ハイスクールD×D 『本物』を求めた赤龍帝   作:silver time

20 / 22
サブタイトルもネタ切れ…

何処ぞのロリ会長の格言みたいにしたけどなんか違う…

表現の仕方もなんかおかしいし……

やっぱり原作者様達は格が違うぜ……




死ぬ事は終わりじゃない、次の人生(?)の始まりなのよ!

「痛ッつつ……今日はひどい目にばっか遭うな……当麻のヤツ程ひどくはないけど」

 

時刻は五時を過ぎた頃、紅く輝く夕日が町を照らしカラスの鳴き声が虚しく木霊する

 

 

駒王学園において悪い意味で知らぬ者はいない名物生徒、兵藤一誠は顔にできた引っかき傷さすりながら家路を急いでいた。変態三人組の筆頭であり、クラスメイト曰く『この世すべての性欲』と書いて兵藤一誠と読むぐらいに自分の性欲に忠実で普段からエロ本を持ち歩き、学校でも下ネタ三昧挙句の果てに覗きを敢行したりと、話題には事欠かない人物である

 

そして今日も例のごとく剣道部の着替えを覗き、いつもの様にルパンと銭形ごっこに興じていた。

いつもと違う点を挙げるならば前方から迫り来る猫の大群、と言うより津波から逃げるクールイケメン司書比企谷(クラス女子談)と理性崩壊爆弾持ち山田先生(元浜談)と真正面から遭遇(エンカウント)し、あっという間に比企谷が山田先生をお姫様抱っこ(←ココ重要)して窓から飛び降りる瞬間を目撃した直後、前方から迫り来ていた猫の大波に飲まれ、さらに学年主任の織斑先生に同じく変態三人組の松田と元浜共々生徒指導室まで連行される羽目に

 

疲れきった表情で大きくため息を吐く。しかし、さっきまでの仕事帰りのOLのようなオーラとは一変し、その表情は嬉々としたものに変わっていた

 

「しかし……しかしだ、この陰鬱とした気分を一変させるものが今、俺の手の中にある」

 

そう言って鞄の中から一枚のDVDパッケージを取り出す。そのパッケージ絵は明らかに子供には見せられないような内容の物が映っており、もし仮にこれが映像化するとしたら修正&モザイク待ったなしだ

 

「ついに回ってきたぜ。松田オススメの秘蔵コレクション!こればっかりは見つからないように借りたかいがある……!」

 

そんな感じで一人脳内大歓喜状態でいると十字路に差し掛かった。

この道を右に曲がれば家まで後わずかだ

 

いつもより人気(ひとけ)が少ない十字路を右に曲がろうとした一誠

 

その時、一誠のエロスアンテナに電流が走った!

 

そして一誠は、なんと、家とは真逆の方向へと走り出した!

 

「この感じ……間違いねぇ!」

 

 

 

一誠の走る先には一枚の写真が道のど真ん中に落ちていた

 

そうそれは……

 

 

グラビア写真(お宝)、ゲットだぜ!」

 

何故か道のど真ん中に落ちていたグラビア写真だった

 

「お~……これは、いいモノだ……!」

 

獲得した獲物をポケットにしまうと、すぐさま次の獲物に切り替える

 

「この先にもお宝がある予感がビンビンするぜ!待ってろよ!まだ見ぬ至高のお宝達!」

 

そのまま家とは真逆の方向へと走って行った

 

 

 

 

何時もとは違う、全く人気の無い雰囲気に何の疑問も抱かぬまま

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃ!これで13枚目、明日松田と元浜にも見せてやるか……って、あれ?」

 

お宝が落ちている道なりに進んでいくと、いつの間にか公園まで来てしまっていた

 

「誰もいねぇ……もう五時半になるけど、いくら何でも人がいなくなるには早過ぎねぇか?」

 

公園には人っこ一人もおらず、その場を静寂が支配していた。街の喧騒も虫の羽音すら聞こえない

 

 

 

すぐ近くで鳥の羽ばたく音が聴こえた

 

すぐさま振り返ると、端にある木の上に一羽のカラスがとまっていた

 

 

