あの後救助が開始され、病院に搬送される人や、その場で応急処置を受ける人、現場検証などが行われた。
当然のように修学旅行は中止となり全員が自宅に帰るか処置のため病院に行った。
そして、俺は今事故現場もよりの警察署で拘束されていた。
とーぜんだろう。竜なんて化け物を野放しになんてできやしないんだから。
確かに見たのはその場にいた人だけだ、トンネル内の事故だったおかげでマスコミなんかには見られてはいない。
でも人の噂なんて広がっていく、すぐに俺に行き着くはずだ!
カチャ。
「どーも、気分はどうかな?大村健太君。」
はいって来たのは人良さそうなおじさんだった。
別になんか特徴があるわけでもなく、よくいるおじさんって感じの人だった。
「別に」
「そうかい?なら話をさせて貰いたいんだけどね。いいかな?」
俺はただ頷いた。
「じゃ、まず自己紹介だね。私は加藤広司。環境省の関係者だよ。
とりあえず、よろしくね。」
「環境省?警察の人じゃないですか?」
「そ!環境省。『Second Soul』通称Secondとか、S2ってよばれる人は環境省の管轄下なんだよ。ほら隕石によって引き起こされたとはいっても、自然と生まれてくるからね。環境が影響するから環境省の管轄とかわけわからないよね?ははは」
「で?なんすか?」
「つれないなー。今笑うとこだよ?」
「ま、いっか、とりあえずSecondが環境省の管轄だって話に戻るんだけど今度新しい課が設立されてね?Secondによる犯罪なんかに対応する専門の所なんだけども……」
「そーそーそんな人がちょうど良く環境省なんかの公務員にいるわけないからさー。有望な人をスカウトしてるんだよ」
「俺、まだ中学生ですよ。」
「年齢制限とかかけると人が集められないからね。新しい法律を制定させて特別に許可するみたいよ?」
「そんなの聞いた事ないっすけど」
「だろーね。まだ制定してないから」
「は?」
「とりあえず制定は無理にでもさせる事が決定してるから現場は動いちゃってるんだよ。」
「で、色んな種類の能力があるなかでも最高位って言っても過言じゃない神話にでてくる生物の能力を秘めた存在」
「伝説級【レジェンダリー】が日本国内にいるって言うなら所属してくれれば心強いでしょ?」
「監視したいの間違いじゃないですか?」
「それもないとは言わないけどね。とはいえSecondによる犯罪も増えてきている以上対策しないわけにはいかない。」
「一応公的な機関に所属する事になるから給料も払われるし、どうかな?あ、ただ一応東京に本部って言うか部署があるからそっちに生活の場を変えてもらわないといけないんだけどね?」
「やっぱり中学生にはきついかな?」
みんなに拒絶されるかもしれないんなら別に……
「わかりました。よろしくお願いします。」
「え?いいの?じゃーご両親を交えて話をしようか。」
そこから親と俺、加藤さんによる話が始まった。
両親は俺がSecondだと打ち明けると泣いてしまった。
そして、どんな力が有ろうと俺は自分たちの子供なんだから相談して欲しかったと、怒られた。
凄くうれしかった。
ただ環境省特務課に所属するために東京に行くのを説明したらまた泣かれてしまったが、認めて貰えた。
そして、話はどんどん進みなるべく早くという事も有り。
事故のせいで一週間休みとなった事も重なりそのまま、みんなに会うこともないまま東京へと生活の場を移す事となった。