女神科高校の回帰生   作:Feldelt

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どーも、ゲームのイベントに躍起になっているフェルデルトです。
おかげで早起きするはめになりました。
朝は嫌いです。夏の朝は特に。
嘆いても仕方ないのでいきましょう。
では、どうぞ。


転化

「遂に叶う...我々の悲願が...そして、私の計画も次の段階へ進む...

 待ちかねたぞ、待っていたぞ、素晴らしい、これが女神の転化...」

 

半分狂っているように見えるレルーラと転化したブランに対して私一人は

...悔しいけどどう考えても劣勢ね。せめてベールとアイエフが来れば...

 

「ノワール君。君も来るかね、こちら側の世界へ。」

 

レルーラは私に手の平を差しのべる。何よそれ...

 

「ふざけないで!誰があんたみたいな輩のところに行くのよ!」

 

「それは君の友人に聞いたらどうだ...もっとも、

 今は転化していて聞く耳も持たぬだろうがな...」

 

「...っ!?」

 

速い...気がついたら私の後ろにいて、振り返れば今度は上...

 

「空戦の機動力は高くとも、やはり純粋な反応は鈍い...そこが君の弱点だよ。」

 

「何をっ...」

 

「現に今君は私が武器を携えていれば間違いなく負傷しているだろう。自らの利点と

 周囲からの相対的な評価を無意識のうちに絶対評価と過信しているのだよ。」

 

「そんなことは...」

 

「無いと言い切れるかね、ただの一度も無いと。今はもういない凍月君にも

 そう言い切れる程君は哀れで愚かな自己満足者だったのかな?それならば

 まぁよいのだが、果たしてどちらかね、ノワール君。」

 

「っく...どっちでもないわよ。」

 

「ほう、面白い返答だ。どういうわけかな?」

 

「私は、自分の力の過信も、自己満足も、どっちもしない。するのは、

 悪を倒すことだけよ。だから私は、あなたを倒す!」

 

「はははは、矛盾だよそれは、まぁいい。いずれ分かる。自らに矛盾を秘めることの

 危うさと愚かさ、そして背徳と絶望をね...」

 

 

「...それは、貴方も同じではなくて?」

 

 

ガキィン!

 

 

「邪魔ヲ...スルナ...」

 

ベールの振り下ろした槍はレルーラに届く前に転化したブランに防がれる。

 

「ブラン...!?貴女、まさか転化を...!?」

 

「おや、背後を取られてしまったか...ん?」

 

「そこぉ!」

 

完全に逆方向、捉えた剣先は真っ直ぐレルーラの仮面に当たる

 

--はずだった。

 

 

「ふむ、いい判断だが...敵の情報が欠落しているな。」

 

 

レルーラは左腕を私に向けたとき、私の剣は空中で静止した。

 

「な...斥力...!?」

 

「然り。甘かったねぇ、ノワール君。」

 

「ちっ...」

 

剣を離すと武器があっちに渡ってやられる、かといってこのままでも打つ手はない。

 

--私らしくもなく弱気になったとき、

 

 

「固有、現実回帰(リアリティックリターン)!!」

 

 

「あいちゃんが、空から...!?」

 

アイエフは転化したブランとレルーラに能力を使った。

 

「......」(ドサッ

 

ブランは転化ごと変身が解けて万々歳なんだけど...

 

「ちょっとアイエフ!ちゃんと使ったんでしょうね、能力!」

 

「使ったわよ。効いてないわね、レルーラ·フォン·ドゥシャ。

 その斥力は能力じゃないのでしょう?」

 

「ほう、看破したか。すなわち君の固有は能力の無効化と見る。ふむ。

 転化体も回収出来なかったが致し方あるまい。ここは退かせてもらおう。」

 

「させると、お思いですこと?」

 

「それこそ甘いわよ、レルーラ。」

 

「ははは。どうやら君の能力は完全ではないようだね。アイエフ君。」

 

「身をもって体感すれば分かるでしょうね。」

 

「では、失礼するよ。」

 

「待ちなさっ...!?」

 

瞬間、レルーラは消えた。

 

「何、これ...」

 

「ノワール、貴女も感じまして?」

 

「えぇ、もちろんよ。」

 

「...どうやら、やっぱりあいつは...」

 

これだけはどうしようもない"規視感(デジャヴ)"が私達3人にはあった。

 

 




以上です。
次回は学長もネプテューヌも意識を取り戻して...?
大変なことになる予感がしなくもないですね。
サブタイは「勝算」
女神サイドの逆転が始まる...?

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