暗殺教室 ~化け物の申し子~   作:千地
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二の話 渚の出会い

少しばかり文句を言いたいであります。



「ねぇ、高校から来たってほんとう? というか、噂じゃバカ過ぎて中学からやり直しとか聞くけど、どうなの?」

「なぁあんた! 二年前ぐらいに、皇金中学で野球部に入ってたよな!?」

「あ、あの! こないだの公園でお会いしませんでしたか?」

「それは、今期に人気急上昇のアニメ『マジカルライダー』のバッチ。鞄に堂々とつけているとは、あなたもこちら側の人ですか」



クラスに転入しはや30分で質問攻めの状況にさらされている。男や女にもモテモテであるが、二つ文句を言わせてほしい。別に男に話かけられるのはいいんだが、女に関してはやはり中学生であるから、全然うれしくないのです。マイナス一点ですね。
そして、この扱いの酷さだよ。あの後に烏間さんの説明を受けても抗議し続けたが、なんと俺を中学校に転入もとい留年いう両方をとって、わざわざ怪物がいるこのクラスにぶち込まれたのだ。
行先は『椚ヶ丘中学校』。前まで通っていた俺の高校と比べれば、かなり教育に精を注いでいる名門校の一つ。スポーツや勉学でも上位に食い込む、怪物高とも言われている。
けど、内部はやはりドロドロの環境だ。一学年5クラスあるが、この俺が転入したEクラスは『エンドのE組』と言われる、いわば落ちこぼれのクラス。



「まさかガネさんが、このクラスに入るなんて思いもしなかったぜ。けどまぁ、よく俺の店でただ飯食ってたから何かやらかしたろ?」

「伝道師様! なぜ、ここに伝道師様がお出でに!?」

「岡島、お前なんで泣いているんだよ。知り合いかなにかか」



落ちこぼれだけあってかわからんが、どれもキャラが強そうな奴らがたくさんいやがる。見渡せば、俺の知り合いがチラホラいるけど……。弟子も嘆かわしいとか、いろいろ言っているけど今は無視だな無視。
まぁ、こんな大人数に囲まれる俺のカリスマ性はやはりずば抜けているな。うん









「えぇい!!!! 俺は聖徳太子でもなければ、リンカーンでもないんだぞ! 喋るなら一人ずつで頼みますよ!」



我慢というのを振り切り、ついにキレてしまった。30分からいろんな奴らから質問などされたりで、頭パンクしそうなんですよガネさんは。学校でも全く経験がないほど人間に囲まれて、若干トラウマになりそうだわ!



「そこのゆるふわ! 俺はこの化け物を殺すために選ばれた派遣社員みたいなもんだ! 断じてバカではない。短髪ボーイ! たしかに中学は皇金で野球という青春を送っていたが、ぶっちゃけモテたいから始めたわけで、今はやってない! オーバー胸囲、忘れろ! 次に水木先生! マジ今期当たりが多いよな! 村松の倅、忘れろ! 飯のことは何もなかった! 弟子よ、死ね以上!」



そのまま窓から外に出て、林の中へと消える。このE組だけ別校舎で授業をさせられており、なんと山でお勉強できるというまるで隔離施設みたいなところだ。けど、自然豊かで川も流れているからぶっちゃけ気に入ってはいる。
言いたいことをすべて言い終えて、丁度良い木にもたれかかり一息をつく。
空気が澄んでおり、息をするのが気持ちいい。さきほどの状況を思い出すと、俺が質問攻めにあっている間にあの化け物はニヤニヤしながらこちらを見ていた。
俺よりも体格があり、俺よりも頭が良さそうで、俺よりも異形である。そんな怪物があのクラスで先生をしているのが、今でも信じられない。なんでも、あの化け物が自分からこの学校のあのクラスで教師に立候補したらしい。
気まぐれにしては、出来過ぎである。情報を集めるのは好きだが、あそこまでバカみたいな存在だとかなり時間がかかるだろうし、政府も国家機密にしている分集めにくいだろう。下手したら国家反逆罪で、俺はお縄にされ豚箱いきだろうな。
………名前は確か『殺せんせー』と言ってたな。あのクラスのうちの一人が、そんな名前を化け物に与えたらしい。そういえば、あのクラスにもう一人『化け物のもどき』が居たけど、アレは秘密にしたほうがいいのかな。
完璧に隠しているだろうけど、首元から臭うしなおかつビンビン伝わるんだよね。まぁ、とくに俺の不利なことではないから何も言わないけどさ。
問題はどうするか。お題はあの先生の『暗殺』。こないだからどう殺すか悩んではいるが、答えがでてこない。たしかにあの時は殺せると思ったが、何分あいては俺の数倍の化け物だ。マッハ20とかもう、どうやって殺せばいいんだよ。



