異世界で転生者が現代兵器を使うとこうなる   作:往復ミサイル

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竜を打ち倒す者

 

「初弾装填ッ!」

 

「はいよ、初弾装填ッ!」

 

 僕の後ろに鎮座していた巨大な砲身に、同じく巨大な砲弾が装填される。

 

 まるで土台の上に巨大な戦車砲の砲身を搭載し、車輪を取り付けたようなその砲身は、かつて第二次世界大戦の際にソ連軍の重迫撃砲として活躍したM-43という迫撃砲だった。普通の迫撃砲よりも長い上に太い砲身を持ち、戦車砲クラスの160mm弾を撃ち上げ、敵の頭上からその砲弾を叩き落とすという代物だ。今ではもう使用されていない旧式の兵器だけど、ガルゴニスの外殻を破壊しうる火力と運動エネルギーを持つ迫撃砲だ。

 

 僕は約40kgの砲弾を軽々と装填するギュンターさんの腕力に驚きながら、ガルゴニスの巨体を双眼鏡で覗き込んだ。兄さんたちはガルゴニスへと向かって突撃しているし、ガルゴニスは兄さんたちに向かって魔術の詠唱を始めている。

 

 僕たちは狙われていないんだ。

 

 ガルゴニスに向かって突っ込んでいくのは、兄さんとエミリアさんとエリスさんの3人。フィオナちゃんはどうやらエリスさんに力を貸しているらしく、エリスさんの服装や頭髪は真っ白に変色していた。

 

 彼女のあの姿は何なのだろうか? 兄さんが最初に転生者と戦った際にも兄さんに力を貸したらしいし、レリエルとの戦いでもエミリアさんに力を貸し、一時的にレリエルを圧倒する事が出来たらしい。

 

 まだよくわからないけど、あの姿になると自分が得意とする属性を自由自在に操る事が出来るようになるようだ。兄さんの場合は白い炎を操り、エミリアさんの場合は白い雷だった。では、エリスさんは何を操るんだろう? 彼女は絶対零度の異名を持っているから、やはり氷を操るんだろうか。

 

(シン、なんだか寒いよ・・・・・・?)

 

「え?」

 

 双眼鏡を覗き込んでいると、僕の後ろで砲弾の装填作業を手伝っていたミラがそう言った。おかしいな。ここは火山だぞ? 常に高温の熱風が吹き続ける広大な火山地帯の真っただ中だというのに、寒いわけがないだろう。そう思いながら双眼鏡から目を離して彼女を振り返ろうとした瞬間、僕は自分の吐きだしている息がいつの間にか白くなり、宙を舞う火山灰の中へと消えていくのを見た。

 

 いつの間にか、僕たちを呑み込んでいた熱風は冷気に変わっていた。先ほどまで見えた陽炎たちも冷たい風に呑み込まれ、消え失せている。

 

 まるで火山からいきなり雪山に連れて来られたみたいだ。

 

「馬鹿な・・・・・・」

 

 まさか、これはエリスさんの力なんだろうか?

 

 エリスさんにフィオナちゃんが力を貸した影響で、火山の環境が変わった・・・・・・?

 

 彼女は元々氷属性の魔術を使うのが得意だった。体内には膨大な魔力を持っているし、それを戦闘中に調整できるほどの集中力も持っている。だから愛用のハルバードに氷を纏わせ続けるという戦い方が出来るんだ。そんな才能と技術を持った彼女の力をフィオナちゃんが増幅すればさらに強力になるというのは分かるんだけど、その強力になった彼女の力は想像以上だったようだ。

 

 もしかしたら、ロンギヌスの槍を使わなくてもガルゴニスそのものを氷漬けにして、物理的に封印できるのではないかと考えた直後、背後で「準備完了!」とカレンさんが言ったのが聞こえた。迫撃砲の照準を合わせる作業が終わったんだ。

 