「なんだ、カラスかよ。っていうか、そろそろ帰らねぇと」

 

来た道を引き返そうとして、公園の出口へ向かう

 

 

 

 

「ほう、まさか本当に引っかかるとはな」

 

後ろから男の声が聞こえた

 

「…誰だおっさん?ってかいつの間に……」

 

振り返ると紺色のコートに身を包んだパッと見三十路を過ぎた男性が公園の中心に佇んでいた

 

「ふむ……余りそれらしい気はしないが、間違いないか……」

 

「…………あんた、まさか……」

 

一誠は目の前の男性についてなにかに気づき、頬から一筋の汗を流す

 

「ほう?ただの人間と思っていたのだが、感づいたか?これは評価を改める必要があるか……」

 

今更遅いがなと小さく笑いながら一誠へと少しづつ近づいていった

 

「あんた……あんた、もしかして……」

 

果たして、迷探偵イッセーが導き出した、この男の正体とは?

 

 

 

 

 

「もしかしておっさんか?このお宝落としたの」

 

 

 

 

 

 

 

さっきまで拾い集めていたグラビア写真を差し出した

 

 

 

「…………貴様、俺を舐めているのか?」

 

「え?何をだよ?俺は嘗めたりしねぇよ。気持ちわりぃ。おっぱいは別だかな!」

 

「そういう意味では無い!後いらんカミングアウトをするな!」

 

迷探偵イッセーの斜め上な返答に怒鳴り返す謎の男。

こうして迷探偵イッセー初の事件は迷宮入りしたのだった

 

「あぁ……もういい。さっさと用事を済ませる事にしようか」

 

そう半ば投げやり気味にぼやくと、

何も無かった空間から光の槍が何処からとも(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)なく出現し(・・・・・)、男性の右手に握られていた

 

「……はっ?」

 

テレビのマジックショーでも見ないような非現実的な現象を目撃し、言葉を失う

 

そして

 

 

 

 

 

「──────あっ?」

 

ズブッ、と肉をナニカが貫いた鈍い音が耳に響いた。

男の手から伸びた光の槍はコチラに向かって伸びており、恐る恐る自分の腹部へと目を向けた

 

 

 

 

光の槍が自身の腹部を貫いている惨状を目の当たりにした

 

 

「──────がっ、はっ……」

 

自身の腹部を貫いた槍を視認した事で、今まで錯覚していた脳が遅れて痛みを感じる信号を発する

その場で膝をつき、人形のように力無く横たわった

 

いつの間にか腹部を貫いていた光の槍は霧散し、皮肉にも蓋の役割をしていた槍を失い傷口からドクドクと血が溢れ出てくる

 

「悪くは思うな、怨むのならお前の中に宿った神器(セイクリッド・ギア)を呪え」

 

一誠にとっては意味不明な単語を口にし、背中から真っ黒に染まった鴉のような翼を広げ、男は空へと飛び立ち暗くなりつつあった夜の闇へと消えていった

 

(一体何なんだよ……)

 

薄れゆく意識の中、自信に起こった事に対して愚痴っていた

 

 

(覗きがバレて追いかけられて、猫の波に飲まれて織斑先生に絞られて、挙句の果てにおっさんに殺されるって…………不幸ってレベルじゃねぇな……これじゃあ当麻の事笑えねぇじゃねぇか…………)

 

不思議と死に対しての恐怖は無かった。

人間いつかは死ぬんだと時々思っていた。

それがあまりにも速すぎただけだ

 

どうせならもっと両親の喜ぶ事をすれば良かったとか、死ぬ前に彼女が欲しかったとか

 

(どーせなら……女の子に看取られて逝きたかったな……)

 

 

 

最期の最期までいつも通りな彼だった

 

 

 

唐突な出来事により、一人の少年がこの世から去った

 

 

 

その直前だった

 

 

 

 

一誠の服からいつの間にかくしゃくしゃになった紙が落ちていた

 

数日前、駅前で配られていた魔法陣のような絵が描かれたチラシが一誠の懐からこぼれ落ち、紅い光を発した

 

空中にチラシに描かれたものと全く同じ魔法陣が出現し、魔法陣から女性らしいシルエットがぼんやりと見えた

 

(あれ……は…?)

