女神科高校の回帰生   作:Feldelt

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どーも。課題と碁の勉強に勤しんでるフェルデルトです。
影君みたいに把握演算の力があればいいんですが。
無い物ねだりしても仕方ないので1章を閉じます。
1ヶ月とちょっとですね。引き続きよろしくお願いします。
では、どうぞ。


遠い夢の祭

「救急搬送から計算してももう8時間...ただの存命手術にしては長すぎない?」

 

「そんなこと言ってはいけませんわノワール。お医者様は必死なのですよ?」

 

「そーだぞノワールー。けどさー、ゲーム機が使えないのはもう無理ー...」

 

ノワールは愚痴、ネプテューヌはぐだぐだ。

けど確かにじっとすることに慣れてなければ

こんな長時間は座ってられない。

 

「あいちゃん、影さん大丈夫でしょうか...」

 

「...難しいわね。ブランの止血とコンパの応急措置で

 どうにかなるほど甘くはなかったみたいだし...

 けどコンパはよくやったわ。流石看護師の卵ね。」

 

「うぅ、でもとても怖かったです...」

 

「あんな出血量で平然と出来る方がおかしいわ。ともかく、

 夜ももう遅いからコンパとネプ子はもう帰りなさい。」

 

「えー、あいちゃんはどーすんの?」

 

「私は寝ない事は一応慣れてるし、もし教員が来たときに少しでも

 論理的に説明出来る人員が欲しいでしょ。本来その役目の影が

 あんなになってブランが、ノワールとベールもかなりのショックを

 受けてるし、あんた達二人は今日一番働いたんだからゆっくり

 休みなさい。後は私たちでやるわ。」

 

「あいちゃん...わかったです。行きますよ、ねぷねぷ。」

 

「あ、うん、じゃ、みんなー、おやすみー。」

 

「この状況でよくもおやすみなんて言えるわね...美味しいところ持ってった上に

 コロリと死にそうなクラスメート目の当たりにして...ホントに死んだら

 私がもっかい殺してやるわよ、影...!」

 

「しかし、影さんがいなくては私たちは勝てませんでしたわ。

 最悪、必要な犠牲だったと考える必要も捨てきれませんわね。」

 

--必要な、犠牲だった...?影が...?

 

「ふざけんなよベール...影が必要な犠牲だっただと!?」

 

「うっく、あくまで最悪の状況ですわ。わたくしだって影さんには

 死んでほしくありませんもの。ですから、落ち着いてくださいまし。」

 

--確かにそうだ。そうなるかもしれない。

 

私はベールの胸ぐらを掴んだ手を離した。

 

「人の命はゲームとは違うんだよ...もう、下手すりゃ影は...!」

 

その時、長く点いてた手術中のランプが消えた。

 

「やっと終わったのね、手術。」

 

「さて、吉と出るか凶と出るか...出てくるわよ。」

 

閉ざされた扉から、一人の人影が出てきた。

 

--手術の執刀医だ。

 

「先生、影は...大丈夫なんですか!?」

 

数瞬の間。

 

「あぁ、手術は無事に終わった。とんでもない精神力の

 持ち主だね、彼は。今日は遅いから、また明日来なさい。」

 

「よかった...影...ありがとう、ございま、す...」

 

バタン

 

「ちょっと、ブラン!?」

 

「ブラン、しっかりしてくださいまし!」

 

「安心して緊張がほどけたのよ。とりあえず今日は帰りましょ。」

 

 

--そして翌日。

 

昨日のドンパチ騒ぎで前期祭は中止になったが、もう既に新聞部が騒ぎの

いろはをもうものにしており、学園中の関心は凍月 影の生死の真相であった。

 

「人目を避けて病院に行くのは大変ね...」

 

「わたくし達はもう既に誰でも知ってる有名人ですから。」

 

「それにこの騒ぎでヒートアップしたでしょー、いやー、人気者はつらいなー。」

 

「何か手はないのかしら。病院に新聞部が来る前に会いたい。」

 

「仕方ないわね...一度に6人にかけるとなると結構負担かかるけど...」

 

「あいちゃん?何するです?」

 

「特殊能力を使えるのは、なにも影だけじゃないのよ。」

 

「おー、てことはあいちゃんも!」

 

「そういうこと。第一能力、隠密...!」

 

「なにも変わってませんよ?あいちゃん。」

 

「無駄口叩かない。維持するの大変だからとっとと行くわよ。」

 

「え、ちょ、待ちなさいアイエフ!」

 

病院到着。

 

「まさかほんとに誰にも見つからないなんて...」

 

「へへっ、どんなもんよ、私にかかればこのくらい、

 って言いたいけど疲れたわ、先行ってて。」

 

「わたしも、あいちゃんを見てるので先に行っててくださいです。」

 

「ありがとコンパ...ほら、とっとと行かないと見つかるわよー。」

 

「分かった。行きましょ。」

 

よく考えればアイエフがあそこにいれば感づかれると思った。

 

「面会をお願いしたいのですが、凍月 影の。」

 

「少々お待ちください。えーっと、イストワール記念学園の女神候補養成科の4名様ですね。 面会許可が出てますので、こちらの書類を書いてください。」

 

影の話だ、おそらく他は面会謝絶にしてるんだろう。

 

「こちらでよろしいですか?」

 

「はい。凍月さんの病室は314号室です。」

 

私達は面会許可証を受け取り、影のいる部屋へ向かった。

 

「312...313...314、ここね。」

 

「んじゃー、入るよー、影ー。」

 

「まずノックしなさいよ、常識でしょ!?」

 

「病院では静かにすることも、常識。」

 

コンコン、ガラガラガラ...

 

「影...起きてる...?」

 

「起きてるよー、なんかしぶとく生きてるみたいだねー。」

 

「影...死んでたらもっかい殺すとこだったわ。」

 

「とんだ迷惑だ。まぁいいよ。またお前らの顔を見れたし。」

 

「やっほー影、眼帯似合ってるねー。」

 

「そらどーも。お前らは相変わらずか...」

 

「って、影さん、切断されたはずの貴方の左脚が...」

 

「んー?義肢だよ。脚がなきゃ生きてけねぇっての。

 左腕もね。いやー。利き腕の右腕が無事でよかった。」

 

「影...よかった...無事で...」

 

「えー、また泣くのー...まぁいいや。おやすみー。」

 

「「はぁ!?」」

 

「ブランの泣き顔は見たくないって言ったろー。」

 

「言ってたっけ...」

 

「いいやまぁ...なぁお前ら、次、何すればいい...?」

 

「...?どーいうこと、影?」

 

「そら文字通りの意味だよ。」

 

「一概には言えませんが...影さんが正しいと思うことを成せばよいと思いますわ。」

 

「正しいと思うこと、か...」

 

多分この質問は影の布石だったのだろう...だって、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、影は忽然と姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

退院という扱いで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、そこには私達に宛てた手紙があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃちょっと何が正しいか探してくる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「影...お前...お前なぁ...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて私は知る。影はずっと私達の近くにいて、ずっと遠くにいたことを。




今度こそ1章終幕。
生きてたのに今度は失踪。手紙は一文。
なんなんだこの男は。常識的に考えると別れますよね?
こんな影君が暗躍する2章。
都合上原作ステージ2からですが始めます。
ではでは、第1章完結いたしました。
これからも精進して参りますので応援のほど、よろしくお願いいたします。
あと、感想、評価、消化しきれていないですが、活動報告でのパロディリクエスト等、

お待ちしております!どしどし送ってください!

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