ヤンデレ・シャトーを攻略せよ 【Fate/Grand Order】   作:スラッシュ

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投稿速度が落ちてます。ネタが無いからです。
良し、また活動報告でネタ募集しよう。

所で、どうやったら単発教に入教出来ますか?


ヤンデレとお見合い サポートサーヴァント編

 

 

「……は?」

 

「っむ? この俺に二度も同じ事を言わせる気か? 良いだろう。今回は他人へヤンデレなサーヴァントと見合いをして貰う」

 

 どうやらこのアヴェンジャーさんは出番の無くなった間に頭の中身を失くした様だ。

 

「そもそも何でいる?」

 

 この司会というか説明役はマシュ・オルタに奪われたんじゃ……

 

「仕方あるまい。マシュ・オルタが暑いのが嫌だと今の内に引っ込んでしまってな」

「早くない!? 最近春っぽいイベントやってたのに!?」

 

「まあ、グダグダしてても仕方あるまい。では、今回の詳細を伝えるぞ。

 今回行う見合いはある者達からのリクエストも合わせて、普段貴様が頼っているサポートサーヴァントとの見合いだ。

 但し、相手は自身のマスターにヤンデレているぞ」

 

「それ出会って5秒で死ぬよね、俺?」

 

「そうならん様に頑張れ。なお、今回の目標としては対象サーヴァントのマスターへの好意を落ち着かせ、ヤンデレを治癒する事だ」

 

「監獄付きの精神科に送れよ」

 

「……この世にサーヴァントを閉じ込めていられる監獄があるか?」

 

「あるだろ、型月なら難しい設定を生み出してちょちょいと。あ、メディアがアルトリアを長時間拘束出来たし」

 

「む、意外と可能なのだな……だが、お前の今回の役目は変わらん」

 

「オッケー! 棺桶を用意して置け!」

 

「……ダジャレなのか、それは?」

 

 締まらないまま、俺の視界は閉じ、やがて別の場所へと移った。

 

 

 

「……和式か……」

 

 マスター姿の俺は更衣室にやって来た。

 タンスにはマスター衣装が置いてあり、好きな物を着て良いようだ。

 

「さて……どれにするか」

 

 あまりふざけた格好で行けば、その場で切り捨てられるかもしれない。と言っても、マスター衣装は大抵和室に合う物ではない。

 

「戦闘服は無い。あと、アトラス院も無しだな……魔術協会もちょっと場違い感があるし、やっぱアルトリアの来ていたアニバーサリー・ブロンドだよな」

 

 ゆっくり選んでいる場合じゃないので、直感でそれを掴んで着替える。

 

「さて、相手さんは誰かな……普段お世話になってるのって……☆5ばっかだな。どーしよ……」

 

 死に衣装に着替えている気分だ。服が鉛の様に重く感じる。

 

 だが、恐怖を感じながら相対するのも失礼だ。好意的に接しよう。

 

「あ、設定が書いてある。

“サーヴァントは見合いの練習と言う事でマスターの頼みで渋々来ている。(見合いについては好きな設定を造って構わない)見合いは1体1で行われ、昼食を食べて14時まで続く。体感時間は2時間”」

 

 読み終わり、俺は紙を元々の場所に戻すと地獄への門を見て、ため息を吐く。

 

「……良し、逝くか」

 

 

 

【師匠編】

 

「……っふん」

 

「スカサハさん、で良いですか?」

 

(詰んだぁー! て言うかこのサーヴァントがヤンデレとか終わりだろ、病院が逃げるレベル。俺も逃げよう)

 

 目の前の全身タイツの女性はランサーのサーヴァント、影の国の女王スカサハ。アイルランドの光の御子、クー・フーリンの師匠である。

 

 何処か既にヤンデレ染みている所があるクールビューティ。自分を殺せる相手を探しているなんて設定がある程だ。

 この手の相手は達観している様で自分の感情に素直で、殺したいと思った時にすでに行動は終わっているタイプだ。

 何処かのギャルゲの神は悪感情は好感度に変換できると言ったが、この手のヤンデレにそれをすれば変換する前に殺される。

 

「全く……なぜ私が他のくだらん男でマスターとの時間を潰さねばならぬ?」

 

(俺には無理だ。此処は殺されない様にだけ行動しよう)

