高校でも暗殺教室   作:紅音 葵

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はっきり言います。
今回はネタ回です。


第46話 野外活動の時間 3時間目

野外活動2日目。

今日やることは…

 

「では今から、カレー作りをしまーす。

A組は宿舎うら、B組はこちら、C組は…ちょっと離れてるけどそこの坂ちょっといったところで作って下さ〜い」

 

そんなわけで、みんなはそちらの飯ごう炊さん場所へと移動した。

 

「…っていうかさ、俺らがこんなに離されてるの、絶対に殺せんせーがいるってのもあると思うんだけど…?」

「ま、そーだろーね」

 

そんな会話をしながら、移動していた中、(こういう行事で一番の問題児である)柊が、口を開いた。

 

「っていうかさ、私カレー作るの小学生以来だよ。それ以来機会すらなかったし」

「…だろーねー」

「わー…楽しみ〜!」

 

いやいやいや…と言いたいところだが、みんなはあえて突っ込むことはしなかった。

 

 

そしていよいよ、

「えー、ではみなさん、作り始めてください。私はその間ちょっと本場の紅茶でも買ってきますが、くれぐれも先生の分のカレーも作っておくように!」

そう言って、紅茶の本場…イギリスへと旅立っていった。

 

「…つうか、カレーを紅茶で食うつもりか?あのタコ…」

「…で、どうするよ?あのタコのカレー?」

「ああ、俺らの班で作るよ」

 

そう言ったのは…

「…カルマの班はそこの料理音痴で手一杯だろーが」

「…ちょっと?寺坂?」

「ああ、佳奈なら大丈夫。()()()()()()()()はするから」

 

(((((??)))))

そんな空気の中、カルマが口を開く。

 

「ちなみにみんな。俺は今ちょっとした計画を立てていまーす」

「…嫌な予感しかしねぇ…」

「この計画は昨日の夜にLI○Eを通じて原さんにも許可を頂きました〜」

「…ん?」

「そんなわけで、今から殺せんせーの暗殺計画を発表したいと思いまーす」

「…は…はぁ…」

「そんなわけでさ…

 

 

 

 

 

 

 

佳奈には殺せんせー用のカレーを作る許可を出しまーす」

「「「すげぇ悪質な嫌がらせじゃねーか!!!」」」

 

あまりにもひどい計画に、思わずほとんどの男子が突っ込んだ。

 

そんな男子たちに、カルマがこう言った。

「まぁ、大丈夫でしょ。そんな込んだ計画じゃないし」

 

計画はこうだ。

1:柊がカレーを作る

2:原が殺せんせーにそのカレーを渡す

3:弱ったところで暗殺開始

 

「なかなかひどい計画だな!おい‼︎」

「殺り方が完全に嫌がらせの領域だ…」

「つうか、なんで原はそんな計画にOKしたんだよ⁉︎」

「んー…最初はね、食材が…みたいな感じで断ったんだけど、カルマ君が『大丈夫。殺せんせーには意地でも完食してもらうから』って言ったからね。断る理由がないじゃない」

「…ごもっともすぎて何もいえねぇ…」

「ちょっと待って。誰も突っ込んでないけどさ、『ちょっと食材が…』のくだりがよくわかんないんだけど?」

 

そんな柊の質問は全員完全無視して話を続ける。

「まぁそんなわけでさ、計画はそんな感じだから」

「っていうか、サンドイッチであれだぞ…?カレーとか作ったら冗談抜きで…あのタコヤバくね?」

「んー、ヤバいかもね〜。まぁ一応『ここにある食材しか使うな』とは言っておくけど」

「私も今ここにいるからね?伝わってるから!」

 

(((((…どうして大した材料ないのにあれほどの料理を作れんだ…?)))))

