「うん。任務完了、ってね」
爽やかな笑顔でそう言う一夏ちゃんの手には、見慣れた形状をしている我が部屋の合鍵。俺的にはめちゃくちゃ渋って。それはもう最大限まで渡すまいと抵抗したのだが、彼もとい彼女特有のにっこりスマイルには勝てなかったよ……。どれくらい勝てないかと言うと、オサレな氷雪系最強(笑)くらい勝てない。日番谷隊長が活躍する場面はまだですか師匠。
「任務って……まさか、最初から狙いは」
「まぁ、これも千冬姉の考えだから」
「ふぁっきゅーちっふ」
つい声に出してしまった俺は悪くない。千冬さんが悪い。だから、絶対にごめんなさいは言わない。言うもんか、千冬さんなんかに(カレーライス感)。だってぼく悪くないんだもーん。僕は悪くない。だって、僕は悪くないんだから。大嘘憑き。
「……なんて簡単な脳みそをしている俺ではない」
「?」
「一夏、一つ聞いておく」
「え? なに?」
戸惑う一夏を前にゆっくりと立ち上がり、人差し指をビシッと向ける。うん。いいふいんき(何故か変換出来ない)。補足しておくといい雰囲気。ちなみに変な意味ではない。断じて変な意味ではない。フリじゃないよホントだよ。おいやめろ、変な目で見るんじゃねえよ。俺達はそんな変態じゃねーぞ(戒め)。
「本当に、千冬さんが言ったのか……?」
「……だから、なにが?」
「とぼけるんじゃあない。あの千冬さんが態々ワンサマーちゃんを男の部屋に入れるような真似、するワケがねぇんだ」
「正座」
「やめろ(切実)ヤメロォッ!!(本音)人の話を聞けこのダボがっ!!」
変なふいんき(二度目)。変というよりもこれは奇妙だね。多分背後から精神エネルギーっぽい何かが出てくるから見とけよ見とけよ~。出ません。なん……だと……。粉バナナ。そりゃそうだ、冷静に考えてこの世界はIS時空です。天災が作ったインフィニット・ストラトスtueeeeeしてる世界なんだ。決して精霊なんて存在しないしアスタリスクもただの記号だし落第騎士なんて実在しない。サラティガも来ない。
「千冬さんは一夏ちゃんを可愛がっていた。このことから察するに、男の部屋に通わせるなどあり得ない」
「凄い笑顔で推奨されたんだけど……」
「嘘だろ承太郎……」
何故だ千冬さん。あんた一体何を考えてんだよ。一夏ちゃんが可愛いんじゃ無かったのか。どうして、どうして俺の部屋になんか来させる。やめろよ、平穏が悉く消されていってるんだけど。世界が敵に回ったような感覚だ。先ずメンタル面から潰そうとしてるんですね分かります。耐えられない……こんなんじゃ、生き抜けないよぉ……。息抜きが生き抜く理由になるなんてザラなことだ。息抜きに始めたゲームが生きる糧となるあの感覚、凄まじくええもんじゃないか。ゲームは千時間越えてからが本番。極限は帰れ。発掘とギルクエはいいよ来いよ!
「ちなみに、責任はとれとか言ってたけど……なんのこと?」
「Oh……千冬ネキェ……」
とりたくありません(真顔)。目の前の美少女をもう一度見てみろ。キューティクルの凄まじい艶のある長い黒髪。だが男だ。どこからどう見ても整った顔立ち。だが男だ。華奢な体格。だが男だ。服を着てもなお存在を主張するわがままおっぱい。だが男だ。全体的に見てこれ以上に無いくらいふつくしい女子。だが男だ。男なんだよ分かったか千冬さん。一夏は男なんですよ。女の子でも男の子なんですよ(矛盾)。自分で言ってて訳分かんなくなりそう。一体どういうことなの。
「俺の味方はどこですか」
「ここにいるよ?」
「一夏は味方。でも一夏ちゃんは敵です」
「なんだよお前ホモかよ……(ドン引き)」
「訂正。
「座って」
「やれやれだぜ……(震え声)」
このあとめちゃくちゃオシオキされた。
◇◆◇
一夏からの制裁(ガチ)をどうにか乗り切った俺は、意を決して外出することにした。べ、別に外に出るのが怖いとかそういうのはないんだからねっ! ちなみに冒頭の文を
『絶望は、出来るだけ早い方がいい』
『……?』
