女神科高校の回帰生   作:Feldelt

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琴/戦慄と恐怖のアンサンブル

V・サー・タワーへ戻ってきた私は、ぐったりしているえー君と、

眠っているブランちゃんを見かけた。どうやら一命は取り留めたようだ。

 

「良かった、生きてたね...あいちゃん、えー君はどうなの?」

 

えー君の手首を掴んでいるあいちゃんに状況を聞いてみた。

 

「この通りよ...こうしていないと今にも暴れだしかねないし、

 何よりも今影に暴れられたらどうしようもないもの...」

 

クールかと思われたあいちゃんも意外とえー君には甘いのかな?

ともあれ、ある程度はまだ無事なようだった。

 

「ギアちゃん達は?」

「外よ。ゾディアックシリーズと戦ってるわ。」

 

裏の方か、それはまた虚夜も考える。おおかたアクエリウスに

転送させたのだろう。戦力は足りてるだろうか...

 

「ヴァルゴとリブラは片づけたから大丈夫だろうけど...

 ピスケスがいたらまずいかも。」

「ピスケス...うお座よね、そいつの能力はそこまでまずいの?」

 

ピスケスは虚夜の考えた最強のゾディアックシリーズ。

その能力は...

 

「うん、ピスケスの能力は、精神攻撃。下手すれば、

 同士討ちとかもあるかもね。」

「そんな...!止められる?茜。」

 

そんなことをしてみろ真っ先に殺されるだろう。

みんなには悪いけど...私は生きて、やりたいことをする。

そのためには、今ここで危険な賭けには出れない。

 

「無理だね。だから信じるしかないよ...」

「っく...ねぷ子、無事でいなさいよ...!」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「ノワールさんはそっちの速いのを、ロムちゃんとラムちゃんは

 双子をお願い!ベールさんは転移門の展開を阻害してください!

 お姉ちゃんは、図体の大きいのをお願い!」

 

「ネプギア!次はどうすればいいの!?」

「ユニちゃんは、向こうの盾持ちをお願いするよ。」

「わかったわ。」

 

そして私は...目の前にいるあの異質なゾディアックシリーズを...倒す!

 

「君が私の相手...?誰でもいいけど...せめて、

 私を楽しませる心を見せてよね...!」

 

「何を...!」

 

M.P.B.L.を構えて真っすぐ向かう。

だが、目の前のゾディアックシリーズは笑って掌を

私に向けて...そして次の瞬間、頭の中に何か入ってくるような、

とてもとても気持ち悪い感覚が、私を襲いました。

 

「が、あ、がぁぁぁぁッッッっ!?」

 

「わぁ甘い...まさか想い人が腹違いの兄だったなんてねぇ...

 姉を訪ねて三千里とか...あぁ...でも、あんまり面白くないなぁ...

 じゃあいいや、壊してあげるよ、君の心をねぇ...!」

 

頭の中がめちゃくちゃになって、心の中もぐちゃぐちゃで、

そして...私の「思い出」が、全部全部壊されていく感じがして...

気持ち悪くて、それでそれで...なんだろう...

考えることも、何ももう、出来ない...

 

「ネプギアぁぁぁぁぁ!!!」

 

「邪魔しないでよねぇ...あとちょっとで完全に壊せるんだからさ。

 それに、転化させずに壊せるようになるのは大変だったんだよ?」

 

お姉ちゃんと、ゾディアックシリーズの声が聞こえる...

けど...もう、私には、どうでもいいことだと、思います...

 

「ネプギアを離しなさい!」

「いいよー、ごちそうさま。いい姉と、お兄ちゃんを持ったね...」

 

私の体が別の人のところへ移動して...それで...

 

「ネプギア、しっかり、しっかりして!」

 

揺さぶられて、ぐらぐらして...

 

「あ、あー...」

 

もう、何も、わからなくなりました。

 

 

 

 




ギアが今度は大変なことに。

次回、「ペガスス/幻想と孤独と」

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