マージナル・オペレーション 異聞録   作:さつきち

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前回とりあぞって書いたら、知人からヒヨスは?って聞かれました。

てことで、ひよすー。


アメヨコの帰り、ADIINの裏

---帰り道---

 

アメヨコからの帰りに、携帯でイヌワシに報告する。

 

要約して説明したつもりけど、うまく伝わってるだろうか?

 

「てことで、懐中時計はそちらに送ろうと思います」

 

『いやまてイブン、それはキミがもらった物だろう?そちらで持ってるべきだ』

 

相変わらず、父の頭はかたい。驢馬なみに。

 

「イヌワシが正当な後継者です。イヌワシが持つべきです」

 

そしたらまさかの返事がきた。

 

『イブンは駱駝なみに頭が固いな』

 

これには頭にきた。

 

「もういいです!じゃぁこれはイヌワシの子に譲りますから早く作って下さいね!」

 

そういい捨てて電話を切った。

 

切ってしまった。

 

「イブン・・・」

 

横で聞いてたサキが声をかけてくる。

 

困った顔をしている。

 

言った後で冷や汗が出てきた。

 

「やっちゃった」

 

どうしよう。

 

「気持ちはわかるけど、多分トリさんのほうが困ってると思うよ」

 

サキの冷静なツッコミが入った。

 

心配げな顔をしている。

 

「もう一度電話かけてあげたら?」

 

頭ではわかってるんだけど。

 

「この話についてまだ話があるなら、イヌワシから連絡して来て欲しい」

 

ちょっと強い言葉になるのでためらったけど、サキに言ってみた。

 

「そっか、父と男の子の話だもんね」

 

そういって笑った。

 

なんだろう?

 

僕の知らない理屈でサキは納得してくれたようだった。

 

 

 

---ADIIN裏側---

 

客が帰った後の薄暗い店内に、スーツに黒髪ポニーの姿があった。

 

それがユキに声をかける。

 

「どうでした?」

 

テレビモニターを見ていたユキは、びくっと反応する。

 

まったく気付いていなかったのだろう。

 

「あーコジマさん、もちょっとわかるように入ってきて下さいよ」

 

ユキの頬に汗がつたっている。

 

そして動揺しながらも報告はする。

 

「まぁカメラの性能は良さそうですよ。イブンて子に向けても察知されてなかったみたいだし」

 

最新の監視カメラの状態を伝える。

 

「そもそもカメラの動きなんて察知されるわけないと思うんですけどー」

 

ユキの言葉を聞いて、黒髪ポニーの目つきが険しくなる。

 

「甘いわね。なんとなく察知されていたようにも思うけど」

 

「えー、監視カメラの警戒を察知するとか オカルトっていうか、ありえなくないですかー?」

 

ユキが言うと、部屋の温度が下がった。

 

コジマと呼ばれた女性が言う。

 

「あなた、協力するの?しないの?」

 

「え・・・そりゃしますけど。ていうかしてますし」

 

ユキがモゴモゴとなる。

 

コジマが話を続ける。

 

「良治さんから協力者の跡目を継ぐんでしょ?」

 

そうだった。良治おじいちゃんはもう居ない。

 

田舎を出てきて、力になってくれたのは、この店をやっていた祖父の良治だけだった。

 

東京での生活基盤もおじいちゃんが世話してくれた。

 

ただ・・・店の手伝いをしていたまでは良かった。

 

裏で政府の仕事を請け負っていたなんて事はまったく知らなかった。

 

そんな映画みたいな話ってもんですよ。

 

ボケ始めたおじいちゃんの面倒に追われ、店を切り盛りしている間に手を貸してくれたのがコジマさんだった。

 

彼女はどういう経緯か、おじいちゃんともなじみで一緒にめんどうをみてくれた。

 

考えていると、コジマさんが畳み掛けてくる。

 

「あなたの『おにーちゃん』を探すんでしょ?」

 

そう、コジマさんの情報力はたいしたものだ。

 

協力していれば、おにーちゃんを探し出すきっかけを掴めるかも知れない。

 

新型カメラのテストをしながら、そうも思っていた。

 

「早く仕事を覚えて、報告をしっかりね」

 

話は終わったとばかりにそう言って、踵を返す。

 

てかまぁ、監視カメラの管理とかやってみたら、わりと合ってるんですけどね。

 

「らじゃーです」

 

黒髪ポニーの背中にそう言う。

 

そして忘れない。

 

「おにーちゃんをだましてるイトウって人、ちゃんと探してくださいよ?コジマさん」

 

オンナ。ワルイ。イトウ。

 

絶対捜し出してやる。

 

黒髪ポニーが振り返って楽しそうに笑う。

 

「任せておいて。ただ、イトウさん?を見つけても、あなたにとって良い結果にはならないかもよ」

 

冷静にこちらも見てくる。

 

コジマさんは親切で言ってくれてるんだろう。

 

でも余計なお世話だ。

 

ワルイイトウをメッタメタにやっつけて、おにいちゃんを取り戻すんだから。

 




続きを書きたいです。

原作、進んでくれんかなぁ・・・。



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