真剣で転生天使に恋するのはまちがっている。   作:八和大誠

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すいません!!
前回の超駄文ぶりに今回も謝罪いたします。
暇なときにご覧いただければ幸いです。


いかる天使さま

俺は今、イリナとゼノヴィアを探す方法を模索している。

「どうすりゃ良いんだ……イリナの事だから偽の絵画を買って全財産を費やしてしまったってことが在りそうだから、電話で聞くのはもう期待しない方がいいな」

だが、今晩があの調子なら今日は大丈夫だろうが……

「……頭が回らない。少し休ませるか」

そうして眠りについた。

 

ーーーーーーーーーー

 

次の日になり、俺は1つの可能性にかけた。

「仙人モードの感知と極限無想を使い情報を整理しつつ見聞色の覇気で感知範囲を広げていけば何時かは辿り着くと思うんだけどな……」

幸い、後方支援型と言っても俺は感知を得意とするからな……日本中の情報を全てかき集めるには速くても半日あれば出来るだろうが……やった事が無いから自らの負担がどれ程のものか、まだ分からないのが難点だな。

「また難しい顔をしてるね?」

はぁ、またですか。貴女方は……

「何のようですか?陽乃さん」

「八幡の悩む顔も素敵だなと思って♪」

「はいはい、そうですか。それよりエーベルバッハは……」

「うわぁ、お姉さんをそんな感じで軽くあしらうなんて……そんな悪い子にはこうだ!!」

そう言うや否や、陽乃さんは座席に座っている俺に対して後ろから胸を頭の上に置いて腕を首に回した。

「ふふふっ!どうだ参ったか~」

うわ、うぜぇ。よしこれは無視しとこう。

「……それよりエーベルバッ……」

「私のことはマルギッテと呼びなさい。私が許可します」

「……マルギッテは体は大丈夫なのか?」

今思えばマルギッテもしらっと此処に居るよな。

「はい、八幡が手加減してくれてたおかげです。もう少し強く打っていれば今日は休んでいました」

不満そうに口を酸っぱくさせる。そんなに俺が手を抜いた事が不満かよ。

「それでだ……」

「どうしたの八幡」

「何でお前も俺に引っ付いてんだよ!!」

楊志は俺の左隣に椅子を持ってきて、俺の腕にしがみつき俺の匂いを嗅いでいる。

「ああ、八幡の匂いだ」

「そりゃ俺の腕なんだからな」

当たり前のことを……じゃなかった、異常だったな。そう言えば楊志はここ最近見てなかったな。まぁ1日2日ぐらいだが……

「……勝手にしてくれ」

「うん、勝手にする。林冲のパンツより八幡の匂いの方が病み付きになる」

中毒患者かよ……

「そして弁慶よ……」

「何……んっ……んっ……ぷはー、八幡」

「毎度飲みながら返事すんじゃねぇよ」

まだそれは全然許せる範囲だ。しかしだ……

「何でお前は……俺の脚に座ってんだよ!!」

弁慶は右の太股に座っている。

「ここの座り心地は最高だよ?」

「俺が知っていると思うか?むしろ一生知りたくねぇよ」

どうして俺は突っ込みをしなくてはならないのだろう……そう思い、ツッコミ役の井上の方を見るが視線を反らされ葵に話しかけに行った。

「もう突っ込まないようにしよう……身が持たない」

此処に燕が居ないことが唯一の救いだな。あの悪女は絶対に陽乃さんみたいにからかってくる。

「私なら此処に居るよ♪」

……俺の左腕に女の感触がある。これは……噂をすればなんとやらだな。噂はしてないけど

「何で燕まで居るんだよ」

「だから呼んでって言ったじゃない」

「なんの事だ……」

俺はこれ以上の面倒事は絡まないぞ。

すると突然俺に向けて殺気が放たれた。巧妙にばれないようにしていたが俺には無意味だ。そちらに視線を向けると葉山が俺を睨んでいた。……俺が何かしたか?と考えたが特に思い付かなかった。

それより俺は何で悩ん……

「あっ!!」

自分が今、急がねばならないことを忘れていた。

すぐさま仙人モードになる。そして極限無想で管理者を出現させる。

『呼ばれて、参上だぜ!!』

「シグマ、行けるな」

『あたぼうよ、さっさと済ませようぜ!』

俺は見聞色の覇気を最大限に使い、先ずは川神学園一帯を範囲に入れる。

それには他の武人や人外が気付き俺を一斉に見た。

後に抱き付いている陽乃さんが最初に質問してきた。

「八幡?何したの?」

「……感知したんですよ、全ての情報を」

質問に答え、再び感知しようとした。だが

「……八幡、ちょっと此方に来て」

陽乃さんは抱き付きを解き、俺に付いてくるように促した。いつもとは違う雰囲気に俺は付いていこうとした。

「少し離れてくれ」

抱き付いている3人に頼む。

「それって裏の話?」

燕が耳元で俺に確認をとる。

「ああ、そうだ」

「……なら仕方ないね」

燕はそう返事をして離れる。他の二人もそれを聞いていて素直に離れてくれた。

「じゃあ行こうか」

極限無想を解き、彼女に付いていった。

 

