ハイスクールD×D 『本物』を求めた赤龍帝   作:silver time

3 / 22
書けるだけ書いていきます。
とりあえず春休みが続く限り書きます。


新たなる夜明けに

 

 

「俺はこの世界(異界)を見たい。」

 

 

今のままじゃ変わらない。

だが自分を変えるつもりも無い。

世界なんて変えることすら出来ない。

ならばせめて後悔しないよう、今よりも強くなろう。

理不尽を打破出来る、そんな強さを。

 

「それはOKって事でいいんだな?」

 

「あぁ」

 

例えまちがっているとしても。

 

 

「それで、どこに行けばいいんだ?」

 

「知らね。」

 

は?

 

「いや旅なんだから自分で決めろよ。」

 

いやいやいや。

 

「俺何すりゃいいか分かんねーんだけど!?」

 

「別にテキトーに決めれば良いじゃねえか。」

 

「テキトーって……」

 

「大丈夫だよ。この世にはな、ただ気付いてないだけであちらこちらに裏の奴らいやがる。お前はそれに自分から首を突っ込むんだ。行き当たりばったりでも案外何とかなるもんだよ。」

 

「って言ってもな…ってか今更だが学校はどうすんだ?」

 

「大丈夫大丈夫、外国の知人に呼ばれて海外行ったらトラブルに巻き込まれて行方不明って肩書きにするから」

 

「いろいろ大丈夫なのか?それ。」

 

「バレなきゃ問題ない。」

 

いやダメだろ。

 

「じゃあ決まったことだし。明日には出発な。」

 

「え?今からじゃねえのか?」

 

「バッカお前、準備もロクに出来てねぇのに旅立たせるやつがあるか。」

 

「そ、そうか。てっきり何も持たせずいきなり放り出すかと思ったが。」

 

「お前は俺を何だと思ってんだ!」

 

「クソ親父。」

 

「ぐっ…今まで放ってきたもんだから言い返せねぇ。とりあえずもう今日は寝ろ。明日母さんにも伝えとくから。」

 

「小町にはいいのか?」

 

「お前ら今気まずいんだろ。それに裏のことにはあまり関わらせたくないんでな。」

 

……それもそうか。

 

「わかったよ……じゃあな親父。」

 

そうして俺は自分の部屋に戻っていった。

明日が、俺が一般人として過ごす最後の時間だろう。

 

「………」

 

リビングには静寂が訪れ、

 

「はーー……まさかねぇ。」

 

一人リビングに残っていた男『比企谷七夜』は独りごちていた。

 

「ホンット、家は奇妙な縁ばっかだなぁ………

なぁ。親父。爺さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、親父は部屋に篭って何かを作っている。

母さんは俺に渡すための魔術礼装を作ってるみたいだが

 

小町はいつもとは違う雰囲気に戸惑っていたがいつも通りに学校に通って行った。

 

ただ俺の顔を見る度、最近まで浮かべていた表情とは違う悲しい顔を、何かを堪えている顔をしていた。

もしかすると昨日の親父との会話を聞かれていたのかもしれない。

 

悪いな、小町。

だけど俺は今のままでいるよりかはマシだと思う。

もう二度と、後悔しないほどの強さが欲しい。

決して壊れない、何事にも代えられない本物が欲しい

 

これが、比企谷八幡が出した答えだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時間は過ぎ去り、出発の時間がきた。

時刻は深夜2時、俗に言う丑三つ時だ。

人々が寝静まり、小さな灯りがよく映える、

そんな真っ暗闇の中。

 

「それじゃあ、行ってくる。」

 

一人の若い男がいた。

まだ一人立ちには早い年頃の少年が。

 

「まさか、こんなに早くあんたを見送る日が来るとはね。」

 

「全くだな。」

 

「焚きつけたのはあんたでしょ。」

 

それを見送るように2人の男女、少年の両親は佇んでいた。

 

「小町は?」

 

「寝てるよ。こんな時間まで起きていたら身体に悪いからな。」

 

「ホンット過保護ね。」

 

「当たり前だ。我が家の天使だぞ。」

 

……しんみりムードのはずだが……

 

「じゃあ適当に言い訳しといてくれ。」

 

「おうよ。世界の果てまでラピ〇タを探しに言ったって言っとk「止めろ。」

 

「……気を付けなさい。八幡。」

 

「わかってるよ……」

 

少年は覚悟を決めた――だがせめて、妹に何か一言二言

くらい言いたげな顔を、そんな表情を浮かべていた。

 

「……行ってくr「待ってお兄ちゃん。」

 

刹那、そこにいた三人は声のした方へと顔向けると――

 

「――出る前に小町に何も言っていかないなんてポイント低いよ!」

 

――少年にとって最愛の妹、比企谷小町がいた。

 

 

「こっ…小町。」

 

「ああ、小町これはn「知ってる。昨日の話聞いてたから。」ッ!」

 

「小町。これは八幡が決めた事よ。今更…」

 

「わかってるよ。止めたりはしないよ。ただ次会えるのがいつになるか分からないから。」

 

「小町…」

 

「お兄ちゃん、小町は止めないから。それがお兄ちゃんが決めたことなら。雪乃さん達にも言わないから。」

 

「……ごめんな、小町。」

 

「謝らなくていいよ。お兄ちゃんのことを分かろうとしなかった小町も悪いから。」

 

「いや、あれは俺のやり方が最悪だったk「そんな事ないよ。あんな無茶な依頼をどうにかする事なんて、最高も最悪もないよ。」……」

 

「あの時、一番信じるべきお兄ちゃんを信じなかった小町も悪いから。話を聞こうとしないで、逃げてばかりだった小町も…悪いから。」

 

「…小町、仲直りしてくれるか?」

 

「…うん。」

 

泣きそうに堪えていた妹を抱き寄せて、

頭を軽く撫でる泣き虫な子供をあやすように。

 

「……っ……ぐすっ……」

 

「また帰って来るよ、絶対に。」

 

「……うん。絶対だよ。」

 

「……そうだ、お兄ちゃん。

ドライグさんって今居る?」

 

「あぁいるぞ。ドライグ」

 

『何だ?相棒。』

 

「うわっ、本当に喋ってる。」

 

『話すのは初めてだな。』

 

「本当に赤龍帝なんだね。八幡は。」

 

「家は奇妙な縁ばっかありやがる。」

 

「……ドライグさん。」

 

『何だ?』

 

「お兄ちゃんをよろしくお願いします!!」

 

『……あぁ任せておけ。』

 

「それじゃあ行ってくる。小町。お袋。親父。」

 

「行ってらっしゃい!」

 

「せいぜい頑張りな。」

 

「達者でな。」

 

そうして、少年は一歩を踏み出し、扉を開けた。

 

 

 

 

 

まだ見ぬ。未知の世界へと。

 

 

 

 

 

 

 

こうして物語は少しずつ動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先にある世界に思いを馳せて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新たなる夜明けに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




短くてすみません。
しばらくの間はこんな感じで書いてゆきます。
次から武者修行編となります。
原作突入までまだまだかかりますが。
なるべく早く進めていきます。
次回から早くもあの龍が登場?


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。