 既にエリスさんの奇襲は見破られてしまった。だからもう僕たちは囮にならなくていい。手元に残っている火力をガルゴニスに叩き込めばいいんだ。

 

 つまり、総力戦だ。

 

「目標、ガルゴニス! 距離1200m!」

 

「照準よし!」

 

「―――――発射(アゴーニ)ッ!!」

 

 僕は片手で軍帽を押さえながら、右手を振り下ろして叫んだ。

 

 その瞬間、重迫撃砲の咆哮が僕の号令の残響を呑み込み、あっさりと粉砕してしまった。足元の火山灰が舞い上がり、冷気の中でマズルフラッシュが煌めく。放たれた迫撃砲の砲弾が冷気を蹂躙しながら撃ち上げられ、少しずつ高度を落とし始める。

 

 さあ、突き抜けろ。あの外殻を粉砕するんだ・・・・・・!

 

 僕はそう祈りながら双眼鏡を覗き込んでいた。ガルゴニスの外殻は20mm弾や無反動砲の対戦車榴弾を弾いてしまうほど堅牢だけど、この160mm弾の運動エネルギーを弾き飛ばす事が出来るだろうか?

 

 頼む、弾かれるな。そのまま突き抜けろ・・・・・・!

 

(弾着・・・・・・今ッ!)

 

 ミラが報告した直後、ガルゴニスの右肩の辺りに、ごつんと音を立てながら何かが激突した。迫撃砲から放たれた160mm弾が、カレンさんの照準通りにガルゴニスの右肩に飛び込んだんだ。

 

 今までの攻撃は命中した瞬間に火花を散らして弾かれてしまったんだけど、今命中した砲弾は火花を発しなかった。その代わりに真っ黒な外殻の破片と鮮血を吹き上げる。

 

 まさか、弾かれなかった・・・・・・?

 

 恐る恐る双眼鏡を拡大しようとした瞬間、160mm弾が飛び込んだ位置から肉片を纏った火柱が吹き上がった。どうやら砲弾は外殻を打ち破って筋肉にめり込んだらしい。体内にめり込んだ砲弾に筋肉と外殻を吹き飛ばされたガルゴニスは、薄暗い空を見上げながら咆哮した。

 

「き、効いてるぜ・・・・・・!」

 

「さすがロシアだ・・・・・・!」

 

 いいぞ。この迫撃砲ならば、あの外殻を粉砕できる!

 

『よくやった、同志シンヤスキー!』

 

「それはどうも、同志リキノフ!」

 

 無線機から聞こえてきた兄さんの声に冗談を返した僕は、ギュンターさんに「再装填!」と指示を出すと、双眼鏡を覗き込もうとした。

 

 ガルゴニスはまだ移動していない。このまますぐに砲撃すれば、また砲弾はあいつの右肩に襲い掛かる筈だ。でも、ガルゴニスは最古の竜だ。非常にプライドの高い奴が、自分の外殻を打ち破って一矢報いた存在を無視するわけがない。

 

『おのれ・・・・・・小癪なッ!』

 

 拙い。ガルゴニスはこっちを狙っている!

 

 このまま迫撃砲を放棄して退避するか? でも、迫撃砲を放棄すれば砲身が奴の魔術でやられてしまう。端末で生産できる兵器は、破壊された場合は再び生産し直さなければならないんだ。また生産し直せば問題ないんだけど、その間は兄さんたちを支援する事が出来なくなる。前衛を強力な敵の前に放り出す事になってしまうんだ。

 

 仲間を見捨てるわけにはいかない。だから迫撃砲を放棄するという選択肢は選べない。

 

 僕は双眼鏡を首に下げると、手袋の手首の辺りにある小さな装置に液体金属の入ったカートリッジを装着した。ギュンターさんが愛用する液体金属ブレードに取り付けられているものと同じだ。

 

『潰れてしまえ、人間め!』

 

「おい、来るぞッ!」

 

