ガンダムブレイカー to entertain hopes 作:みなび
「どわっ、たっ、ほっ、はっ、だぁぁ!」
情けない声を洩らしながら必死に攻撃を避けているのはノゾムだ。
「ほらほらほら、そんなんじゃ大会で一捻りだよ!」
ミサの機体、アザレアがビームサーベルでノゾムのジムを切りつける。
GNソードで受けるものの、ミサのビームサーベルのほうが動きが速い。ついに受けきれず、右手首が切断された。急いで落ちた手首にくっついたままのGNソードを拾おうとする。
しかし、「隙見せたらダメだよ!」とそのまま胴体を斬られ敗北した。
「慌てちゃだめだよー。隙を見せたらすぐにやられちゃうからね。」
「どうしても焦っちゃうんだよね。もっと練習しなきゃなぁ。」
自販機でジュースを買って休憩をしながら話す。練習を開始してから既に6時間経っているからか、二人に疲労が見える。
「そういえば、大会のルールってどんなルールなの?」
ふと浮かんだ疑問を口にする。ミサとタイマンでの練習はしているが、大会のルールは一切知らないのだ。
「ああ、大会のルールかぁ。簡単に説明するね。まず参加できる機体はグレードによってポイントがあるの。例えばHG機体なら一機につき3ポイント、PG機体なら一機につき5ポイント。合計が10ポイントまでならどんな編成でもいいんだ。とは言っても例外はあるけどね。」
「例外って?」
「MAとかが例外だね。同じHGでもガンダムとサイコガンダムが同じポイントだと不公平だから。」
なるほど、スケールが同じでもそういうことがあるのかと納得する。
「んで、予選はモノリス争奪戦っていうのをやるの。複数チームで限られた数しか設置されてないモノリスの破壊数を競い合って、モノリスを一番多く壊したチームが本戦に出れるの。ちなみに自分の機体が破壊されてもリスポーンできるけど、待機時間があるうえに初期地点に戻されるからだいぶ不利になるね。
本戦は相手を全滅させるまで終わらないデスマッチ、お互いのチームの防衛対象、コアを先に破壊したほうが勝ちのコアアサルト、複数のチームが同時に戦うバトルロイヤル、あとは予選と同じモノリス争奪戦だね。」
「…ウン、ワカッタヨ。」
カタコトにも程がある返答だった。第三者が見ても理解していないとわかる。
「ま、まあ大会までに覚えればいいから。」
「ところで、キミは自分のガンプラはないの?」
「あるんだけど、自転車で来てるから壊れそうで持ってこれないんだよね。」
できるだけ速く持ってこなければならないのはわかるが、自分が一所懸命に作ったガンプラが壊れてしまうのはあまりにも悲しすぎる。それは全世界のガンプラ製作者が思うことだろう。
「なら帰りにうちの店に寄って行ってよ。ガンプラ運ぶための専用箱あるからさ!予算はうちのチームの予算から出すよ。」
「え、本当に!?」
ノゾムにとって嬉しい話だ。というのもその箱は学生には少々高い値段だからだ。
「でもうちの予算少ないから、絶対に勝とうね?」
「う、うん。ありがとう。」
ハマーン・カーンでもいるかのようなプレッシャーがノゾムを襲った。
次回からノゾムはオリ機体です。
また、文中のルールはオリジナル設定です。