【完結】とある再起の悪役令嬢(ヴィレイネス) 作:家葉 テイク
「ふぅむ。僕としては、
これだけの戦力を相手にしながら、幻生さんは朗らかに笑う。
とはいえ、それは殆ど声色でしか判断できなかった。
幻生さんの体表面を広がる『真っ白い物質』は既に顔面のほぼ四分の三を覆い、残すは左目あたりのみ。首から下に至っては全体が覆い尽くされており、その姿はまるで白塗りのサイボーグのようだった。
だが、その本質はあくまで全身を覆うように形成された『力』の塊。即ち、不定形。それを示すように──ギャン!! と真っ白な右手が、鋭い刃の形に作り替えられる。
「とりあえず、上条君の右手の『奥』にあるものをもう一度見せてもらうとするかねー」
「させると、思っているのかしらぁ?」
食蜂さんの声に応えるようにして──帆風さんの姿が、掻き消えた。
いや、違う。消えたんじゃない。これは──
《で、電磁加速!?》
幻生さんの眼前に『現れた』帆風さんは、そのまま幻生さんの腕を目にもとまらぬ速さで蹴り飛ばし、そしてまたしても掻き消えるようにして移動し、食蜂さんの傍らに戻ってきていた。
もちろん肉眼では分からないが──能力による気流感知は、一連の攻防の流れを空気の流れから読み取っていた。
──電磁加速による空中移動。これが、今の一連の攻防の核心である。
…………あれぇ!? 帆風さんってこんなの使えたっけ!? この速度、普通に
「ふふん。随分な驚愕力のようねぇ?
驚いている俺の後ろから、食蜂さんが声をかけてくる。
……
《……まさか、あの女。
《えーっ!? 帆風さんも俺達みたいに二つの人格を持ってるってこと!? しかもそれを使って
「ま、あれだけ技術を大盤振る舞いすれば、同様の条件の持ち主ならいくらでも吸収力を発揮できちゃうのよねぇ。シレンさんの方は別に気にしないだろうけどぉ、お山の女王様としては自分の独占技術がよその派閥に流れていくのは心中穏やかじゃないかしらぁ?」
食蜂さんは得意そうに笑って、
「まぁ、ウチの派閥は人材力も豊富だしぃ? 他者に憑依する能力くらいなら当然備えているのよねぇ。そして専門の能力者がいるならこのくらいの技術力は模倣なんて容易なのよ。特許申請とか、しておくべきだったんじゃないかしらぁ?」
「──挑発のつもりなら乗ってやるのもやぶさかではありませんが……生憎、目の前の幻生も同じことをしているのです。今更『後追い』がいくら出たところで、『元祖』としては特に何も言うことはありませんわ。『頂点』はどのみちわたくし達なので。何なら『格の違い』を今この場で見せてさしあげてもよろしいのですが?」
「…………、」
……ああ、うん。レイシアちゃんかなりピキピキきてるね。食蜂さん、悪いけどこれ以上レイシアちゃんを煽らないでもらえるかな? 宥めるのは俺なので……。
「……っ! 来るぞ!!」
そこで当麻さんが、声を張り上げる。
その声を受けて食蜂さんの傍らに控えていた帆風さんが、目にもとまらぬ速さで食蜂さんを抱きかかえてその場から退避する。俺もまた『亀裂』の翼を使って空を舞うが──当麻さんは、その場で右手で受け止めるのを選択したようだった。
「…………っ!」
右手を構えた当麻さん目掛け、幻生さんの右腕が変化した真っ白な鎌の一撃が迫る。
一瞬、右手で拮抗した当麻さんだったが──流石に受け止めきれなかったらしく、ドゴッ!! と吹っ飛ばされた。即座に、俺は吹っ飛ばされた当麻さんを気流操作で支える。
だが、幻生さんにとってはこの程度はジャブに過ぎない。俺が必死の思いで当麻さんを支え、当麻さんも体勢を立て直すのに精いっぱいという一瞬──左手を同じように刃の形に変形させた幻生さんが、その腕を振りかぶり、
「当麻さん!!」
「心配いらない。自分の身を守ってくれ!!」
気流じゃどうしようもない。超音波念動で当麻さんの身体を空に逃がそうとしたところで、俺達はその言葉を聞く。
その意味を理解する間もなく、当麻さんは携帯を取り出して──
…………?