 ガルゴニスの傍らに出現した魔法陣の中から、巨大な岩石の槍が姿を現す。あの岩石の槍は、敵の戦車部隊の戦車を串刺しにした槍と同じだ。

 

 橙色の魔法陣の中から突き出た岩石の槍が、回転しながら僕たちの方へと向かって飛んで来る。隣でカレンさんが迎撃するためにGM6Lynxのスコープを覗き込むけど、僕は彼女がトリガーを引く前に手袋をつけた右手を前に突き出すと、指先で飛来する岩石の槍を斬るように少しだけ人差し指を動かす。

 

 その瞬間、接近していた岩石の槍がいきなり真っ二つになり、そのまま回転しながら墜落していった。

 

「え?」

 

「は、はぁっ!?」

 

(シン、今のは・・・・・・?)

 

「――――これだよ」

 

 驚愕する仲間たちに、僕は手袋に取り付けた液体金属の入っているカートリッジを見せた。

 

 この手袋は『液体金属ワイヤー』という名称で、液体金属のカートリッジを取り付けると、指先にある小さな噴射口からワイヤー状に変化させた液体金属を射出する事が出来る。僕はその液体金属のワイヤーを利用して、今の岩石を両断したんだ。ちなみにサラマンダーを瞬殺したのもこの武器だ。

 

 液体金属だから自由に長さを変えられるし、細さも変更できる。しかも武器の外見が手袋だから、敵には僕が何も武器を持っていないように見える。トラップとして使ったり、暗殺に使うにはもってこいの武器だった。

 

(わ、ワイヤー・・・・・・?)

 

「はははっ。お前はそういう武器が好きなんだな」

 

「そうなんですよねぇ。兄さんはこういう武器をあまり使わないんですが・・・・・・」

 

 苦笑しながら言った僕は、再び双眼鏡を覗き込んだ。どうやらガルゴニスが重迫撃砲で外殻を抉られている間に兄さんたちが接近したらしい。ガルゴニスの足元でマズルフラッシュが輝くのが見える。

 

 兄さんは先ほどまで暴走していたというのに、双眼鏡の向こうでいつものように奮戦していた。大剣を使って前に出るエミリアさんの後ろについて行き、アサルトライフルの3点バースト射撃でガルゴニスの魔術を迎撃しながらグレネードランチャーで援護している。エリスさんは氷を自在に操ってガルゴニスの攻撃を氷の防壁で防ぎながら、ハルバードの斧で外殻を何度も斬りつけていた。さすがにこのままロンギヌスの槍を使うわけにはいかないんだろう。奴の動きを止めなければならない。

 

「第二射、用意!」

 

 僕は指示を出すと、双眼鏡から目を離した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 硫黄の臭いを、火薬の臭いが蹂躙する。アサルトライフルの弾丸ではあの外殻を打ち破ることは不可能だけど、信也が生産した迫撃砲はさすがに弾くことは出来ないようだ。

 

 仲間の第二射でガルゴニスが動きを止めた瞬間に、エリスがロンギヌスの槍を叩き込めば勝負はつくだろう。彼女の奇襲が見破られてしまった以上、手元に残っている火力を利用して戦うしかない。

 

 チューブマガジンの中に40mmグレネード弾を装填してハンドグリップを引き、ガルゴニスの外殻に向かってグレネード弾を放つ。命中させるのは容易いけど、やはりあの外殻は堅牢すぎる。今まで何度も魔物を吹き飛ばし、肉体を引き千切ってきたグレネード弾の爆発をお見舞いされても、あの堅牢な外殻にはかすり傷すらついていない。

 

 舌打ちしながらハンドグリップを引き、巨大な薬莢を排出する。

 

 その時、俺の隣を走っていたエリスがジャンプし、ガルゴニスの後ろ脚へと飛び掛かった。そのまま左手に持っていたパイル・ハルバードの先端部を後ろ脚の外殻へと向け、長い柄についているスイッチを押した。

