けむりで上手く息が出来ない…
俺今何処にいるんだろ?
あいつら大丈夫かな?
ドーーン!
一際大きな爆発音がして衝撃がはしる。
もーダメかもしれない。俺自身はそれでもいいかって考えてしまった。
でも、それ以上にあいつらには生きて欲しい、大事な友達、気になるあの娘。
一度頭に浮かんだら離れなくなった。もしかしたら今もう危ないかもしれない、もしかしたらもう手遅れなのかもしれない。
ぐるぐると頭の中で色んな事を考えてしまう。
自分が拒絶されるかもしれない恐怖より、みんなに助かって欲しいと想う思いが大きくなって行く。
煙と火、爆発、それをどーにかする。そーすれば救助だって早まってみんな助かるかもしれない。
隠すことに必死で使った事はないけど一番初め覚醒した日に見た姿通りなら風や水をつかってどーにかできるはずだ!
ゲームとかでも水神だったり空飛んでたりしてるんだ。火を消したりするくらいわけないじゃないか!!
「ゴホ、誰?コホ、コホ。」
「し、白石さん?大丈夫?」
「大村君?はぁはぁ、どっちに、ゴホ、に、逃げればいいの?」
「わ、わかんない。でも、大丈夫。絶対に助けるから‼︎」
「え?」
もう、迷わない‼︎絶対にみんなを助ける。迷う事なんてなかったんだ!自分が拒絶されるかもしれない恐怖か、大事な友達や好きな女の子の命‼︎
もしかしたら俺がやらなくてもみんな助かるかもしれない!でも、逆を言えばやらないと助からないかもしれない!
やらずにみんなが死んじゃうかもしれないなら!
俺が拒絶されるだけでみんなが生きてられるなら!
俺は、俺は、
「うぉ〜〜〜」
自分の感覚が広がっていくのがなんとなくわかる。
自分はどんな事ができるのか、なんとなく理解できる!
知らないはずなのに知っている。
何か懐かしい様な感覚が自分の中にひろがっていく!
それと同時に人からみたら化け物なんだろうなって思ってしまう、なんか冷静に色んな事を考えてしまっていた。
「きゃー‼︎‼︎」
やっぱり、そう思う自分と、好きな娘に化け物を見る様な目で見られ悲しい自分。
でも今はそんな事を考えてる暇はない。
大事な友達を好きな女の子を助けたいんだ!
助けるんだ!
「ンォ〜〜」
周りに水の玉がうまれる!
そして、それを周りに拡げるように解放する!!
ジュ、ジュォーー!
火が瞬く間に消えていき、水が動いた事により風がうまれ、煙がはれていく!!
そうすれば、その場に残ったのは大きな事故のあとと、呆然とする人々。
そして、巨大な竜が一匹…
消防車や救急車、パトカーが集まってくるなか、竜が光に包まれた。
そして、光がおさまればそこには一人の学生。
すなわち俺がいるだけだった。
隕石の飛来から5年と少し、世界でも数人しか確認されていない。
神話の時代の魂を秘めたモノが日本で確認された!