今更、幻生さんがその程度の光で目つぶしなんかを食らうようなタイプにも思えないんだけど……? 光に対する何かしらの脆弱性でも……?
だが、確かにフラッシュを受けて幻生さんの動きは一瞬鈍った。
怪訝に思いつつも、実際に幻生さんの動きが鈍っているのを確認した俺は、とりあえず超音波念動で幻生さんを地面に縫い付ける。
しかしこれは流石にあっさりと打ち破られ、幻生さんは空へと逃げてしまった。
…………そう。
空へと、
「お前の『
その答えを以て、当麻さんは断言する。
ぴくり、と幻生さんがその言葉に反応して、動きを止めた。
「さっき、俺が携帯電話のカメラでフラッシュを焚いたとき。お前は明らかに動きを止めた。あの時は目くらましで一瞬でも隙を作れればと思ってやっていたけど、よく考えたらまさか色んな実験に身を浸しているマッドサイエンティストがカメラのライトごときで硬直するわけがないよな。……アレは、木原幻生の反応じゃない。
……!! それって……。
俺達が、
実際、俺達も
でも、その状態だと肉体の操作権は双方に与えられてしまう。だから幻生さんは塗替さんの人格を無理やり寝かせて、あえて不安定な
幻生さんによって抑えられてはいたけど……ここまで幻生さんが追い詰められてきたことによって、それが完全じゃなくなってきたんだ。
差し詰めレイシアちゃんが少しずつ目覚めてきた、あの時のように。
…………それならば。
「木原幻生。お前はさも塗替の肉体を完全に制御しているかのように振舞っているけど……実際は、そんな単純な話でもないんじゃないか? 制御しているように見えて、実際には塗替の意識が覚醒しないように何重にも制御している。当然だ。塗替は人生を、世界を諦めた破滅者なんかじゃない。これから再起しようって未来に希望を見出している、コイツの後輩なんだから!!」
「なら、話は簡単だろ。別に、塗替の肉体を痛めつける必要なんかない。俺達は、お前が無理やり踏みつけにしている塗替に語り掛けるだけでいい。それだけで、お前は自分が利用してきた塗替に土台をひっくり返されて、優位を完全に手放す!!」
当麻さんが、核心に切り込んでいく。
それは、明確な勝利条件の提示だった。
「ひょほほ、果たしてそれができるかな? 人格の制御は僕が手綱を握っている。確かに、余力がなくなってきているのは認めよう。でも、実際問題、言葉だけで何とかなる状況は通り過ぎていると思うんだけどねー?」
「あらぁ。誰が言論力だけで留めると言ったのかしらぁ?」
あくまでも飄々と語る幻生さんに対し、帆風さんに横抱きにされた食蜂さんがリモコンを突き付ける。
「シレンさんの復活は、人格の励起によって成し遂げられたのは知っているわよねぇ? 此処には、
「…………、」
食蜂さんの言葉は、幻生さんの危機感をあおるには十分だったらしい。
僅かに残る目元から笑みの色を消した幻生さんは、すっと虚空を蹴る。すると、まるで無重力空間にいるみたいに幻生さんの身体が空中を滑り始めた。
──考えずとも分かる。幻生さんは、逃げる気だ。
このままこの場に留まっていては待っているのは計画の破滅。それを理解したから、一旦俺達から距離を取ろうとしている。あるいは……そう見せかけておいて、追跡に切り替えた俺達の隙を突く算段か。
なんにしても、ここですべきことは一つ。
「まさかここから逃げられると、本気でお思いで?」
ズガガガガガガガガガガンッッッッ!!!! と。
天から、柱が降り注いだ。
否、それは柱じゃない。俺たちの『亀裂』によって大量に発現した『残骸物質』達だ。それが大量に降り注ぎ、組み上がることによって巨大な檻を生み出した。
幻生さんを空に逃がさないための檻を。
「『残骸物質』はアナタの一撃でも破壊できないことは既に検証済み。この間合いで逃げることにかかずらっていれば、待ち受けているのは一秒先の敗北だと、アナタもお分かりですわね?」
