あ、アシ?北上やけど何か文句あるが?   作:ジト民逆脚屋

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投稿が遅れたのは、こうしくんのせいです。


三日目

大和を拾うた次の日によ、町に行こうゆう話をして町に行く事にしたがやけんど、どうやって行くがやろ?

船も無いに、歩いていくがか?

妖精さんらが言うには、自分らに任せろ言いよるき任せたけんど、ほんにどうやって行くがやろ?まあ、かまんんか。

 

「ほいたらよ、妖精さんよ。頼むぜよ」

 

『了解です!』

『アイアイサー!』

『缶を回せー!』

 

妖精さんらが、アシが背負うちゅう煙突缶の中でバタバタほたえ始めた思うたら、煙突缶がたいてエライ音を出して黒い煙を吐きはじめたがよ。何しゆうが?

 

『缶内圧力正常!』

『出力を巡航出力に設定!』

『艤装を本体に接続!』

 

「あっづ!」

 

おおの!ビックリしたが!いきなり背中にビリッてなったが。

 

「いきなり何しゆうがな!びったろうが!」

 

『あ』

『すいません』

『北上さん』

 

「何ながな、いったい?」

 

『海を歩く為に』

『艤装を北上さんに』

『接続しました』

 

「ほ、ほうか、それやったら、何ぞ言うてや。ほんにびったがよ」

 

『すいません』

『でも、これで』

『海の上を早く動けます』

 

ほうかよ、ならええが。そいたら、行こうかや。

 

「母さん、どこ行くの?」

「おう、大和。町に行くがよ、行くかや?」

「町?行く!」

 

気を取り直いて、町に行こうかや。つか、ほんまに海を歩けるがか?何や心配になってきたが。

 

「行かないの?母さん」

「行くがよ、おまんは何故アシの背に乗っちゅうがな?」

 

大和がアシの背にある煙突缶に乗っちゅうけんど、何しゆうがね?

 

「私、これ無いもん」

「そうかや、そいたら乗っちょき。けんど落ちなよ?」

「うん!」

 

『それでは』

『大和さん缶は危ないので』

『北上さんの肩にどうぞ』

 

「はーい!」

「乗るはかまんがよ、髪を引っ張りな。犬の紐やないがやきに」

 

大和が煙突缶からアシの肩に移って来たけんど、髪が邪魔ながか引っ張りよる。メンドイしのう、町に着いたら切ろうかにゃあ?

 

「したら、行くぜ。掴まっちょきよ」

 

浮けるかどうか分からんけんど、妖精さんらが浮けるゆうがやき浮けるがやろ。

お?おうおう、浮けるにゃあ!水の上に浮くらあ初めてやよ。

スケートみたいに行けらあ、こら楽しいが!

 

「あ!母さん。アレ!」

「おう、何ぜ?」

 

『お?』

『アレは』

『町だー!』

 

「思ったより、近かったがやな」

 

砂浜に堤防、すぐ後ろに家があって山があるゆうことは、日本やにゃあ。日本よな?

 

「したら、到着っと」

 

着いたはかまんが、えらい静かやにゃ。まだ、海辺やきかも知れんが、にしたち、静か過ぎらあよ。何ぞ、あったがか?

 

「ちくと、ブラブラしよか?」

「うん!」

 

大和よぅ、威勢ように返事するはかまんけんど、アシから降りや。

髪を引っ張りな!

 

 

 

 

 

「大和よ、そっちはどうぜ?」 

「ここも、誰も居ないよ」

 

『北上さん』

『こっちも』

『誰も居ません』

 

どうなっちゅうがな、まだ一時間も回っちゃあせんけんど、誰っちゃあ居らん。

こらぁ、おかしいにゃあ。

 

「何ながな、こら?道に人が居らんのは分かるけんど、店まで誰っちゃあ居らんはおかしいろう」

 

『どう』

『します?』

『北上さん』

 

どうするかにゃあ、コンビニどころか交番まで人が居らんがは、予想外やが。

 

「母さん母さん!」

「ん?どういたぜ、大和」

「こっち!こっち来て!」

 

えらい慌てゆうが、何を見つけたがな?

 

「これ!これ!」

「何じゃあ、こらぁ・・・」

 

どうなっちゅうがな、装甲車、よな、これ。それがなんでこがぁに、ボロボロになって町中にあるがな。

 

「この車、穴開いてる!」

「確かに、穴が開いちゅうにゃあ」

 

後部座席は横から一直線に何かがぶち抜いていったがやろうか、向こう側が見えゆう。

それよりも、何ながな、これ?

 

「歯形、かや?これ」

 

運転席は、何かに食い千切られたみたいになっちゅう。何ぜ、鮫でも竜巻に乗って飛んで来たがか?そんな訳、無いわな。

鉄、食い千切るような生き物らぁ聞いたことないが。しかも、運転席をバックリいくような奴なんぞ、って、おぉうわ・・・

 

「妖精さんよ、大和連れて他を見て来とうせ」

 

『?、!!』

『はい、大和さん』

『あっち見てみましょう』

 

「え?あ、うん」

 

『それでは』

『北上さん』

『行ってきます』

 

「おう、気ぃつけよ」

 

妖精さんらが大和を連れて行ったにゃあ。流石にこらは、見せれん。

 

「ナンマンダブナンマンダブ、成仏せぇよ」

 

多分、四人かにゃあ?運転席は『上』が無い、助手席は『右半分』が無い、後部座席はちっと分からん。

足が二人分あるがは分かるけんど、他がわやくちゃになっちゅうきに、四人以上かは分からんが。

分かるがは、助手席の奴は運転席の奴が喰われるのを見てから、喰われたゆうことか。

うわ、目ぇ合うた・・・

 

「何ぞ分からんが、車ごと人をバックリいけて大穴開けるような奴が居るゆうことか」

 

こら、別れたがはやまったろうか。へんしも、四人と合流せにゃあの。

そいで、早いとこ町から去のうか。最悪、何ぞ得物を調達して自衛せんとのう。

鉈と如雨露銃と『妙な筒を束ねた板』だけじゃあ、何があるか分からんしなあ。

 

「予備の煙草やるき、どうか成仏しとうせ」

 

わかばやが、かまんろ?セッタがええとか言いなよ。




さあ、次回の土佐上様は?

大和ちゃん、初めての槍作り!
妖精さん達による、土佐上様強化!
土佐上様、初の本格戦闘

でお送りします!

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