ヤンデレ・シャトーを攻略せよ 【Fate/Grand Order】   作:スラッシュ

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遅れたと思ったら大して遅れて無い事にホッとしている作者です。
今回のイベントは海外からはキツイです。戦闘する度に強制終了するからやる気が減るよ。
しかも、十連回して出てきたのはヘラクレスと3枚目のエミヤ殺……
なお、遅れた理由は今回の話を見れば分かると思いますが、完全にスランプ状態です。迷走どころか、ドアの開け方を忘れたレベル。



ヤンデレサーヴァントと立場入れ替え 迷走編

「……」

 

「…………」

 

「………………」

 

「……………………っは!?」

 

 オルタとマシュに挟まれ、行為に及ぶと言う天国の様な悪夢から起きた。俺はズボンを下げて確認する。

 

「夢精は、してないな……」

 

 安心した。何故かその後にエナミに絞り取られる悪夢すら見た気がしたからだ。

 

「そうだよな……大体、合鍵なんか渡してないんだし、入ってこられる訳が無いんだ」

 

 俺は背伸びをし、学校へ行く準備を始める。

 

 エナミが現れてから、俺は前よりも少しだけ早く起きている。悪夢から逃げる為でもあるが、ヤンデレポイントとやらを減らす為に弁当を用意する為でもある。

 

 母親の手伝いをしていたので、味付けなんかは大雑把だが、不味くは無い弁当を作れると自負している。

 

 勿論、学校が家のそこそこ近くにあると言っても朝からおかずを作るのは流石に難しいので、冷凍食品と昨日の残りを弁当箱に詰めるだけだが。

 

「昨日のじゃがとツナの煮物と、ご飯。解凍したハンバーグに……後は野菜にレタスとトマト……流石にデザートは無理だな」

 

 さっさと詰めて、同時に朝食を入れる。

 ミルクコーヒーとご飯。今日は残り物が無くなったので、ご飯にはふりかけをかけて食べる。

 

「頂きます!」

 

 

 

「せーんぱい!」

 

 何時もの悪夢……の筈だが、俺を待ち構えていたのはアヴェンジャーでは無くマシュ・オルタ。

 

「……っ!」

 

 その妖艶な笑みに体が強張る。

 

「んふふ……そんなに警戒されるなんて……ショックですよ?」

「何で此処にいるんだ?」

 

「私は消えませんよ? 何度でも、先輩の前に現れます」

 

 それはさておき、と言っオルタは説明を始めた。

 

「今回はサーヴァントとマスター、立場の逆転です。良いなー、私もマスターをサーヴァントにしたいなー!」

 

「……立場が変わると何が起きるんだ?」

 

 オルタには基本ノーコメントを貫こう。

 

「令呪でマスターに命令できちゃうし、サーヴァントはか弱い女の子になって、マスターは平均D位のステータスを手に入れるんです! あ、今回は1人だけです!」

 

 1人だけ。

 令呪の命令には嫌な予感しかしなかったが、それならば少なくとも殺される事は無い…………かもしれない、多分。きっと。

 

「じゃあ、マスター、頑張ってねー!」

 

 

 

「――っ……ヤンデレシャトーか……」

 

 意識がはっきりすると同時に、体に力が張る。どうやらサーヴァント化とやらはしているらしい。

 

「魔力の繋がりも感じる……マスターとなっているのは――」

 

 

 

【セイバー編】

 

「私です!」

 

 白いドレスに身を包んだサーヴァント、セイバーリリィの登場だ。

 

「今のマスターは私のサーヴァント! ああ、早速令呪で命令してしまいしょうか!?」

「するんだったら早くすればいいだろうに……」

 

 俺は直ぐ様駆け出した。

 今回のポイントはいかにして令呪を無駄に使わせるか、もしくは逆に使わせないかだ。

 

「あ、待って下さい!」

 

 リリィの呼び声に彼女の手の甲が輝き、俺の体は止まった。

 

「……」

 

「ああ! せっかくの令呪が……! もう、マスター! ずっと私の隣にいて下さい!」

 

