女神科高校の回帰生   作:Feldelt

26 / 95
どーも、ゴールデンウィークとは何ぞやと思ってるフェルデルトです。
まぁ、1週間早いゴールデンウィークみたいなのはありましたが。
では、後編、参ります。


砕けるは凍てついた月(後編)

「影、影...!」

 

杖の効果が消え、よろけながらでも私は影の所へ向かう。

後ろではベール達がマジェコンヌと死闘を演じている。

 

「死んでねぇよな...生きてるよな...影...!」

 

後で私の背中を守ってくれた3人にはお礼をしないと。

 

「着いた...っく...」

 

正視出来ない。あまりにも出血量が多いのだ。

 

「影...なんでこんなになるまで...」

 

氷の魔法を操り止血はするも、左目、左足がもう無い影は

見てて涙が出てくる...変身も解ける。

 

「影...嫌...私は、あなたを失いたくない...ねぇ、影...

 私を残して逝かないで...お願い...」

 

影の右手を握る。まだ温かい。

 

「生きてる...?なら早く病院に...」

 

「動かすな...痛むだろ...」

 

その声は紛れもなく今にも死にそうな私の大事な人の声だった。

 

----------

 

「影の黒影だけなのに、やっぱり強い...」

 

いーすんがくれた剣を振るってるのにも関わらず、流石妖刀といった

ところね...けど、負けるわけにもいかない...!

 

「はぁぁ!」

 

ノワールが高速で撹乱して、ベールが槍で隙を突き、私が追い討ちをかけている。

 

「っく、しかしまだ足りないぞ女神共!」

 

ジリ貧ね...

 

「せめて影が起きてブランがこっちに来れば...」

 

そう言った矢先。

 

ギュゥゥゥン...

 

「え...?」

 

ちょうど私の顔の真横をビームが過ぎていった。

 

 

--時は遡って数分前。

 

 

「よぉブラン...戦闘はどうした...まぁいいや...死にきれないとこだったし...」

 

「馬鹿...!あなたは死なない、私が死なせたりなんかしない...!だから弱気にならないで...」

 

--その通りだな...って、泣いてるじゃないか。

 

「泣くな、とは言えねぇな...」

 

しかし、後ろがまだ激戦か...手持ちはディレットシューターだけ。

 

「そうよ...大事な人がこんな大怪我して泣かないはずないじゃない...」

 

「だな...ブラン、少し頼んでもいいか?」

 

もう俺は死んだものと思われてるならチャンスはある。

 

「頼み...?」

 

「あぁ、右腕を支えててくれ...目標を狙い撃つから...」

 

「正気...!?こんな大怪我なのに..!?」

 

--右腕は動くしな。

 

「正気だ。あいつは今俺らは戦闘出来ないと思ってる。

 なら、その油断につけこんで撃ち抜く。」

 

「...相変わらず戦術を組むのが早いわね...いいわ。」

 

「サンキュ...」

 

ディレットシューターをマジェコンヌに向け、右腕をブランに

支えてもらい、照準を定める。

 

「なぁ、ブラン。満足か?こんな世界で。」

 

「いきなりどうしたの、死亡フラグはお断り。」

 

「フラグ関係無しに。満足かどうか。こんな大事な人が傷つくのを

 黙って見てるしかなかった世界。満足か?」

 

「そんな質問のしかたされたら...満足しないわ。もっと平和であってほしい。」

 

「平和、か...その為の俺の血なら...仕方ないか。」

 

あと少しで撃てる...まだぶれてる...

 

「肯定はしないけど否定もしないわ。あなたは私達を守ってくれた。

 今度は、私達があなたを守る番。」

 

「そう...ならさ、とっととあいつ、倒そうか...」

 

「えぇ、完膚なきままに、叩きのめす。」

 

「だから、さ...」

 

照準が合う。

 

「「狙い撃つぜぇぇぇ!!」」

 

そうしてネプテューヌの横を通った光条は見事にマジェコンヌに

直撃、一瞬の隙を作った。

 

そして。

 

「いける..!私の必殺技パート1!ネプテューンブレイク!」

 

「ぬおぉぉぉ!?」

 

ネプテューヌの今まで見たことのない剣撃がマジェコンヌを倒した。

 

「やったな...ブラン...」

 

意識が飛びそうだ...誰か、俺を呼んでる、のか...?

 

「そうね、影...じゃあ早く病院に行かないと...」

 

「そうだね...もう、泣いてないか?」

 

ロムラムの事を教えてくれたあの時みたいに。

 

「ええ。大丈夫よ。」

 

こっちを向いてブランは微笑んだ。

 

「そう...なら、いいかな...」

 

ブランの唇に俺の唇を合わせる。

 

「...!?」

 

--そら驚くよな...もう十分だよ。

 

「ありがと、ブラン...また、会おう、な...」

 

後は運に任せて、俺の意識は三途の川を通行出来るかどうかの

選定を待つだけの暗闇の中に放り込まれた。

 

 

「え、い...?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘、よね...影...こんなの、あんまりだろうが...!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、凍月 影は生死不明となった。




一章終幕!
まぁもう一話ありますけど。
影君、果たして生きているのでしょうか。
話続かない?やめて、そんなこと言わないで。
あ、言ってませんか。←おいコラ。
まぁ、そんなこんなで次回予告いきます。
次回、「遠い夢の祭」
影君、色々ズルいですよね。
感想、評価、活動報告にてのパロディリクエスト、お待ちしてます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。