 

 ハルバードから銃声のような音が轟き、先端部の槍の部分が突き出される。彼女のハルバードは、先端部の槍の部分がパイルバンカーになっているんだ。1発ぶっ放した後は柄の中にある薬室に12.7mm弾を装填しなければならないけど、かなり強力な近距離武器になっている。

 

 そのパイルバンカーの先端部も外殻に弾かれてしまったけど、全く傷をつけられなかったわけではないようだ。外殻の表面から、小さな外殻の破片が飛び散る。紅い模様が浮き上がっている外殻の表面は少しだけへこんでいた。

 

「隆起しなさい! アイス・フレンジー!」

 

 ガルゴニスの後ろ脚から飛び退きながら詠唱するエリス。その瞬間、ガルゴニスの後ろ脚の近くから、一斉に5本の氷の柱が隆起した。その先端部はガルゴニスの後ろ脚の付け根に突き刺さると、外殻に粉砕されて破片をまき散らしながらも成長を続け、ガルゴニスの後ろ脚を呑み込んでしまう。

 

『無駄だ。その程度の魔術で私の動きを止められると思ったか!』

 

「動きを止める? 何を言ってるのかしら」

 

 にやりと笑いながら地面に着地するエリス。彼女はガルゴニスの顔を見上げてからちらりと俺の顔を見て、ウインクする。

 

 なるほど、あの氷はそれに使うのか。

 

 あの氷は動きを止めるためのものではない。ガルゴニスは、あの氷で自分の動きを止めようとしたんだと思い込んでいる。

 

 俺はエリスににやりと笑い返すと、腰のベルトに下げていたサラマンダーの頭骨を模した漆黒の仮面をかぶり、十戒殲焔(ツェーンゲボーテ)を発動させた。

 

 全身の皮膚が一瞬で黒ずみ、焼死体のようになった日オフの裂け目から無数の小さな火柱が吹き上がる。火達磨にされたような激痛に呑み込まれながらガルゴニスを睨みつけた俺は、炎の温度を最大の2000度まで上げ、ガルゴニスの後ろ脚に向かって走り出した。

 

 かぶっている仮面の隙間から炎が噴き出す。超高温の炎を纏いながら、俺はガルゴニスの後ろ脚を呑み込んでいる氷の柱を目指して疾駆する。

 

 エリスがガルゴニスの後ろ脚を氷漬けにしたのは、こいつの動きを止めるためではない。ガルゴニスの力ならば、すぐに氷を粉砕して脱出してしまうだろう。

 

 俺が接近して行くにつれて、エリスが生み出した氷が溶けていく。やがて氷が融解していき、ガルゴニスの足元に巨大な水溜りが形成される。

 

 俺は炎を纏ったまま、その水溜りの中に足を踏み入れた。

 

『なッ!?』

 

 右足を踏み入れた瞬間、溶鉱炉から取り出したばかりの鉄板を水に放り込んだような音を立てながら、俺の足元の水溜りが蒸発を始めた。猛烈な水蒸気が吹き上がり、ガルゴニスの巨体を包み込んでいく。

 

 あの氷はガルゴニスの動きを止めるための氷ではない。水蒸気を強引に発生させるための氷だった。

 

 なめるなよ、ガルゴニス。エリスも俺の女だ。俺の女の考えが分からないわけがないだろう?