 更に令呪が輝き、俺の体は意志と関係なく、彼女の隣に向かった。

 

 恐らくリリィは普段、サーヴァントの時は力を込める時に魔力を発しているのだろう。そのせいで多少の命令で令呪が彼女の魔力の高まりに反応して、その能力を発動してしまうのだろう。

 

「……むぅー。今の内に縛るしかありませんね」

 

 彼女に手を引かれるまま、俺はリリィの部屋に入った。

 

 部屋自体は質素な一室だが、奥には壁に手錠、足枷など周りの景色に相応しくない物騒な物が見える。

 

「手錠は英霊封じの宝具クラスの物です!」

 

「へー……」

 

 としかコメントできない。いや、なんて答えて欲しいんだ?

 

「マスター、付けてあげますね」

「いや、今は俺がサーヴァントだ。なら、俺が自分で付けるべきだろう」

 

 そう言って彼女の手から手錠を取り、軽く見る。見る。見る。

 

 見る。持ち上げる。見る。見る。

 

「あのー……マスター?」

「付けるべきだろうとは言ったが付けるとは言ってない」

 

「付けて下さい!」

 

 その一言に最後の令呪が反応して、俺の体が自分の意志とは無関係に動き始める。

 

「っぐ……負けるか!」

 

 此処で最後の抵抗。令呪が無くなったのでレジストできれば活路がある。

 

「逃しません!」

 

 リリィは足枷を取り、俺の足にかけようとする。

 

「ふん!」

 

 隣にいての命令は続いているが、足を動かすくらいならどうという事はない。だが、あまり意識をそちらにやってしまえば、手錠が防げない。

 

「マスター……」

 

 リリィが俯く。その目は今にも泣きそうだ。

 

「そんなに……嫌ですか?」

「当たり前だ! て言うか、今更泣き落としが通用するか!」

 

 ツッコミを入れつつも、意識は手錠を持った右手と格闘中だ。

 

「それを付けてくれたら……な、何でも言う事、聞いてあげます……」

 

「恥じらいながら言っても無駄だからな! あと言う事聞いてんの俺! 現在進行形で!!」

 

 そうか、令呪にはそんな使い方もあったか! と思うと同時に、そもそもヤンデレ・シャトーのサーヴァントにそんな事をすれば刺されるか絞り取られるかの二択だから絶対しないと思い直す。

 

 右手は先程から手錠を俺の左手に付けようと必死だ。それを左手で必死に抑え込んでいる。

 

「仕方ありません……この手は使いたくなかったんですが……」

 

 リリィはキッチンに向かうと、引き出しを開けてガチャガチャと金属同士がぶつかる音を鳴らす。

 

「……付けて下さい。さもなければ……」

 

 引き出しから現れた、黄金の刃。あれは正しく――制定の剣!

 

「何で包丁類と一緒にカリバーンが入れられてんだよ!? あと引き出しのサイズ的に剣先から柄まできっちり入る訳ねえよ!?」

 

「誤魔化さないで下さい」

「サラッと俺の疑問を誤魔化そうとしてるのはリリィだろう!」

 

 手元で、金属音が鳴った。

 

「あ゛!?」

 

 俺の声の後に、床にカリバーンが落ちた。

 

「やっと付けてくれましたね! もうカリバーンが重くて重くて……」

 

 同時に、力が抜ける感覚。体感的に、力が落ちたというよりは、唯の人間に戻った感じだ。

 

 そしてリリィは脱力感に動けない俺に足枷を付けて、左手にも手錠をかけた。

 

「サーヴァントとマスターと言う立場が変わっても、これなら何も問題ありませんね。このまま、私から離れられない様にしてあげますね!」

 

 そう言ってリリィが近づく。

 

「まずはご飯で精をつけてもらいます! 新婚ってこんな感じなんでしょう?」

 

 そう言ってキッチンに立つリリィ。だが、あの壁の可愛いエプロンは飾りだろうか?