 

そのぼんやりとした人影に見覚えがあった

 

紅く光る魔法陣と同じく紅い髪をした女性

 

一誠の通う駒王学園において知らぬ者はいない

 

(グレモリー……先輩?)

 

そして、一誠の意識は闇へと沈んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一ヶ月の収入がこれくらいで……俺の手元に残るのは五割程……」

 

「お兄ちゃーん!お風呂湧いたよー!」

 

「おーう、ちょっと待ってくれ」

 

「ふにゃ~……まだ終わらないにゃ?」

 

「何故お前が聞く必要がある?」

 

「折角だから背中流してあげるにゃ♪」

 

「断る。そう言って毎回毎回襲ってくるだろうが」

 

「むぅ~……最近八幡のリアクションが無くてちょっともの足りにゃい気がするにゃ」

 

「普通でいいんだよ、普通で。つーか毎回毎回全裸で突撃してくるからこっちも慣れちまっんだよ。嫌なことに」

 

「ふむふむ、お兄ちゃんは黒歌さんの裸を見飽きるほどに見たと……」

 

「小町ちゃーん?何を言っているのかなー?」

 

一方その頃、比企谷家にて収入の計算をする八幡と、風呂の準備が出来たと報せにきた小町と、暇で暇でしょうがなく猫形態で八幡の膝の上でゴロゴロする元SS級はぐれ悪魔黒歌がすっかり比企谷家に馴染んでいる情景があった

 

「小町~、洗濯物洗っといたわよ~」

 

「コチラも食器洗いは済んだぞ。後はゆっくりするといい」

 

「ティアさんにアーチャーさん、本当にありがとうございます!」

 

さらには五大龍王の一角と英霊がそれぞれ食器洗いと洗濯を済ませてリビングへと戻ってきた

 

「コッチまでわざわざ来てんのに悪いな」

 

「気にするな。主人(マスター)の世話をするのも従者(サーヴァント)の役目だ。それにこの腕輪のお陰でマスターからの魔力供給を離れていても受けることが出来るとはいえ、サーヴァントがマスターから離れていては話にならん」

 

「私も問題ないわよ。なにせ私は八幡の師匠で、八幡の使い魔なんだから」

 

 

そう、今彼らは駒王から離れた森の中の廃城を根城とし、一週間に2、3回のペースで様子を見に来るのだ

 

さらに言うと比企谷は冥界での修行の後、ティアマットと使い魔として契約したのだ

 

かつての師であり、今は比企谷の使い魔として彼の側に立っている

 

「……ふぅ、こんなもんか。それじゃあ風呂行ってくるわ……黒歌?ついて来るなよ?」

 

「ギクッ……何の事にゃ?」

 

「また突撃してきたらO・SI・O・KIだからな?」

 

「わ、わかったにゃ!わかったから怖い顔するのヤメテにゃ!」

 

「もう、どうせならそのままヤっちゃえば良いのに……」

 

「……小町?君は止める側ではないのか?」

 

「黒歌さんは未来のお義姉ちゃん候補ですから。美人ですし、お兄ちゃんの事大好きですからどうせならそのままくっついちゃえばいいんですよ!」

 

「私も混ざろうかしら……」

 

「ティア……手に負えなくなるから止めるんだ……」

 

とにかく、比企谷家はとても賑やかだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山に位置する教会

 

本来居るはずの正規の神父達は既に居らず

教会の礼拝堂に一人の長い黒髪の女性が佇んでいた

 

黒いロングヘアーは闇に溶けこむ程の純黒の色を持ち、その背から伸びている鴉のように真っ黒に染まった翼が人ならざるものであると証明し、この世のものではない美しさを醸し出していた

 

「ただいま戻りました、レイナーレ様」

 

「……なんだ、戻ってきたの?ドーナシーク」

 

「相変わらず冷たいお方だ……」

 

教会に入って来た紺色のコートを纏ったドーナシークという男に、レイナーレと呼ばれた女性は振り返りながら如何にも歓迎していないような声色で出迎えた

 

