ハイスクールD×D 『本物』を求めた赤龍帝   作:silver time

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ここから本格的な修行へと移ります。
今の所の八幡のスペックは原作のライザーを打ち倒せるほどです。
ここからどう進化するかは、まだ誰も知らない。


赤と蒼 目指すものは遥か高く

修行二日目。

先日の戯れから無事生還し、本格的な修行にはいった。

俺こと比企谷八幡は森の開けた場所にて目の前に佇む、人の姿ではなく元の龍の姿を取ったティアマットと対峙していた。

相変わらずの威圧感、ただ悠然と立っているだけなのに、その姿は龍の誇りを語り、その眼は人どころか人外すら射殺せそうなほどに鋭い。これが五大龍王、その一角。

下手をうてば間違いなく死ぬ。

 

「準備はいいかしら?」

 

「……OKだ。」

 

気を抜けば殺られる。修行だろうとお構い無しだ。だが、

 

(これを乗り越えなきゃ先はない。)

 

強くなると決めた。後悔しない程、強く。

 

「……イイ顔になったじゃない。」

 

ティアマットも顔に浮かべている笑みを一層深めた。楽しみで待ちきれない子供のように。

 

「それじゃあ……」

 

「……」

 

互いの目が見開かれ……

 

 

 

 

 

 

 

「「行くぞぉぉぉぉぉ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

二つの雄叫びが響き渡った。

 

 

 

 

 

『Boost!』

 

 

 

二つの雄叫びが響き渡ったその直後。本来ならば存在しない第三者の機械音のような声が発せられた。倍加の合図である。

それと同時に赤龍帝の少年は目の前の蒼き龍王(ティアマット)へと駆け出す。

「Gaaaaaaaaa!!!」

それと同じように雄叫びをあげ、大きく口を開いた。開かれた口からは蒼い炎が漏れ出す。言わずもがな、ブレスだ。

「ッ!初っ端からかよ!」

咄嗟に足を止め後ろへと大きく退がる。

刹那、先程まで自分のいた場所には蒼い炎が侵食していた。

「aaaaaaaaaa!!」

それに続くように逞しい豪腕をこちらに突っ込みながら振り下ろしてくる。

それに対し、咄嗟に横へと飛ぶことでやりすごす。

「どうした!怖じ気付いたか!」

「…もう少し待ってろ!」『Boost!』

二回目の倍加が告げられる。だが目の前の龍王にダメージを与えるためにはまだ足りない。このまま後何十秒も逃げに徹していてはいずれ体力が切れる。

ならば……

「ああ!まどろっこしい!!」

左手に魔力を集め、

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

五回分の倍加が告げられる。

それと同時に少年の力が膨れ上がった。

「…!ほう…」

龍王はそれを面白そうに見ていた。

倍加の前借り。連続使用や過剰に使用すると身体に大きな負担が掛かる。

「ハアァァァァァァ!!!」

己を叱咤するように叫び、再び龍王へと駆け出す。

「フンッ!」

龍王は己の尾を鞭のように振るい、少年へと叩きつけた。が、少年は当たる直前で大きく跳躍し、振るわれた尾の上を行く。

龍王の前へと躍り出て。

 

『Explosion!』

 

「オラッ!!」倍加された左拳(魔力付き)を龍王の顔へと叩き込む。

「Ga……aaaaaaa!!」

顔へとダメージ通ったことで少し怯むがその程度。

「チッ!浅いか!」

そのまま顔を蹴り、その勢いで先程の位置まで戻る。

「なかなかに効いたぞ。」

 

「そうとは思えないんだが。」

仮にも七回分の倍加を叩き込んだのにも関わらず、未だにピンピンしている。

「やっぱ堅ェな。」

『なにせ奴は五大龍王のなかでも最強だからな。』

七回分の倍加でも通らなかった。

少年は何故通らなかったかを直感的に理解していた。放った瞬間、倍加した力がバラバラに分散したからだ。本来ならば、城の城壁すら砕く一撃だったはずだ。それがあれほどまでに効かなかったのはそういうことだろう。

(どうすりゃいい……さらに倍加したものをぶつけるか……)

何にせよ、これが今後の課題となるだろう。

「考え事をしている時間は無いぞ!」

今は集中だ。目の前の(目標)に打ち勝つために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………」

「…んーっ、久しぶりに暴れた暴れた♪」

 

結果でいえば惨敗ではなく、しかし惜敗でもなく、ただまだまだやる事が多いと再認識した今日このごろである。

本人に至っては前借りBoostに禁手化と負荷のオンパレードで戦った為、物言わぬ屍と化した(真っ白に燃え尽きた)ように突っ伏していた。

「なかなかに楽しめたわよ。」

「…………ああ………そう……」

肉体的と精神的な疲労で限界である。

 

 

「で、何かわかった?」

 

「……ああ…嫌ってほどに。」

 

「そこまでネガティブにならなくても…」

 

「いや、それもだが一つわかった。」

 

何か確信を得たように、その顔は諦めではなく、むしろ前よりもイイ顔をしていた。

 

「……そっか。」

 

それを見つめる龍王も、誰もが見惚れるような微笑みを自然と浮かべていた。

 

「……まだまだ課題は山積みだ、だがこの修行でものにして見せるさ。」

 

新たな決意を抱き、少年は答え(目標)へと歩む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、これって必要か?」

 

「さあ?でも男はこういうのが好きって聞いたから。」

 

現在俺は人間状態のティアマットに膝枕されている。

 

 

 

 

 

 

ナゼに?

 

 

 

「こうすると気持ちがいいもんじゃないの?」

 

「いや、それはだな……」

 

正直言ってすげえ気持ちいい。ナニコレ。

この世の極楽は此処にあったのか……

 

「とりあえず寝なさい、明日もあるんだから。」

「……悪い……」

とても心地がいい…………

 

「……本当、不思議な子ね。」

 

 

 

 

そして翌日、またもやティアマットと模擬戦をするも、なかなか攻撃が通らない、この打開策も掴めずにいる。

 

……目標は未だ見えず、か。

 

 




ティアマットとの戦闘回でした。ただしばらくは魔術に関する話となります。
そしてそろそろタグのあれも……
何にせよこれからも失踪しないよう頑張るぞい。

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