真剣で転生天使に恋するのはまちがっている。   作:八和大誠

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本当にすいません!!
駄文が加速してきている気がします。
無理矢理感が有りますがご了承ください。
暇なときにご覧いただければ幸いです。


あせる天使

歓迎会が終わって数日。何もない日が続いている、と良いなとか思っています。

「エーベルバッハ、いい加減付いてくるな…」

「貴方が決闘を受ければ良いと知りなさい」

「……諦めるという選択肢は無いのね」

最近はエーベルバッハが何時でも付いてくるのが悩みです。一部の人では羨ましがる人が居るらしいがこんなの何処が良い……最近では便所に行くときも前まで来ている。落ち着いてできねぇだろうが!!全部あの人のせいだ。

「て言うか、あんたの仕事はお嬢様の護衛だろう?」

「はい。ですがお嬢様には頼りになるご友人がたくさん居ると知りなさい」

結構な頻度で一緒にいると言うことは、それなりに会話をするということだ。まぁ、弁慶みたいなのは例外だがな。

「そうか……それはそうと何で俺を付け回す?強いやつなら他にも居るだろう」

「……貴方には……上手く言えませんが他の人にはない強さを持っている。その強さを私は知りたい」

「何だそれ」

「ふっ、何でしょうね…全く」

コイツ自身もよく分からずに行動してんのか……はぁ、こういう不確定な物はやりにくい。

「それで戦えば分かると?」

「普段の私ではこんなこと有り得ませんが……そんな気がするのです」

目をうつむきがちにそう言う。

……こんな態度を取られたら…見捨てれねぇだろ。

「はぁ、一回だけだぞ」

「本当ですか!?」

エーベルバッハはまるで新しい玩具が貰えた子供のように喜んだ。何でだよ…戦闘狂なのか?

「取り敢えず学長の所へ行くか…?」

「そうですね」

「ワシならここにおるぞ」

「………!!」

俺達の後ろから年老いた男の声が聞こえた。俺は来たことに気付いていたがエーベルバッハは気付いていなかったらしく、少し歩を学長と逆方向に進めた。

「エーベルバッハ、気付いていなかったのか?それだとまだまだ修行不足だぞ」

「……私はまだ人間だと知りなさい」

拗ねた声音で皮肉を言ってくる。

確かに俺は人間じゃなく元人間だからな……

 

ーーーーーーーーーー

 

学長に話すと直ぐにやった方が良いだろう、とのことで今は授業の真っ最中だ。しかしそれにも関わらず沢山の生徒達がグラウンドに集まっている。

「この時間帯なら、ここまで来るとは思ってもなかったな」

「彼等の興味本意と戦闘意欲は異常な物です」

教師たち、ちゃんと仕事しろよ!!

俺は不満を心中で漏らしながらエーベルバッハの反対側に向かう。

「両者、準備はよいか?」

「大丈夫です」

「何時でも」

学長の問い掛けにダルけさを感じながら答える。

「それでは……」

エーベルバッハは既に眼帯を外しトンファーを構えている。対する俺は楊志の時の脱力をする気はなかった。俺の目的はコイツの不確定を確定させる事だ。そうしなければまた戦いを挑まれるからな……