 

ちなみにそこにある材料は…

1:ジャガイモ

2:にんじん

3:玉ねぎ

4:牛肉

5:コンソメ

6:カレールー

だけである。

 

「…今し、この材料のカレーなんて幼稚園児でもちょっとは作れるぞ…?」

「だね。少なくとも将暉は作れてた」

「…確認だが味は?」

「ん?フツーに美味しかったと…」

「うん…なんとなくわかってた」

 

まぁ、そんなこんなで結局柊が殺せんせー用のカレーを作ることになったのだが…

 

 

 

 

ここで、柊の料理力のなさが露見されることとなった…

 

__________________________________________

 

「さて問題です。みんなはカレーを作るときにまず何をする?」

「ん?…野菜の皮むきじゃねぇの…?」

「もしくは牛肉の解凍とかだけど…それはすでにされてるし…」

「正解です。ではあちらを見てください」

 

そう言われ、見た方向には…

(切ってるな)

(何切りだ?あれ?)

(にんじんを輪切りしてんぞ?あいつ)

(皮むきは?)

(…してると思うか?)

(…でしょーね)

 

スタートから思いっきりアウトである。

にんじんはまだいい。まだ(超ギリギリオーダーラインで)殺せんせーにはばれないだろう。

でも…

 

「ごめん、佳奈。野菜とか切るのは俺らがするから」

「は…?えっ?なんか違う?」

「違う。この先が不安だからとりあえず材料貸して」

 

ー5分後ー

「はい、じゃあ再開して」

「ん、ありがと〜」

 

野菜・牛肉を切り分け終えた。

…本当に素晴らしい料理力だな。おい。

 

 

 

「では第2問。この次、みんななら何する?」

「野菜と牛肉炒める」

「だよね。じゃあ、あちらをどうぞ」

 

柊がしていたのは…

 

(…さっきの野菜と牛肉全部鍋に入れた)

(…水いれた)

(…オチが見えたな。これ)

(茹でに入ったぞ。あいつ…)

(…これ牛肉しゃぶしゃぶと化したな)

(…なんかこの料理のオチが大体読めてきて悲しいわ)

 

「では第3問。この後みんなはどうする?」

「どうするも何も…間違ってるし。いろいろ…」

「っていうかこの流れもういい…」

「じゃあ問題を変えよう。

野菜・牛肉を炒め終わって水を入れて煮込みます。次にみんなはどうする?」

「アク抜きした後コンソメ入れてからルー入れる」

「さすがにそれは…って言いたいけど、すでに色々やってるからなぁ…」

「はい、ではあちらをどうぞ」

 

 

(ん?…もう1個鍋用意した?)

(………水捨てたぞ、あいつ…)

(もう1個の鍋に水捨てた…)

(で、どうする?)

(…ルーいれた…あいつコンソメの存在忘れてんぞ…)

(…確認だが…あいつアク抜きは?)

(したと思うか?)

(そのコメントは差し控えさせていただきます)

(あっ、コンソメに気づいた。入れるか?)

(俺は入れるに500円)

(俺も)

(俺も)

(入れない選択肢はないのね…って入れたし)

(…あいつの料理力、もはや才能の域だろ…)

(で、さっきの茹でた野菜と牛肉は?)

(ルーに入れるか、ルーが戻されるか…)

(俺ならルーを戻すが…)

(いや、そもそもこうならねーだろ…)

(確かに)

 

※結局ルーは元の鍋に戻されました。

 

そして、

「できたよ〜」

「「「とりあえず、5.6ヶ所は突っ込ませろ‼︎」」」

 

ここまで思ったの、殺せんせー来てからだわ‼︎…というツッコミが入った。

 

そんなみんなの言葉に、柊は

「え?なんか変だった?」

「お前はとりあえず料理本を見返せ!話はそれからだ‼︎」

 

そんな村松の言葉に、カルマが口を挟んだ。

「まぁ…一番の問題は味だよね。んー…じゃあ味見は…

 

 

 

…ごめん、岡島」

「なんでだよ⁉︎」

「一瞬寺坂も考えたけど、何しろ2回連続でしょ?…いくら寺坂でも不憫すぎる…」

 

「カルマが寺坂に同情したぞ…」

「どんだけなんだよ…柊の料理って…」

 

そんな言葉をかわす磯貝と前原はともかく、こちらではちょっとした戦争が始まっていた。

 