 

「エプロンを着ないのか? ドレスが汚れるぞ?」

 

「あ、わ、忘れてました! マスターに見せる為に用意したんでした!」

 

 いそいそとエプロンを着るリリィ。一気に不安になった。

 

「えへへ、どうですか、マスター?」

「何を作る気だ?」

 

「へ? えーっと……牛肉の、丸焼き?」

 

 手が動かせていたら頭を抑えていたところだ。

 

「何で疑問なんだ? 作り方わかってるのか?」

 

「はい! 鉄板でお肉を焼くだけですね!」

 

 そう言って冷蔵庫から生の牛タン、しかも皮のままで出してきた。

 

「リリィ。牛タンは焼く前に皮を剥かないと固くなるぞ。生で剥くのは大変だから圧力鍋で柔らかくしろ」

 

「……そ、そうなんですか! 知りませんでした!」

 

(駄目な予感しかしない。

 くそ! 手錠を外してすぐにあちらに行きたい!)

 

「リリィ、圧力鍋がどれか分かるか?」

 

「そ、それくらいなら聖杯から与えられた知識で! ……えーっと、これですね! あ、アレ? どうやって開ければ……」

 

 一応、圧力鍋を選べたが、蓋が開けれないようだ。

 

「蓋の取っ手の部分を回せ」

 

「えっと、回す? 此処でしょうか……あ、開いた!」

 

 どうにか鍋を開くと、牛タンを入れて蓋を閉めようとする。

 

「おい、牛タンが沈むくらいの水を入れないと焦げるぞ!」

 

「っむう! そういう事は先に行って下さい!」

 

 なぜ怒ったし。

 

「そのまま蓋をしっかり閉めろ。じゃないと圧力かかんないから。沸騰すると音がなるからその音がなって30分位経ったら取り出して冷水で冷やして、皮を剥け」

 

「30分!? そんなにですか!?」

 

「生の牛タンを剥くのは一苦労だぞ。あと、茹で剥きは煮込み料理用だ。今の内に他の材料を切っておけ」

 

「ええっと、何を切れば……」

 

「トマト、玉ねぎ。あれば缶詰のグリーンピースとコーンを用意しろ。あ、玉ねぎは冷凍庫に入れて冷やしておけ。そうすれば切っても涙が出にくくなるから」

 

 リリィは慌ただしく材料を探す中、俺は時計を見る。

 

(もう2時か……完成するか?)

 

「包丁は中指を鍔の部分に添えて人差し指と親指で側面を抑えるんだ。じゃないと、グラグラして危ないからな」

 

「て、手本を見せてください!」

 

 若干涙目のリリィがこちらに来ると手錠をあっさり外した。包丁を渡され、仕方なくまな板の前に立つ。

 

「良いか、こうやって持つ。足は持ち手の方を半歩下げて、台所と体は拳一つ分の間を空けろ」

「はい!」

 

「トマトは粗みじんだ。まずはトマトのヘタを取って、半分に切る。それを縦に包丁を入れて、次はトマトを横にして切る。これで粗みじんに切れる。」

「はい! ……あ」

「指を切ったか? 見せてみろ」

 

 そこまで派手ではないかようだ。救急箱は無いそうなので、傷を水で濯いで魔術で傷口を塞ぐ。

 

「今はサーヴァントじゃないんだ。恐怖する必要は無いが、もう少し落ち着いて切るんだ」

 

「マスター……いつにも増して頼りになります!」

 

 トマトを切り終わり、グリーンピースとコーンを使う分だけ皿に移した。

 

「リリィ、缶は冷蔵庫に入れるな。腐食して余ったグリーンピースとコーンがダメになる。瓶か何かに入れておけ」

「は、はい!」

 

「リリィ! もう沸騰してから何分経った!?」

「は、はい! 10分位です!」

 

「玉ねぎをさっさと切るぞ。ヘタを切って、皮を剥いて、トマトと同じ要領だ」

「はい!」

 

 サラダ油を引いて鍋の中に玉ねぎを入れる。

 