「始め!!」

学長の合図で一気に距離を詰めてくるエーベルバッハ。

「ハッ!!」

そして攻撃圏内に来てトンファーを振り払う。俺はそれをバックステップをして避けた。

「攻撃を読まないのですか?」

「いや、面白いもんを見せてやろうと思ってな」

俺は一瞬だけ瞼を閉じ、心を無にする。

ーー無想発動ーー

「それが面白いものですか?」

エーベルバッハは俺の雰囲気が変わったことに気付いたのか、それを聞く。

「違う。これのもうひとつ上だ」

俺はもう一度目を閉じ『管理者』を出現させる。

『ケケケ、久しぶりだな俺を出すのは』

「!?」

俺とは違う声が俺の方から聞こえたことでエーベルバッハは驚いていた。視線は俺の肩付近に有る黒と白でしましまの正方形に注がれている。

ーー極限無想発動ーー

俺がその正方形に触れるともぞもぞと動き始め、ミミズのような形、鋭利に思わせる刺、先端には顔、末端には正方形が小さくなった箱に成っていった。

「……前から思っていましたが、結局それは何なのですか?」

「この技は心を無にする技だ」

「……無に?」

「そうだ、雑念を払うとも言うな」

「それをしたところで何になるのですか?」

「まぁ、端的に言えば物凄く集中力が高まるって事だな。そうすることで普段は出せていない潜在能力を意図的に引き出せるようになるんだよ」

「……それは誰にでも出来るのですか?」

「極限無想……この管理者が出てるやつは分からないが、無想はやろうと思えば出来るぞ……というかさっさとやろうぜ」

「そうですね」

『ケケ、再開だ』

今度は俺からするか……俺はポケットに手を入れ構えをとる。

「ふざけてるのですか」

「いや、これが必要なんだよ」

俺が今からするのは無音拳。無音拳は居合拳とも言うな。ポケットが刀で言う鞘だ。

ポケットから素早く手を抜きエーベルバッハの腹に向けて拳を打つ。

するとエーベルバッハが訳も分からず吹き飛ばされる。

それもそのはずだ、この一連の動作は速すぎて誰にも見えないはずだ。拳圧を生じさせている速さなのだから。

「くっ!」

なんとか体勢を立て直したエーベルバッハは何かしたであろう俺の方に目を向ける。

「何をしたのですかっ!?」

「普通は教えるはず無いんだけどな……まぁ居合拳だよ」

「……居合拳?」

「まぁ戦いの中で自分で理解しろ」

再び無音拳を放つ。エーベルバッハは何処に来るのか分からずにただ受け続けるばかりだ。

「どうした?こんなものか?」

息を切らしながら何も答えないエーベルバッハ。しかし息を整えながら此方に質問する。

「はあ……はあ……どうして、貴方はそんなに強いのですか?」

そう言えばコイツが戦いを仕掛けた理由が俺の強さを知るためだったな。

「知らん、そもそも強く成るために修行してたわけじゃないからな」

エーベルバッハは残念そうな顔をさせる。

「でも……何かを護りたいと思った時に、よりいっそう強くなれる」

……あ~!!恥ずかしい!!バカじゃねぇの!?バーカ、バーカ!!

「そうですか……次で決める気できてください。本気で防いで見せます」

「へぇ~、じゃ、お言葉に甘えて」

流石に人間相手に本気では打たないが、武神程度が気絶するレベルで打ってやろう。

「武装・硬化」

ポケットに入っている右手を硬化させる。

「……行くぞ」

「……」

俺はトンファーを構えている部分に照準を合わせる。

「無音拳」

素早く手を抜き拳圧をエーベルバッハに向けて放つ。

「……っ!」

声にならない程の威力だったらしい。そして少しは威力を止めておけてたが、そのままトンファーが粉砕し後に吹き飛んだ。

川神鉄心がエーベルバッハの様子を確認して終わりの合図をかける。

「勝者、比企谷八幡!!」

声援が沸き上がる中、俺はエーベルバッハの方に向けて歩いた。

倒れている彼女を見下ろすようにして声をかける。

「気分はどうだ?」

「……負けたと言うのに清々しい気分です」

「そうか……」

不確定な物は確定して決着が付いたようだな。

俺は教室に戻ろうとしたが後ろから俺の名を呼んだ。

「比企谷八幡!!」

「……何だ?」

無視するわけにもいかないからな……

「私は必ず貴方の隣に立ってみせます!!ですから……」

「ああ、立ってみろ」

言葉を遮り、適当に返す。そして今度こそ俺は教室に戻った。

 

ーーーーーーーーーー

 

その日の夜

俺のところに電話がかかってきた。

「誰だよ」

着信先を見るとイリナだった。俺は直ぐに電話を取った。

「もしもし」

『もしもし、八幡くん?』

「そうだぞ。どうしたんだ」

『ちょっと聞いてよ!!』

毎度このパターンか。

「お、おう」

『実は幼馴染みが悪魔に生ってたのよ!』

「……それは転生悪魔ってことか?」

『そうよ、懐かしの地で幼馴染みが悪魔に転生してしま……』

長くなりそうだな。それより懐かしの地?

「……ちょっと待てイリナ」

『何よ!!』

こっちに八つ当たりしてくんじゃねぇよ。

「……懐かしの地って、イリナは日本に居るのか?」

『……あ!八幡くんに言うの忘れてたわ!』

コイツは……

俺はイリナのおっちょこちょいに少しイラッときた。

「で?何できたんだ?」

『う……八幡くん、怒ってる?』

「どうしてそう思うんだ?」

『だって……長い間、一緒に居たから』

「っ……はぁ、怒ってないから……ゼノヴィアと一緒に居るんだろう?変わってくれ」

このままでは聞くに聞けなくなるからな。

『うん……分かった』

寂しそうな声音で了解してくれた。

はぁ、イリナと会話したら毎回こんなのになるな……別に嫌ではないが。

『八幡か?』

そしてゼノヴィアが電話に出た。

「ああ、久しぶりだな」

『久し振り、イリナから事情は聞いているぞ』

やっぱりゼノヴィアとは普通に会話できるな。時々天然をぶっ混んでくるがな。

『それで何か聞きたいことでも有るのか?』

「有るぞ。任務か何かで日本に来ているのか?」

『そうだぞ、聖剣奪取を任されている』

……一番恐れていた事態に成っているのか。

「二人でか?」

『そうだ……』

ゼノヴィアが答えている途中で電話が切れた。

「充電切れか?……こんなときに」

俺は急いで二人の居場所を見つけることにした。




やっと次回はコカビエルです。

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