モンスターイミテーション   作:花火師

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今作では、性格改変がございます。


竜は空へ、星は天へ

鈍い痛みが頭に走る。

そんな感覚をきっかけに、意識がゆっくりと浮上していく。

 

身体中が、まるで本物の鉄になったように重たい。

この様子じゃ、骨も何本か折れちまっているんだろうなぁ。そんなため息と共に激痛が体を駆け巡る。

 

「あのクソ火竜が(サラマンダー)、ふざけやがって」

 

そんな悪態を吐きながら、体を起こそうと力む。その度に先程よりも強烈な激痛が走り、体がそれを拒否する。

 

……ダメだ、起き上がれもしねえや。

 

「……俺、負けたのか」

 

なんとも、あっさりとその事実は胸の中に入って来た。

それはきっと、より大きな敗北を味わったからかもしれない。

……だが、納得できるかと聞かれれば話は別だ。今回の敗けと前回の敗けじゃ大きな差がある。

 

「ふっざけんなクソ炎!次は本当の本当に全力でぶっとばしてやる!」

 

圧倒的に負けるならまだ納得はできる。俺が弱かったんだなと理解できる。だが、どうだ。自分より格下だと侮っていた同類に殴り負けるだなんて、そんな目も当てられない負け方、納得できる訳がない。

 

負けたことは認めるが、納得はできない。

 

「コラァ!誰がクソだこのクソ鉄!」

 

……どうやら火竜も、少し離れたところにいるらしい。気にくわない声だけが俺の元へと返ってきた。

 

「……んだよ、まだいたのかよクソ火竜」

 

「悪いかよ、クソ鉄竜」

 

ブスッとした不機嫌そうな声色だ。

まぁそんな態度で返されても、俺とて不機嫌だから大して変わりなんてないが。

 

「さっさとどっか行けよ」

 

「うるせえよ、体が動かねんだよ。どっか行って欲しいなら炎よこせ。お前だけ目の前でバリバリ鉄食いやがって、ずりいだろ」

 

「はっ!じゃあお前も鉄を食えるようになるこった。なんなら手伝ってやるよ、そのアホ面に鉄塊お見舞いしてやるよ」

 

……相打ち、とかそんなことを考えるのは、甘えだよな。

勝てなきゃ意味なんてない。だから結局、負けてなくたって、死んでなくたって、俺は負けたんだ。相手にというより、自分に。俺自身のどうしようもなさに呆れて涙が出そうだ。

 

「でも、本当なら俺の方が強いんだよクソ火竜!」

 

「俺の方が強いっつーの!」

 

そこでふと気がつく。

俺の方からこいつに文句つけて、絡んでいることに。

文句はいいとして、問題は俺が絡んでいるということだ。俺から声をかけてるということだ。

幽鬼のメンバーにですら自分から声をかけすらしなかったこの俺が、こんな格下と笑っていた火竜にだ。

 

……確実に、俺の中で何かが変わり始めてる。

 

ふと風に乗って運ばれてきた匂いに意識が向いた。マスタージョゼの匂いと、それに重なるように漂ってくるのは、新品の鉄の匂いと、大勢の人間の匂い。恐らく評議院の部隊だろう。

この掻き消されたような匂い方はつまり……捕まったな、マスタージョゼ。

……ともなれば、実質幽鬼の支配者(ファントムロード)は陥落。解散って訳だ。それに、街に向かってジュピターやアビスブレイクをぶっ放そうとしたんだ。大量殺人未遂に禁忌執行罪。マスタージョゼは牢獄行き、恐らく二度と出てこれることはないだろう。

 

だったら俺も……。俺が変わり始めているこの時がいいタイミングなのかもしれない。ファントムはなくなり、分岐点とも言えるこの状況で……さて、どうするか。

 

この不可解な自分を理解するために、今、踏み出してみるのも悪くない気がする。それになにより、あの金髪男とはもう一度やりあわないと気がすまない。

 

……癪ではあるが、今俺が一番やりたいことは決まった。これしかないだろう。

 