 

「先に言っておくが、私が貴様になびく事は無い。貴様をくだらん男と確信した時、私の槍が貴様の心臓を突き穿つと言っておこう」

 

(ハハハ……泣きたい)

 

 スカサハは紅い槍をこちらに向け、下げた後に座布団に座る。

 

 こちらもそれに合わせて座る。

 正直もう寝っ転がりたい気分だ。

 

(まず、どんな話をしてもあちらを刺激するだけだ。口を開くなら刺激は最小限に抑えないと。

 スカサハ的に、下手に出過ぎるのは危険だ。敬語は控えめに……)

 

「取り敢えず、自己紹介させてもらいます。岸宮切大と申します」

 

「……知っての通り、スカサハだ」

 

 ちゃんと自己紹介は返してくれたが、ここで油断すれば死だ。

 なので此処で適当な設定で殺せれない様にしよう。

 

「今回の見合いの真似事の目的はそちらのマスターから聞いているかもしれませんが、現界したサーヴァントに今の文化を体験していただく為であり、私が相手を務める理由は盟友としてお願いされたからです」

 

「ああ。理解はしているが、マスターが別室で他の女共と見合いをしていると聞いては、落ち着いてなどいられるか!」

 

(うわー……言い出したのは俺だけど、設定が勝手に生えて余計イライラさせちまったぁ!)

 

「ま、まぁまぁ……本妻なら旦那様を信じて動じないのも大事ですよ。

 懐石料理が来るそうですし、先に飲み物を注文しましょう。メニューはこちらです」

 

 そう言ってメニューを渡す。

 

「……それもそうか。折角のマスターの気遣いだ、日本酒とやらを頂こうか」

 

 良かった。まだ死ななくて済みそうだ。

 

「それじゃあ、自分は烏龍茶を」

 

 呼び鈴を鳴らすと、白い服装の料理人がお盆に日本酒と烏龍茶を持ってやって来た。

 

(逆だよな? 呼ばれたら注文を聞きに来るよな?)

 

「こちらになります。ごゆっくりどうぞ」

「あ、ありがとうございます」

 

 あっという間に出ていた。見合いの場に合わせた素早い動作で退席するのは素晴らしいが、出来れば僅かで時間を稼いで欲しかった。

 

「あ、スカサハさん。注ぎましょうか?」

「いらぬ」

 

 バッサリ斬られた。

 お互いに無言のまま、自分の飲み物を注いだ。

 

「……所で、ご趣味は?」

「なんのつもりだ?」

 

 無謀にもお見合いを続けようとする俺に、スカサハは鋭い視線を浴びせる。

 

「折角のお見合いの体験です。男女がお互いを知る為のお見合いですから、それらしい事をしようと」

 

「次に口を開く時は、死を覚悟しろ」

 

(先、マスターの気遣いがどうのって言ってたじゃないですかぁ!?)

 

 泣きそうである。もう何をして殺されるんじゃないか?

 

「む、だいぶ強いな……」

 

 日本酒に口を付けたスカサハ。俺も烏龍茶を飲みつつ、次の一手を考える。

 

(いや、もう何も喋らないでタイムアップを待つか?)

 

 だんだん諦めの思考が広がり始めた。いや、今回ばかりはもう無理だろう?

 

「……ますたぁ……何処だぁ……?」

 

 ふと、スカサハの方からそんな声が聞こえ、顔を上げた。

 見れば酔ってしまったのか顔が赤いスカサハがいた。

 

「……あ」

 

 日本酒のラベルを見る。英雄落とし、と書かれている。

 

「ますたぁ……寂しいぞぉ」

 

(甘え上戸だったのか? あ、だけどこれなら生還ワンチャンある!?)

 

 喜ばしい事実に、若干希望の光が見え始める。

 

「あぁ、寂しいな……邪魔なお前は消えろ」

 

「ゐ?」

 

 あっさり。蚊を潰すかの様な自然な動作で俺の胸に槍を突き立て、引き抜いた。

 なんの抵抗も出来ずに、倒れ込む俺。

 

「む……部屋から出れない。きっとこいつの息の根がまだあるからに違いない」

 

(ちょ、それはオーバーキ――)

 

 脳を刺され裂かれた。

 

「死ね。死ね、シネ」

 

 首を切り裂かれ、体を何度も貫かれた。

 

『おい、死ぬのが速いぞ』

 

(理不尽! ま、マジで辛いんで助けて下さい!)