レイシアちゃんの煽りと並行して、俺は縦横無尽に『亀裂』を展開していく。
檻の中を当麻さんや帆風さんが自由に走り回れるようにするためだ。これで、このフィールドにおいては飛行の有利は消える。
当麻さんの右手の脅威が空中にも及べば、その分幻生さんのリソースは削られ、食蜂さんの
状況は、既に詰将棋。
幻生さんを詰みに追い込もうと次の一手を打とうとした、直後だった。
俺たちは思い知ることになる。
『木原』を相手に、『安全圏』など存在しないということを──。
「前提条件を、忘れているのかなー?」
ミシリ、と。
顔面に布をはりつけたような、のっぺりとした表情が──笑みの形に皺を作った。
そして──破滅が、始まった。
ビシビシビシビィ!! と、突如幻生さんの全身に亀裂が走り始めたのだ。
「なっ……!?」
「勘違いしているようだけどねー。塗替君の『限界』は、僕にだけのデメリットじゃない。むしろそのマイナスは、彼を救いたい君達の方に降りかかるんじゃないかねー?」
そ、そんな…………ッ!!!!
「確かに、
「で、ですが……ッ!! 塗替さんの肉体が崩壊すれば、アナタだって……!!」
「
ま、まずっ……!?
げ、幻生さん……この状況で、よりにもよって塗替さんの肉体を人質にとった!? これは、幻生さんのリソースを削って右手と
でも……こんなの考えなくても分かる。絶対に罠だ……! 俺達を焦らせて、それによって順当に進めていた包囲網に穴を作ろうとしているんだ……! でも、分かっていても、こんなの焦るしかないじゃないか!!
「ふざけんな……。御坂を実験体扱いしたときもそうだったけど……テメェ、いったい他人のことをなんだと思っていやがるんだ!?」
ヒビ割れる塗替さんの身体を見て耐え切れなくなったのか、当麻さんが叫ぶ。
しかし幻生さんは、むしろそんな当麻さんの激情の方をこそ不思議そうに言う。
「むしろ、君の方こそ理解しがたいよー。この器は、君にとっては友達のことを陥れた悪人じゃないのかい? ブラックガード君もそうだが、彼に果たして身体を張ってまで守る価値があるものかねー」
「……ああ、確かにそいつは悪人だろうよ。俺だって一発殴りたいくらいだ。でもな……
当麻さんは、言う。
「レイシアは言ったよ。『塗替を助けたい』って。アイツこそ、一度は自分の仲間ごと社会的に殺されかけたんだ。見捨てるどころか、便乗して積極的に潰す理由すらあったのに、アイツはそれでも、自分のことを傷つけた野郎を助けたいって願ったんだ!!」
拳を握りしめて、当麻さんは幻生さんを見据える。
おそらくは他者を『実験にとって有用かどうか』でしか判断できない、哀しい老人を。
「テメェなんかに、そんなささやかな
「ふーむ、感傷かねー。
「……アナタには一生かかっても分からないでしょうね。そのエゴから漏れ出る輝きこそ、時には
………………。
そう言って、俺は『亀裂』の翼をはためかせ、幻生さん目掛け突貫する。
同時に、食蜂さんを抱えた帆風さん、そして当麻さんもそれぞれが動き出した。幻生さんの警戒は──当然ながら、俺達には向かなかった。
当たり前の話だ。俺はそもそも塗替さんを死なせるわけにはいかないから、『亀裂』の直接攻撃はできないし。
「囮か何かだと判断して無策で流してくれる。さすがに、この期に及んでそう理解するのは甘すぎじゃないかなー?」
──思考を読んだみたいに。
幻生さんはそう言って、俺から距離を取る。
「──囮に見せかけた伏兵だと思って警戒してくれる。わたくしが期待していたのは、そちらの可能性ですわよ。……木原幻生」
直後、だった。
幻生さんの動きが、明確に鈍る。
「な、ば……ッ!? これ、は……人格の制御が、急に乱れ……!? だが、食蜂君の射程距離にはまだ入っていない! AIMによる防壁で
「確かに、
手を翳しながら、俺はそう問いかける。
食蜂さんは言った。
そしてそれは──俺達の側からも同じことが言えるんじゃないか?
