小さな疑問でもお答えいたします。
暇なときにご覧いただければ幸いです。
俺はイリナの話をずっと考えている。コカビエルクラスだと、普通の教会戦士では歯が立たない。だからと言って天使や教会の元デュランダル使いを動かすのは直ぐには出来ない。……ゼノヴィアとイリナじゃなければ良いんだけどな。
「そんな難しい顔してどうしたの?」
はぁ……俺は幻覚でも見ているのかな。今は小休み何だけど何故、3年生の燕先輩と陽乃先輩が居るのかな?
「誰に告白するか悩んでるの?」
もう我慢の限界だ。
「何であんたらが此処にいんだよ!!」
「1秒でも八幡と一緒に居たいから?」
「そんな見栄据えた嘘を付かないで貰えるでしょうか?雪ノ下先輩」
「ばれた?テヘッ!!」
テヘッじゃねぇよ。リアルでしてる人初めて見たし無性に腹が立つ。
そして俺はもうひとつ気になっていることがある。
「エーベルバッハ、何故あんたもこの集団に混じってんだよ」
「だから言ったでしょう?決闘を申し込みます」
「嫌だ」
「受けるまで付きまとうと知りなさい」
「何?ストーカー?」
「違います。貴方みたいな人は根強く頑張れば良いと助言を受けたことを知りなさい」
俺は直ぐに陽乃さんに視線を向けた。その視線に気付くと親指を立てた。
何だよ、その指。へし折ってやろうか。
小休みだから心中に思っている不満を言えずにチャイムが鳴った。
ーーーーーーーーーー
はぁ、昼休みの激動は凄かったな。エーベルバッハは本当に付きまとうし、弁慶には後ろから、燕と陽乃さんには左右から抱き付かれていた。回りの人は羨ましいとか嫉妬の視線を送るが、今は6月だぞ。冬ならまだしも夏に入りそうな時期だ。鬱陶しい、邪魔、暑い、柔らかいとか思ってしまう訳だよ。
でも今日はちゃんと飯は食えたぞ。
今は放課後、そして陽乃さんの後ろを弁慶と二人で付いていってる。
「ごめんね、雪乃ちゃんが聞かないから」
「いえ、遅かれ早かれ睨まれてたからこうなることは予想してました」
だらけ部に弁慶と行こうとしたが陽乃さんが来て、雪ノ下の不満が爆発しそうだから来てほしいとの事だった。弁慶は勝手に付いてきているだけだがな。勿論陽乃さんの許可は貰っている。
「雪乃ちゃんは知らない事があると、とことん知り尽くすタイプだから」
陽乃さんが雪ノ下のフォローを入れる。
「……何処に向かうんですか?」
「奉仕部という表向きは生徒の手助けをする部室だよ」
「そうですか……弁慶は本当に付いてくるのか?」
「学園にどんな悪魔が居るか知っておこうと思って」
川神水を飲みながら答える。
「着いたよ」
部室と分かるような目印が何もなく、外から見れば空教室と思われる場所だった。
「雪乃ちゃん、連れてきたよ~」
陽乃さんが言いながら部室に入る。俺たちはそれに倣って入る。
そこには12人の悪魔が居た。
「よく来てくれたわね、不法侵入者さん」
「……陽乃さん、喧嘩売ってるんですかコイツ?」
「コイツとは随分と上からの物言いね」
てめえに話し掛けてねぇんだよ。
「それで正体を話す気になったのかしら?」
「相手の事を聞く前に自分の事から話すのが礼儀じゃないのか?」
雪ノ下はムッとした表情になり、魔力が漏れだした。
「……弁慶、俺から離れるなよ」
「わかった」
雪ノ下には聞こえない程度で弁慶に声を掛けた。
「礼儀を弁えないのは貴方でしょう。そんな輩に礼儀を弁える必要は有るのかしら」
「はぁ、陽乃さん。吹っ飛ばして良いですかコイツ」
「少し落ち着いて雪乃ちゃん。呼び出したのは此方なのだから先ずは雪乃ちゃんから挨拶しないと」
