素直に追いかけて ボールを追いかけて 作:スターダイヤモンド
※2話と3話の間に、別作品としていたエピソードを加えました。
※これを機に、全話、多少台詞などを修正しましたが、基本的な内容は変更しておりません。。
※この作品のセルフパロディ『Aqours版(読み切り』』をアップする予定にしています。
※ご意見、感想お待ちしております。
~いつもの部室~
海未「だいたい穂乃果は勝手過ぎます!どうして私たちがソフトボール部と試合をしなければならないのですか!?」
穂乃果「だから何回も説明してるじゃ~ん。ソフト部のキャプテンに頼まれちゃったんだってば…」
海未「それは聴きました。問題は『なぜ誰にも相談せず、軽はずみに引き受けたか』…ってことです!」
ことり「仕方ないよ。穂乃果ちゃんは、昔から困ってる人がいたら、なんとかしたくなっちゃうんだもんね!」
海未「ことりは穂乃果を甘やかさせすぎです!」
ことり「…とにかく、みんな集まってから話してみようよ…ネ?」ウルウル
海未「ことりはズルいです。そんな目で見ないで下さい…。そんな顔をされると…私が悪い人みたいじゃないですか」
穂乃果「その通り!」
海未「穂~乃~果~!?」ヒクヒク
穂乃果(ビクッ!)
海未「…今日の練習を楽しみにしておいてくださいね」ニコッ
穂乃果「う、海未ちゃん、ごめん」ペコッ
~全員集合~
絵里「…つまり、ソフトボール部の相手チームが集団食中毒になってしまった為、今度の練習試合をキャンセルした…ということね」
穂乃果「うん」
希「それで、ウチらに声が掛かったと…」
穂乃果「うん!」
真姫「どうしてこっちに話が来るのよ?」
穂乃果「ほら、私たちμ'sって9人じゃん!『ソフトボールも9人だから、ちょうどいいでしょ?』…って」
真姫「はぁ?」
にこ「それだけの理由?」
凛(ソワソワ)
真姫「だいたい、そんなことは運動部に頼めばいいじゃない」
穂乃果「全部断られたんだって。自分たちの練習があるからって」
真姫「…私たちも、練習あるんだけど…」
穂乃果「そっかぁ!そうだねぇ…忘れてた」アハハハハ
一同「…」
穂乃果「ち、違う、違うよ…冗談だって、冗談だって!穂乃果だって、ちゃんと考えたんだから…」アセアセ
にこ「ど~せ、くだらないことでしょ!」
穂乃果「酷いなぁ…。よく聴いてよ…。その1『ソフトなら体育でみんなやっている』」
真姫「お遊び程度にでしょ?」
希「えりちは全力でプレーしてたけどね」
絵里「希だって…」
凛(ソワソワ…ソワソワ…)
穂乃果「その2『たまにはさ、息抜きしようよ、スポーツで』」
海未「穂乃果は、息抜きの方が多いじゃないですか!」
凛(ソワソワ…ソワソワ…ソワソワ…)
穂乃果「その3『思い切り、打ってみたいな、ホームラン』」
真姫「自分の願望じゃない」イミワカンナイ
にこ「…ってか、その七五調、なに?」
希「練習試合の相手がキャンセル…μ'sは9人…ソフトは体育で経験済み…息抜きになる…ホームランは気持ちいい…。断る理由、ないやん!」
にこ「なに言ってるのよ?怪我でもしたらどうするのよ!?」
希「昔から言うやん『怪我と弁当は自分持ち』って」
にこ「知らないわよ…」
凛(ソワソワ…ソワソワ…ソワソワ…)
真姫「ちょっと、凛!?大丈夫?さっきから、モゾモゾしてるみたいだけど…。トイレなら我慢しないで行ってきなさいよ…」
トイレなら我慢しないで行きなさいよ」
凛「やっるにぁ~!!凛もソフトで暴れるにぁ~!!」
一同(ビックリシタ~…)
凛「絶対やろう!ソフト!ソフト!ソフト!ソフト!ソフト…」
にこ「…凛が壊れた?…」
真姫「花陽、説明しなさいよ!」
花陽「へっ?わ、私?」
にこ「当たり前じゃない。他にこの状況を説明できる人がいる?」
花嫁「はぁ…それはそうだけど…実は凛ちゃん、小学生の時、野球やってて…あ、凛ちゃんのお父さんが、すごい野球好きな人で…」
絵里「初耳だわ」
花陽「ずっと隠してたから…。凛ちゃん、凄く才能があって、男の子よりも上手だったんだけど…」
にこ「だけど…?」
凛「…かよちん、そこから先は言わくなくてもいいにゃ!」
一同(正気に戻った!?)