実際に、俺はレイシアちゃんに憑依している。これは別に俺に特殊な能力があったりするわけではなく……幻生さんが現に塗替さんに憑依している以上、
というか、AIM思考体の技術ってモロにそういうことだからね。薬味さんが恋査さんの身体に入り込んだときみたいに。
だから、俺は思ったのだ。
完全に憑依するとかじゃないにせよ……そもそも厳密な意味で自分の肉体を持たない俺は、誰かに憑依するような要領で──他者の憑依にも干渉できるんじゃないか、と。
それで、人の身体を乗っ取るようなことは流石に難しいと思うし、やれてもするつもりはないけど……でも、無理に無理を重ねている今の幻生さんの憑依みたいなレアケースなら、その綻びに腕を突っ込んでかき乱すくらいのことはできるんじゃないかと、そう思ったのだ。
「ば、かな……!? 憑依に対する干渉!? そんなもの、パソコン同士をぶつけ合わせてデータを書き換えるのに等しき無法!! そんなものを成立させるだけの科学があると!? ひょほ、そんな馬鹿な話が…………ッ!!!!」
そしてそれは、致命的な隙になる。
そうこうしているうちに食蜂さんは
「無法? それはこちらの台詞ですわ」
ビギィ!! と、白に覆われていない唯一の左目に十字の輝きを浮かび上がらせた幻生さんに、俺は言う。
「憑依だの、天使化だの……。もうたくさんですわ。巻き込まれた側の身にもなってください」
そうして、広がり散らばった未来は収束していく。
犠牲者なんていない、この場の誰もが望んだ形へと。
「──ただし。真っ当な形で再起するというのであれば、手伝って差し上げてもよくってよ」
身動きの取れない幻生さんに対し、俺がそう言い添えた直後。
「…………垣根、すまない」
一言呟いた当麻さんの手が、幻生さんに──いや、塗替さんの身体に触れた。
「さて、お疲れさまでした」
幻生さんの憑依を当麻さんが解除したのを見届けたあと。
俺は、徐に食蜂さんに向き直って言う。
「……あら、気付いていたの?」
帆風さんに降ろしてもらった食蜂さんは、少しだけ意外そうに言っていた。
気付いたっていうか……ねぇ。俺も、垣根さんの事情は何となくだけど分かっているからさ。彼にとって幻生さんの記憶情報が大切な誰かを救う為に必要な情報だってことも知っているし……その道を潰しておいて、『この場の誰もが望んだ未来』なんてフカシをこいたりはできないわけでね。
「食蜂さんが来た真の目的は、そこでしょう?」
レイシアちゃんは恋敵の独走を許さないため──みたいなことを言っていたけどさ。でもやっぱり、食蜂さんは優しい人だから。当麻さんが垣根さんの願いと俺の願いの板挟みになって心を痛めないように、みたいな思いやりもあったと思うんだよね。
「……、勘違いしないでほしいんだけどぉ。シレンさんが考えているような慈愛力に満ち溢れた動機なんて私は持ち合わせてないわぁ。第二位に恩を売れる。幻生の科学力を読み取って自分のものにできる。ほらぁ、現金力の高い理由なんていくらでもあるわよぉ」
あえて悪ぶった風の笑みを浮かべて、食蜂さんは言う。
……まぁでもそこが本意じゃないっていうのは、横の帆風さんの顔を見れば簡単に分かっちゃうんだけどねぇ……。
「それに」