 

 突然現れたアヴェンジャーに助けを求める。脳がやられたおかげで痛覚を感じないので叫んでこそいないが、体が凍てつく様な感覚は続いている。

 

『……まあ、次の見合い会場に行ってもらおうか』

 

(鬼か貴様!?)

 

 

 

【ロリ編】

 

「お母さん、何処?」

 

(ナチュラルボーンヤンデレ率高ぇぞ俺のサポートサーヴァント!?)

 

 次に現れたのは小さな暗殺者、マスターを(性別問わず)お母さんと呼ぶ切り裂き魔、ジャック・ザ・リッパーの登場である。

 

「ええっと……ジャックちゃん、お母さんから何か聞いてる?」

 

「……お母さんのなり方を教えてくれるって、此処で男の人とお話しなさないって言われた」

 

(スカサハとジャック、この2人のヤンデレとか羨ましいようで同情するぞ、誰かさん)

 

「ええっと、此処ではお見合いって言って、男の人と女の人がお互いの事をお話する場所なんだ」

 

(さ、流石に幼女なら……殺されないよ、な?)

 

 不安しかない。ヤンデレの恐怖は文字通りこの身が知っている。

 

「お兄さんと話せば、お母さんが一緒におねんねしてくれるって言ってた!」

 

(死ね! 同情の余地なしだ、どっかの犯罪者!)

 

 満面の笑みを浮かべてそう言ったジャック、俺は見事な手の平返しをした。

 

「じゃあ、先ずは飲み物でも頼もっか」

「うん! じゃあ、オレンジジュース!」

「烏龍茶です」

 

 そう言って呼び鈴を鳴らす。

 茶髪の店員さんが予想通りお盆に飲み物を持ってやって来た。

 

(……あれ、この店員さん?)

 

「ごゆっくりどうぞ」

 

 ……気のせいだろう。多分正義の味方さんに似てるだけだ。

 

 ストローでオレンジジュースを飲むジャックちゃん。俺も烏龍茶を飲みながらどうするか考える。

 

(まあ、普通に話せばいいか)

 

「ジャックちゃんは、お母さんになりたいの?」

「んー……わかんない!」

 

 元気にそう言った彼女。なんと純粋だろうか。

 

「まあ、そうだよね……」

「お兄さんは、お母さんになりたいの?」

 

「んーお兄さんは――」

 

(――っは! 危ねえ……幼女だから油断していた! この質問はデストラップだ。

 もし、苦笑しながら「なれないよ」とか言ったら腹を裂かれる所だ!)

 

「なりたくないなー」

「むぅ、残念」

 

 流石アサシンクラス。でもその輝く刃を仕舞ってくれると嬉しいなー

 

「あ、そうだ! お兄さん、どうやったらお母さんになれるの?」

 

「ッッブゥ!」

 

 伝統芸である。烏龍茶が変な所に入って俺は胸を叩く。

 

「大丈夫?」

 

「あ、あぁ……お母さんのなり方か……」

 

「お母さんに聞いても教えてくれなかった。お兄さんは知ってる?」

 

(くっそぅ……伝家の宝刀、「お母さんに聞きなさい」が通じない……どうすれば……)

 

「いいや、知らない」

 

 キッパリと嘘を言う。これでオーケーな筈だ。

 

「知らないんだ……じゃあ、もういいよ」

 

 もう用はないと、驚く程あっさり腹を裂かれた。

 

「っがぁ……ぁぁぁ……!?」

 

「お母さんに会いに行かなきゃ」

 

 倒れ伏す俺に目もくれず、ジャックは扉へ向かった。

 

『おい、いくら何でも今回は死ぬのが早過ぎないか?』

 

(いや、無理なもんは無理だ!!)

