高校でも暗殺教室   作:紅音 葵

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寮入りは字数の関係でカットします。
また番外編に書きたいと考えています!


第32話 登校日の時間

全員が寮に入り、今日は4月10日。

入学前の最後の登校日である。

 

渚は寮から杉野・茅野・カルマ・柊と一緒に学校に行った。

 

「ねぇ、みんなさすがにもう行き方覚えたでしょ?」

「寮からの登校は初めてだし、学校ついても教室までよくわからないし…」

「…教室までは複雑じゃないけどね」

 

そんな話をしながら、みんなは学校に向かった。

 

学校の中は複雑なのに、寮から学校までは結構簡単だ。

何よりやっぱり近い。

5分足らずで学校に着いた。

 

「さてと、俺らが一番か?」

そう言いながら、杉野がドアを開けた。

 

…たしかにまだ来ている人はいなかった。が…

「…ん?」

 

 

見えたのは…柊の席の後ろにあった、見覚えのある黒い大きい箱。

 

その瞬間、その中央にあったモニターの電源がついた。

そして…

 

「渚さん!カルマさん!杉野さん!茅野さん!お久しぶりです‼︎

そして柊さん!初めまして‼︎私、自律思考固定砲台こと、(おのず)(りつ)です‼︎」

「「「「律‼︎」」」」

 

 

そう。律である。

みんなの声に、律はこう答えた。

「申し訳ありません。本来なら以前の登校日に来る予定だったのですが…少し調整が遅れてしまいまして…」

「いやいや、そんな」

「律がいるだけで心強いって」

 

 

そんな話をしていると、どんどんとみんなが登校してきた。

そして、彼女がE組に来た時のように、律の周りに輪ができた。

 

「律戻ってきたんだ〜」

…というのが主な内容だった。

 

そんなこんなで時間になったらしく、殺せんせーが教室に入ってきた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

今日行うのは、身体測定と制服受け渡し。

 

そして…

 

「なぁ、殺せんせー。超体操服使って何するんだよ?」

「ですからその時のお楽しみです」

「そろそろ教えくれてもいいだろ」

「いいえ!まだです‼︎」

 

 

そんなわけで、今教室で着替えをしているのだが…

 

「…渚。そんな落ち込むなって」

「だって…身長…」

 

…その通り。

渚は去年と身長がほとんど変わっていなかったのだ。

それに落ち込んでいる渚を、杉野が慰める。

 

「まぁ…高校で伸びるって」

「本当に?」

「…多分」

「中学の時もそう言って伸びなかったけどね‼︎」

 

 

…渚に身長のこと言わないようにしよう。

そこにいた男子のほとんどが思った。

 

 

そんなこんなで全員着替えが終わり、みんなは校舎の裏に集まった。

 

全員集まったことを確認して、殺せんせーは口を開いた。

「ではみなさん!

 

 

 

 

 

 

 

ケイドロをしましょう‼︎」

「ん?ケイドロ?」

 

 

殺せんせーのケイドロをしたことがない柊を除き、その場にいた全員が黙った。

…頭に怒りマークを付けながら。

 

「「「「「「…ざけんなぁ!!!!!」」」」」」

「ニュア⁉︎なっなんでですか?」

「ったりめーだろうが‼︎」

「そもそもこうなんのわかっててよくやろうと思ったな‼︎」

 

そんな声が飛ぶ中、柊は『今までのケイドロ』を渚やカルマから聞いていた。

そして…

 

「…そりゃ、みんな怒るね…」

「でしょ?」

 

見るからにみんなに同情の目を向けていた。

 

そんな大ブーイングを聞き、殺せんせーは答える。

「いえいえ。今回は烏間先生は鬼じゃありませんし、先生も皆さんを追いかけません」

「…あえて聞くけど、殺せんせーは何するの?」

「牢屋で皆さんを迎えます」

「「「「「いい加減に見張りと言え‼︎」」」」」

 

そんな怒号が飛ぶ中、渚が殺せんせーに質問を投げかけた。

「…ええっと?なんでケイドロ?」

「よくぞ聞いてくれました!渚君‼︎

 

前の登校日に皆さん言ったでしょう?『委員長を変えて欲しい!』と!」

「…言ったね」

「そのためのケイドロです‼︎もし皆さんが勝てば先生も理事長との交渉頑張りますので!」

「…そこは絶対じゃないんだ…」

「ていうかそういう理由なら先生が鬼すればいいじゃん?」

「先生がするって言ったら皆さん怒るでしょう⁉︎」

「…そりぁ……まぁ……」

 

そういうやりとりをしたあと、殺せんせーはみんなと向き合って言った。

「そして、肝心の鬼ですが…

 

 

 

 

 

カルマ君と柊さんにやっていただきます‼︎」

「あぁ、委員長と副委員長候補?」

「その通りです‼︎」

「え?待って?」

 

そう言って止めたのは…

 

「これ…俺が鬼をするメリットないよね?」

「ん?どういうこと?」

「だから、勝ち負けって『みんなを全員捕まえるか捕まえられないか』でしょ?