食蜂さんは言いながら、当麻さんへ一歩分距離を詰める。
「タダで情報をあげるとは言っていないわよぉ。当たり前でしょぉ? この私がわざわざ現場に顔を出してまで得た情報なんだから。何の対価力も出さずにもらえるなんてムシが良すぎなんだゾ☆」
「……はぁ。そちらはわたくしの手勢を一方的な誤解で攻撃した上に、こちらの独占情報にまで手をつけているんでしてよ? 敵対行動のレッテルを帆風さんに張って、そちらの立場を悪くすることだってできるのですが?」
「シレンさんがそれを許すかしらぁ?」
……うん、まぁ許さないよね。
一応これまでこっちの手勢として動いてもらったことで、GMDWの組織としての面子は保てているし。あと、俺は派閥政治とか興味ないし、こっちの領土が侵されない範囲ならいくらでも譲れるところは譲っちゃっていいと思うし。それに、食蜂さんの要求ならこっちが苦しくなるような類のものにもならないでしょ。なんだかんだでいい子だからねぇ。
《この脳内お花畑は……》
《ひどくない?》
なんにせよ、ギブ&テイクってことでしょ? いいじゃない、ちょっとしたお願いくらい聞いてあげたって。
「とはいえ大したモノは求めないわ。というか、求めるのは……アナタだしねぇ」
「えっ、俺?」
突然話を振られた当麻さんが、きょとんとした表情を浮かべる。
そして俺もまたきょとんとしてしまう。まぁ、この流れだと対価を支払うべきは確かに当麻さんなんだけど、当麻さんに対価を支払うような能力はないような……? いやいや、さらに厳密に言うと対価を支払うべきは当麻さんでもなくて垣根さんなんだけどね?
そもそも前段の会話からして若干周回遅れ気味だった当麻さんの困惑をさらに置き去りにしつつ、食蜂さんは上目遣いで当麻さんのことを見据えて言う。
「『予約』。……まぁどうせアナタは忘却力を発揮しちゃうんだろうケドぉ。次に会ったときは忘れていても問答無用で付き合ってもらうから。覚悟しておくんだゾ☆」
「…………??? さ、流石に忘れたりはしねーと思うけど……」
……ま、ここに口を挟むのはね。
邪魔をするのも悪いので、俺はその間、ショチトルさんに連絡をとって塗替さんを回収しに来てもらうように依頼したり、馬場さんに俺達が離れていた間の戦況の変化について聞いてみたり。
………………。
………………!?
「言質、とったわよぉ? そのうち取り立てに来るから、覚悟しておきなさいねぇ」
「お二人とも!!」
そこで、俺は二人の間に割って入る様に声をかける。
特に他意があるわけではなく……そのくらい、非常事態が勃発していたのだった。
いやホント。ほんとにほんとだから。こんなことしている場合じゃないってくらいヤバイ状態が繰り広げられちゃってるんだよ!!
内心の焦りを抑えつつ、俺は二人に、つとめて客観的な事実を伝える。
「美琴さんが……美琴さんが、暴走しています!! あの、幻生さんの実験で変質したような……『何か』に変貌して!!!!」
なんで、幻生さんを倒したのに、幻生さんの仕業みたいな状態になってるんだよっっっ!?!?!?
『残骸物質』はハチャメチャに重い物質の為、通常であれば地面に沈み込んでしまいます。
作中で檻として成り立っているのは、設置面に『亀裂』を展開することで重みを支えているからです。