女神科高校の回帰生   作:Feldelt

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どーも、次回予告を忘れてました、フェルデルトです。

今回は茜vs影を筆頭にエトセトラエトセトラ。

では、どうぞ。


アンドロメダ/縛られた魂

急ぎだったせいとはいえ、混影とスラッシュバレットだけの出撃になった。

既に茜と紅奈...そしてアクエリウスが視認出来る。

 

対するこちらは茜に俺、紅奈に明、アクエリウスにネプテューヌ

とブランという布陣でいく。

 

「茜は両手剣...分が悪いが仕方ない...だがまぁ、どうにかするか...

 アイエフ...準備はいいか...?」

 

通信機を介して茜を取り戻す作戦の鍵であるアイエフに連絡する。

 

『いいわよ。けどあんたも浮気するのね、これだから男は。』

「嘘だと言ってよ、あいちゃん...」

『嘘よ、少なくとも今は。』

「はいはい...頼んだぞ。」

 

また会えて嬉しいよ、茜。

喉まででかかった言葉を飲み込み、俺は臨戦態勢になる。

 

「影、無理はするなよ。」

 

ブランがそう言ってくれるのはありがたい。

 

「ブランもな...明も。」

「うん、わかってるよお兄ちゃん。」

 

「わたしは無視...?って、来るわよ!」

 

ネプテューヌの声と、アクエリウスの放ったビームにより、戦闘が始まった。

 

 

----------

 

 

「明...今度こそ引導を渡す!」

「渡せるもんなら...ねっ!」

 

私と紅奈が切り結ぶ。けど、あかねぇが生きてるのに何で、

私は紅奈と戦わないといけないのだろうとも思う。

 

「紅奈!あかねぇが生きてるのに、なんで私達が戦わなくちゃならないの!?」

「今の茜姉さんは...ただの仙道 茜であって、茜姉さんではないからよっ!」

 

紅奈の攻撃は重い、一撃一撃が重い。

サジティックアローのシールドモードでどうにか防御は出来てる。

出来てるだけであってそこから先の進展は無い。防戦一方だ。

 

「どういうこと...っ!?」

「ピスケスって言ったら、分かるでしょうね...!」

「...!?ピスケス..!?」

 

思い出したくもない。私を転化させた奴だ。

 

「だから...茜姉さんじゃない...だから...私から茜姉さんを

 奪った貴女はやっぱり許せない...!」

「紅奈...だったらお兄ちゃんが、あかねぇを取り戻してくれるよ!」

「...っ!?どういう事...?」

 

紅奈の攻撃の手が止む。だから、私は万感の思いを込めて言う。

 

「...そういうことだよ、紅奈。あかねぇは帰ってくるよ。」

 

 

----------

 

 

「ブラン!挟撃するわよ!」

「言われなくてもな!」

 

久々にナレーションが来たと思えばアクエリウスという謎の相手に

攻撃を読まれ続けて避けられ続けている始末。

 

それに、まだアクエリウスの能力は分からない。

 

「どうしろってんだよ...影は全くそれどころでもなさそうだし...」

「落ち着きましょう、ブラン。そうでなくともイライラするのは

 無理もないけど...」

 

そんな時だ。アクエリウスが両手をかめはめ波のように両手の平を

つきだした。そして、次の瞬間に魔方陣とも取れる円が出現して、

 

「なんだ...ぐあぁぁぁ!!」

 

ブランが吹き飛ばされたのだ。

何が起こったのか。それに気づく前にわたしも新手に吹き飛ばされた。

 

「っく...まさか転送が能力とはね...」

 

吹き飛ばされたブランは視界に入らない。

視界にあるのは白い近接型のゾディアックシリーズ。

 

「先の黒の女神ではないのか...まぁ、退屈させてくれるなよ...?」

 

そう、白のゾディアックシリーズは言った。

 

「望むところよ、貴女こそ、わたしを退屈させないで欲しいわね!」

「笑止!」

 

わたしはアクエリウスから白のゾディアックシリーズ、レオとの

戦いに移行した。

 

 

----------

 

 

「えー君...また会えたね。」

 

茜と再会できた。それはいい。

会話もできた。それもいい。

だが、何故敵同士なのだろうか。

 

「そだな...なぁ茜。武器を置いてくれ。」

「嫌だよ。いくらえー君でもそれは聞けないな。」

「なんでだ。」

「マスターの命だからだよ。逆らうことなんて出来ない。

 私が生き返れたのはマスターのおかげなんだから...」

 

本当に洗脳や記憶操作はされているのか疑いたくなった。

回答に全く淀みがない。

 

「ねぇ、えー君。私も、君と戦いたくはないよ。だって、

 せっかくまた会えたんだからさ。今度こそ一緒に買い物

 行きたいし、遊びたいし。だからさ...えー君。」

 

「...なんだよ、茜。」

 

「世界再編の、邪魔をしないで。というか...私と一緒にいこ、

 どーせならえー君の彼女も連れてきていいから。

 えー君だって、それでいーんじゃないの?」

 

そうか。あくまでも虚夜は自分本位で考えさせるように仕向けさせたのか。

 

...だったら、茜は縛られている。解き放たなくちゃならない。

だから答える。痛み苦しみを味わおうとも。

 

「嫌だよ茜...世界を作り変えても人は変わらない。

 誰かが誰かを支配し始めたらそれに反対して革命が起こる。

 革命の後もまた争いの火種は燻り続ける。どこでもそうさ。

 だったら、このままでいい。変えても変わらないなら、

 変えるぶんの労力が無駄さ。」

 

「それは、人がいたら、でしょ?ちょっと違うよえー君。

 マスターがやろうとしてるのは、進化のやり直し。

 どれだけ時間がかかろうとも、人をもっと自立させるっぽい。」

 

「それは...禁忌だよ。茜。」

 

「だからこそだよ。えー君。変えなゃ。」

 

「じゃあまずは...その考え方を、変える...!」

 

「残念だよ、えー君!」

 

遂に茜と俺の武器が互いに火花を散らした。

が、俺には算段がある。茜をもとに戻す算段。

 

アイエフに、洗脳を解いてもらう算段だ。

 

だから、誘導しながら一気に片付ける。茜に傷はつけない。

 

「えー君...どうしてこう、戦わないのかな?」

「怪我させたくないんでね!」

 

誘導はできた。後は隙を見て一気にV·サー·タワーに突っ込めばいい。

 

「貰ったよ、えー君!」

 

何度目かのわざとらしい油断に漸く突っ込んできた茜。

 

「そうだな...!」

 

降り下ろした両手剣を斥力で受け止め、手首を掴み一気にV·サー·タワー

に突っ込めた。後はアイエフが来ればいい。

 

が、腹部に激痛と金属のような冷たさを感じた。

そして、見慣れた赤い液体が流れ出す。

 

「ごふっ...だが...返してもらうぜ、茜をな、アイエフ!」

「分かってるわよ、怪我人はじっとしなさい!」

 

アイエフが茜に触れる。瞬間、茜に変身は解け、頭を押さえて始めた。

脳へ正しい情報が伝播されたのだろう。

 

そして俺は...止まらない赤い液体を見やり、刺さっていたのが消えたことより

茜に刺されたという事実を受け入れ、意識がとんでいった。

 




いかがですか?

次回は「カシオペヤ/悪意の象徴」(前編)です。

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