陸上これくしょん!   作:ゆっくり分隊長

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※注意※
あらすじにも書きましたが、
これは艦これの〝二次創作〟です。その為『〇〇はそんなキャラじゃない』や、
『設定が(原作とは)違っている』などの批判は受け付けませんのでご容赦下さい。
また、時代設定は史実での二次大戦と同年代となって居ます。


どうも、ゆっくり分隊長と申します。
今回は、艦これの陸版を書く事になりました。

実はこの作品はずっと前から考えていて、いっまの私の作品が一段落着いたら書き始めようとしていたのですが・・・先日、艦これに89式中戦車&陸戦隊(擬人化では無いですが)が実装されたので、これはモタモタしてたらアカンと言う事で
書き始めました(他の作品を読んで下さっている方々すみません・・)

ではどうぞ


第壱話

〝深海棲艦〟

 

それは突如として現れた化け物。

 

深海棲艦は人間を襲い、小さな島の住人などはその強力な力によって瞬く間に全滅する。

 

同時期に〝艦娘〟という深海棲艦に対抗するものも出て来たが、それでも状況は芳しくない。

 

そんな深海棲艦の弱点。

 

それは陸へ上がれない事で(一応上がれるが、戦闘能力はほぼ皆無になる)、それによって

内陸部は沿岸部より安全なのだ。

 

それによって陸軍は縮小され、その分の軍事費を海軍、そして艦娘に充てて来た。

 

 

そう・・・人類は、〝突如〟現れた深海棲艦の陸版が、同じ様に〝突如〟現れるなんて考えていなかったのだ。

そんな思考が出来ない程深海棲艦に追い詰められていたのも事実ではあるが、兎も角

人類は内陸部を安全だと信じ切っていた――――。

 

 

 

 

 

 

――――――そう、あの時までは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「はい?陸軍基地に異動!?そんな、何故!?此方は最前線でなんとか持ちこたえている状況―――そんな中一瞬でも指揮が居なくなれば一瞬にして壊滅状態になるのは貴方も知って居る筈―――」

 

執務室に男性の今にも怒鳴りそうな程の声が響く。

 

『しかし、それは此方も同じなのだよ大樹君――。』

 

「・・・どう言う事です?貴方は内陸部に居る筈では・・・?」

 

『兎も角、急いで来てくれ。其方には代わりの提督を送る。君の力が必要だ』

 

プツリ―――

 

電話越しの相手は半ば一方的に用件を話すと、すぐ切ってしまった。

 

 

「司令官、どうかしたのですか?」

 

提督―――草加大樹を心配そうに見つめるのは、戦果報告の為に執務室に来ていた

駆逐艦の電。

 

「・・・大丈夫だ、何でもない・・・ところで電、戦果は?」

 

「大勝利です!私達の艦隊のみで敵の戦艦を1隻、重巡を2隻、駆逐艦を5隻も沈めたのです!これで少しの間は向こうも大規模な攻勢に出られない筈なのです!」

 

両手を一杯に広げて戦果を強調する電の頭を軽く撫でる。

気持ちよさそうに目を細める電を見ながら、

 

「・・・俺が抜けてからも頑張れよ、(ボソッ)」

 

電に向けて、しかし決して電に聞こえない様にそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

本来は艦娘に前もって提督交代を知らせる筈だったのだが、上層部はそれすら許してくれず、深夜に新提督と交代する事になった。

 

「これからは貴方がこの鎮守府の指揮を執る事になる。だが、くれぐれも艦娘に手は出すなよ」

 

「ハハッ私は既に妻が居るので大丈夫ですよ」

 

「なら良いが」

 

二人はそれ以上語らず、一人は鎮守府へ、そしてもう一人は車に乗り込んだ。

 

 

 

 

内陸部への異動・・・それは戦うことの無い地へ送られる、つまり〝クビ〟を意味する。

その為、大樹の心は重く沈んでいた。

 

(一体何がいけなかったのか・・・一週間で突破されると言われてきた前線を今日まで、計二ヶ月以上維持させて来たし、その過程で敵の戦艦や空母を何隻も沈めて来た・・・不祥事も起こしてない・・・)

 

内陸にある陸軍基地に着くまで四時間以上、その間ずっと思考して居た大樹は基地に着くころには寝てしまっていた。

 

 

 

 

 

「着きました。貴官の活躍を願っております」

運転していた士官の言葉によって起きた大樹は、促されるがままに車を降りた。

 

 

気分を落としながら陸軍基地へと足を踏み入れた直後―――

 

敵襲を知らせるサイレンと、爆音が聞こえて来た。

 

「何?此処は内陸部の筈・・・!?」

 

急いで爆音の聞こえた方に向かった大樹が見たものは――――――

 

 

 

 

 

 

 

深海棲艦の艦載機に似た何かが空襲をしている姿と、それを対空砲で迎撃している姿、そして――――――

 

 

 

深海棲艦の様な異形の怪物(・・・・・・・・・・・・)が一人の少女に向かって攻撃をしている姿だった――――。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「危ない・・・あのままじゃ・・!」

 

