ハリーポッターと妖精の翼   作:ファルドゥン

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今回から一応アズカバンでございます


第三章 アズカバンの囚人
第三十三話


 

 

「……あうっ」

 

あーもう肝心のところで被弾しちゃったよ……チルノちゃん強いなぁ。

 

「ふっふーん!やっぱりアタイは最強ね!」

 

「また負けちゃったよ……どうして勝てないんだろう?」

 

「大ちゃん避けるのは結構上手いんだけどねー、攻撃が避けやすいから」

 

「避けやすいかな?」

 

「なんかー、直線っぽい?というか。ほら、スペルカード作ってたでしょ?えーっと……カエルがどうとかいうやつ」

 

「『蛙の蛇睨み』のこと?」

 

「そーそれ!あまりにもまっすぐだからちょっと動いただけで避けれちゃうもん、これじゃあ弾幕ごっこに勝てないよ」

 

「あれは元々弾幕ごっこで使う用の奴じゃないからいいんだけど……ある程度戦闘慣れしてる人には確かに避けられちゃうのかぁ」

 

「弾幕ごっこで使わないの?」

 

「一応、外で何か大変な事になったときに対抗するために作ったんだよ。直線的なのは、とにかく多く当てるように狙った方が威力も上がるからそうなってるの」

 

「ふーん……まぁ、大ちゃんがいいならいいんだけどね。でも、せっかくスペルカードにするんだったら弾をばら撒くやつがあってもいいんじゃない?」

 

ばら撒き弾か……確かにあっても良さそうだね。

次に作るのはそれかなぁ。

 

 

 

 

 

「お取込み中悪いけど、そろそろ新学期の時期よ」

 

「うわっ!……ってなんだ、紫さんでしたか」

 

「なによ、失礼ね。ただ話しかけただけじゃない」

 

「予想もしてないタイミングで急に想定外の人に話しかけられたらさすがに驚きますよ……」

 

「まぁ、何でもいいわ。とにかく新学期の時期だから、また教材とか買ってきなさい」

 

「もうそんな時期でしたか。時間が進むのって早いですねぇ」

 

「大ちゃん、また外に行くの?」

 

「そうねー、まぁ準備はしないといけないし」

 

「うーん……そうだっ!ねぇ、ワタシも付いていっていい?」

 

「えっ?それはー……うーん、いいのかしら?」

 

「それを私に聞かないでくださいよ……」

 

「大ちゃんが学校に行く準備をしに行くんでしょ?その間だけだから!お願いっ」

 

チルノちゃん、目が輝いてるなぁ。なんだかんだ外が気になるのね。

 

「いっつも大ちゃんだけ行っててズルいし、ワタシだって大ちゃんと一緒の物を見てみたいの!」

 

「……正直、チルノの気持ちも分からなくはないのよねぇ」

 

「普段はそんなこと認めないんだけれど、そもそも大妖精が特例だからね。妖精の一人ぐらい増えても変わらないでしょう」

 

「え、良いんですか?」

 

「変に目立つようなことはしないこと、能力なんてもってのほかよ。あと、大妖精が飲んでいる薬を飲んでもらうわ。それさえ守れるなら、今回だけ多めに見てあげる」

 

「薬?」

 

「あー、なんとなく妖精っぽくなくなる薬を飲んでるの」

 

「なにそれ」

 

「私に聞かないでよ……未だにどんな効果があるかよく分かってないのよねぇ」

 

「じゃあ、明日の朝、大妖精の家に行くから準備して集まっておいてね」

 

「はーい……あ、消えた。いやぁまさかチルノちゃんも行けることになるとは思わなかったよ」

 

「言ってみるもんだね!」

 

「もう……ほんとに騒ぎとか起こさないでよ?急に物を凍らせたりとかも、しちゃだめだよ?」

 

「大丈夫大丈夫!じゃあまた明日ね!」

 

凄く不安なんだけど、まぁ私がよく見ておいてあげたらいいか。

チルノちゃんと外か……一緒に歩いて、いろんなこととか教えて上げれるのかなぁ。

正直、すっごく楽しみ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫?ちゃんと薬飲んだ?」

 

「さっき飲んだじゃん」

 

「いやだって心配で……」

 

