ハイスクールD×D 『本物』を求めた赤龍帝 作:silver time
何故だ……何故FGOで星5が出ん……
はい、どうでもいいですね。
そんな訳で12話です。ゆったりしていってね!
一誠君どうしようかな……
くろか が なかまになった!
……どこぞのRPGのようにパーティを組む訳では無いが、端的に言えば黒歌を連れていくことになった
半ば事情を聞かずに追っ手四人を
ほとぼりが冷めるまでは連れていこうと、俺、ティア、エミヤの三人の協議の元そう決まった
黒歌から詳しい事情を聞いたところ、早くに親を無くし、生きていくために眷属になったらしい。
ただ、眷属になってからは奴隷のようにこき使われていたらしい。
さらに、黒歌が仙術の才能を開花させるやいなや元主は妹の白音にも仙術が使えるのではないかと思い、白音を眷属にしようと迫った。黒歌は白音に自分と同じ目に遭わたくなかった。それに、まだ幼い妹に仙術を使わせるのは危険であり、黒歌は元主を必死に説得したが元主はそれでも強行しようとした。
その結果、元主は殺され、今に至ると……
やはり優しい娘だった。
そして益々黒歌を放り出すことは出来ない(満場一致で既に決まっているが)
そんな訳でいつもの修行の風景に猫又の少女が増えたのだった
余談だが、黒歌を迎え入れた翌日、黒歌の討伐依頼が取り下げられたのだ。また、SS級はぐれ悪魔認定も取り下げられた。
何でも討伐依頼を出した領主が殺害されたらしい。
元々黒い噂が絶えず、敵も多かったようでほぼ自業自得のようなものだった
さらに今までの悪事なども綺麗さっぱりと暴かれ、黒歌が元主を殺害した事にも関係性があるとされ、はぐれ悪魔認定が取り下げられることは無かったがSS級認定では無くなった
結果としては、別の貴族がその土地を治める事になり、その土地に住まう住民も万々歳だった
ちなみにその領主が殺された前夜、城に入っていった赤と黒の人影が目撃されたようだ
イッタイダレナンダロウナー
▼
「甘い!」
「チッ!」
鉄と鉄のぶつかり合う音が周囲に響き渡る
森の開けた場所、その中心にて白黒の夫婦剣を持つエミヤと、
彼らの視界の端にはティアと黒歌がその様子を見物していた
「……ホントに人間なのかにゃ?」
「片方は少なくとも人じゃないけど、もう片方はもう既に人間辞めてるわね」
酷い言われようだ、まだ俺は人間辞めたつもりは無い!
『いや、何の代償も無く禁手化に至った時点で俺の知ってる人間という生き物とは違う気がするぞ?』
「私の知る限りは一枚が城壁と同じ強度を誇る
「サラッと心を読むなお前ら!つーか酷くないか!?」
失礼にも程があるぞ……
そう思いつつも、傍から見れば虚空を掴んでいるとも、エアチャンバラをしている様にも見える恰好だが、赤い風に覆われた剣は確かに存在しておりエミヤの干将・莫耶と剣と剣の応酬を繰り広げる
その剣と剣の打ち合う速度は最早視認するのも難しい速度で振るっている
……やっぱり俺もう人外なんだろうか
「……それにしても、私の記憶からその剣を、アレンジを加えたとはいえ、再現するとはな!」
「これでもまだ、届かないんだろっ!お前の見た剣には!」
「当たり前だっ!アレを再現するなど、人の手ではまず、不可能だ!だが!その剣を、神器を媒体にする事で、私の記憶を頼りに、再現したマスターは、呆れるほどに規格外だ!」
「さすがに、そんな簡単にはいかねぇ、けどな!」
剣を覆う赤い風を前へと放ち、エミヤから距離を取り足元から魔力を放出し上空へと上がる。
そして――
「
剣を覆っている赤い暴風の塊をエミヤへと叩きつける
ズドォォォォォンという大質量の塊が激突したような大きな音が風圧とともに四方へ飛び散るように広がり、周囲の木々の葉を揺らす。
いくら英霊とはいえこれだけの威力を持った一撃を喰らえば少しはダメージが通る筈
「……どうだ?」
地上へと降りた俺はエミヤのいた場所、暴風の塊が叩き付けられたことによって出来た大きなクレーターの中心を凝視する。
が、
「イイ一撃だったな。だがその後で注意が散漫になっては意味が無い」
「ッ!?」
目の前に居たはずのエミヤの声がすぐ後ろから聞こえた瞬間、首筋に黒い刃が添えられる
「……また負けた」
「英霊相手にこれだけやれれば十分だと思うのだが……」
「これで2勝39敗5引き分けね。二回勝てただけでも十分過ぎるけど」
あと少しだと思ったが、まだあの背中には辿り着けないか……
「取り敢えず今日のところはここまでだ。夕食の準備に取り掛かろう」
いつもと同じように修行が終わり、エミヤが料理を作り、ティアが食材を狩りにいき、最近では黒歌が修行の後に俺の身体の気を調整してくれる
そんな当たり前と化している修行だが、今の俺は柄にもなく焦っている。
その理由は、
「明日で最後か……」