花陽「ダメだよ、凛ちゃん!μ'sのメンバーにはちゃんと言わなくちゃ!」
希「辛かったら話さんでもいいんよ」
花陽「…ごめんね、凛ちゃん…。みんなに本当の凛ちゃんを知ってほしいから…」
凛「…うん…」
花陽「だから…話すよ…」
凛「…かよちんに…まかせる…にゃ…」
花陽「…いじめに遭って、やめちゃったんです、野球…」
にこ「いじめ?」
花陽「『男女(おとこおんな)』って、一部の男子から呼ばれて…」
凛「…」
花陽「凛ちゃん…その頃は小学生だから体格差もなくて…男子よりも上手だったし、レギュラーだったし、女子にもモテたから…。嫉妬?妬み?なのかな、チームメイトの男子から…ずっとそう言われちゃって…」
希「最低やね…」
花陽「それでも凛ちゃん、ずっと頑張ってたんだけど…最後の大会を前に辞めちゃったんです…耐えきれなくなって…」
にこ「…」
絵里「…」
花陽「それから野球は『観る専門』で…。だから、さっきちょっとだけ、テンションが上がっちゃたんだと思います」
希「抑えてた気持ちが爆発したんやね」
にこ(グスッ)
絵里(グスッ)
真姫(グスッ)
希(…3人とも、夢を途中で諦めた気持ちは、痛いほどわかるんやろなぁ…。あかん、ウチも泣いてしまうわ)
花陽「みなさんにお願いがあります!直接μ'sの活動には関係ないけど、ソフトボールの話、受けてもらえませんか?」
凛「かよちん…もういいにぁ~…」
花陽「お願いします!お願いします!」
凛「かよちん…」
にこ「そんなにやりたいなら…協力してあげてもいいわよ!」
花陽「にこちゃん!」
にこ「か、勘違いしないでよね!あたしは例えソフトボールであろうとなかろうと、No.1アイドルであることを証明する為にやるんだから」
真姫「…私も…やってあげてもいいわよ…」
花陽「真姫ちゃんも!?…ありがとう」
真姫「…別にお礼なんていらないわよ…ただ、たまには違ったことをやって、それが作曲に繋がれば…って思っただけだから…」
絵里「あら、奇遇ね。私もそう思っていたの」
花陽「絵里ちゃん…」
希(…みんな嘘つくの下手やなぁ…)
ことり「ことりは…みんな足を引っ張っちゃうけど…それでもいいかな?」
花陽「も、もちろんです!」
希「最後は海未ちゃんやけど…」
海未「希も意地が悪いです。この状況で『それでもイヤです』なんて、言えるわけないじゃないですか!」
希「なら、決まりやね」
穂乃果「よし!それじゃあμ'sは全員参加でソフトボール部と対決する!ってことで…」
にこ「…って、部長はあたしなんだけど…。そもそも、なんで話が穂乃果に行くわけ?」
凛「きっと、部長って認識されてないからにぁ…」ボソッ
にこ「なんか言った!?」
凛「よ…よ~し、全力で行っくにゃ~!!」
一同「おぉ~」
凛「ところで、試合っていつにゃ?」
穂乃果「明後日の土曜日」
一同「…」
一同「…」
一同「明後日~!?」
~つづく~