「気配的には、ちゃんと薬効いてるわよ」

 

あっやっぱり効果あったんだこの薬。

その辺イマイチ自分では分からないからなぁ。

 

「あぁ、そうだった。これ、買い物リストよ。アリスのところに届いていたそうだわ」

 

「ありがとうございます」

 

「じゃあ、いまから飛ばすわね」

 

「あ、はいわかりましたっぁああぁああああぁ…………」

 

ほら、またこんな風に落とす……事前に予告する意識とか、その辺があまりにも薄いんじゃないかなぁ紫さんは。

 

 

 

 

 

それから程なくして地面に落ちた……んだけど、また路地裏かな。

 

「いてて……」

 

「チルノちゃん大丈夫?」

 

「急に落とすなんて聞いてないわ……あれ?羽が無いや」

 

「毎回紫さんが見えないようにしてくれるんだよ。ちゃんと戻るから安心していいよ」

 

「ふーん……ところで、もう外なんだよね?」

 

「多分ね。どのあたりにいるかまではちょっとここから出ないと分からないかな」

 

「まぁ、良いや。とりあえず大ちゃんについていくよ」

 

さて、路地裏なわけだけどここはどこなんだろうか。なんとなく騒がしいというか、活気がありそうなのは……こっちかな。

 

 

 

 

「あぁ、ここか。今回はそのまま近くに落としてくれたんだね」

 

「じゃあもうここって魔法使いの人しかいないの?あの人もあの人も」

 

「たまにマグルとか……えっと、魔法使いじゃなかったり魔法を使えない人もいるけど基本的にはそうだね。ここは『ダイアゴン横丁』って言って魔法使いの人たちが集まってくる商店街みたいなとこなの」

 

分かりやすい場所に落としてもらったのはとても助かるね。右手に見えるあれはグリンゴッツだから……

 

「こっちかな。人が多いから離れないように注意してね」

 

「そうだね!はぐれないように手を繋ごうよ!」

 

「あっ……フフッ、全く……」

 

チルノちゃんったら楽しそうにしちゃって。

確かに人がいっぱいいるってだけでも幻想郷だと結構珍しいからなぁ、それだけでもなんとなくワクワクしちゃうのは分かる。

 

「ねぇ大ちゃん。あの店は何?」

 

「あれはー、あぁ、クィディッチ専門店だよ。箒とかボールとかを扱ってる感じ」

 

「クィディッチっていうと大ちゃんの友達がやってるやつだっけ」

 

「そうそれ。魔法界のスポーツでは、多分一番人気があるんじゃないかな」

 

「まぁ、ワタシにしてみたら、箒を使って飛んでる時点で二流もいいとこね!」

 

「あっこら」

 

そんな目立つことを大きな声で言わない方が……ほらぁ何人かこっちを怪訝そうに見てるじゃん

 

(人間は箒がないと普通は空を飛べないんだよ。あんまり目立つようなことを言わない方が……)

 

「でもあの白黒は箒がなくても飛べるって言ってたよ?」

 

「あれは規格外ですし……あーもう、とにかく変なことはあんまり言わない方がいいよ」

 

「……うーん、難しいね」

 

確かに私たちはこれでも人じゃないわけで、感性とかどうしてもズレてる気はするんだよね。

その辺は流石に2年外にいるとなんとなく分かってきたよ。人の中で揉まれることも大事だね。

 

「それで、買い物とかはどうするわけ?」

 

「今向かってるよ。この位置だったら本屋が近いからまず教科書を買って、それから足りない教材の買い出しかなぁ」

 

「ふーん」

 

「それが終わったらちょっと遊ぼうか!この辺に美味しいアイスの店があるから、そこに行こうね!」

 

「アイス!?それは、早く用事を済ませちゃおう!」

 

「あぁもう引っ張らないでよ!……ふふっ、ほらここだよ。ここの本屋さんでいつも教科書を揃えるの」

 

もはや見慣れた本屋の中に入っていくと、奥の方に店長さんが座っていた。

 

「えっと、まず『魔法生物飼育学』の教科書と、『古代ルーン文字学』の教科書を頂けますか?」

 

「あ、あぁ……あの本ね……」

 

