来週から忙しくなるので、いまのうちに書いておきたいと思います。
影君の怒りが火を噴きます。
では、どうぞ。
オリエンテーリング開始十分前、俺は変身した。
漆黒の鎧を身に纏い、武器を顕現する。右手には妖刀·黒影を、左手には幻刀·白影を。ノワールも武器の顕現を終えたようだ。ちなみに、鎧はガン○ムエクシアDMのような装備で、背中にはブースター兼武装コンテナが二つ。腰には妖刀と幻刀の鞘。脚部はスラスターがあり、見た目よりもスピードは出る。
ま、これが第一形態かな。説明はこれまでにしておいて……
「始めようか。ノワール。」
「そうね、あとでべそかいても知らないわよ!」
真っ直ぐ剣を振るってくる。
「着弾点を原点とすると、切っ先(-23,46,-17)、放物軌道……!」
剣筋を把握演算で見抜いた俺は動かず、黒影で受け流して背後に回る。が、反撃に振るった白影は虚しく空を薙いだだけだった。
「速くなってるか。」
「当然よ。はぁぁ!」
諦めずにやってくるか。が、それは油断だったろう。
「しかし、速い……!」
まさか演算が追い付かないとはね。
「なーんだ、一回目を防いだのは偶然だったみたいね。」
悔しいが、現にそうだ。演算が追い付かない以上、身体反射による回避しか選択肢はなく、そのせいで攻めあぐねている。
「これ、案外まずい?予想より速いじゃん。」
「無駄、無駄ァ!」
無駄、か。あぁ、そうだ。スラスターがあったんだった。
「ま、本気じゃないんだけどさ。」
何回目かのつばぜり合いの最中、スラスターを全開にしてノワールを押し返した。
「な、きゃぁぁ!」
そんな叫びを追撃する。瞬間、ノワールを捉えた黒影は弾かれた。
「させるもんですか!」
往生際が悪い。白影で切り結びスラスターの推力をさらに上げる。
「っく……やぁ!」
白影も弾かれた。
「やはり出来るようになってる……!」
まぁ、コンテナから四式銃剣《スラッシュバレット》を抜刀して決着かな。
「もう、一体どれだけ武器を持ってるのよ!」
「あとこの二つだよ。けど、三つ目の能力も使うか……オリエンテーリング本番に取っておきたかったけどね。」
現にもう開始まであと二分しかないから、致しかたない。
「そんな暇があると思わないことね!」
「1秒あれば十分だ。」
距離を取らせまいと突っ込んでくるノワールの足元にエネルギー弾を撃ち、砂ぼこりをあげて目眩ましをする。
「そんなことでっ!」
案の定砂ぼこりを払い突撃してくるノワール。
「捉えた。
恐らく、その場で見ていた誰もが思っただろう。何が起こったと。なぜなら、確実に影を捉えていたノワールの剣がノワールごと斬られていたからだ。
「何が、起きたの?」
斬られた衝撃で変身が解けたノワールがゆっくりと起き上がる。
「単純だ。三つ目の能力、
「そんなの、ほぼ反則じゃない!」
「喚くな。切り札は最後までとっておくもの。けどな、俺にあれを使わせたことは誇っていい。悪かったよ。甘く見ていて。」
本心だった。ブラン以外の女子に手を差し伸べたことなんてあったろうか。けど、何故か俺は、握手を求めていた。
「まだ早いわよ。影。オリエンテーリングが始まるわ。」
「だな。ま、頑張りますか。」
軽めに仕留めておいて良かった。もうピンピンしてやがる。
「それでは、ハイパーオリエンテーリングを始めます。位置について、よーい、スタート!」
戦闘描写はしんどいです。
1日四話もしんどいです。頑張りました。
次回、「岩って、なんだっけ。」
パロディ回ですよ、多分!