「今まで何処で油を売ってきたのかしら?儀式までもう時間が無いの。慎重に動かないと駒王(ここ)の管理者であるグレモリーに感づかれるわよ。勝手な行動は謹んで」

 

「申し訳ない、レイナーレ様。しかし儀式の前の下準備を行っていただけですよ」

 

「……下準備?」

 

 

 

 

「ええ、神器持ちの少年を始末してきたのですよ。不安の芽は早めに摘んでおくに限ります」

 

「───なっ!?」

 

ドーナシークから放たれた言葉を聞いた瞬間にレイナーレの表情が怒りにも似たものへと変わり、ドーナシークに詰め寄る

 

「何をやっているの!?」

 

「あの神器持ちの人間、いずれグレモリーの娘の眷属となり得るやも知れません。そうなれば我らの計画の妨げになるでしょう」

 

「……例えそうだとしても、何も知らない一般人を手にかけるだなんて……」

 

顔を背けたままドーナシークの襟元を掴んでいた手を乱雑に離し、礼拝堂へと向き直る

 

「もういいわ……勝手な行動は控えるように」

 

「…………」

 

ドーナシークは無言でその場を立ち去る

 

レイナーレは地下にあるあの娘の部屋へと向かった

 

「……この計画は、必ずやり遂げなければ…」

 

 

地下への階段を降りながら、独り言を呟いた。今、他の者に見つかる訳には行かないのだ

 

「……アーシアの心を救うためにも」

 

あの娘の部屋に近づいていくと、部屋から4人の話し声が聞こえた

 

「テメェを先に上がらせるか!ドロー2で持ってけドロボー!」

 

「やらせないっすよ!コッチもドロー2!」

 

「えっと、それだと私もドロー2?でいいんですか?カラワーナ様」

 

「ああ、それでいいんだぞアーシア。同じカードを持っていれば受け流しができるルールだ。という訳で私もドロー2だ」

 

「嫌ぁぁぁ!出したドローが四倍になって帰ってきた!いらねぇよこんなもん!」

 

「アハハハ!アンタには負けないっすよ。フリード!」

 

「上等だロリッ娘ォォ!ここから大逆転して吠え面かかせてやるからな!」

 

「頑張ってください!フリードさん!」

 

「さあ、再開しようか」

 

「さあて、こっから一気に決めて……緑が出ねぇぇぇぇ!ちょっ!なんすかコレ!八枚も引いてんのに緑が一枚も出ねぇんですけど!」

 

「……楽しそうね」

 

「あっ!レイナーレ様!お仕事は終わられたのですか?」

 

「ええ、とりあえずは、ね」

 

「レイナーレ様も一緒にやりましょう!」

 

「そうね、それが終わってからにするわ。それまではフリードの負け具合いを鑑賞してるから」

 

「ちょっ、レイナーレの姉御!?オレが負けるのは確定ですか!?」

 

「流石、運に見放された男っすねー」

 

「ザッケンナロリッ娘ォォォォォ!」

 

平和な光景に自然と笑みを浮かべるレイナーレ

 

こんな日常が何時までも続けばいいと、そう考えていた

 

自分について来てくれた部下のカラワーナとミッテルト、契約したはぐれ悪魔祓いのフリード・セルゼン

 

そして、今ここにいる全員が救うと決めた一人の少女、アーシア・アルジェント

 

「レイナーレ様?どうかしましたか?」

 

「ん?いや、何でもないわよ。アーシア」

 

この娘の笑顔を、心を守れるのなら命も惜しくはない

 

「今がとても楽しいだけだから」

 

 

この娘の心を守るために。

あのクズ共にアーシアを引き渡す位ならばいっそ、アーシアが世界に絶望してしまう前に、せめて自身の手で健やかな眠りを与える。

例え、自身が死ぬことになっても

 

アーシアに怨まれる事になっても




ちょっと違う堕天使組

たまにはこんなのもええじゃろ?

……やっぱダメ?


どうしてアーシアを手にかけようとするかは後後……


それでは皆さん、さよなライオ〇ルリッチー!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。