「あ、いたいた」



すると、変に頭の中ゴチャゴチャになっていて気づかなかったが、後ろの茂みから水色の髪の毛の子が声をかけながら出てきた。
たしか………



「潮田さん……だっけか? すまん、まだ名前覚えてないからさ」

「ううん、あってるよ。僕の名前は潮田 渚だよ。覇鐘 獅子さんでいいよね」

「おう、バッチシ。覇王の覇に金の童と書いて鐘、王者のプライドを持つライオンの名前を借りて獅子。立派な名前だろ?」

「あはは、面白いね。しかも、初っ端から授業サボるなんて、凄いね」



やばい、ドキドキしてきた。こんなに女の子と喋ったのは、中一のとき以来なんだけど。あの時は隣の女子に『あの、覇鐘くんだよね? 次の授業わかる?』という些細な会話を最後に俺と女の子とコンタクトは終わってしまった。
潮田さんは俺の隣によいしょと座り込んだ。しかも、女の子座りで!!! やばい、ここまで破壊力があるとは俺もまだまだ童貞の限界を超えられそうだな。



「急に居なくなっちゃってビックリしちゃったよ。君が居なくなったからこの時間帯自習になって、何もやることないからみんな君を探しているんだよ?」

「あ……あぁ、それはとんだ迷惑をかけたな。けど、俺あんまし人に声をかけられたことなくてさ、しかもあんな大人数に。動物園の猿の気持ちがよくわかるよ」

「ごめんね、みんなこんな時期に来る君のことで興味深々なんだよ。なんだって、あの先生がいるからね」



あの先生というと、化け物のことだろうな。潮田さんは先ほどから俺に笑顔を振りまいているから、すげぇ眩しいですよ。くそぅ、これがJCの光か!? 甘く見ていたぜ……これを克服したらさすがに犯罪者だから、ギリギリを保っているが下手すればアウトだな。



「そうだ、僕も一つ質問させてもらっていいかな」

「質問か? 別にいいけどよ……プライベートなことはやめてくれよ。俺、こう見えても政府から特別視されてるからさ」



危険因子としてな。
潮田さんは口元に人差し指を当てて、悩んでいる。やばす、可愛いですよはい! あざといけど、たぶん天然さんなんだろうな。
そのまま悩んでいると、何かを閃いたのか目を見開かせ笑顔になった。



「覇鐘さんは、殺せんせーを殺れると思う?」



とても純粋な質問だ。子供が親になにかしらの質問をするように、この子は当然に質問しだす。無邪気な笑顔、殺意も覇気もない純粋なことのように聞こえる。
だが、それがとても俺には気持ちいい。こんなに純粋な雰囲気を出せる人は、そうそういない。だから、俺もそれに感化されているのかもしれない。潮田 渚、いい子というのが俺の見解だ。



「殺せるさ、こんな風に」



その言葉と同時に、先ほどまでもたれかかっていた木を思い切り殴った。まるで重機が何かに突進したような音が鈍く鳴り、木は木っ端みじんになった。潮田さんも何か起こったかわからなく、ただ唖然と座り続けている。



「盗み聞きとは、先生としていかんだろ? な、殺せんせー」

「ヌルフフフ、いけませんね獅子くん。盗む聞きされたときの対処法が全くなっていませんね」

「冗談はやめてくれよ、先生。俺はあんたを殺そうとしただけだ。そんなの二の次なんですよ」

「面白い、面白いですよ。全世界探しても、木を拳で破壊できる元『高校生』は君だけでしょうね。殺せるといいですね、私を」



殺せんせーは独特な笑い声とともに、マッハの勢いでどこかに去っていった。逃げても、あんたの居場所はあのクラスだ。殺せるとかそんな問いかけは必要ないですよ、殺すしか結論はないんですから、そんなの無意味。
潮田さんが腰が抜けたのかペタンと座っており、声が少しだけ震えている。
手を彼女に差し伸べる。俺、今超かっこいいかも。



「こんなことで腰を抜かしちゃ、まだまだ中学生だな。ほら、起き上がれ潮田さん」

「え、う……うん。ごめん、なんか信じられない光景みちゃって、少し頭が真っ白になったよ」

「気にすんな。俺は化け物なのは、知ってるから。それよか、楽しみだな」



潮田さんはなにが? と聞いてくると、俺は先ほどの彼女のように笑顔を向ける。
太陽からくる光が俺たちを包み込む。とても気持ちいい、ここまで気持ちよくなれるのは何年ぶりだろうな。



「暗殺だよ。君たちとこれから一年共闘できるのがな」



そう言い、彼女は笑顔になった。



まとめ

殺せんせー「みなさん、聞いてください!! 先ほど獅子くんが渚くんを茂み連れ込んだのを、先生みました!」

獅子→殺せんせー
抹殺対象。さらに殺る気アップ! 

殺せんせー→獅子
同じ化け物。とてもからかいやすい

渚「ち、違うよ!! 獅子くんはなにもしてないから! たしかに、隣に座ったとき僕の足ばっかり見てたけど誤解しないで」

獅子→渚
同年代だったら好きになっていた。いやマジで

渚→獅子
かっこいい人 






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