今回は
土佐上様仮拠点を決める
大和ちゃん&饅頭三人組のご飯探し
衝撃の新事実発覚
の三本で、お送り致します。
「おうおう、こらデカイのうし」
流石、お町のホムセンは違うの。平屋やないが、二階建てやぞ。屋上の駐車場入れたら三階建てやが。
しかし、こらぁほんまに何があったがな?
店先はボロボロ、駐車場には車が幾つも乗り捨てられちゅうがよ。
・・・どれか、動くろうか?動くがやったら、貰うて行こうかや。
「そいたら、入ろうか」
「うん」
『ホムセン!』
『工具!』
『貴方の町の武器庫!』
物騒な事言いなや。まあ、今から武器になるもん探すがやき、あながち間違うてはおらんか。
「探すがは、武器になるもんだけやないぞ。飯も探さんといかんきにゃ」
「ご飯、何があるかな?母さん」
『飯~』
『腹へった~』
『おうどん食べたい』
うどんか、ええにゃあ。天ざるとか食いたいにゃあ。
んで、余した天ぷらで冷酒をキューっといきたいわあ。
「何かあるとえいにゃあ、大和」
「そうだね、母さん」
ほんまに何かあるとえいがやけどのぅ。
この店先の様子からじゃと、だいぶ荒らされちゅうみたいやの。
何ぞのパニック映画で見たにゃあ、こんな風景。
おうおう、役に立ちそうな物は根刮ぎいっちゅうにゃあ。
何ぞ残っちゃあせんかや?
『北上さん』
『一階には』
『飯ねぇです』
「母さん、ご飯無いよ」
「飯だけやないが、他も探しよ」
どうやら、一階には飯は無いみたいやの。
「いたら、四人で二階を見てき。二階にはあるかもしらん」
「うん!」
『ひゃっはー』
『二階を探索だー』
『目星と聞き耳ロールだー』
何ぜそら?
ほたえるはかまんけんど、転けなよ。
・・・行ったか。
うし!そいたら、探すかよ。
ナイフやら長物の柄を探すやったら、園芸とかそっちのコーナーやの。有ったら、えいけどのう。
「何ぞえいがは有るかや無いかや~っと、有った有った」
鍬の柄に手斧と手鎌に山菜採り、見た感じはこのコーナーは手付かずみたいやの。お、鋸もあるかや。斧の替刃も有るのう、この柄と組んじょくか。
次は、工具のコーナーを見に行ってみるかの。
「大漁大漁と、次行くかの」
手斧に長柄斧、気分はバイキングの海賊よ。
ハイホーハイホー、つか。ん?こら、違うかや?
つかよ、大和は大丈夫ながやろうか。饅頭三人組を付いて行かしたけんど、饅頭じゃしなぁ。
工具を漁ったら、アシも二階に行くとするかや。
おう、カセットコンロがあるの。ボンベは無いがか?有るやないか。
「妖精さん、そっち何かあった?」
『無いです』
『干からびた酢昆布発見!』
『ダメだ!』
う~、ダメだ~。何にも見つからないや、缶詰でもあったら良かったのに~。
何にも無いよ、全部無くなってる。
「母さんに何て言おう・・・」
『大和さん大和さん』
『まだですよ』
『まだ倉庫があるです』
「・・・うん」
そうだよね、まだ倉庫があるもんね。
まだ何かあるかもしれないもんね。
「行こう、妖精さん」
『マム』
『イエス』
『マム』
薄暗くて恐いから行きたくなかったけど、ご飯があるかもしれないから、私がんばる!
「おじゃましま~す・・・」
『誰かー』
『居ますかー』
『居ないでー』
うわー、カビ臭いよここ。薄暗いし、何か出てきそう。
あ!乾パンの缶詰だ!しかも、氷砂糖入り!
やったー!
『ツナ缶!』
『コンビーフ!』
『お湯で温めて作る炊き込みご飯!』
「『『『大漁だー!!』』』」
一個二個じゃなくて、いっぱい!いっぱいある!
いっぱい!いっぱいだよ!いっぱい!
あ、どうしよう?こんなに沢山、私持てないや。
「うぉーい、大和ー妖精さんよー。何処に居るがなー」
母さんだ!
