あ、アシ?北上やけど何か文句あるが?   作:ジト民逆脚屋

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どうも、目指すはBPOが最も恐れた女!土佐上様です!

活動報告で、ちょっとした募集をやってます。宜しければどうぞ。


二日目 昼夜

アシよ、北上よ。何ぞイ級とか言う黒ぼっこはりまわいたら、大和ゆう子供の艦娘にカーチャン言われたがよ。

しかし、大和ゆうたらアシでも知っちゅうが。あれじゃろ、宇宙行った船やろ?違うがか?

 

「母さん、どうしたの?」

「あー、ちっと待っとうせ。妖精さんよ」

 

『はい』

『何でしょう』

『北上さん』

 

「どういことぜ?」

 

『そう言われましても』

『こちらも』

『何が何やら』

 

「分からんつか」

 

どうすらあよ、アシに子は居らんし相手も居らんがよ。この子の勘違いと違うがやないか?

 

「母さん?」

 

やけど、どうするぜ。勘違いゆうたち子供放っちょく訳にもいかんろうしにゃあ。

 

『あの』

『北上さん』

『ちょっと』

 

放っちょく訳にもいかんけんど、アシに何ぞ出来るがか?この世界のこと、まだ何ちゃあ分かっちゃあせんに子供抱えるゆうのもどうながぜ。

 

『北上さん』

『北上さん』

『ちょっとちょっと!』

 

「何ぜ、妖精さんよ。あ・・・」

 

「母さん、私、いらない子なの?」

 

ぃやまった!どうするぜ!泣かせるつもりは無かったに、泣かいてしもうたが。

 

『北上さん!』

『どうするんですか!』

『泣かしたー!』

 

「どどど!どうするち、どうすらあよ!」

「わっ、私、い、ヒッ、いらない、子っ、なの?」

 

『北上さん!』

『母さん!』

『カーチャン!』

 

うおおおおぉっ!いかんいかん!爆発寸前やが!

 

「違う違うがよ!ちっと考え事しよっただけながよ!」

「ほ、ホント?私、い、いらない子、じゃない、の?」

「ほうじゃ、いらん子と違うがぜ」

 

『そうですよ!』

『大和さんは!』

『いらねー子じゃねーです!』

 

「ホント?」

「おう、ホンマじゃホンマ!」

「ヤッター!」

 

な、なんとかなったかよ。一時はどうなるか思うたが、泣き止んだき良かったが。

そいで、なんで大和がアシをカーチャンち呼んだかは、あれよ。刷り込みゆうやつやろうとゆう事よ。

分からん?言われたちのう、子供の説明を元にして妖精さんらと出いた結論が刷り込みながやき、どうしようもないが。分かるがは、こいたもアシと同じで気付いたらこの小島に居ったゆう事じゃな。そいで、黒ぼっこに襲われゆう時にアシらが来たということながやと。

都合が良い話やが、まぁかまんか。この感じやと謀らぁ出来んろうしのう。

これ!猫やないがやき髪を引っ張りな!

 

 

 

 

 

「よっしゃ!大和よ、タモ持ってき!」

「はい、母さん!」

 

うしゃしゃしゃしゃ!何や知らんが大漁やが!さっきまでの坊主が嘘の様じゃ!

 

『やりました』

『これで!』

『飯抜き回避!』

 

飯抜き回避はええがやけんど、おかしいのう。こんな岸で釣れたかや?秋刀魚。

もうちっと沖で獲れる筈やないか?かまんか、一辺、秋刀魚の刺身喰うてみたかったしの。

 

「母さん!黒い縞々のお魚!」

「おう、石鯛かや?こらは鍋で煮よか」

 

取り合えずは、飢えて死ぬがは回避出来そうじゃのう。

 

『北上さん』

『河豚が』

『釣れました!』

 

「しゃっしゃと、放しや。噛まれなよ」

 

三人で一本の竿を持って釣った河豚ぶら下げゆうが、アシは河豚は捌けんがよ。たしか、養殖もんは毒が無かったがやったか?

関係無いけんど、ナイラゲ喰いたいのう。酢締めにして胡瓜と和えて日本酒もええけど、押し寿司もええなぁ。酢飯にゃ胡麻と生姜入れて、酢をこじゃんと効かいたのがええにゃあ。

けんど、アレも沖に出なあ獲れんしにゃあ。ああ、無いもん程欲しいゆうが、まっことそれやが。

 

「ほいたら、程々のとこで置こうや」

「はーい!」

 

『今夜は』

『ご馳走』

『ですね!』

 

「そうやの。大和よ、その丸い蟹は喰えんき放し」

「はーい」

 

大和が、岸に居った蟹を和え回しよったが。その蟹は喰えん、喰うたら死ぬやつやが。

さて、小屋に去のうかの。ん、どいたぜ、大和?