「いや、っていうかそもそも味見とかいらねーだろ!」

「…ちゃんと暗殺道具として役に立つかの…実験?」

「だからそれがいらねーんだよ‼︎」

「まぁ、もしも万が一、絶対にありえないけど万が一のためだからさ」

「仮にしなければいけないとしよう!俺と寺坂とでその料理を食う負担が大きく違うだろ!絶対に‼︎」

「は?なんで?」

「寺坂はまずいっつってもサンドイッチだろ?俺は火通してるから!サンドイッチ以上に手ぇ込んでるから!」

「なんだかんだ言って、寺坂はあのサンドイッチ完食した。反対にこっちは一口でいい。負担は一緒。むしろ岡島の方が負担小さい」

「絶対に違う‼︎っていうか寺坂体力あるだろ⁉︎こんな時こそ使うべきだって!」

「寺坂は…さっき言ったじゃん?いくらなんでも不憫だって…」

「じゃあお前が食えよ⁉︎嫌なこと人に押し付けやがって!」

「…ねぇ、岡島?」

 

この瞬間、みんなが悟った。

…岡島が今、()()()()()()()()()()を言ってしまったと…

 

「さっきさ、お前が自分で言ったよね?

負担がどうこうって。」

「…?言ったけど…?」

「じゃあさ、

 

 

 

 

俺の負担ってどんぐらいだと思う?ねぇ?」

「え……と………?」

「おれが佳奈の料理食べたの…ってか食べさせられたの()()()()()()()()()3回はあるよ?」

 

要はさ、とカルマは続けた。

「このクラスで一番負担大きいの、多分…っていうか絶対に俺なんだよね〜。それでもまだ俺に食べさせる気?」

「ええ…と…」

「はい、決定ね。岡島どーぞ」

 

そんなわけで、岡島が生贄となった。

 

「…私が食べればいいって思うの私だけ?」

「佳奈が1番向いてないんだよ⁉︎」

 

そんなことを言う柊を、茅野が突っ込んだ。

 

そして…いざ、試食(という名の処刑)!

 

岡島はルーの方を一口食べた。

 

その瞬間、

 

バタン//

 

………………………………………………

 

「岡島…お前のことは忘れないからな…」

 

そのあと、柊もカレーを食べて、

「えー?別に美味しいじゃん?」

「「絶対にありえない」」

「なんでよ⁉︎」

 

__________________________________________

 

「みなさん、できましたか?」

そんなことを言って、殺せんせーは紅茶を持って帰ってきた。

 

そんな言葉に、みんなが「できたよー」といった言葉を述べた。

 

「ヌルフフフ、それはそれは。

ちなみに先生のカレーは誰が作ったのでしょうか?」

「あっ、私〜」

 

そう言って、原が手を挙げた。

そして、よそったカレーを持って、

 

「どうぞ、殺せんせー」

「ありがとうございます!原さんのカレーですか」

 

 

そう言って殺せんせーは、嬉々とした表情でそのカレーを口にした。

 

瞬間、殺せんせーは無言で買ってきた紅茶を一気飲みした。

 

そして尋ねる。

「これ…本当に原さんが作りました?」

「ん?作ってたよ?」

 

そんなカルマの言葉に、みんなが苦笑いをする。

 

そんな中、殺せんせーが口を開いた。

「ええと…先生お茶も無くなりましたし、もう結構ですので…」

「先生ー?せっかく原さんが作ってくれたカレー残すなんて、もったいないよね〜?PTAに言ったらどうなんのかなぁ?」

「ニュ…ニュアァァァァァァ!」

 

(言えるわけねぇじゃん…国家機密に…)

本当にチキンだな…。みんなはそんなことを思った。

 

そして…その素晴らし(くまず)いカレーを、殺せんせーは完食した。…というかさせられた。

 

まるで乗り物に酔った時のように今にも死にそうな表情の殺せんせーに、みんなは攻撃を仕掛ける。

まぁ、すべて躱されたが…

 

そして、岡島…

 

 

 

 

 

お前のことは忘れないよ…




岡島「死んでねーよ⁉︎」

後半急いだのは、大して重要じゃないからです。
今回書きたかったの、柊の料理力のなさなので…(おい)

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