「おい、クソ火竜」

 

「なんだよ、クソ鉄竜」

 

俺も、ここいらで変わってみようじゃねえか。いつまでも俺は、こんな小さい男でいるもりはない。

幽鬼のガジル・レッドフォックスは、もう終わりだ。

 

「俺を妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入れやがれ」

 

「はぁ!?なに!?うちに入るのか!?」

 

驚愕の声が聞こえる。

まぁそうだろう。一昨日の俺が聞いても同じような反応をするだろう。それこそ、鼻水垂らしそうな勢いで驚愕した後、嵐のように怒り狂って殴りかかっていたところだろう。

 

「あぁ。……あ、だが先に言っておくがてめえと仲良しこよしをするつもりはねえからな。俺はただ、てめえのギルドでやりたいことがある。そんだけだ」

 

あの男と、もう一度会うために。

 

「あと、俺の戦歴にこんな白星を残しておくのは許さない。また回復したら、すぐにてめえをぶっとばせるよう、殴りやすいところにいてやるって話だよ」

 

だから入れろ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)へ。

そう言ったところで、火竜の返事が止んだ。

……いや違う。あいつ、笑ってやがる。なんだ?コケにされてんのか?ぶっ殺すぞ。

 

「入りたいってんなら、俺は歓迎するぜ鉄の(くろがね)ガジル!当然、俺も今回は引き分けたし納得はしてねえからな。それに、まだレヴィたちの分、殴り終わってねえし。そんで、次は俺が勝つ!絶対勝つ!!」

 

うぐっ……痛いところを。そうだ、そういえば俺、こいつのギルドのチビっこいガキと取り巻きをぶちのめしたんだった……。

 

はぁ、仕方ない。大人しく殴られてやるか。こいつと、ギルドの連中と、あのチビガキに。

 

んでもって、こいつをぶっ倒す。俺も……今度こそ、負けない。滅竜魔導士(ドラゴン)は一人で充分だって事実を、てめえらに叩きつけてやる。そんで、あの男に泥をつけられるくらいに、でかい鉄の竜(ドラゴン)になってやるよ。

 

「ギヒッ。燃えてきたぜ」

 

俺の真似すんなー!と、火竜の声が大空へと響き渡った。

 

支配者は終りだ。(ドラゴン)はこんなところで縛られる訳にはいかない。思いっきり飛んでやるよ。妖精のように、空へ。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「はぁ!?あの男がこのギルドにいねえだあ!?」

 

数日後、(あらた)に妖精の尻尾へと迎え入れられた男、ガジル・レッドフォックス。彼は、雨ざらしで屋根すらない、広場となったギルドの酒場で、そんな悲痛な悲鳴を上げていた。

 

彼のフェアリーテイル入団に関しては一悶着も二悶着もあった。一言では語り尽くせない程に色濃い話が長々とあるのだが、それだけで日が暮れること請け合いなのでそこは割愛する。まぁ、そこまで関係は悪化することもなく、レビィたちには謝罪し、マスターにもその件は一発殴り飛ばされただけで許された(重症を負ったが)。

それとカグラにボロ雑巾にされたことくらいだったと、ここに明言しておこう(同じく重症を負ったが)。

詳しくは割愛だ。

 

「おい、じい……マスター!どういうことだ!なんであの男がこのギルドにいねえんだよ!!」

 

ガジルは、マスターに掴み掛からんとする勢いで声を荒らげる。

……実際に掴み掛かろうとしてるところをエルフマンが抑えているが。

 

「なんでと言われてものぅ。お前さんが言ってるのは、ファントムの支部をぶっ壊したやつのことじゃろ?悪いが、そいつはウチのギルドのモンじゃないんじゃよ」

 

「なんの為にここに入ったと思ってんだ!俺はあいつと闘うために入ったのに。……チクショウ、もっとちゃんと確認してから入るんだったぜ」

 

落ち込んだ様子で飲み物を手に、テーブルについたガジルは一人項垂れる。

そんなガジルの頭をベシベシと叩くナツは、痛快とでもいうように楽しげに爆笑している。

 