少女は基地内に居り、敵の化け物共は殆どは基地の外から基地目掛けて進軍している。

しかしその中の一体は、既に基地内に侵入し、今にも少女を撃とうとして居た。

大樹は慌てて防御陣地に駆け込み、其処にあった37mm対戦車砲を敵に向ける。

 

「・・・ん?」

幸い弾は近くにあったため、それを装填しようとしたとき、大樹の視界にあるボタンが目に入った。

 

「〝妖精自動迎撃ボタン〟・・・?押してみるか・・」

 

〝迎撃〟と言う言葉に期待を抱いてボタンを押すと・・・・

 

大樹が装填しようとしていた対戦車砲の側に妖精が数匹現れた。

 

そして大樹の持って居た弾を捥ぎ取ったかと思うと即座に装填、そして発射。

妖精の放った砲弾は寸分違わず敵に命中、敵はピクリとも動かなくなった。

 

大樹に向かって(*'▽')b!と親指を立てた妖精は、次の目標を求めて37ミリ砲を操作する。

 

大樹はボタン一つで出てくる妖精の便利さに驚きながらも、先程見えた少女に向かって走る。

 

 

 

「大丈夫か!?」

 

いきなり敵が吹き飛んだ事に呆然と立っている少女の側に駆け寄った大樹は、彼女の容姿に驚愕する。

 

セーラー服を着ている彼女は、腕に艦娘における艤装の様なものを付けており、

手には銃剣付きの三八式歩兵銃があった。

 

そして何より驚いたのは・・・・

 

「睦月・・・!?」

彼女が睦月に似ている点だった。

 

 

「・・・睦月って誰です・・?」

 

「あぁ、すまない、知り合いに似ていたので・・・」

 

「別に良いですけど・・・貴方が新たな司令ですか?」

 

「・・・は?」

 

「申し遅れました、私は八九式中戦車と申します!」

 

ビシッと陸軍式敬礼を行う少女・・・・否、八九式中戦車。

 

詳しい事を問おうとした時、近くに敵の砲弾が着弾する。

 

「!・・・兎に角この基地の説明は後でするので、取り敢えず指示を!」

 

「あ、あぁ・・・」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

大樹が短期間のうちに八九式から聞いた情報によると、

 

1、この基地にある兵器は、八九式一両、九四式37mm対戦車砲2門、そして先程まで対空射撃をしていた25ミリ機銃が3基のみ

 

2、基地内の〝人間〟は大樹と数人の整備兵と25ミリの人員のみ

 

3、相手は航空機が数機(そのうち2機が撃墜、1機が損傷した為、被害甚大として

既に敵機は全機撤退済み)

  、軽戦車(と思われる車両)が3両(うち1両は先程の攻撃で撃破)中戦車(と思われる車両)が1両の編成

 

4、敵の中戦車は巡航戦車型(機動力を優先し、防御力を犠牲にした戦車)だと思われる

 

以上の4つだった。

 

 

それプラス八九式の戦力を考え、大樹は作戦を考え付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

(ン・・・?)

今回の攻撃に参加した車両の中で一番判断力に優れる車両であり、またこの中で唯一人型である巡航戦車ホ型は、

敵基地の近くから〝一人〟の敵が出て来た事に疑問を持つ。

 

ハヤク撃トウ、ハヤク殺ソウと息巻く仲間を手で制しながら冷静に腕に付いている砲の

照準を敵に向ける。

そして撃とう――――――とする寸前に、我慢できなくなったのか一匹の仲間が敵を食い殺そうと前に出る。

 

しかし、

 

 

ダンッ――!

 

突然、横から砲撃音がし、前に出た仲間が吹き飛ばされた。

 

 

(敵―――カ?)

 

視線を発砲音がした所に向けると、右に200メートルほど離れた場所に、

見つからない様に木々で偽装してある妖精付きの対戦車砲の姿があった。

 

生き残っていたもう一匹の仲間が右にある対戦車砲を撃とうと構えるも、今度は左側に隠れていた対戦車砲が発砲、それによって体の半分近くが吹き飛び、行動不能になる。

 

その時、

 

 

「てゃぁああああアアッ!!!」

 

2門の対戦車砲に気を取られている隙に接近してきていた(89式)が銃剣突撃で行動不能になった仲間を突き刺す。

更に

 

ドンッ!

 

 

敵は0距離から腕に付けられている砲(九〇式五糎七戦車砲)を撃ち、完全に沈黙させる。

 

「!コノ・・ッ!!」

 

ホ型は仲間の仇討ちをしようとするが、その前に距離を詰められる。

 

苦し紛れに撃った砲も直前に射線を手でずらされ、見当違いの方向に飛んでいく・・・

 

 

そして、

 

ザッ―――!

 

 

ホ型は苦し気な表情と共に倒れこんだ・・・・・。

 

 

 




89式中戦車の詳しい容姿、性能など、そして敵の情報などは次回、説明回を設けます。

執筆完了時点で夜2時だったので、初執筆以来初めての予約投稿。でも予約投稿の時間設定はは朝にするんですけどねw


ではまた次回~

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