大和を拾うた次の日によ、町に行こうゆう話をして町に行く事にしたがやけんど、どうやって行くがやろ?
船も無いに、歩いていくがか?
妖精さんらが言うには、自分らに任せろ言いよるき任せたけんど、ほんにどうやって行くがやろ?まあ、かまんんか。
「ほいたらよ、妖精さんよ。頼むぜよ」
『了解です!』
『アイアイサー!』
『缶を回せー!』
妖精さんらが、アシが背負うちゅう煙突缶の中でバタバタほたえ始めた思うたら、煙突缶がたいてエライ音を出して黒い煙を吐きはじめたがよ。何しゆうが?
『缶内圧力正常!』
『出力を巡航出力に設定!』
『艤装を本体に接続!』
「あっづ!」
おおの!ビックリしたが!いきなり背中にビリッてなったが。
「いきなり何しゆうがな!びったろうが!」
『あ』
『すいません』
『北上さん』
「何ながな、いったい?」
『海を歩く為に』
『艤装を北上さんに』
『接続しました』
「ほ、ほうか、それやったら、何ぞ言うてや。ほんにびったがよ」
『すいません』
『でも、これで』
『海の上を早く動けます』
ほうかよ、ならええが。そいたら、行こうかや。
「母さん、どこ行くの?」
「おう、大和。町に行くがよ、行くかや?」
「町?行く!」
気を取り直いて、町に行こうかや。つか、ほんまに海を歩けるがか?何や心配になってきたが。
「行かないの?母さん」
「行くがよ、おまんは何故アシの背に乗っちゅうがな?」
大和がアシの背にある煙突缶に乗っちゅうけんど、何しゆうがね?
「私、これ無いもん」
「そうかや、そいたら乗っちょき。けんど落ちなよ?」
「うん!」
『それでは』
『大和さん缶は危ないので』
『北上さんの肩にどうぞ』
「はーい!」
「乗るはかまんがよ、髪を引っ張りな。犬の紐やないがやきに」
大和が煙突缶からアシの肩に移って来たけんど、髪が邪魔ながか引っ張りよる。メンドイしのう、町に着いたら切ろうかにゃあ?
「したら、行くぜ。掴まっちょきよ」
浮けるかどうか分からんけんど、妖精さんらが浮けるゆうがやき浮けるがやろ。
お?おうおう、浮けるにゃあ!水の上に浮くらあ初めてやよ。
スケートみたいに行けらあ、こら楽しいが!
「あ!母さん。アレ!」
「おう、何ぜ?」
『お?』
『アレは』
『町だー!』
「思ったより、近かったがやな」
砂浜に堤防、すぐ後ろに家があって山があるゆうことは、日本やにゃあ。日本よな?
「したら、到着っと」
着いたはかまんが、えらい静かやにゃ。まだ、海辺やきかも知れんが、にしたち、静か過ぎらあよ。何ぞ、あったがか?
「ちくと、ブラブラしよか?」
「うん!」
大和よぅ、威勢ように返事するはかまんけんど、アシから降りや。
髪を引っ張りな!
「大和よ、そっちはどうぜ?」
「ここも、誰も居ないよ」
『北上さん』
『こっちも』
『誰も居ません』
どうなっちゅうがな、まだ一時間も回っちゃあせんけんど、誰っちゃあ居らん。
こらぁ、おかしいにゃあ。
「何ながな、こら?道に人が居らんのは分かるけんど、店まで誰っちゃあ居らんはおかしいろう」
『どう』
『します?』
『北上さん』
どうするかにゃあ、コンビニどころか交番まで人が居らんがは、予想外やが。
「母さん母さん!」
「ん?どういたぜ、大和」
「こっち!こっち来て!」
えらい慌てゆうが、何を見つけたがな?
「これ!これ!」
「何じゃあ、こらぁ・・・」
どうなっちゅうがな、装甲車、よな、これ。それがなんでこがぁに、ボロボロになって町中にあるがな。
「この車、穴開いてる!」
「確かに、穴が開いちゅうにゃあ」
後部座席は横から一直線に何かがぶち抜いていったがやろうか、向こう側が見えゆう。
それよりも、何ながな、これ?
「歯形、かや?これ」
運転席は、何かに食い千切られたみたいになっちゅう。何ぜ、鮫でも竜巻に乗って飛んで来たがか?そんな訳、無いわな。
鉄、食い千切るような生き物らぁ聞いたことないが。しかも、運転席をバックリいくような奴なんぞ、って、おぉうわ・・・
「妖精さんよ、大和連れて他を見て来とうせ」
『?、!!』
『はい、大和さん』
『あっち見てみましょう』
「え?あ、うん」
『それでは』
『北上さん』
『行ってきます』
「おう、気ぃつけよ」
妖精さんらが大和を連れて行ったにゃあ。流石にこらは、見せれん。
「ナンマンダブナンマンダブ、成仏せぇよ」
多分、四人かにゃあ?運転席は『上』が無い、助手席は『右半分』が無い、後部座席はちっと分からん。
足が二人分あるがは分かるけんど、他がわやくちゃになっちゅうきに、四人以上かは分からんが。
分かるがは、助手席の奴は運転席の奴が喰われるのを見てから、喰われたゆうことか。
うわ、目ぇ合うた・・・
「何ぞ分からんが、車ごと人をバックリいけて大穴開けるような奴が居るゆうことか」
こら、別れたがはやまったろうか。へんしも、四人と合流せにゃあの。
そいで、早いとこ町から去のうか。最悪、何ぞ得物を調達して自衛せんとのう。
鉈と如雨露銃と『妙な筒を束ねた板』だけじゃあ、何があるか分からんしなあ。
「予備の煙草やるき、どうか成仏しとうせ」
わかばやが、かまんろ?セッタがええとか言いなよ。
さあ、次回の土佐上様は?
大和ちゃん、初めての槍作り!
妖精さん達による、土佐上様強化!
土佐上様、初の本格戦闘
でお送りします!