は転生後には関わってこない。

 まぁ主人公を転生させた神なんてのが転生以降も出しゃばってきたら、主人公に俺ツエーをさせづらいからな。

 なぜいきなりこんなことを言い始めたかと言えば、俺自身が神様転生をする羽目になったからだ。

 

 残業続きで風邪こじらせて死んで。

 

 なんか白いとこにきたとおもったら自称女神に26なのにおっさんよばわりされ。

 

 呼び出しちゃったからには仕方ないとかで異世界への転生を勧められ。

 

 転生特典でゲームのマインクラフトの能力を求めたら、「知らないけど適当に主人公の能力でいいわよね」とか言われ。

 

 説明しようとしたら「そんじゃいってらっしゃーい! あっ……」とかいう超不安になる言葉とともに送り出され。

 

 VR機器でやるマイクラのようなブロックな視界に、現実世界のようなブロックではないその他の感覚とかいう違和感だらけの世界で目を覚まし。

 

 四肢は曲げられず、動かせるのが首と肩と股関節のみで、横になるどころか座ることもできず会釈が限界、どんなにあがこうが不思議な力で倒れることもできず直立のまま。

 地面を殴るには手が届かず、木を殴れば拳が壊れ、葉ブロックを殴ってもわさわさするだけで壊せず。

 マイクラのポリゴンなmobウサギが登場したかなと思えば即死。

 激痛とともに死んだと思ったら最初の場所にリスポーン。

 ひとまず村を探して移動中に透明な何かに襲われて喰い殺され。

 本来中立のはずのmobのポリゴンな狼の群に襲われて殺され。

 こちらも中立mobのはずのポリゴンなシロクマに殴り殺され。

 何度もリスポンしてたらリスポン地点に敵がいてリスキルされ。

 何度もリスキルされてたら自分の死体が残っていることに気づいたりして。

 

 死んで、死んで、また死んで。

 

 何回死んだかもわからなくなったところで放り込まれた白い空間に女性が現れたら、殺そうと襲いかかっても仕方ないと思うんだ。

 

「でもそれと貴女に殴りかかったのは違うよなぁ。 本当に、すまなかった」

「いえ、こちらの不手際がそもそもの原因なのです。 それに貴方の魂を変質させてしまった影響で、このような状態にしてしまったのですから謝罪すべきは私たちの側です」

 

 しっかりと姿勢を正して最敬礼で女神エリスに謝罪すれば、今回についてなにも悪くない彼女はこちらが申し訳なくなるような表情で謝罪を返してくれた。

 転生先の世界で死後の魂を管理している、幸運の女神である彼女の説明によると。

 俺はマイクラでのプレイヤーが持つ能力だけを与えられ、マイクラ世界の法則をこの世界に適応する能力は与えられていなかったらしい。

 そのため色々とこの世界に対応しておらずなにもできなくなり、そのくせプレイヤー特権なリスポン能力は有効だったせいで完全に死ぬこともできずに延々とモンスターにリスキルされ続けていたようなのだ。

 またその影響で魂が変質したとか何とかで歳をとれなくなったり、定着してしまったリスポン能力で普通には死ねなくなってしまったらしい。

 

「でも貴女はアレとは違い、真摯に対応してくれた上にしっかりと今後についての対応もしていただける。 そのうえこうしてあの無能のかわりに、ただの人間に対して頭を下げての謝罪までしていただける。 貴女こそが本当の女神というものなのでしょうね……」

「そんな、当然のことをしたまでです(あれ? この人みたいな感じの目、どこかでみた気がする……)」

 

 死んでいるのに生き返る、というのは蘇生魔法的なものがあるので珍しくないらしいのだが。

 極短時間に、しかもとんでもない回数死んで生き返ってを繰り返す魂にさすがに不審に思い調べてみた結果。 俺のことを発見したようだ。

 俺をこの空間へ呼び出してからの振る舞いはまさに慈悲深き神。

 反射的に殴りかかった俺を止め、錯乱から落ち着くまでその胸で抱きしめ。 吐き出すすべてを受け止めてくださった。

 まさにあの自称女神とは比べることすらおこがましいほどの慈母神である。

 さらには奴に人ですらなくされた俺に、あの世界で人としていきられるように本来与えられるはずだった力まで与えてくださったのだ。

 生前は日本特有の無節操な無宗教(どの宗教の神も同等に扱う的な意味で)だったが、この世界ではエリス様をこそ信仰しようと思う。

 

 その後、俺に与えられた能力や俺自身の現状について。 そしてこの世界についての大まかなことを教えていただき。

 微笑みとともに再びあの世界へと送り出していただけた。

 ふわりとあの方の懐のようにやさしくこの身を包む力を感じながら、俺は決意する。

 今度こそ、あの方に恥じぬような生をおくろうと。

 

 不肖この倉太 舞人。

 この世界にエリス様のすばらしさを伝えるため、至高の神殿を建築する所存である。

 

 まずはリスポーン地点を中心とした拠点からだな。

 そのためには作業台から始めねば。

 忙しくなるな!

 

 

 

 

 

 送り出した彼が消えた場所をみて、彼女は思いだした。

 あ。 あの眼は狂信者の眼だ、と。




この後は一話ごとに前半主人公の日記、後半周囲のキャラ視点で主人公の様子という感じで進むのはどうだろうか。
んで、エリス神殿を建築するためにマイクラ能力で土木工事に精を出しつつ、サキュバスの夢をクリエイトモード代わりに使い、アクアを確実に殺す機会をうかがい、デュラハンを岩盤落とし穴からの溶岩&水バケツ投入で確殺し。
な感じで進む御話なんてどうでしょう?

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