「だから言ったじゃねーか、最初からそんなやつ知らねーって!ダハハハハハハ勘違いしてやんの!恥ずかしー!」

 

「うるせえクソ火竜!!」

 

ガジルが調子に乗っているナツを殴った。あれだけ煽れば当然の結果だろう。やはり今日も今日とてアホだ。

一方殴られたナツはというと、今回の件で壊れたギルドの建て直し作業をしている半裸のグレイへ、派手に頭から着地してみせた。

 

「何しやがんだよこのつり目!いてえだろうが!」

 

「痛いのは俺の方だろうが変態野郎!ここにいるのが悪いんだろ!」

 

「んだと!」

 

「上等だよやるか!?」

 

接吻でもするんじゃないかというくらいに睨み合い、互いの額をグリグリと擦らせている二人。まるで犬と猿だ。そんな二人のもとへ、ルーシィがどうにか抑えようと仲裁に入る。

 

「元はと言えば、原因は俺じゃなくてガジルだ!俺は悪くねえ!」

 

「あぁそうかい、んじゃああの殺人面のトカゲ(モドキ)もあとでお前と一緒に同じ墓に埋めてやるよ!」

 

「誰が殺人面のトカゲ(モドキ)だとこの変態カキ氷!」

 

あ、ガジルが参戦した。

 

「ちょっとアンタ達やめなさいよ!」

 

「うるせえルーシィ!」

 

「ルーシィは下がってろ」

 

「喧しいこのオッパイ!」

 

「おいコラァ!最後セクハラよ!セクハラ!」

 

睨み合いが始まった。なんとも仲のいい四人組である。

そんな彼らを眺めながら、俺は酒場の隅で、葉巻をくわえるラクサスとチェスをしていた。

 

 

 

ファントム事件、とでも言うべきか。ギルドが無惨な姿に変えられ、レヴィが暴行され、挙げ句の果てには幽鬼の支配者がギルドごと攻めてくるという最悪の事件。だが裏腹にも、そんな事態の終結はなんともあっけなかった。

 

外で戦っていた仲間たちは、ジョゼの出した影の化け物たちが消えたことによって、幽鬼の支配者たちメンバーを制圧することに成功。

 

俺と戦っていたジョゼ・ポーラは、あの人の攻撃により地面と合体(俺にはどうやったのか見えなかったが)。

まだ挨拶も足りないうちにあの人は姿を消してしまい、その場に俺一人が残されることとなった。恐らくあの人が『魔王』と呼んでいた存在。その人物を探しにまた追っていったのだろう。

……いずれ、あの人とはまた会える気がする。だから、それまでに俺が出来ることは力をつけることだけだ。

 

話を戻すが、あの人が立ち去ってから数分とせずにその場へ駆けつけてきたのはカグラだった。

 

『すまない遅くなった!……え?』

 

あんなにも呆けた顔をしていたカグラは初めて見た。

だが、カグラの心中は察するに余りある。俺だって同じ反応をするだろうから。

 

なぜなら俺の目の前で、聖十大魔道であり幽鬼の支配者のギルドマスターである、ジョゼ・ポーラが白目を剥きながら地面の一部と化しているのだから。

鼻水を垂らし、白目を剥いて、あられもない表情で。

驚くなと言う方が無理がある。何をどうしたらこんな決着のつき方になるのか、とも思うのが普通だ。

 

更にそこへマスターマカロフが駆けつけ、評議院の部隊によってジョゼポーラは確保され、投獄されることとなった。それがつい昨日のことだ。

 

 

「なぁジェラールよ」

 

「なんだ?」

 

頭の中を整理しながら昨日のことを振り返っている。そんな俺とはまた違った意味で頭をフル回転させているような顔をしながらも、ラクサスは探るようにナイトを動かした。

チラチラと顔色を窺ってくる辺り、俺の表情で次の一手が是か非かを判断したいようだ。が、生憎この手のポーカーフェイスはお手の物だ。おっと、そこに置いたら俺が圧倒的に勝ててしまう。