何とか陽乃さんが雪ノ下を説得して彼方から自己紹介することになった。
要約すると
だそうだ。
「……で、貴方は何者なの?」
「俺は転生天使だ」
「天使の転生システムは完成してたの?」
「いや、俺は実験だよ。何事も直ぐに完成するはずが無いからな」
俺の台詞が終わった直後、電話が掛かってきた。
「悪い、少し待ってくれ。弁慶、一緒に外に出るか?」
「いや、何かしてきても八幡なら直ぐに来てくれるでしょ?」
まぁそうだが……
「わかった」
俺は奉仕部を出て直ぐに電話をとった。
「もしもし」
『あ、比企谷か?今暇か?』
「ああ……あ、まぁ暇と言えば暇だぞ」
『なら今から○○に来てくれ。ちょっとした用がある』
「了解」
流石にこのまま行くわけにはいかないな。奉仕部に戻り弁慶の方による。
「弁慶俺は用事が出来たんだが、どうする?」
「義経の所に行こうかな……」
「陽乃さん、もう良いですよね?」
「うん♪良いよ」
「ちょっと姉さん、勝手に決めないで貰えるかしら」
「今回来てもらったのは正体を知るためでしょう?なら良いじゃない」
俺は姉妹同士の会話を邪魔してはいけないと思い、弁慶の手を引いてそそくさ部室から出た。
「じゃあ此処までだな」
「そうだね、それじゃ」
俺は弁慶と別れ、指定の場所に向かった。
ーーーーーーーーーー
指定の場所に着き直江を探す。
だが直ぐに見つかった。白髪のロリと一緒に居たからだ。俺が見付けたのと同時に俺を見付けたらしく直江が手招きをした。素直に従う俺。呼んだのはそっちなんだからそっちが来いよ……
不満を心中で漏らしながら直江の方に向かう。
「用って何だ?」
「ああ、実はな……」
直江から明日、クローンの誕生会を兼ねた歓迎会をするらしい。
「それで、俺は何をすれば良いの?」
「少しの間、時間を稼いでほしい」
「……まぁ仕方ないか」
「ありがとな」
「で、そんなことだけなら電話でも良かったんじゃねぇの」
「……紋様が比企谷に会いたいと言ってな」
「紋様?」
俺は此処に紋様と確実に呼ばれる可能性がある少女を見る。
「フハハハハッッ!!お前が比企谷八幡だな!」
何でこの娘、異様にテンションが高いんだ?そう言えばこの額のばつ印は九鬼英雄と同じ……そういうことね。
「……そうですけど」
「どうだ、九鬼に入ってみないか?」
そう言うと名刺を出してきた。いや、コイツ天使とか知らされて無いの?
直江も居るし話せる事じゃないよな……
「考えときます」
名刺を受け取り曖昧な言葉で返事する。おっかないおっさんが遠くから此方に殺気を放っているが恐くはない。
二人と別れて帰宅した。
ーーーーーーーーーー
6月12日
今日は2ーSのクローンと少し時間を潰さないといけないがどうやらそれは必要ないらしい。
「で、与一が行方不明と……」
「ど、何処にいるんだ!!」
「与一………」
弁慶、怖いぞ。…仕方無い。ここは俺が一肌脱ぐか。
「俺が探そう…」
「八幡出来るの?」
「そもそも俺は後方支援型だぞ。感知なんて十八番だ」
「えっ!!そうなのか!?」
何で源が驚くんだよ。
俺は源の反応に呆れながらも目を閉じる。
「比企谷く……」
「主、少し待ってなよ」
自然エネルギーを体に取り込んでいく。自然と一体化するには動を止めれば良い。
「……出来たぞ」
十分に自然エネルギーを取り込んだ俺には瞳孔が横長の長方形になり、目元に隈取りが現れた。
人間とは違い自然エネルギーを取り込める量が段違いだ。それに比例して感知範囲もそれなりに広くなる。
