素直に追いかけて ボールを追いかけて 作:スターダイヤモンド
~部室~
穂乃果「おっはよ~!!いやぁ、今日もパンがうまい!」パクパク
ことり「おはよう、穂乃果ちゃん!今日は早いね?」
穂乃果「なんか、今日、試合だと思ったらワクワクしちゃってさ…時間より早く出てきちゃったよ。ことりちゃんの方は出来た?」
ことり「なんとかね…」
穂乃果「やっぱり、ことりちゃんは天才だよ!こんな短時間で仕上げちゃうんだから!スゴいよ、スゴすぎるよ!」
ことり「昨日の夜、花陽ちゃんも手伝ってくれたから…。それより海未ちゃんは?」
穂乃果「!!…忘れてた!」
ガチャ…
海未「まったく、あなたは子供ですか!あれほど集合時間を確認しておいて、先に行くとはどういうことですか!」
穂乃果「ごめん、ごめん」アセ
海未「…ですが…遅れなかっただけ、マシとしますか…」
穂乃果「あはは…。あっ、ねぇねぇ…海未ちゃんは筋肉痛、どう?ダンスとは全然違うところを使うからさ、あちこち痛くって」
海未「私は穂乃果と違って、普段から鍛えていますから…」
穂乃果「でも、湿布のにおいがするよ」クンクン
海未「き、気のせいです…」
穂乃果「でも、ほら」
海未「気のせいです!!」ヒクヒク
穂乃果「…だ、だよね…」スゴスゴ…
ガチャ…
希「朝から元気やね」
絵里「まぁ、穂乃果から元気を取ったら、何も残らないけど」
穂乃果「うぅ…絵里ちゃん…それはないよ…」
海未「今日のキーマンは、あなたたち2人なのですから…しっかり頼みますよ」
絵里「出来る限りのことはするわ」
希「秘策もあるし」
穂乃果「秘策?」
希「あっ…そやね…まぁ、それはあとでのお楽しみ!っていうことで…」
海未「はぁ…」
穂乃果「凛ちゃんたちは?」
絵里「朝練してから来るって言ってたわ。たった1日やそこらで、そんなに変わるものでもないでしょうに」
希「μ'sのメンバーは、なんだかんだ言って、全員、負けず嫌いなんよ」
絵里「そうね」フフフ
希「実はウチのカードによると、今日の試合のカギを握っているのは…真姫ちゃんなんや」
海未「真姫ですか…わからなくはないですが」
希(それともうひとり…。本人目の前にして、言えんのやけどね…)
~試合前ミーティング~
凛「それじゃあ、今日のオーダーで~す!!呼ばれたら、ことりちゃんからユニフォームをもらうにゃ」
にこ「アンタ、良くそんなもの作る時間があったわね!」
ことり「そこは…『ことりマジック』ということで…」チュンチュン
にこ(ミナリンスキー、恐るべし…)
凛「では、打順とポジションと背番号…発表!!」
1:星空 凛(中)#0
2:矢澤 にこ(二)#25
3:園田 海未(右)#4
4:絢瀬 絵里(投)#8
5:東條 希(捕)#10
6:高坂 穂乃果(三)#5
7:小泉 花陽(一)#19
8:南 ことり(左)#13
9:西木野 真姫(遊)#24
凛「…以上にゃ!」
花陽「絵里ちゃんと希ちゃんのバッテリーです!」
希「えりちのリードは、ウチに任せとき」
絵里「私も希の考えてることは、すぐにわかるから、ノーサインでも大丈夫よ」
花陽「正直言って、期待してます!!」
穂乃果「監督、しつも~ん!」
凛「はい、穂乃果ちゃん!」
穂乃果「背番号って、どうやって決めたの?にこちゃんの25はわかるけどさ。なんで穂乃果は5なの?」
絵里「私の8も謎ね…エースなら普通、1とか、11とか、18とかじゃないのかしら?」
凛「背番号は…凛なりに色々考えた結果にゃ!文句は言わせないにゃ」
花陽(かなり強引で無理があるけど)
穂乃果「え~なんでだよぅ」ブーブー
凛「これは凛の中の験担ぎにゃ」
にこ「それじゃ、別の質問。なんでアタシが『センター』じゃないのよ!?」
凛「たまには、凛も、センターやりたいからにぁ~!!」
にこ「ズルいわよ、職権濫用じゃない!!」
海未「にこ、この後に及んで、不毛な『センター争い』はやめて頂けますか?」
にこ「不毛とはなによ、不毛とは!?」
海未「それよりも、肩の弱い真姫がショートとは…にことポジションが逆ではないでしょうか?」
凛「大丈夫、それでいいにゃ」
ことり「ことりも、レフトなんかでいいのかな」
凛「下手な人がライトなんていうのは、昔の話にゃ」
花陽「むしろ、ライトは海未ちゃんじゃなきゃダメなんです」
穂乃果「詳しいことはわからないけど、凛ちゃんと花陽ちゃんが、一生懸命考えた結果でしょ。だったら信じて戦おうよ」
絵里「その通りね。正直、負けたからってどうなる話じゃないけど、せっかくだから、思い切り、楽しく明るく、私たちらしくやりましょう!」
にこ「真姫、大丈夫?」
真姫「あ、当たり前じゃない」
花陽「それじゃ、試合は10時半からなので、あとちょうど2時間半後です。なので…まずは、みんなで腹ごしらえをしましょう」
ドン!
一同(なんていう数量のお握りなの…)
花陽「では、早速。いただきま~す。う~ん、我ながらカンペキですぅ…って、食べないんですか?」
穂乃果「穂乃果は、さっきパン食べたばっかだから」
花陽「みんなもだめですよ。腹が減っては戦が出来ぬ…ってね」モシャモシャ
~つづく~