実はこれ、本編に入れようとして間に合わなかったやつなので…。
カルマ「自分からバカ見せる〜?」
KJK「どうせね!バカですよ‼︎」
4月5日。
今日は梅宮高校の入寮の日だ。
渚は男子寮(女子寮と入り口は一緒なので、実質男子棟だが)の3305号室だ。
荷物はもうすでに運ばれていたので、入学までその整理である。
荷物と言ってもそんなに大した量じゃない。
私服と勉強道具、その他必要最低限のもの。そして…暗殺用の道具一式。
私服や勉強道具はこっちでも買えるから、実質一番多かった荷物は暗殺用の道具だった。
渚は、ダンボール3つか4つの荷物の整理に勤しんだ。
荷物の整理が一息ついたので、渚はスマホの電源を入れた。
するとLI○Eに、おびただしい量の通知が届いていた。
元3-EのグループL○NEである。
そのグループチャットを開いて、一番最初に見えたのは…
「烏間先生からの伝言です!
殺せんせーの過去やE組であったシリアスな話は、柊さんを含め、これからC組に入ってくる人には伝えないように…とのことです!」
律である。
そんな話に、みんなは
「そりゃそうだろうな」
「佳奈ちゃんも気負っちゃったら大変だし…」
「烏間先生も手厚いね〜」
…といった反応だ。
そんなみんなのチャットを見て、渚は思わず笑みをこぼした。
そして、この28人でまた暗殺教室ができることをとてもうれしく感じた。
荷物の整理も終わり、渚は寮の中を歩くことにした。
寮は学校と違い、全く複雑じゃない。
寮の構造を説明すると…
3階:高1部屋
2階:高2部屋
1階:高3部屋・共同入浴場・食堂(男女共有)
であり、男子寮女子寮変わりはない。
…なるほど。すごく単純である。
今は2時。
少し遅いが、お昼時である。
そんなわけで、渚は食堂に向かった。
で、食堂へと向かった渚は…
今目の前の光景にびっくりしていた。
カルマと磯貝が一緒にご飯を食べているのである。
ぶっちゃけこの二人が寮入りしていたことにも驚きだが…
「…何の組み合わせだろ…?」
なんか話をしているのでこちらからは話しかけづらいし(相手が磯貝だから真面目な話だろう)、だからといってこのまま突っ立っているのも目立つ。
…とりあえず、どこか座ろう…
そう思った。
その時。
「あれっ。渚?どうしたの?ここで突っ立って」
「ちょ!茅野‼︎」
渚はシーっと合図を出したが、時すでに遅し。
カルマと磯貝が気づき、渚の方に視線を送った。
「あれ?渚じゃん。どうしたの?そんなトコに立って」
「…いや…僕今来たところだし…」
「こっち来ればよかったのに」
「いや…何か二人話してたから…」
「ん?…ああ!大した話してないよ」
「…え?」
「ほらこっち」
そう言って、カルマは渚に手招きをした。
…うん。これはもう行かざるを得ない。
そんなわけで、渚と茅野は二人がいるところへと行った。
「二人って今何の話してたの?」
「ん〜?バイトの話」
「…ああ!そういうこと」
そういや磯貝君がこの学校来たのって、それが理由だったっけ。
「ちょっといい物件あったから、磯貝にそれ教えてたの」
「…なるほど。何か納得した」
だからこの組み合わせか…と思ったとき、
「カルマありがとな。この学校教えてくれただけじゃなくて、わざわざバイトまでさ」
「いいって。うちの親、いっつも旅行行ってて送金とか絶対にしないし」
「でもカルマって基本こんな面倒ごと嫌いだろ?昨日も『委員長やりたくない』みたいなこと言ってたし…」
「だからこれ、自分のためでもあるからさ。それにこれと委員長は別物でしょ」
…ん?
「…え⁉︎」
「待って!カルマバイトするの⁉︎」
カルマも磯貝も、こんな渚たちの反応をあらかた予想していたようで、大して驚かなかった。
そしてカルマは呆れたようにいう。
「…するけど?それが何?」
「いや…。カルマがバイトって…意外だな…と」
それを聞いたカルマはハァ…とため息をついた。
…ていうかこれ絶対に磯貝君にも同じこと言われたな。
そしてカルマはさっきと同様、呆れたように言った。
「俺さ、言っとくけど自分で『やる』って決めたことはちゃんとやるから」
「…その勢いで委員長もやったら?」
「委員長は磯貝の方が適任だって」
渚の言葉に、カルマは瞬殺で返した。
…ていうか今さらだけど、かなり空気やばくない?
「あっ!そういえば、カルマ君と磯貝君はL○NE見た?」
「ん?LIN○?今日はまだ見てないけど?」
「え…早く見た方がいいって!多分通知すごいことになってるよ‼︎」
「え?」
「なんで?」
「烏間先生からの連絡来てたの!結構大事なことだったから‼︎」
え〜うっそ〜…、と言いながらケータイの電源を入れたカルマは途端に動きが止まった。もちろん磯貝も同様である。
そして渚はというと…
「…茅野、ナイス」
その言葉に、茅野は渚同様ナイスポーズを返した。
「…たしかにグループが盛り上がってるな」
「一つのチャットでここまで通知たまったの初めてなんだけど…」
ていうか…と、カルマはつぶやいて、
「これ、どこまでセーフなの?」
「…と言うと?」
「だって俺らの副担『役』って…
二代目死神じゃん?」
「「「あー…」」」
そんなカルマの質問に、磯貝が答えた。
「うーん…とりあえず話題にしなきゃいいんじゃ?」
「聞かれたら?」
「…そこは知らないっていうか、適当にはぐらかすか…」
「佳奈って変なとこすごい鋭いよ?」
「ちょっ…ふたりとも!」
カルマと磯貝が話ていると、茅野が止めに入った。
「…とりあえず場所かえよ?ここだといつ佳奈が来ても文句言えないし…。」
「「「いや、そっち?」」」
「この話の当事者佳奈なんだからそこが第一優先でしょ?」
「うーん…まあいいや。でもさ…」
そしてカルマは続けて言った。
「佳奈の寮入り、明日だよ?」
「…え?」
どうやら茅野は聞いてなかったようで、カルマを今問い詰めている。
「ちょっと待って?それ何情報?」
「佳奈からメールできた。『今日防衛省で暗殺道具もらうから明日寮入りしまーす。』って」
「へぇ。メールで………ってメール⁉︎」
「…今度はなに?」
「いや…いまし連絡は○INEでするんじゃ…?」
「ID知らない」
「昨日一緒に帰ってたじゃん。聞かなかったの?」
「素で忘れてた。…ていうかそんな話にならない限り絶対に思い出さないでしょ。そんなこと」
でさ…とカルマは言って、
「結局どこまでセーフなの?これ?」
「「「あっ…」」」
そこから4人で話し合った結果、
『そういう話にならないように善処する。もしなったら知らないふりをする』
となった。
また磯貝がグループチャットにあげるそうだ。
入学式まであと6日。
またカルマと磯貝君のバイト先決まったらいつものメンバーで行こうかな…。
そう思いながら、渚は初めての寮生活を終え、ベットに入っていった。
部屋割りですが、男女ともに
1-A→31○○
1-B→32○○
1-C→33○○
2-A→21○○
2-B→22○○
2-C→23○○
3-A→11○○
3-B→12○○
3-C→13○○
で、○○のところは自分の男女別出席番号です。
ちなみに、律、イトナ、茅野(雪村)、柊がいるので、E組の時と時々番号は変わります。そこは悪しからず…。