さっぱり分からんて表情をしていたが、ありゃ嘘だね(確信)。まさかIS世界のホモ筆頭とも言える織斑一夏くんが理解出来ない筈がない。あ、今は織斑一夏ちゃんじゃねーか。なんてこった。くそっ、ホモだと思っていた俺が馬鹿だった……。一夏だって、ちゃんとした性癖を持つオトコノコだもんなっ! あれ、女の子なんだっけ? ややこしい。まさにややこしや。NHKは沢山のことを教えてくれます。つまり現在。
「うぅっ……ぐすっ……ぅええ……ひぐっ」
「ちょ、あの、お、おおお落ち着いて蘭ちゃん」
「うおっ!? なんだこの判定、亜空間すぎるだろ」
「これでもマシでしょ。昔はもっと酷かったな……」
なんだこの
「なんで一夏さんなんですかぁ……蒼さんじゃ駄目だったんですかぁ……」
「うん。あの、ほんとごめんね。俺じゃなくて。だ、だから。ちょ、あの、は、早く、だ、ダレカタスケテー」
「ちょっとまっててー」
「一夏、お前自分のことなのに助ける気ゼロだな」
そこのゲームしてる二人。とくに赤髪イケメンの方。お前だって妹のことだろーが。兄として何か気にかけてやる事とかないの。それともノータッチなの。年頃の妹が抱く恋心にはノータッチなんですか馬鹿野郎。あと朗らかに笑ってんじゃねぇ。テメー友達が女になってんのにどうしてそんないつも通りというかいつもよりテンション高いんだよ。クッソ腹立つ。クッソ腹立つわこいつ。しかも憎むべきイケメンその二と来れば殴りたくなるのも仕方ない。あれ、俺の周りイケメン多すぎじゃね。これ俺がTSしてたらやばかったんじゃないの。ふぅ、イケメンじゃなくて良かったぜ。死にたい。
「ふぇぇ……ぐすっ……」
「弾、お前は何かないのか」
「んー? 一夏ドンマーイくらいしか」
「友人の不幸を喜ぶ馬鹿は死ねばいいよ」
ナチュラルに罵倒を挟む一夏ちゃんはやっぱ怖い。なんか不気味なオーラが出てるのにそれを笑って吹き飛ばすとか弾は強い。もしかしてお前別の弾なんじゃねぇの。赤のコアの光主とかじゃないの。ほら、髪の毛も赤いし。ジークヴルムでも使ってくるじゃないですかねぇ……。もっとも多分あそこにいるのが俺なら土下座してる。そう思うと弾には救ってもらった気分だ。え、嘘やろ。一夏ちゃんの威圧を受け切れないのって俺だけ? やっぱ植里蒼特攻が付いてるんだよ!
「正直、一夏が女になってくれたのはすまんが嬉しいんだぜ蒼よ」
「……え、弾お前まさかホm」
「学校一のイケメンが女になれば、必然的に慕っていた女子の大半は百合に目覚めるか諦める。そうすると、イケメン弾くんの天下ってワケよ!!」
「あぁ、うん。そうだね、そんな性格でさえ無ければ夢じゃなかったね」
弾はゲス(確定)。これ世界の真理だから。もっと真剣になって考えてくれると思っていた俺が馬鹿だった。なにこの使えなさ。俺の周りに使えないアホしかいないんですけど。俺自身も使えないアホだから仕方ないとか言うんじゃねえよ。少なくともこいつらよりかは使えるという自信がある。会社で上司に文句言われながらも酷使される自信がある。結局駄目じゃねえか。何でも聞かずに自分でやって、からのどうして聞かずに勝手にやっちゃったのかなぁ……の流れは本当凄い。こっちのただでさえ仕事したくない意識をより強くしてくれる。もぅゃだょ……しごとゃめょ。
「うぅ……一夏さぁん……ぐすっ」
「と、とととりあえずこの状況なんとかしない?」
「蒼が焦ってるのはメシウマなので続行」
「私も賛成で」
このゲス野郎共がァッ!!
感想欄の勢いが収まらない。つまりみんなホモ。この作品読んでる八割はホモで二割は純粋なTS好きで残りの一割は紳士なんだろ、知ってる(白目)
真面目な話いきます。中学三年の出来事(一夏ちゃんとの夏祭りだったり体育祭だったり文化祭だったりクリスマスだったり正月だったりイチャイチャ)を書くか否かを活動報告でアンケートとろうと思ってます。感想ではちょっと自重して(懇願)
正直なところで「さっさとIS学園に入学させんかいワレェ!」とか思ってる人もいるかと思いますので。
ちなみに、例えIS学園に入ろうともシリアスは来ないし来させない。だってこの作品、オリ主とTS一夏ちゃんのハイスピードイチャイチャラブコメディだぜ?(暴露)