陸上これくしょん!   作:ゆっくり分隊長

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連続更新五作目、そしてコラボを除くとこれが最後ぉ!!
皆さん、あけましておめでとうございますッッッ!!!!
WTの日本戦車実装で大幅に更新が遅れました...(現在チトまで進んでチリ開発中)



第拾話

「司令殿。私に一体何の御用でしょうか?」

 

大人しそうな印象を受ける少女は、椅子に座ったまま大樹を見上げる。

 

「今この基地の陸娘達に挨拶をしていてね。その流れで君の所にも来たんだよ」

 

「...どうも朱莉の話と違うようですが」

表情が一気に警戒に引き上がった少女は、鋭い瞳で朱莉と大樹を睨み付ける。

 

「...まぁ、たまたま彼女達の演習が目に入ったから、同じメンバーである君の元にも尋ねてみた次第さ」

そう言うと、大樹は気付かれない様に少女と部屋の様子を隈無く観察する。

 

少女は朱莉達と似た服を着ていて、とても清潔感ある佇まいだった。

部屋は少女の割にはシンプルで、文具なども大人でも使うような普通の物ばかりであった。

机の上には整備中だったのであろうか彼女が使っているであろう砲と砲塔の一部、そして小さなビスの様な物が散らばっていた。

 

その砲とビスに見覚えがあって、大樹は思わず口元が緩み、言葉を零す。

 

「...チハ、か」

大樹の何処か懐かし気を感じるその視線と、直ぐに判別された事に少女は小さく、しかし確実に目を見開く。

 

「...知っているのですか」

 

「あぁ。私は海軍勤務だったが、いつも鎮守府に陸戦隊の戦車が置いてあってな...

それがチハだったんだ。」

 

艦娘達が沢山いた中でも本物の人間、しかも兵役の人間は鎮守府に沢山いた。

その中には、かつて人間同士の戦争の為に配備されていた海軍陸戦隊の面々も居た。

そうした彼らは、敵の深海棲艦の陸上型、或いは今の所なんとか協調路線を組んで居る他国との戦闘時の為に、日々訓練をしていた。

 

その中に、当時新鋭の戦車として九七式中戦車、チハの新砲塔、旧砲塔両方が配備されていたのだ。

 

提督と言う周りが艦娘だらけの環境に置いて、日々窓から見えるチハと、汗を流す同性の軍人はとても落ち着いたのだ。

 

 

「...私の名前は麗華です。」

だからだろうか。

嬉しそうに、そして懐かしそうに思い出話をする大樹に、彼女は名前を名乗った。

 

「麗華...良い名だ。」

そう言う大樹に、後ろのチロもうんうん、と頷く。

 

「別に、私にとって名はどうでも良い...。私は自分が誇りあるチハ、そして日本(ひのもと)軍人であればそれで良い。」

 

そう言い彼女は視線を壁へ向ける。

其処には誰かの写真と、短砲身の旧砲塔が大事そうに置いてあった。

 

「...物は試しだが、私に君が走っている姿を見せてくれないだろうか?」

大樹は麗華へと問いかける。

 

「...何故?」

 

「久しぶりにチハの動く姿を見たくなった...じゃ、駄目かな」

最近最新鋭戦車ばかり見て、懐かしい姿を見たい、と大樹は控え気味に(何か言いたげなチロから目を逸らしつつ)そう言う。

 

麗華は...

 

 

 

「....まぁ、分かった」

 

 

了承した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さぁ、新年一発目の戦車紹介、景気よく行きましょう!!

「どうも、チハです。
歩兵の直脇として開発され、終戦まで戦い抜きました。
機械化歩兵に追従出来る速度と歩兵や陣地を攻撃する事を要求され、当時は列強諸国と同等の強さの戦車でした。....べつに、M4なんか怖くないし。フィリピンだと新砲塔の場合キルレ1くらいだし。あんな若輩者なんかには...ブツブツ」
さぁ満を持して登場、チハです!!
記念すべき新年初がチハで飾れてとても良かったです。

それでは、今年も私ゆっくり分隊長と、我々83projectを宜しくお願い致しますっ!!

最後にもう一度、あけまして、おめでとうごさいます!!
皆様に取ってこの一年が良い年である事を祈ります!

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