そう、このもう二ヶ月経とうとしている修行も明日をもって終了する
そろそろ一度冥界での修行を終え人間界に戻り旅を再開しようとしているのだ
どの道修行は続くのだが、この修行にて一つ大事な事が残っているのだ
「……例の課題のことかにゃ?」
「ああ……なんにもアイデアが思いつかねぇ……」
修行二日目の初めてのティアとの実戦にて今後の課題が浮き彫りになった
力を倍加した拳をティアへと放ったもののあまりダメージを与えられなかったのだ。
理由は倍加した力が分散し、上手くダメージが通らなかった事が原因である
これを何とかするためにこの二ヶ月近くこれを補う、もしくは強化する何かを修行の合間に考えてきたのだが……
「まさか何のアイデア提案も浮かばねぇとはなぁ……」
何とかなると思っていたのだが、実際問題どうすればいいのか
別にこの修行中の間にモノにしなくてもいいのだが、この割と重要な問題をこのまま放置するわけにもいかない
何か役に立ちそうな情報がないかスマホを取り出し適当に検索をかけてみる。
ちなみになぜスマホが使えるのか、そもそも電気はどうしているのかという話になるが、なぜか冥界でも問題無く使えた。
……いや、ホントに何故か分からないんだよな。
まあ十中八九親父だろ。
そしてスマホの充電は親父が自作したらしい魔力の性質を電気に置き換える充電器を使うことで充電の問題も無くなった
そして調べている物はというと、創作物の武器やらロボやら魔法やらを調べたりして参考になりそうな物を探すものの全くと言っていいほど見つからない
グライ〇ドブ〇ード?
カッコイイけど左腕が吹っ飛ぶしなんかやだ
マス〇レード?
それただの鉄骨じゃん。ブースター括りつけて殴るとか正気じゃねえ
ロケットパンチ?
男のロマンだけど物理的に無理
ドリル?
男のロマンだけどなんか違う。
……ダメだ。なんか変態な感じがする武器しか見つからねえ
次へ次へと画面をスライドし続けるがシックリ来るものがなかなか見つからん。
保留にするべきか……
「――ねえ、コレってどういう武器にゃ?」
唐突に、背中にしなだれるように体を預け、背中越しに画面を覗き見る黒歌がスマホに映っている武器を指差しながら尋ねてきた
……というよりもごく当たり前の様に背中にしなだれかかるのは止めて頂きたい。
なんか背中越しでも柔らかいナニカがハッキリとわかっちゃうんだよ
イヤベツニタンノウシテマセンヨ?
……えと、黒歌が指したのは……
パイルバンカー……
「なんか釘みたいなのが付いてるにゃ」
「……まぁ、あれだ。鉄の杭を炸薬で打ち出す武器、だな……」
ビジュアル的にはカッコいいのだが現実的には全く使えないという武器である
これ使うなら至近距離で大砲ぶっぱなした方がまだ現実的だ
……収束、爆発、射出、一点突破……
「……ねえ八幡――
コレ使えないかにゃ?」
▼
冥界修行最終日
この二ヶ月程の修行も終わり、その修行の成果を披露する日が来た。
そして、この時何が起こったかを簡潔に述べよう
一瞬にして周囲の木々は焼け、地は割れ、八幡の見ている視線の先にそびえ立つ大きな岩山のおおよそ三分の一を消し飛ばし、その分厚い岩山に大きなトンネルを開通させた
「これは……」
エミヤは目の前の惨状とそれを引き起こした張本人である自分のマスターに対して言葉を失う
「なるほど……これが課題の成果ってところかしら」
ティアは最初に八幡と戦り合った時の会話を思い出し、これから先彼がどんな成長を遂げるのか楽しそうにしていた
「……私が提案したとはいえ、とんでもない事になったにゃ……」
一応、この結果になったのは黒歌が指摘した事も一つの要因ではあるのだが、ここまで来るとその本人もドン引きしている
そして当の張本人はと言うと
「……やり過ぎた?」
本人でさえこの状況に絶句していた
前に突き出された左手には赤龍帝の籠手が装着され、肘まで覆われている籠手の肘部分には円柱状の杭のような物が追加され、
それが赤龍帝の籠手へと打ち込まれている
倍加した力を収束して放つ
それを可能にしたパイルバンカーの存在
それを実現させた比企谷八幡という特大の
ひたすらに『本物』という理想を求めて、強さを欲した者
そして、冥界での修行を終えそれから彼は幾多の者達と出会い、救い、救われていく
何はともあれ、比企谷八幡の冥界修行は終わりを告げたのだった
修行編、取り敢えず終了です。
次回から一気に時間が進み原作突入直前になります
……なると思います
それと赤龍帝の籠手って結構設定とか付け加えやすいですね
おかげでどんどん設定増えてやばくなりそう
友人「何でどんどん大変になるってわかってるのに設定増やすの?ドMなの?」
silver「だって、だって思いついちまったもんはしょーがねぇだろ!」
扱い切れる気がしないのは何故だろう……