ん?店長さんのテンションが明らかに落ちた。何か嫌な事でもあったんだろうか。

不思議そうな目で見ていたのか、店長さんは一つ咳をして、取り繕った。

 

「いや、良いんだ。今から取ってくるから、心して待ってるんだよ」

 

心して……?本に何か仕掛けでもあるのかな。

 

 

後ろに下がった店長がもう一度現れたときに持っていた()()を見て納得した。

なるほど、これは手こずるわけだ。そもそも暴れてるよ、本が。

 

「なにこれ、生きてるの?」

 

「たまーに変な本があるってのは知ってたけど、ここまで変なのもそうはないね……」

 

「とにかく凶暴だから気を付けて扱うんだぞ……今から『古代ルーン文字学』の教科書を取ってくるけど、ほかに何かご用は?」

 

「あ、はい。では『変身術』の三年生用の教科書と『三年生用の基本呪文集』をお願いします」

 

注文は取りつけたから、とにかく今はこの本なのかも怪しい何かを安全に運ぶ方法を考えよう。

今も右手の中で暴れてるんだけど、ホントどうするのこれ……鎖で縛られててこの暴れ方はヤバい奴だ。

 

「これどうしよう……」

 

「大ちゃんさえ良ければ、凍らせようか?」

 

「あっ!それは……いいのかな」

 

「でもさ、これどうしようもなくない?このままほっといて、大ちゃんがけがするのは嫌だよ」

 

「……じゃあ、その陰の辺りでこっそり、お願い」

 

「分かったよー」

 

ふう、これで一応持って帰る分には解決かな。戻ったらさらに厳重に閉めなおせばまぁ何とかなるでしょ。

 

 

 

 

しばらくたって、本を抱えた私とチルノちゃんは「魔法薬学」の材料を買い足したりした後に、件のアイス屋さんでまったりしていた。

 

「このアイスすごく美味しいね!えっと……フロー……フローなんとかのアイス!」

 

「フローリアン・フォーテスキュー・アイスクリーム・パーラーね。まぁ、長い名前は置いといて、とっても美味しいよねこれ」

 

「やっぱり冷たいのはいいね!ここは暑くてやんなっちゃう」

 

「幻想郷よりは確かに暑いかな。人も多いし、気温も普通に高いみたい」

 

「へー。外も大変なんだねぇ」

 

「それを大変と思うかは分かんないけどね」

 

「今日一日歩いてて、暑いし人は多いし、空は飛んじゃだめだし凍らすのだって一回しかやってないしで疲れちゃったよ」

 

「妖精にとって住みやすい場所ではないよねー……というかここはそういう場所だしね。幻想郷で言えば人里だから、活気があるのは当然だよ。こういう場所からちょっと外れたところに行けば、普通に自然がいっぱいあったよ」

 

「ま、ここもいいところだと思うよ。アイスあるしね!」

 

「結局それだよねチルノちゃん」

 

そんな他愛もない話をしていると、名前を呼ばれた気がした。

辺りを見渡してみると、なるほど、ハリーさんが近づいてきていた。

 

「ハリーさんじゃないですか。奇遇ですね」

 

「ヨーセイもね!元気だった?」

 

「まぁ私はぼちぼちですね」

 

「大ちゃん、この人は?」

 

「あぁそうだった、紹介するね。この人がハリー・ポッター、何度か話してたでしょ?ハリーさん、この子はチルノちゃんです。私の友達ですね」

 

「チルノよ!よろしくね!」

 

「よろしくね。えっと、今日は買い出し?」

 

「そうですね。もうあらかた終わったので、ゆっくりしていたところです」

 

「僕はこの夏休み大変だったよ……」

 

「いつも大変にしてますね……また何かあったんですか?」

 

「あれ、聞いてなかったんだ。じゃあ話すよ」

 

そう言いながらハリーさんは向かいの席に座った。

 

 

 

 

 




はい、アズカバンに入りました。

チルノちゃんはいわゆる、カキタカッタダケ―です。まぁ、可愛いんでね。


更新ペースは、もう気にしない域にまで達しました。怠惰の極み!怠惰の極み!



感想とか、待ってます。寝ぼけ眼で書いてたんで、誤字がまたあるような気がしてます。
進歩がみられません。


ではこれで

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