「……見付けたぞ、学校の屋上だ」
「今すぐ与一をとっち目に行かないと……」
「まぁ待て。今日はお前らが主役だ。与一も例外なくだ。俺が説得しに行った方が穏便に済むだろう。俺に任せてろ」
「八幡なら任せられるかな……じゃあお願いしようかな」
「比企谷くん!与一を任せたぞ!」
「おう、弁慶たちは此処で待っててくれ」
「りょ~かい」
川神水を飲み答える弁慶に心配を覚えながら
「剃」
与一の下に向かった。
ーーーーーーーーーー
学校の屋上まで一秒もかからずに着き黄昏ている与一に話し掛ける。
「与一、何してんだ?」
「……八幡」
俺は与一の横に並び立ち、与一が見ていた場所を眺める。
「まあ聞かなくても与一がこんな所に居る理由なんて分かる」
「そうか」
「天使の話を、三大勢力の話を聞いてるか?」
「……?……ああ、聞いているが」
与一は突然話が変わったことに違和感を覚えたらしく間が空いたが答えた。
「遅くなったが、ちょうど良い機会だしな。実は……」
俺は他の奴と同じように翼を出したりした。
話を黙って聞いてくれていたが、
「なら八幡は俺を騙してたって訳か……やっぱりこの……」
「違うぞ与一」
俺はネガティブ発言を裁ち切り否定した。
「そもそも与一が三大勢力を知っているとは思ってなくてな。知らない奴に話しても痛い奴だろう?」
「それに俺は元人間だ。そしてこの世界に絶望したことは何回もある。だがな……それはいつかの誰かと分かち合うために、楽しむために貯金してるんだよ」
「貯金?」
「そうだ。俺は今、この時に、全ての貯金を使い果たすつもりだ、お前にな」
「……全てか……ふっ……此処まで俺に言う奴なんて居なかったぞ」
「そりゃ良かった。同じような奴がいたら赤面ものだよ」
そう言えば最初の出会いも此処だったな。
「それで、誕生会は参加してくれるの?俺もプレゼント用意してるんだけど」
「地獄だろうが冥界だろうが八幡のお呼びなら何処へだって行ってやるぞ」
そして俺達は会場へと足を運んだ。
道中
「そう言えば八幡」
「何だ?」
「俺の所に来たとき、目元と瞳孔が変だったがあれは何だ?」
「あれは仙人モードと言ってな、要は格段にパワーアップする補助技だ」
「まじか!!俺に教えてくれ!」
格好いいとかそんな感じだろ。
「そうとう時間がかかるから夏休みなら良いぞ」
「ああ!サンキューな」
出来るかは知らないがな。
ーーーーーーーーーー
俺と与一が源の下に着いたとき、弁慶が思わず攻撃しそうになったが
「ちょっと……」
俺が与一の前に出て、間に入るが
「わっ……」
弁慶は止まれず俺が弁慶を抱きしめている形になった。
「俺の説得は無駄だったのか?」
俺は少しへこんだが弁慶は俺の胸に顔を擦り付けていた。
どうしようかと悩んでいたが鋭い殺気を俺だけに当てられていることに気付いた。
「……弁慶、先に入っててくれ。つか邪魔」
「……嫌だ」
「はぁ、後でいくらでも甘えて良いから」
「本当?」
選択を間違ったかな……
「う、あ~……本当だ」
諦めて未来の俺を犠牲にすることにした。弁慶は他のクローンを連れて先に行った。
「さてと……もう出てきても良いぞ」
派手で露出が多い目が特徴的な女が出てきた。
「話が早くて助かる」
「あんだけ俺にだけ殺気を向けてたんだ。嫌でも分かる」
俺が台詞を言い終わると手に持つデカイ金棒を俺に向けて上から降り下ろしてきた。
「連れて行かせてもらうよ」
誕生日編を1話で終らせようと思いましたが、この人を忘れてはいけないと思い次回はショボい戦闘シーンにしました。