ーーーーーーーーーー

 

陽乃さんと共に空教室に入った。

「……八幡、悪いけど隼人がここら辺に居ないか確認してくれる?」

……まぁ、別に良いが。

俺は再び極限無想状態になり、見聞色の覇気を使う。

「……遠くに居ますよ」

陽乃さんの方を向いて言うが、彼女は部屋をくまなく散策していた。

「どうしたんですか?」

「……ごめんね、少し待って」

彼女を暫く待つ。

「うん、無いかな」

彼女は何かを確認したかのように一人で頷く。

「こっちが呼んだのに待たせちゃって……」

「何を恐れているんですか?」

俺は彼女の異変に気付き質問する。

「……今日、一度だけ有ったでしょう?隼人が物凄い血相で八幡を睨んでいたことが」

そう言えばそんなことが有ったな……

陽乃さんは俺の顔を見て確信して、壁に背を預けて腕を組む。

「……隼人は時々変なのよ」

「変とは?」

「……自分が思い通りにいかなかったら、異常な程に狂うの。まるで自分は神か何かのように」

「それは幼い頃からですか?」

「そうよ、物心が最初から付いているようだったわ」

「……陽乃さんはあいつに何かされなかったんですか?」

そう言うと彼女は肩をビクンとさせて肩を抱くようにした。

「……有るよ……隼人は私も……襲おうとしたの」

俺は驚いた。彼女程の実力者を屈服させる実力が備わっていたことに。

「……その時は、サーゼクス様に助けてもらったわ。でも……あの時……魔王様が来なかったらと思うと……」

俺はこんな彼女の姿を初めて見た。たった数日間しか過ごしていないけど、こんな姿を見るとは思えなかった。

俺は驚きと同時に怒りも沸き上がってきた。

悪魔とか天使とかそんなのは関係ない。たった一人の女の子を震えさせるなんて。

「陽乃さん、大丈夫です」

彼女の震える体を胸に抱き寄せて頭を撫でる。

陽乃さんはビクッと一瞬なったが直ぐに身を俺に委ねた。

「今直ぐ行動に移すのは無理ですけど、俺の問題が終わったら解決してみせます」

そう言うと胸の中ですすり泣くのが聞こえてきた。

俺は陽乃さんが気が済むまで撫で続けた。

 

ーーーーーーーーーー

 

「ごめんね、心配かけて」

「いえ、問題ないです」

泣き止んだ彼女はまだ俺に抱き付いている。

「それとね……」

「何ですか?」

「私と話すとき……敬語を使うの、止めてほしいな」

涙で目が腫れている上に上目使いをされては断ることが出来ない……

「わかり……分かった」

そう言うと彼女は満面の笑みになった。

「ありがとう♪」

不覚にもそれに目を奪われてしまい、離そうとしても惹き付けられてしまう。

「……それで……何で、俺を止めたんですか?」

「ああ、それね。隼人は八幡の事をよく思って無いから何かにつけて排除しようとするかもしれないからね」

「……成る程」

「八幡は何を探してたの?」

今の俺にはこれが大切な事だったな。

今までの事を全て話した。そうすると陽乃が唸っていた。

「それだけの情報じゃ捜すのは難しいね……」

「そうだよな」

「でも……コカビエルとの戦闘になったら連絡が入るかもね」

それを待つしか無いのか……

「まぁ定期的に向こうに連絡をするから情報が入ったら直ぐに連絡するね」

「ああ、頼む」

「うん、任せて」

そして俺と陽乃はそれぞれの教室に戻るために別れた。

 

ーーーーーーーーーー

 

教室に戻ろうとした途中で声をかけられた。

「おい」

振り返るとそこには葉山隼人がいた。

「何の用だ?」

俺はこいつの顔を見た瞬間、憤怒が沸き出てきたが顔には出さず、そのまま落ち着かせる。

「お前、一体誰だ?」

「……俺は比企谷八幡だ」

「そんなことを聞いているんじゃない!!」

……コイツは何を聞きたいんだ?

「この世界では俺が主人公だ!!脇役は大人しくしていろ!!」

中二病でも拗らせたか?

「訳が分からない事を聞くな」

相手にせずに俺は教室に戻ろうと歩を進めるが、

「待て!!このやろう!!」

後ろから俺に向けて魔力弾を放ってきた。

だが、俺は後を見ずに『絶界』を使う。

すると、魔力弾は跡形もなく消えていった。

「っ!……絶界……!」

「ほう、この技を何で知っているんだ?」

この技はある人から教えて貰ったものだ。そしてその人は俺にしか教えていないと言っていたから、知る奴は居ないはずなんだけどな……

「まぁ良い。これ以上するとお前ごと消し飛ばす」

奴に目を向けず、その場を後にした。




次回こそちょっとだけコカビエルが登場します。
感想で俺ガイル勢のアンケートを行っています。

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