周りから薬の匂いがする。
頭が覚醒してくるとさっきまでの事を思いだす。
そーか倒れて医務室にでも運ばれたか……医務室。
「‼︎」
慌てて飛び起きた。
周りを見渡すと誰もいなかった。
「ふー」
ウィーン。
扉が開き白衣の女性が入ってきた。
「ちっ、眼を覚ましたか。」
「舌打ちって、あんた何する気だったんだよ。」
「何。せっかく普段怪我などしない伝説級【レジェンダリー】の体が怪我して血が出ていたからな。隅々までじっけ、もとい治療をしようとしていたんだよ」
「まてや。今実験っていいかけたろ?」
「気にするな。眼を覚ましたらオペレーションルームの方に来て欲しいと加藤さんが言っていたぞ?」
「このマッドめ。」
「なにかな?私は医学の進歩の為に色々試したいだけさ。」
「失礼します」
危なくマッドにわけわからん薬品とか使われるところだった。
とりあえずボスの所に行かないと。
ウィーン
「ん?体はどうだい?」
「問題ないですよ。もともと竜としての力を覚醒させてから治癒力とかも強くなってるんで」
「そーだったね。じゃー健太君も来たしは話を始めようか。」
「片瀬君頼むよ」
「本日、首相官邸襲撃の同時刻、世界各地でw.s.m.aならびにSecondに対して否定的な組織が襲撃を受けています。」
「健太君の相手をしたフェニックスほどではありませんがなかなか高レベルな能力者が多いようです。」
「そして、先ほど出された声明がこちらです。」
[私たちは力を持つ者を否定し縛りつけるこの世の中に反旗をひるがえす。
私たちこそ崇められるべき力をもっているのだから。
私たちはここに宣言する。
私たちは私たちを否定し縛りつける全てに対して私たちの力をもって知らしめてあげる。私たちは自由だと。
私たちこそ支配するがわにいるべき存在だと。
従う者には慈悲を従わない者には鉄槌を。
私たちの名は【エデン】能力者たちの楽園を生み出すモノ]
「やっぱりこーゆのが出てきたか。」
「他人よりも強い力を持っていながらそれが理由で不自由を強いられる。そうなれば縛りつけるものに憎悪を持つ当然だね。」
「でも、不可能だ。」
「なんでかしら?健太君と同レベルの能力者や高レベルの能力者が何人もいるみたいなんだしそう簡単にとはいかなくても、」
「無理ですよ。俺たち能力者は少なすぎるんですよ。幾ら一人一人が強かろうといつか疲弊する。数には勝てないんだから。」
「その通りだよ。ただこれは私たち大人が生み出してしまった結果だ。
本来なら全ての人は平等であるべきだ、能力が有ろうと無かろうとだから彼らには力でなく言葉で世界と対峙して貰わないといけない。
だから、彼らを保護する為にみんなの力を貸して欲しい。」
「ボスそこは強気に命令して下さい。俺たちはあなたを信頼してここにいる。あなた以外がここのトップなら辞めてたっておかしくないくらいに。」
「なら、彼らの保護を行え。」
「「「「「了解です。ボス!」」」」」