 

 

 

【ヤンキー娘編】

 

「面倒くせえ。俺がマスターの傍にいなきゃいけねぇんだよ」

 

 出会い頭にクラレントで斬殺された。

 

 

 

【褐色ペッタン編】

 

「浮気は悪い文明だ。マスター以外の男と見合いなど言語道断だ」

 

 文明が滅びました。あと俺の体も。

 

 

 

【チョロい本妻編】

 

「消えて下さいまし?」

 

 氷漬けにされて風で切り裂かれて燃やされた。

 

 

 

 アニバーサリーブロンドを来た俺は、監獄等の背景でアヴェンジャーと話していた。

 

『……正直、驚いているぞ。お前が10分も持たないとは』

 

「……だぁ!! どう考えても無理だろ!! もうやだ、もう無理!! 自分へ好感が向けられるならともかく、最初から好感度がマイナスに振り切ってる状態でお見合いとか出来る訳ねぇだろ!?」

 

『……そうか。なら、お前のサーヴァントなら出来るのか?』

 

 いや、それも嫌だ。だが、それならまだ助かるだろう。

 

「……それならまあ、難易度は下がるだろうな」

 

 俺がそう答えると、アヴェンジャーは映像を出した。

 

『それでも見て少し待っていろ』

 

 

 

【どっかの誰かさん編】

 

 1人の男を囲む様に、数人のサーヴァントが集まっていた。

 

「マスター、探したぞ。全く……本妻の私を他の男に委ねようとは……許さんぞ?」

 

 甘える様にマスターの右頬に頭を預けるスカサハ。ゲイボルグを2本、上下に向けている

 

「お母さーん。約束通り、お兄さんといっぱいお喋りしたよー。おねんねしようよ」

 

 マスターの膝元に座るジャック・ザ・リッパー。2本のナイフで片方は赤い槍を抑え、もう片方で鏡を押さえてる。

 

「マスター! 一緒に出かけようぜ! 釣りでも良いし、山で狩りも楽しいぜ!」

 

 赤いセイバー、モルドレッドはマスターの左肩を掴み引っ張りながら、右手のクラレントで七色の剣を防いでいる。みれば、足で狐と蹴り合っている。

 

「マスター。見合いは悪い文明だった。次はどんな文明だ?」

 

 アルテラは右肩からマスターへ呼びかけつつ、迫りくるゲイボルグを回避し、自身の剣でクラレントと拮抗している。

 

「ご主人様ぁ? ちょ〜っとこちらを向いてもらえませんか? 一夫多妻は許さないと、私、何時も申してますよねぇ?」

 

 マスターに一番強い殺気を向けているキャスター、タマモは鏡でジャックを狙い、足でモルドレッドと格闘している。

 

「た、助けてくれぇぇぇ!!!」

 

 

 そこでプッツと映像が終わり、座り込んでいた俺は背後にゾクッと悪寒を感じ始める。

 

「あらあら、私のマスターになったのは貴方ですね? エウリュアレ()も随分お世話になっている様ですし、た~っぷり、可愛がってあげる」

 

「あ、お母さん!」

 

 ……あ、引いてしまったステンノとジャックだ。

 放心しそうなまま、俺は抱き着くジャックを受け止めた。

 

「お母さん! 結婚しよう?」

「あらあら、可愛らしいライバルね?」

 

「まーた増やしたな、マスター」

 

 更なる悪寒が俺を襲う。

 この呆れた様な声は、両儀式の声だ。

 

「アサシンは俺がいれば十分だってのに」

 

 その後ろからフードの女性が現れた。

 

「10連で爆死して悲しんでいたマスターに、2人揃って単発で現れ喜ばせようだなんて、なんて図々しい後輩かしら?」

 

(メディアさんは人の事言えないと思いまーす)

 

「旦那様? お見合いがしたいのであれば、日本出身のサーヴァント、私清姫が手取り足取り教えて差し上げますわよ?」

 

 気付けば、清姫に背後から抱き着かれた。

 

「私のマスターは、随分モテモテのご様子。断然、楽しみが増しました」

 

 左肩にステンノの笑顔が輝く。

 

「マスターは俺の物だ。手を出すってんなら殺す」

 

 右肩に式の手が置かれる。

 

「全員まとめて私が可愛がってあげる……フフフ」

 

 メディアさん、もう触れそうな場所無いですよ。

 

「っ〜!! 誰かぁ、助けてくれぇぇぇ!!」

 





 やったね作者さん! 登場人物が増えるよ!(おいやめろ)

 ランサーのがいないうちのカルデアでは、フレンドのスカサハは本当に頼りになります。
ジャックとステンノは霊基再臨が本当に楽しみです。

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