「混ぜろ。焦がさないようにな」

 

 その間に俺は使ったまな板を洗い始める。

 

「あ、リリィ。白米は?」

 

「あ!」

 

 急いで鍋を取り出して米を5コップ入れて濯ぐ。

 

「はい。数十分置いてから火を点けるぞ。玉ねぎもいい感じに狐色になってきたし、トマトを入れる」

 

 鍋にトマトを入れた後、俺は圧力鍋の火を止めて、蛇口の真下に置いた。

 

「圧力鍋はいきなり開けると圧力が一気に外に出ようとして爆発する危険がある。先ずは水で冷やして、圧力が失くなるまで待つ。このタイプの圧力鍋は、蓋に圧力調整の回転式の穴があるから、冷えてきたらゆっくり回して圧力を外に逃がす」

 

 蓋の穴を開けばそこから水蒸気が出る。

 その勢いが徐々に弱くなり、やがて止まった。

 

「じゃあ開けて、中の牛タンを取り出すぞ」

「このボウルで良いんですね」

 

 俺は牛タンをお玉で取り出し、冷水に入れた。

 

「後は手で剥いて、切ってからトマトの鍋に入れるだけだ」

 

「分かりました!」

 

 その後、皿に盛り付け一口食べる前に悪夢が終了した。

 

「ああー! 食欲に負けてしまいました……!」

 

「まだまだだな、リリィ」

 

 

 

【ライダー編】

 

「主どの!」

「よりによって牛若丸か……」

 

 何気にこいつが一番物騒な気がする。刀を向けられた回数もそこそこ多いし。

 

「今日は邪魔が無い上に主どのを好きに出来ると聞いています! じゃあ早速……」

 

 牛若丸は素でヤンデレな所があるので令呪を使わせるのは不味い。しかし依存系のヤンデレは好きな相手の意見は自分にとって悪い物でない限り基本受け入れる。リリィなんかは食べ物に釣られやすい様に、牛若丸が好きな物でこちらがリードすれば令呪を使わせないで時間を消費させる事は可能だ。

 

「牛若丸、先にお前の部屋を教えてくれ。何処にあるんだ?」

 

「そうですね! では案内します、主どの!」

 

 そもそも生前からずっと誰かの下にいた牛若丸だ。

 お願いや懇願はしても、上の者に命令する事は無かった筈だ。

 

(まあ、牛若丸の時代でそんな事をすれば首が飛ぶしな)

 

「こちらです、主どの!」

 

 扉の先には和室。部屋の隅には布団が敷かれており、台所は見えないので恐らく奥の扉の先にあるんだろう。

 

(1LDKじゃないのか、珍しいな)

 

「ではでは早速令呪を……」

「牛若丸様、頭を撫でましょうか?」

 

「……さささ!? 牛若丸、様!?」

 

「嫌でしょうか? 一応、今のわたくしめの立場はサーヴァント、牛若丸様の従者として接するべきだと判断したのですが?」

 

「わ、悪く、ないです……い、今は牛若が主どのの主……はい、問題ないです!」

 

 突然の態度の変化。依存系は目に見えた変化に戸惑い易い。

 

 ペースを掴めば、割りとなんとでもなるか?

 

「では、今回はこのまま接させて頂きます」

「はい! では頭を撫でてください!」

 

「では失礼して……」

 

 撫でるただひたすら撫でる。牛若丸は頭を撫でるだけで数分続く。

 

「んふふ! 主どの、そのままずっと撫でて下さいね」

「かしこまりました」

 

 どうやら満足しているようだ。ヤンデレは感情の揺れ幅がでかい。不信感はすぐに積もるし、不機嫌になれば表に出さないが裏ではそのまま貯まり続ける。

 故に一番安定するのは最高にご機嫌な状態だ。この状態の維持をすれば刃物に手を出す事は無い。

 

「もういいですよ、主どの」

「はい」

 

「じゃあ、次は……牛若と一緒に寝ましょう」

 