 

「母さん、このお魚どうするの?」

「ん?秋刀魚は刺身に焼き物、石鯛は炊こうか」

 

醤油も味噌も無いき素材の味だけやけどの。げにまっこと、人ゆうがは無いもん程欲しなるなぁ。

 

「何ぞ、塩でも欲しいのう」

 

『そう』

『ですね』

『ありますよ、塩』

 

「「『『はぁ?』』」」

 

何言うた、この饅頭三号。

 

 

 

 

 

 

「したらこれで、沸いたら完成か」

 

あの後、何ぞ言い始めた饅頭三号を一号二号が締め上げて分かったがやけんど、あの煙突機械に塩やら何やらが入っちょったがよ。

しかもよ、煙突から出す時は妖精さんサイズやにアシに手渡したらアシのサイズになりよったが。不思議ともんやぜ。

 

『この野郎!』

『許さねーです!』

『グワー!』

 

「妖精さんよ、三号しばくがはそればあにして、器用意しいよ」

 

『『はーい』』

『ゆ、許されたです』

 

「許されちゃあせんが」

 

『え?』

 

「おんしゃあ、酒も隠いちょったなあ」

 

『いや、その・・・』

 

「おまんは、あら汁のあらだけにゃ」

 

『マイガー』

 

んな顔したちいかんちや、調味料だけやったら許いちゃったが、酒やら缶詰めまで隠いちょったがは許されんがよ。あらだけでも有りがたく思い。

 

「母さん、缶切りってどう使うの?」

「早から開けゆうかや、ちっと待ちより」

 

大和が煙突から探り出いた缶詰めを開けようしゆうが、缶切りをよう使わんみたいじゃの。

 

「ほれ、その短いがを縁に掛けて刃を入れて回しや」

「ん、こう?」

「ほうじゃ、ゆっくりやりよ、缶切りの刃は思ったより斬れるき」

「うん!」

 

何を開けゆうか思いよったら、乾パンかや。氷砂糖が目当てながやろうけんど、その缶詰めにゃあ入っちゃあせんが。

 

『北上さん』

『鍋が』

『ワキマシタ』

 

「したら、味噌入れて完成じゃ」

 

あら汁も出来たし、飯にしようか。秋刀魚の刺身に塩焼きに石鯛のあら汁、贅沢なもんやが。

 

「ほいたら、飯にしようや。大和、乾パンは脇に置いちょき」

「はーい」

 

 

 

 

 

秋刀魚の刺身が余ったにゃあ、どうするぜ?あら汁も塩焼きも大和が全部喰いよったが、刺身は余ったがよ。

そういや、味噌が有ったにゃあ。生姜とネギが無いがはしゃあないか。

 

「妖精さんよ、しゃもじか板を取っとうせ」

 

『板?』

『しゃもじ?』

『ナニスルデス?』

 

「酒の肴を作るがよ」

 

刺身を叩いて細こうして、味噌と混ぜてまた叩いてええ具合になったら、妖精さんが持ってきたしゃもじに塗って囲炉裏で軽うに炙ったら、なめろうの出来上がりよ。

 

「こんなもんかにゃあ、生姜とネギが無いがが残念やの」

 

『北上さん北上さん!』

『私達にも!』

『プリーズ!』

 

「やるき、ほたえな。大和が起きるろうが」

 

大和は食べ終わったら直に寝よった。アシの上着を布団代わりにしゆうけんど、「煙草臭い」言われたが。この娘は中々言うがよ。

 

「妖精さんよ、明日はどうすぜよ?」

 

『ん~』

『海に』

『出てみます?』

 

海かよ、この島に居ったちしゃあないしのう、出てみるかや。

 

「町に行き着いたら、仕事も捜さにゃあいかんし行くか」

 

何やかにやで、養い子抱えたしのう。仕事があったら、町に住むゆうがも悪うないの。

仕事、何ぞあるろうか?戦争しゆうがやったら、あると思うけんど、嫌な予感がするのう。




次章予告

海に出た土佐上様一向を待ち受けるは

「何ぜこら、誰っちゃあ居らんが。大和よ、誰ぞ居ったかや?」
「誰も居ないよ」

ゴーストタウン?

「何ぜ?今は、パンツ丸出しで居るがが流行りながか?」

『北上さん!』
『それ!』
『敵です!』

突如始まる、市街戦

「おう、ほたえなパンツ女!今かち割っちゃるき!」

君をぶち殺す北上様発動!

そして、荒くれ者共との交流

「おう姉ちゃん、今夜俺らの部屋に来ねぇか?」
「悦ばしてやるぜ?」
「はっ!エノキにシメジが生言いなや、せめてエリンギばあになってから来いや」

北上様?

次章
「合流」お楽しみに!

忘れ物

ナイラゲ:土佐弁でマカジキの事。作者の好物

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