 

『ぬっ・・・・・・! おのれ――――』

 

 前足で鬱陶しい蒸気を振り払いながら唸るガルゴニス。やっと水蒸気から解放されたガルゴニスの目の前では、カールグスタフM3に対戦車榴弾を装填し終えたエミリアが、にやりと笑いながら照準器を覗き込んでいた。

 

『この――――』

 

「発射(ファイア)!」

 

 猛烈なバックブラストで火山灰を噴き上げ、対戦車榴弾がガルゴニスの顔面へと襲い掛かる。しかも対戦車榴弾が襲いかかったのはあの堅牢な外殻ではなく、暴走した俺が潰したと思われるガルゴニスの右目だった。

 

 右目に対戦車榴弾が突き刺さり、再び肉片と鮮血が舞い散る。激痛に呑み込まれたガルゴニスの絶叫の中で爆音が轟き、さらにガルゴニスの右目に追い打ちをかけた。

 

 すると、今度は俺たちの頭上から落下してきた何かが、ガルゴニスの背中に激突する。外殻では弾かれなかったらしく、火花の代わりに外殻の破片が吹き上がった。

 

 信也たちの迫撃砲だ。また命中したんだ!

 

 猛烈な運動エネルギーを叩き付けられ、ガルゴニスが地面に前足をつく。そして外殻を突き破った砲弾が再びガルゴニスの体内で火柱を生み出し、最古の竜の体内を焼き尽くした。

 

『グオォォォォォォォォッ!!?』

 

「エリス、やれッ! ――――竜を打ち倒す者(ドラゴンスレイヤー)になるんだッ!」

 

「任せなさい!」

 

 砲弾の運動エネルギーと爆発に押さえつけられているガルゴニスに向かって、ロンギヌスの槍を持ったエリスが突っ込んでく。いつの間にか彼女は自分の周囲に白い冷気を纏っていた。右手に装備しているロンギヌスの槍の杭も、少しだけ白い氷に包み込まれている。

 

 あのパイルバンカーの射程距離はたったの10cmだけだ。叩き込むには、さっきパイル・ハルバードを叩き込んだ間合いよりも更に接近しなければならない。

 

 だが、今のガルゴニスは迫撃砲の直撃で動けない。接近してパイルバンカーをお見舞いするのは簡単だ。

 

 行け、エリス。

 

 竜を打ち倒す者(ドラゴンスレイヤー)になれ・・・・・・!!

 

『ぐっ・・・・・・おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!』

 

「くそったれ!」

 

 ガルゴニスが咆哮しながら、少しずつ起き上がっていく。160mm弾を2発も叩き込まれ、右目に対戦車榴弾を叩き込まれて致命傷を負っているというのに、この最古の竜はまだ立ち上がろうとしている。

 

 その動力源になっているのは、人間への憎悪。自分たちの種族を虐げている人間たちへの殺意だ。

 

 その感情を動力源に戦った経験はある。初めて転生者と戦い、フィオナが消えてしまった時だ。俺はあの時、その転生者への殺意を動力源にして戦った。

 

 思わず共感してしまったんだ。大昔から人間を憎み続けているガルゴニスからすれば、あの時の俺の殺意は小さすぎるだろう。だが、確かに大きさは違い過ぎるけど、動力源にした原料は同じだ。

 

 何とか立ち上がり、口を開けてブレスを吐こうとするガルゴニス。あのままではエリスがブレスに呑み込まれ、焼き尽くされてしまうだろう。

 

『これで終わり―――――グゴォッ!?』

 

 だが、ブレスを吐き出そうとしていたガルゴニスの胸元に、またしても巨大な砲弾が突き刺さった。重迫撃砲の160mm弾だった。

 

 胸元の外殻を貫かれ、体内を160mm弾の爆風が抉り取る。骨格や筋肉をズタズタにされたガルゴニスが、ブレスの代わりに悲鳴を吐き出しながら再び崩れ落ちる。

 

「――――終わらせろ、エリス」

 

 崩れ落ちたガルゴニスの頭に飛び乗ったエリスは、ガルゴニスの顔を覆う外殻を踏みつけながら右手の杭の先端部をガルゴニスの額へと押し付けた。胸を抉られた激痛に束縛されたガルゴニスは、呻き声を上げることしかできない。

 

「さようなら」

 

 エリスの冷たい声が聞こえた直後、戦車砲の轟音よりも凄まじい轟音が響き渡った。

 

 

 

 

 


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