「母さん、こっちー!」
「そっちかー?」
『北上さん』
『こっち』
『こっちですー』
「おう、ここに居ったか。で、収穫はどうぜ?」
「ばっちり!母さんも?」
「大漁も大漁よ」
『ツナ缶、コンビーフ』
『乾パン』
『炊き込みご飯』
「釣った魚から、いきなり豪勢になったにゃぁ」
「うん!私がんばったよ」
「んで、水はあるかよ?」
「『『『あ・・・』』』」
やっぱりの、こればあ荒らされちゅうがやき、水はありそうに無いのう。
「ど、どうしよう、母さん」
「大和、水道はあったかや?」
「水道?」
「もうちっくと、奥に行ってみるかや」
多分、休憩室的なとこに水道ばぁならあるろうし。あれやったら、風呂とまでは言わんきシャワーでもあればえいににゃあ。
しっかし、荒らされちゅうにゃぁ。盗みにあったゆうたち、こらぁあんまり事やよ。
「大和、そこ気ぃ付けよ。棚が倒れちゅうき」
「うん」
『あ!チョコレート発見!』
『お口で溶けて』
『手で溶けない』
「見付けるはかまんけんど、どうやって持っていくか考えゆうか?」
『『『あ゙』』』
仲良いのぅ、こいたら。鞄かリュック、最悪はずだ袋でもかまんき、入れもんは無いろうか?
ん?何ぜ、こら。新聞?古新聞かや?
「どうしたの?」
「古新聞があったがよ。薄暗ぁてよぉ読まんにゃぁ、ライトライトは何処に、あったあった」
さぁて、何が書いちゅうろうか。何があったか、書いちょったらえいけんどの。
『連合軍、太平洋決戦にて深海棲艦に敗北』
『艦娘による反抗作戦失敗』
『日本政府は太平洋沿岸の一部地域を放棄』
『海軍の一部将校による艦娘への虐待が発覚』
『艦娘によるクーデター、各地の海軍施設にて勃発』
『艦娘を擁する独立部隊『鎮守府』を各地に設立』
『人権擁護団体『艦娘保護の会』によるクーデター勃発』
『ワレアオバ!』
ボロボロで読めんとこばっかりやったが、イヤぁな事しか書いちゃあせんがよ。
最後のは、何か知らんけんどの。
言うたら、こうかや?
深海棲艦に国が喧嘩売って思っくそコテンパンに負けて、今度はアシら艦娘で仕返ししようとしたらまた負けて、その腹いせに艦娘苛めたら仕返しされて、そいたら艦娘に独立されて、したらよぉ分からん団体が暴れて、ワレアオバ!
言う事かや?いや、ワレアオバち何ぜ?分からんわぁ。
「母さん・・・」
「ふん!大和、先ずは飯よ」
「う、うん」
『北上さん』
『あっちに』
『水道あったです』
「生きちゅうかや?」
『ばっちり』
『生きてます』
『ジャゴバー!』
「ゆうことよ、大和。先ずは飯よ、飯喰って寝て、それからの事よの」
「うん!母さんと一緒なら大丈夫だよね」
「はっ、任いちょき。アシが喧嘩で負けるか」
もし、喧嘩を売られたら買うだけよ。やけんど先ずは取り合えず、身を隠す算段を付けにゃぁいかんの。
鎮守府やら艦娘保護の会やらが、うるさそうやしの。
大和の服も考えにゃならんか。この格好やと、何か艦娘ちじきにバレそうやが。
一階に上着とズボンが有ったき、それ着せちょくか。
「母さん、これどう使うの?」
「あ~、待ちよ」
やらないかん事が山の様に増えたわぁ、まあ、明日の事よ。
あ、待ち言うたろ!
ほれ、そこのツマミを押して待ちよったら直に点かぁよ。
少しの間は、ここを仮拠点にして動くとしようかの。
あれやったら、見付けたもん持ってあの小島に帰るのも考えよくか。
アシは艦娘やが、アシはアシよ。戦っちゃる義理は無いきの。
「母さん、何かクルクルするのが付いたミョンミョンした棒見付けた!」
「そら、釣竿やが」
それに、大和も艦娘じゃ。こんな子供戦わせる訳にはいかんわ。
現在の土佐上様追加装備
手鎌
手斧
長柄斧
鋸
山菜採り(鍬の柄で槍に改造)
何だこの、危険人物は(震え声)
後、この世界は逆脚屋の処女作『バケツ頭のオッサン提督の日常』と同じ世界ですが、時間軸は過去になります。
『あの人』が現役の時代ですね。
ですが、この世界線に『あの人』は存在しません。
その為に起きた大きな差違、それに土佐上様がどう立ち向かっていくのか?
とか、そんな真面目な話ではなく土佐上様&大和ちゃん&饅頭三人組のブラブラ珍道中です。
まあ、売られた喧嘩は買うスタイルですが