 さて、問題はこれである。行為に行ってしまえば歯止めが効かないヤンデレに絞り取られる。これは今は亡きアヴェンジャーの忠告だ。(死んでません)

 

「さあ、主どの……」

 

 俺の手を引いて布団に引きずり込もうとする牛若丸。

 

「お待ち下さい。……寝る前に、お風呂はどうでしょうか?」

「あ、そうですね! 一緒に入りましょう! 牛若、ちゃんと温めておきましたよ!」

 

 取り敢えずのインターバル……では無く、戦いの場が変わるだけだ。

 

「ささ、主どの。こちらです!」

 

 牛若丸の機嫌を損ねるわけには行かないので、妙な抵抗はせずに着いていく。

 

 部屋の奥にあった扉を開けば、直ぐ横に風呂場、奥にはキッチンがあった。

 

「どうですか! 大きなお風呂でしょう!?」

「凄いな……」

 

 まるで露天風呂の様な石造りの風呂場に驚く。

 

「では、入りましょう! 背中、洗ってくれますか?」

「ハイ、ヨロコンデ」

 

 嬉しそうな牛若丸に、俺はこの場で起こる未来に不安を感じつつもそう答えた。

 

「先ずは服をぬがないといけませんね!」

 

 そう言うと牛若丸はバッと鎧を脱ぎ捨てた。

 

(どうやった、今のぉ!?) 

 

「さあ! 主どのも!」

 

 控えめな体を晒しながらも、まるで恥じらいの無い牛若丸の代わりに照れながらも、俺は彼女に1つ指摘した。

 

「ちゃんと鎧を片付けて置いて下さい。わたくしは更衣室で服を脱がせて頂きます」

「! そうでした!」

 

 走って風呂場から出ていった牛若丸の後に続いて、俺も更衣室に向かった。

 

「……巨乳好きじゃなきゃ勃ってたな……」

 

 更衣室で服を脱ぎ、風呂場に戻った。

 

 一応、腰にタオルを巻いている。

 

「主どの! 湯船にタオルはダメですよ!」

「湯船に入らなければ問題ありません」

 

 既に牛若丸は湯船の前で椅子に座って待っていた。

 

「では、背中を洗いますね」

 

 正直、テンパって無いフリに全力を注いでいる。顔に出てないか不安だ。

 

 タオルを濡らして、石鹸を泡立てて牛若丸の背中を洗い始める。

 

「主どの……下の方もお願いします」

「此処辺りでしょうか?」

 

 肩、首の後ろ側、背中……健康的な肌をタオルで撫でているだけなのに犯罪臭がする。手が震える。

 

(おお、お、落ち着け……俺はロリコンじゃないロリコンじゃない、守備範囲は+-3歳程度……ロリコンじゃない、)

 

「背中、流します」

 

 桶に入った水を牛若丸の背中にかけて石鹸の泡を落とす。

 

「んー……次は牛若が背中を流しますね!」

 

 泡立ったタオルを持った牛若丸が俺の背後に座った。

 

「ふふ〜ん」

 

「あの、時間掛かり過ぎでは……」

 

 しかし中々始めない。もうテンプレな予感しかしない。

 

「始めますね」

 

 そう言って抱き着いてきた牛若丸は、俺の背中に小さな柔らかな膨らみと僅かに固い蕾の感触を――

 

 

 

「主どーの? 大丈夫ですか?」

 

 のぼせた。

 牛若丸の証言だと俺は牛若丸が洗い終わる前に突然立ち上がったと思ったら湯船にダッシュ。飛び込んだ後に湯から体を出した拍子に壁に頭を打って気絶したが、壁に寄りかかったその態勢で牛若丸が俺が気絶した事に気づいた頃には15分以上後の事だったらしい。

 

「頭いたーい、ねていたい」

 

「仕方ありません……牛若が添い寝して差し上げます」

「もう……無理」

 

 夢の中でありながら、俺は死ぬ様に寝た。




逆転話はちゃんとした話が書けるようになったらまた書きます。もはやヤンデレすらまともに書けてないんだから洒落にならない。

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