で、みんなが勝ったら俺は委員長ならなくてよくなるかもしれない。

反対に俺らが勝ったら委員長にならなきゃいけない。

そして俺は委員長になりたくない。

こういう状況だったらみんなでもサボるでしょ?」

「あー…確かに…」

 

しかし…

「ヌルフフフ。先生がそんな簡単なことを想定してないと思いますか?

きちんと対策はしていますよぉ」

「…何?」

 

嫌な予感しかしないな…。

全員がそんなことを考えていた中、殺せんせーがあるものを取り出した。

 

「カルマ君。もし本気を出さなかったらこの写真を皆さんに見せますよぉ」

 

…ああ、顔がゲスい…。

 

カルマは殺せんせーが持っていた写真を無言で受け取った。

その写真を見るカルマの顔が固くなったのが見て取れる。

そして…

 

「ねぇ、殺せんせー」

「なんですか?」

「俺さ、この写真破った記憶あるんだけど?」

「写真は破れても、データが残っていたので」

「…へぇー。」

 

なんの写真かはわからないが、破ったのがいつかは暗黙の了解だ。

…ていうか逆にあの時しかないし。

 

あとカルマ。殺気がここまで伝わってきてるよ。

 

「あとカルマ君と柊さんが勝ったら、2人のいうことを聞きましょう。

…あっ、無茶なのはダメですよ?」

「…知ってはいたけどケチいね」

「いいから始めますよ‼︎

場所はこの裏山。制限時間は1時間です‼︎」

「「「「「「「「…はぁい」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…そんな訳で、今渚たちは裏山にいる。

「やっぱ、カルマが肝だよな〜」

「うん。だよね」

「ねぇ、茅野。柊さんってどれくらい運動神経いいの?」

「ええと…片岡さんくらい?」

「…前言撤回。柊も要注意だな」

「うーん…。でも運動神経が片岡さん並みってだけで、フリーランニングはできないと思うよ?やっぱりまだ訓練受けてないし。これからじゃないかなぁ」

「OK、茅野。ありがとう」

 

そんな感じで程よく情報交換をする。

そんな中、杉野が口を開いた。

「なんか、こんな感じで訓練って久々じゃね?雰囲気的にも最初のケイドロに似てるよな」

「あっ、それなんかわかるかも…」

「あの時は本気で烏間先生が怖かった…」

「あっ、でもカルマ君が考えた『水に潜る』って方法、効きましたよね!」

「ああ…そういやそれ考えたのカルマだったっけ」

「ほんとにそういうの、あいつらしいよな」

 

そこまで考えて…

「…あれっ?やばくない?」

「?なんでだ?」

「だって…」

 

そのあとの渚の言葉を聞いた杉野・茅野・奥田は顔を見合わせた。

そして…

 

「…やばいな」

 

初めて、自分たちの身の危険を感じたのだった。

 

 

 

 

 

 

一方こちらは岡島・不破・千葉・速水の班。

こちらもまたケイドロの話をしていた。

「でもよ、いくらカルマでも俺ら全員タッチするのは無理だろ。」

「…そういう油断が今まで早々に殺られてる原因なんじゃ…?」

「私もカルマは警戒すべきだと思う…」

「地味に痛いところを突くな!スナイパーコンビ‼︎」

 

そんな会話を聞いて、不破が口を開いた。

「まぁ、はっきり言って柊さんよりカルマ君警戒の方向かな。

やっぱり訓練でも上の方だし。柊さんは実力わからないけど…」

「仮に運動神経良くても、柊は訓練受けてないからなぁ。やっぱそういうハンデはあるんじゃね?」

「うーん…。まぁ、そうかな」

 

そんな会話をしていたからだろうか…。

彼らは、後ろの「ある人物」の存在に気がつかなかった…。

そしてその人物は、まっすぐに彼らのところへ向かっていった。

 

 

そして…寺坂・イトナ・村松・吉田の班は…

「…やっぱりカルマ警戒の方向か?」

「うーん。だろうな」

「いや、柊の能力がわからない限り俺は柊の方を警戒したほうがいいと思う」

「ん?そうか?」

「でもよ、よっぽどのことがない限り、訓練受けてない柊が俺らをタッチできるか?」

「…寺坂はバカだから黙っておけ。余計にバカがバレる」

「ああ⁉︎」

 

そんな会話をしていた寺坂たちに、ある人物が向かっていった。

 

 

そう…この時、みんなは知らなかった。

 

「えーと…岡島君、不破さん、千葉君、速水さん…」

 

椚ヶ丘のあの山が、みんなのホームグランドであるのと同じように…

 

「寺坂、村松、吉田、イトナ…」

 

「「逮捕ね〜」」

 

「「「「「「「「…は?」」」」」」」」

 

この山は…カルマと柊のホームグランドだということを…。




なんか今回の話2時間くらいで書けました〜。(1時間プロット・1時間打ち込み)いつもは倍以上かかるんで…。
もともと作ってた話ってのもあったと思いますが…。

じつは今の段階で、作ってる話は結構あります。
その時はスラスラ書けるんですが…その間が空白ってまぁまぁあるんですね。
その時の更新は本当に亀です…。

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