 

「そこは悪手だぞラクサス」

 

……まぁ、いつもの通り助言はするけどな。この盤面は均衡しているように見えて、少しつつけば俺へと傾く。流石に優位性がありすぎるし、助言のひとつやふたつくらい良いだろう。それに、いつものことだ。

 

「あん?……あーそっかなるほど、ここじゃ不味いか……。ありがとよ。……んでよ、ジェラール。あのガジルとか言う新人、ファントムの幹部だったらしいじゃねーか」

 

「そうだな。おっと、そこも悪手だ。誘いのつもりだろうがリスクがでかい。ローリターンだしな」

 

「ッチ。悪くないと思ったんだけどな。……で、なんでジジイはファントムの野郎をウチに入れたんだ?普通入れねえだろ。長年睨みあってた敵だぞ?しかもよぉ、アイツ、うちに直接喧嘩くれたクソ野郎なんだってな?」

 

「物騒なことはするなよ。マスターはマスターなりに考えがあるんじゃないのか?……っと。ほら、ラクサスの番だ」

 

「心外だな、しねーよ。しかしそーとは思えねーな。あのジジイはお人好しが過ぎるとこがある。最近特にな、そのきらいが目に見えてきて、どうにも気に食わねえよ、全く」

 

身内がやられたってことに関しちゃ、俺はまだ納得してねえんだよクソが。とそんな悪態をつきながらも、ラクサスは自分の手番で止まったままのチェス盤を睨み付け、腕を組む。

ラクサスはファントム戦に参加しなかった。ラクサス程の雷の魔導士ならば、()せ参じることも簡単だっただろう。あの場に駆けつけ、ジョゼ以外のファントムを一掃することも簡単だっただろう。だが、ラクサスはそうしなかった。

ラクサスの考え方に反するからだ。

 

自分で始めた戦いは自分でどうにかしろ、と。そう言って通信を一方的に切った。

その言葉にギルド皆は激怒していた。が、ラクサスの言うことも勿論一理ある。彼が最近フェアリーテイルに対して苛ついているのも、理解できる。

 

温くなった、というラクサスの評価は、断じて間違ってなどいない。

 

自分の尻も拭えない魔導士などいない。それはいつか、マスターの言っていた言葉だ。それを聞いて育ったラクサスも、俺も、当然その思想を持ったまま育ったし、そうあるべきだと思っている(もちろん例外もあるが)。

 

だが、今回に関してはラクサスよりも、フェアリーテイルのメンバーたちに非がある。ラクサスの預かり知らぬとろで勝手に喧嘩を始めて、手伝わなければ憤るなど、言語道断だ。仲間といえど、家族といえど、おいそれと手を出すべきではない。

助けるのは仲間としてやるべきことだし、美しいことだ。だが、だからといって何でもかんでも助けていたら、それこそいつまでもラクサスに頼ったままになる。強いものに頼ったままのギルドになる。力だけでなく、人間性すら衰えそうに思えてくる。当然そんなものは、俺も、ラクサスも望んでなどいない。

 

昔から仲が良いせいか、ラクサスとはこうして話せる。実力では拮抗している俺たちだが、お陰でこれと言った垣根がない。こうやって互いの意見を本音からぶつけられるいい相手だ。

 

「そうだな。確かにそれはわかる。だがまぁ、ガジルもマスターに絞られて、あの拷問じみたカグラのお仕置きにも耐えきった訳だし。いいんじゃないのか?あれだけ絞られても尚、悪さができるようじゃ、それこそ、その更正のさせ甲斐にカグラが本気になるぞ」

 

「そりゃあおっかねえ。笑えねえよ」

 

想像でもしたのか、ラクサスは苦笑いしながらポーンを動かした。

まぁ俺もそんな事態にはなってほしくない。あのモードになったカグラは怖いなんてもんじゃない。一種のトラウマ製造機だ。

それにガジルは今、幽鬼の支配者の残党狩りや、残った支部の破壊をタダに近い金額でやらされている。だからという訳でもないが、もう彼を俺は許している。

 

「けどよ、俺は諦めてねえんだよジェラール」

 

ラクサスは吸っていた葉巻を握りつぶし、雷でその吸い殻を塵に変えた。

 

「何をだ?」

 

「マスターだよ。次のマスターには俺がなる」

 

そう、悪人めいた顔でラクサスは笑った。

これはまた、悪いことを企んでいる顔だ。変なことを計画中じゃないだろうな。

 

「それはまた、大きく出たなラクサス」

 

「おうとも。だがな、これだけは譲れねえ。ジジイを叩き落として、俺がフェアリーテイルの頭になってやるよ。んで、このギルドを根っから叩き直してやんだ」

 

「そうか……」

 

ラクサスの言葉に嘘はない。本気でこのギルドを愛してるんだ。この男は。だからこそ、緩く、(ぬる)く、ぬくぬくと脱力していっているようで許せないんだ。本気で、愛してるから。フェアリーテイルを自分の宝だと、胸を張りたいから。

 

俺は、駒を動かす。

 

「チェックメイトだ、ラクサス」

 

「あぁ」

 

互いに、笑みが深くなる。

悪くない。これだからラクサスとつるむのはやめられない。

俺もたまにはやってみるか。悪ガキというやつを。

 

「ジェラール、一緒にキングを取りに行かねえか?お前の頭と俺の力があれば、俺たちは最強だ」

 

そんな問いを投げられたら、返せるものはひとつしかない。

 

「ラクサス。答えが必要か?」

 

わざわざ言葉にする必要なんてない。

俺とて、薄々勘づいてはいた。このギルドはこのままじゃダメな気がすると。

……それに、少し楽しそうだ。

 

「「決まりだ、相棒」」

 

 

拳をぶつけ合い、答えは決まった。

 

 

 

「ジェラール・フェルナンデスはいるか!!」

 

そんな俺たちの元へ、不粋な声が届いた。

その声の主は白を基調とした正装に身をかため、眼鏡の向こうに光る切れ長な眼でメンバー全員を見渡した。

彼の襟元に輝くのは銀と青のバッジ。それの意味するところはつまり、巨大なの権力の証。

 

 

「ジェラール・フェルナンデスに会わせてくれ!彼には評議院から召喚状が出ている!」

 

眼鏡を中指で押し上げ、彼は俺を見つけると、目の前まで歩んできた。それに敵意を剥き出すように、ラクサスは静かに雷を体に迸らせる。人を殺せそうなほど鋭い目で彼を睨む。

 

その男はラクサスに圧されながも、咳払いをひとつ。額の汗を拭うこともせず俺を見て、その場にいる全員へと聞こえるように宣言した。

 

 

 

妖精の尻尾(フェアリー・テイル)所属、妖精皇子(オベロン)のジェラール。ジェラール・フェルナンデス。此度(こたび)貴殿には、晴れて聖十の称号が与えられることとなった」

 

 

 

◇◇◇

 

 

「あれ?どこよここ」

 

そんな呟きは大きな青い空へと消えていくようで、なんとなく、俺の心を虚しくさせるのだった。

 

「虚しくさせるのだった!」

 

そんな自分語りも程々に、俺はまるで怪獣の砲口のようになるお腹に手をあてながらため息をついた。

 

ファントマローンとかいうギルドのマスター、結局見つからないし。お腹は空いたし。お金はないし。もうお手上げですわ。

 

……うーん。途中まで一緒だったミストガンともはぐれちゃったし。これは……。まぁいいか、各自解散ということで。なんやかんやでフェアリーテイルは強そうなやつ多いし、恐らく今回はこれ以上手出ししなくても大丈夫だろう。いつかまた会うときがあれば、その時にまた恩返しの続きをするとしよう。

 

んじゃ、旅の続きと行きますか。

 

 




ラクサス、丸くなりおって…
じーじは嬉しいぞおおおおほほほほおおおおおい


─幽鬼編終了のお知らせ─
次回は番外というか、小話だー

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